鈴木光司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人は文字だけで他人をここまで震え上がらせることができるのか、と驚愕した1冊。子供の頃に初めて読破し、心の底から恐怖した。うまく説明できないが、バケモノを見てしまったというような”対象”に対する恐怖ではなく、例えば部屋に一人の時、お風呂でシャンプーをしているときに、後ろに誰かいるのではないか、もしくは人ならざる何かに見られているのではないか、とバッと振り返ってしまうような恐怖のフィルターが、普通だった日常にまとわりつく。こんな読後体験をさせられた小説はその当時このリングだけだったわけで、それはそれは衝撃を受けた。そしてその衝撃は、大人になった今でも色褪せない鮮明な記憶として脳裏に焼き付いている。
その後何度読み返しても、その度に新たな発見がある。日本人で知らない人はいないほど映像作品が有名なあの貞子のリングだが、こちらの読書体験もぜひおすすめしたい。
もう鈴木光司さんの本は読めないのが残念でならない。今後時間をかけて鈴木光司さんの本を1冊づつ読んでいきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ貞子が先行してホラーのイメージが強いが、実際はホラーの枠に全く収まらない。めちゃくちゃスケールのでかい話だった。テレビから出てきてワーキャーしてる映画がくだらなくなる。
他人を犠牲にしてでも助かりたいという人間の生存本能を糧に増殖する、悪意の塊のようなウイルスを産み出したのは貞子か?もはや貞子個人を超えた悪意、増殖への動物的欲望。
まさか天然痘ウイルスの怨念が入ってるとは思わなかった。ウイルスの恨みて。人間中心に考えてるとしっぺ返し喰らう。
オカルトと科学を対立するものではなく、同根のものとする視点も面白い。京極夏彦の百鬼夜行とかと言おうとしてることは近い気がする。
ミステリ、サスペンスとしても完成度が高い。タイムリミットに向かって加速していく焦燥感の表現がすごい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に素晴らしい作品だった。ただ、完全なるSF。
『リング』『らせん』から続けて読んだが、映画版『リング』とはほぼ別物と言っていい。むしろこちらの方が断然面白い。
「この世界は仮想現実なのではないか」という、オカルトやSF好きなら一度は考えたことがあるテーマを、壮大で濃厚なストーリーとともに描ききっている。
ループが発売された当時の時代に、この発想と完成度で作品を世に出した鈴木光司先生は本当に天才だと思う。
ホラー作家というイメージが強かったけど、この作品で「素晴らしいSF作家」という印象に完全に変わった。
特に印象的だったのは、リングウィルスを世界に広めるために『リング』という物語自体が小説・映画・ドラマ・ゲームなど様々な媒体に姿を変えていくメタ描写。
「もしかして私たちもリングウィルスに感染しているのか?」「今生きているこの世界自体が仮想空間なのではないか?」と、読んでいる間ずっと考えさせられた。最高のメタSFだった。
全てを理解した上で、改めて『リング』から読み返したくなり、映画も見直したくなった。
追悼を込めて読み始めたはずが、すっかり作品に夢中になってしまい、、本当に素晴らしい作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校生の頃、単行本で買って初見した。
文庫で再読。
『リング』、『らせん』と続いたあとで、まさかその世界が仮想空間だったと知った時の衝撃はどれほど大きかったか。正直、20年以上前なので覚えていない。
ただ、
生命が誕生したのは偶然ではないのかもしれない。というか、偶然で生まれたはずがない。それくらいあり得ない確率。だとすれば、何者かの手が加えられたのではないか。
じゃあその何者かとは一体何なのか……?
この問いにワクワクしたのは覚えている。
馨の母の、
「サイコロを100回振って六の目が出続けたら、偶然だと思う?インチキを疑うでしょ」
という上手い例えは覚えていた。 -
Posted by ブクログ
『リング』三部作は、
私の中で最高傑作の1つです。
作者の鈴木光司さんが亡くなったと、
今朝の新聞を今読んで知りました。
まさに昨日、遅くまで飲んだ帰り道に、
なぜか鈴木光司さんのエッセイに書かれていた話を
思い出しながら歩いてました。
なんという巡り合わせか…。
『リング』『らせん』『ループ』
あと、『バースデイ』などもあったと思います。
『リング』だけでも面白かったですが、
その後の二作品で
現実世界と仮想空間が繋がっていく話。
何年前の作品?
発想は今の世につながると思います。
いまだにリメイクされたり、
「現代だったら貞子を生み出す拡散は?」などと
解釈をアップデートしながら、
いくつかの作品が生まれてる。
ハリウッド映画にもなったし、
パチンコなどの産業にも使われたし…。
あらゆるメディア、コンテンツに広げたところは、
本作の肝である“拡散“を、
地でいっているようにも感じました。
少し前に出された新作も気になってたところ。
まだまだご著書を読みたかったです。
ご冥福をお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
なんと・・・いやいやいや。
リングとらせん、これ、2つ読んで初めて完成なんだ。
どっちかだけでも面白いけど、らせんまで読むと、もう1段階上がって完成される。表面的な物語を追っただけで何十年も「面白い!」とか言っていた自分・・てかなんで前に読んだ時、そこの部分を味わうことができなかったのか自分。
冒頭から浅川一家の話を読んだ時につい声が出てしまった。
そして・・竜司のバカ!結構好きだったのに。
30年近く前に描かれた話だけど、全然色褪せてない。リングは完全なホラーで怨念とか幽霊とか出てくる(?)オカルト。今回はもう少し現実に近くって・・貞子は映画でテレビから這い出してくるが、あんな感じ・・フィクションだった物語が人々の間で広まりリアルに近づき実際に登場人物と同じ人間が生まれる話があったけど、まさにこれもそう。いつの間にか読者も巻き込まれちゃってる!ああーぁ。そういうことだったのね!ほんとなんで印象に残っていなかったのだろ?
ここにも「一つになりましょう・・」の亜種が。
あ、この場合は意識は別なのかな?でも全人類が同じDNA?・・・全然想像できなかったんだけど、え。どういうことなんだ。
これがさらにループへ。。もっと物体を持って現実にはみ出してくるのだろうか?
すんごい楽しみ!