鈴木光司のレビュー一覧

  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    先日「恐怖」を読み、こちらも気になったので読みました。こちらの方が、より身近に潜む狂気や絶望を描いている感じがあって、身に迫る怖さがあった気がします。特に印象的だったものだけ、感想を残そうかな。

    「よけいなものが」ー井上雅彦
    この短さで、こんなに身近な違和感を描くことができるのか!と驚嘆しました。なにが「よけいなもの」だったのか、何度も読み直してしまった。

    「五月の陥穽」ー福澤徹三
    これも、身近なところに潜む絶望に次ぐ絶望が恐ろしかった。希望も救いも何もない。ブラックホールに吸い込まれるような気持ちを味わいたいとき、もう一度読みたい。

    「鳥の巣」ー今邑彩
    やっぱり人間が一番怖い!と思ったところで襲ってくる違和感の数々。何が現実で何が怪奇なのか、主人公と同じものを見て感じながら、不気味な世界に取り込まれていく感じが楽しかった。

    2026.10

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    2026年10月22日
  • リング

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     ホラー苦手なわたし、まさか2026年になって初めてリングを読むことになろうとは・・・
     小説よりも映画の印象が強くて、っていってももちろん怖いから観てないんだけど、たしかコンセントが刺さっていないはずのブラウン管のテレビの画面から髪を振り乱した貞子が出てきて、カサカサカサって変な体勢で追いかけてくる、みたいなシーンがあったって聞いたことがあったような気がして(何もかもうろ覚え)、いやいやそんなん見ただけで震え上がって死んでしまうわと思って今まで放置してきたのだけど。知り合いと食事に行ったときに、映画と小説は全然違うんだ、小説はただのホラーを超えたもっとすごいというか深いというかそういうテーマを描いているんだ、みたいな話を聞いて、なるほどそれならと思い立って、読んでみたのであった。
     スピーディーな展開と、キャラクターが立った登場人物たちの軽妙な会話にかなり没頭して、あっという間に読み終わった。しかし、いかんせんタイミングが悪かった。ちょうど長距離移動の日があったので、その高速バスの中で読んでいたのだけれど、読み終わって、目的のバス停で降りたら夜。車通りの少ない田舎街の一本道。一人。徒歩。いやこれやばいやつやん。後ろ振り向けないやつやん。誰かとスマホでテレビ電話でもしようかと思ったけど、インカメラに映る自分の後ろの暗闇になんかoopsなものが映り込んじゃう可能性とか考えたらそれも無理なやつやん。小説の終わり方が妙に開けているというか、物語は終わったんだけど厳密には何も終わっていないという感じだったので、なんかどこか他人事じゃないような気がしてしまって、まぁそんなことはないんだけど、でもやっぱりちょっとひぃ〜と思いながらひたすら進行方向だけを睨みつけて、ガシガシと無心で20分間歩き続けたのであった。
     これまで、映画化された作品を小説で読むと、なんか文章が薄っぺらいというか浅いというか、そういう印象を持ってしまうことが多々あるけれど(凄まじい文才に圧倒されたくて本を読んでいるから)、この本はおもしろかったし文章としても読み応えがあった。シリアスな部分とちょっとコミカルな部分がいい具合に混ざり合っているのが良かった。続編も読む。っていうかもうこうなったら角川ホラー文庫の鈴木光司作品、全部読んでやる。

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    2026年10月10日
  • リング

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    リングといえば貞子、貞子といえばブラウン管テレビから這い出てくるお化けというイメージが定着しているが、そのシーンが小説では一度も出てこなかったことに驚いた。
    時代を感じる言い回しや価値観に多少の違和感を覚えるところはあるものの、とても読みやすく引き込まれるような語り口だった。

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    2026年10月01日
  • らせん

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    すごいぶっ飛んだ話だけど、やけに説得力がある。前作以上に霊的な要素よりも科学的な要素が強い。ゾクゾクとする恐怖と、じんわりした恐怖が同時に存在している。ウイルスや遺伝子の進化と、ビデオテープから書籍・映画といったメディアへの拡がりがリンクしているのが秀逸。現実世界の自分もリング読んじゃってるんだけど大丈夫なのか…という今までに感じたことのない不気味さ。

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    2026年09月27日
  • リング

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    ・映画やテレビドラマとは印象が違った。お化けや呪いががどうのこうのというよりも、ウイルスに象徴されるようにもう少し科学寄りの内容。ただのホラーではなく、そこに至る過程や人間の心理描写も描かれていたのが良い。竜司がとてもいい味出してる。

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    2026年09月27日
  • らせん

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    暗号解読が難しかったけど、ワクワクしながら読めた。
    映画とはかけ離れてる(うろ覚えだけど)。
    ループもいずれ読みたい。

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    2026年09月01日
  • らせん

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    映画未視聴だが、映画見た人の感想ではよくわからない、つまらない、という声がちらほらあったのでどうなんだろうと思いつつ、リングが面白かったのでその勢いで読んだ。
    結果、めちゃくちゃ面白かった。読んで良かった。オカルト的なホラーを望む人にとっては期待外れになるかもしれないけど、コロナを経験した今、ウイルスが広がる恐怖というのはより身に染みてわかる部分もあるだけにより楽しめた。
    最後の安藤の決断は、自分も同じ状況なら同じ決断するだろうなぁと思った。
    ループも楽しみすぎる。

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    2026年08月29日
  • リング

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    子供の頃に映画でしか見たことがなく、貞子がテレビから這い出てくるイメージが強かったが、原作は全く印象が違うと聞いてずっと気になっていた作品。
    読んでみて、確かにホラーというよりはミステリーという印象のほうが強く、先が大体わかってるにも関わらず、先が気になって一気に読んだ。
    映画の記憶が曖昧だけど、映画に比べて貞子にたどり着くまでの道のりが結構長く、その分リミットが刻々と迫ってくるのがハラハラして楽しめた。
    だけど、全然怖くなかったーなんて思ってたら、読んだ日の夜に悪夢を見て、起きたときには貞子の呪いをとかなきゃとか思ったので、しっかりビビってた。

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    2026年08月29日
  • リング

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    映画と全然印象が違う(笑)
    松嶋菜々子がいない!

    大昔に映画館でリングを観て、あまりの怖さに原作は未読でした。

    井戸は出てくるけど、貞子が井戸から出てくる最恐シーンはなく、安心しました。

    呪いが感染し拡大していく、というのは最近の流行りですが、その元祖ですね。

    面白く読めました。

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    2026年08月21日
  • 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    三冊同時発売のホラーアンソロジーのうちの一冊。ようやく最後の一冊を読んだのですが、これが三冊の中で一番好みにあっていて面白かったです。どの話も恐怖が迫ってくるのがリアルに感じられて、夏に読むのはピッタリだったかも。

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    2026年08月13日
  • ループ

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    ネタバレ

    ループはホラーじゃなくてもはやSFだという話は耳にしていたものの、たしかにこれは完全なるSF(しかもちょっとハード目な)だった!

    らせんのエピローグのシーンがそのままループのエピローグになっているところがまさに『ループ』してて、読み終わった後にすぐらせんの最後の数ページを読み直してたw
    人格が竜司から馨になってるから、貞子に加担すると読み取れた台詞は削られてたね。
    あとがきを見るとループの設定は後付けのようだけど、SF好きとしてはとても楽しめました。

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    2026年08月09日
  • ユビキタス

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    ネタバレ

    『リング』で平成ホラーの金字塔を打ち立てた鈴木光司。だが私は以前から、彼をむしろSF作家として読んできた。『らせん』『ループ』と進むにつれ、物語は怨霊の恐怖を離れ、遺伝子、進化、仮想現実へとスケールを広げていったからだ。

    遺作『ユビキタス』は、南極観測隊が持ち帰った「あるモノ」から始まる。原因不明の死、異常な植物の繁殖、宗教団体の集団死、ヴォイニッチ写本。一見ばらばらな謎が、植物という一本の幹に結ばれていく。

    中心にあるのは、人間は本当に地球の支配者なのか、という問いだ。『サピエンス全史』には、人間が小麦を栽培したのではなく、小麦が人間を家畜化し、自らの活動領域を広げたというくだりがある。本作はその逆転の視点を認知革命にまで押し広げ、人類の知性や冒険心さえ植物の生存戦略だった可能性を突きつける。

    こじつけ感はやや強く、説明が前面に出る場面も少なくない。それでも荒唐無稽な仮説を巨大な問いに変える力は、まぎれもなく鈴木光司のものだ。68歳。あまりにも早い死だった。本作は全四部作の第一部だった。続きはもう読めない。彼が最後に播いた問いの種が、どんな物語に育つはずだったのか。惜しまずにはいられない。

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    2026年08月07日
  • ユビキタス

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    ネタバレ

    壮大で読みやすく、哲学的な話を含み、南極殺人バクテリアは怖いんだけど……なんだか、フィクションだからこその大味なところがあるような。

    面白いかどうかというと面白い。しかし本から顔を上げて我に返ると、何か変じゃねって思ってしまう。都合が良すぎると言うか。一応の根拠は色々書いてあるけど、辻褄を合わせるために仕方なくこうしましたって感じ。学問を修めた登場人物の「神秘を感じざるを得ない」「明らかに何者かの意図が見られる」「何という偶然だろう」で話が進んでいく。そこに説得力を出してこその小説ではなかろうか。

    内容自体も既視感というか、人間は植物に支配されているとか、植物が人間を進化させたとか、植物の擬人化とか、聞き覚えがある。人間中心論と言われればそれまでだが、ううむ。

    あんまりヴォイニッチ手稿の意味がないし。そもそも、じゃあどうやってヴォイニッチ手稿は書かれたんだよ。マヤ文明とキリスト教異端の関係は何なんだよ。女性が風呂に入っているような絵は何なんだよ。「読んでもらったら困るけど読んでもらいたい本」っておかしいだろ。愉快犯か。まあそんな雰囲気で話は終わる。

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    2026年08月01日
  • らせん

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    ネタバレ

    映像から文字、そして映画へ...終盤の貞子拡散のスピード感は今までのホラーテイストなじわじわと迫る恐怖に比べると、急すぎて、理屈としてもあまり納得いかんなぁと思ったが、見方を変えればホラーからSFへの鮮やかなシフトチェンジともとれる。確かに論理的には可能なのだ。ただそれがホラーの分脈ではなくなっただけ。
    じっとりとした土着的とも言えるホラー(井戸なんかは番町皿屋敷を意識させる)と人類の黄昏を描くSFを遺伝子という普遍的なファクターでこうも見事に繋ぎ合わせることができるのか。オカルト的な怪異である貞子が自らの言葉で語りだした瞬間、人類を滅ぼそうとする宇宙的スケールの侵略者となる。この変身が面白い。

    ホラーに収まらない小説ではあるが、描写の怖さはリング以上だと思う。特に高野舞の部屋を訪れる場面と、貞子とエレベーターで鉢合わせる場面は素晴らしい。

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    2026年07月26日
  • らせん

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    ネタバレ

    ニュースを見て、シリーズを再読しようと久しぶりに手に取りました。

    どんどん事実が明らかになり謎が解明されていき、これからどうなっちゃうのか鳥肌が立つ。やっぱりらせんは面白い。

    ビデオテープが懐かしい。ダビングや上書き、した事がない若い人はきっとりんぐのホラー感やらせんの論理の腹落ち感が違うんだろうな。公衆電話から連絡したり、ファックスで写真を送ったり、本にならないと世の中の人に広く伝えられない原稿だったり。時代独特の情報の集めにくさが、より恐怖を増している気がするし、登場人物しか知り得ない状況が貞子の再生を後押ししてる気がする。

    ハリウッド版ザ・リングでテレビから這い出る解像度が高いよく動くモンスター貞子を観て笑ってしまってから、貞子はあまり怖く無くなってしまった。酷い目にあった貞子が生き返るのを応援したくなるような、不思議な感覚でらせんを再読してしまった。

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    2026年07月19日
  • ユビキタス

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    学生時代の私にとって衝撃的だったリング。
    なのでしばらく読書から離れていたけれど、とても楽しみでやっと読めた。

    リングのようなゾクゾクする恐怖とは別の怖さ。あぁ確かに…と思いながら読み進めていた。恥ずかしながら考えたこともなかった視点に感心しきりで、最後まで面白かった。多少の非現実的なことはあれど、それすらも気にならない話の展開と適度なスピード感であっという間の体験だった。

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    2026年07月06日
  • リング

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    『リング』はホラーというより「呪いを科学や情報として捉えたSFミステリー」のように感じた。特に印象的だったのは、呪いが幽霊の怨念ではなく念写や遺伝情報のように伝播する現象として描かれていること。恐怖の正体は貞子ではなく、理解できないものを理解しようとする人間の知性がかえって破滅へ近づいてしまう皮肉にある。読み終えたあとに残るのは恐怖よりも「もし呪いがウイルスのように存在したら」という知的な不気味さだった。

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    2026年07月03日
  • エッジ 下

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    ネタバレ

    壮大な夢と無限の絶望。
    不思議だと思っていたのは、小さな世界しか知らなかったから。
    常識や現実がひっくり返され、自分がいた世界はとても限定的な見方に過ぎなかったと気づく。そんな途方もないスケールに触れると、日常の悩みさえ少し小さく思えてくる。

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    2026年07月01日
  • ユビキタス

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    リングシリーズど真ん中世代なので、書店で鈴木光司さんの新作と見たら買わないという選択肢はありません。帯の言葉がとても印象的で、ホラーが苦手な私に読めるのだろうかとだいぶ不安でしたが、読み始めればもうそこには鈴木光司ワールドが広がっていて、これはちゃんとフィクションですよね?と不安を覚えるほどでした。
    とても面白かったのですが、迂闊に感想を書くとネタバレになりそうなので、この辺りで終わりにしますが、この先鈴木光司さんの新作が発表される事は無いのだなと思うと、とても惜しい方が亡くなられたなぁとしみじみ思いました。

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    2026年06月30日
  • ユビキタス

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    ネタバレ

    まるで映画を見ているような本だった。
    もしもの話としてはとても面白かった。危機を脱するだけでも良かったのだけど、新人類の誕生まで話が発展するところは植物の支配がまだまだ終わってなさそうでドキドキした。
    マルチバースの件はあんまりいらないんじゃないかなと、できるだけ不思議要素はない方が好み。
    最後の方の、お互いの体を調べるエッチなシーンに笑ってしまって……
    あと、人類大ピンチなのに、恵子の子供が全く出てこないのもどうなのかと思った。母子家庭なのに子供に相談もなく再婚決めるのかと。

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    2026年06月17日