鈴木光司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『リング』で平成ホラーの金字塔を打ち立てた鈴木光司。だが私は以前から、彼をむしろSF作家として読んできた。『らせん』『ループ』と進むにつれ、物語は怨霊の恐怖を離れ、遺伝子、進化、仮想現実へとスケールを広げていったからだ。
遺作『ユビキタス』は、南極観測隊が持ち帰った「あるモノ」から始まる。原因不明の死、異常な植物の繁殖、宗教団体の集団死、ヴォイニッチ写本。一見ばらばらな謎が、植物という一本の幹に結ばれていく。
中心にあるのは、人間は本当に地球の支配者なのか、という問いだ。『サピエンス全史』には、人間が小麦を栽培したのではなく、小麦が人間を家畜化し、自らの活動領域を広げたというくだりがある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ壮大で読みやすく、哲学的な話を含み、南極殺人バクテリアは怖いんだけど……なんだか、フィクションだからこその大味なところがあるような。
面白いかどうかというと面白い。しかし本から顔を上げて我に返ると、何か変じゃねって思ってしまう。都合が良すぎると言うか。一応の根拠は色々書いてあるけど、辻褄を合わせるために仕方なくこうしましたって感じ。学問を修めた登場人物の「神秘を感じざるを得ない」「明らかに何者かの意図が見られる」「何という偶然だろう」で話が進んでいく。そこに説得力を出してこその小説ではなかろうか。
内容自体も既視感というか、人間は植物に支配されているとか、植物が人間を進化させたとか、植物の -
Posted by ブクログ
ネタバレ映像から文字、そして映画へ...終盤の貞子拡散のスピード感は今までのホラーテイストなじわじわと迫る恐怖に比べると、急すぎて、理屈としてもあまり納得いかんなぁと思ったが、見方を変えればホラーからSFへの鮮やかなシフトチェンジともとれる。確かに論理的には可能なのだ。ただそれがホラーの分脈ではなくなっただけ。
じっとりとした土着的とも言えるホラー(井戸なんかは番町皿屋敷を意識させる)と人類の黄昏を描くSFを遺伝子という普遍的なファクターでこうも見事に繋ぎ合わせることができるのか。オカルト的な怪異である貞子が自らの言葉で語りだした瞬間、人類を滅ぼそうとする宇宙的スケールの侵略者となる。この変身が面白い -
Posted by ブクログ
ネタバレニュースを見て、シリーズを再読しようと久しぶりに手に取りました。
どんどん事実が明らかになり謎が解明されていき、これからどうなっちゃうのか鳥肌が立つ。やっぱりらせんは面白い。
ビデオテープが懐かしい。ダビングや上書き、した事がない若い人はきっとりんぐのホラー感やらせんの論理の腹落ち感が違うんだろうな。公衆電話から連絡したり、ファックスで写真を送ったり、本にならないと世の中の人に広く伝えられない原稿だったり。時代独特の情報の集めにくさが、より恐怖を増している気がするし、登場人物しか知り得ない状況が貞子の再生を後押ししてる気がする。
ハリウッド版ザ・リングでテレビから這い出る解像度が高いよく -
Posted by ブクログ
ネタバレ鈴木光司さんの本は初めて読んだ。
中学生の時、あんだけリングに夢中だったのに。これのジャンルは何だろう
SFかミステリーかホラーか…………
とにかく自然が1番怖いなと思う。
全く未知の想像や予測がつかない自然。
いつも読み終わったら参考文献もみるんだけど、著者は全て読んでるのかな、参考文献めちゃくちゃある。でも読んでないとこれだけの壮大なストーリーは出来ないよな。ほんで新人類が誕生したけどどうなるんだろう。終わりは希望しかない!って感じだったけど。細菌こわい、ますます引きこもりが加速する。
追記:これを読んだあとに映画「ノウイング」をみたんだけど、意識的に聖書が頭の中にあったのか………たまにこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『リング』である程度呪いの正体も掴めたし、呪いをキャンセルする方法も見えてたと思っていました。そのため、今作の序盤で主人公たちが呪いの存在に気づいて調査が始まった段階では、『リング』で行われた調査がまた振り出しになってそれを読まさせられるのかと心配していました。
しかし、そんな心配は杞憂でした。同じ事件でも『リング』とは異なるアプローチでの調査でしたし、なにより、『リング』ではただの怪異として表現されていた現象についても科学的に調査して真相が明かされていく。さらに、新たな謎が幾つも生まれて解決されていく…。もう読む手が止まりませんでした。
ある意味、SFですよね、この作品は。
『リング』より