鈴木光司のレビュー一覧
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最初パラパラと斜め読みしたときは、浅川がビデオを見たあと電話がかかってくるところがメチャメチャ怖かったんだけど、こうしてじっくり読んでみると、ホラーとは言ってるけど、すごく論理的に組み立てられた話だという気がする。ビデオが念写(念像)によるものっていうのも、俺にはギリギリ論理的な回答に思えるし。その分怖くなくなっちゃったけど。「星を継ぐもの」みたいなジャンル外の推理小説ってとこかな。オマジナイを見つけたと思ったら実は・・・、っていう展開もうまい。
しかし、こうなってくるとホラー小説というものについてちょっと考えちゃうなあ。結局正体がわかって理に落ちちゃうと、オカルトでも怖くなくなっちゃうと -
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「人間が生きることを許されているのは、植物の意に沿うように動いているときだけなのだ。」本文より
以下ネタばれ?!アリマス
本書は植物の視点から地球史を見直すという切り口ですが、まさに目から鱗でした。
地球の長い歴史の中で、人間の歴史はほんのわずかといわれています。
その人間は今、地球にやさしく、緑を守ろうと言っていますが…
「…緑を守る?思い上がりも甚だしい。」
と本書は手厳しいです。まあそうかもしれませんが。
かつて瀬名秀明さんは『パラサイトイヴ』でミトコンドリアが意志を持ったら…というシミュレーションをしてくれました。
鈴木さんは今回シアノバクテリアで物語を創造してくれました。
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いやあ〜〜壮大な話だった
植物の重量は99.7% 動物はわずか0.3%だって
ちっぽけな存在 植物に操られているって考え方が今まで無かった でも植物が無かったら生きていけないよなぁ 無意識のうちに植物は動物よりも劣っていると考えてしまっていたかもしれない 人間に見くびられようがられまいが、植物は変わらずそこにあり続けるんだろうけど
読み始めは、南極で色々やってくほのぼのな話かなと思ったら、どんどん暗い感じになってった 死体とかの描写がリアル 科学的な話は難しいところもあって時間がかかったけど、最後まで楽しく読めた
第六台場に行っちゃうあたりから話がぶっ飛んでる感じした -
Posted by ブクログ
最新号のハヤカワミステリマガジンの特集が「ホラーミステリ」。特に「リング」以降の国内ホラーミステリの隆盛についてまとめている。
「リング」は持っているはずだが、どうにも見つからないので本屋で購入。ワクワクしながら読みました。ホラーなのでワクワクではいけないのですが笑
発表当時、純粋なミステリでないので、横溝正史賞の受賞がならなかったらしいが、今の私の感覚だとホラーというよりむしろミステリ。それも「幻の女」のような極上のタイムリミットサスペンス。
モチーフに人智を超えた物への恐れや畏怖があるが、本作の面白さは、その謎解きと主人公コンビがドタバタ動き回るところにある。
映画も見てないが、あ -
Posted by ブクログ
ネタバレ南極の奥深くで氷に閉ざされ眠っていた殺人バクテリアが、南極隊員の"お土産の氷"として日本に上陸!バクテリアによる連続不審死の謎を追うのは、探偵の前沢恵子と、異端の物理学者、露木眞也。ジャーナリストと雑誌記者も加わって、人類を滅ぼしかねない"南極シアノバクテリア"の駆逐に挑んでいく‥。
生物や物理、化学、宇宙。これらの難しい話を、極力わかりやすく、露木や他の専門家のセリフにして読者に提示してくれる。正直、なんとなくしか理解してないけど、学生に戻って授業を受けている気分になれる。そういう難しい話を土台に、シアノバクテリアがいかに生まれ、いかに現代に蘇ったの