鈴木光司のレビュー一覧
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おおお。懐かしい。昔の記憶を掘り出しながら読んだけど所々忘れてた。高山竜司てこういう人物だったっけ…笑
それから、小野不由美さんのゴーストハントも思い出していた。少しずつヒントを集めてって、これか?…これだ!と思ったら実はもう1段階(2段階の時もある)あってラスボスが…違う!という展開。リングも、あぁあこれで助かった(多分)と安心していたら突如また時間との戦いが始まるという。初めての時は中盤以降ずーっとハラハラドキドキで読んでたっけな。今回も怖かったけど…
山村貞子の怖さ。
今は「来る〜!きっと来る!」…の音と、黒い長髪・白ワンピが有名になっちゃったけれど…いやいや全然違うから。ジャパニーズホラーて、そういうことじゃないねん笑 あんな姿とか、なんだっけびっくりさせて恐怖を煽る手法?ああいうのなくても、むしろない方がずっと怖いねん!と声を大にして言いたい。もちろんエイリアン的なハラハラの映画も大好きだけどね。
山村貞子の秘密、あーーそういえばそうだったね!それに、それを当時は「悪趣味なネタ」くらいにしか思っていなかったけれど(若かった)、今読んでみると貞子が強い力を持った理由というか、その力の存在の由来の一つとしては決して外せない要素だったね。陰と陽との完全体だってこと。増殖できないこと。
ウィルスの話も面白かった。
若い頃読んだ時はこれが頭に入ってなかったんだなぁー。何読んでたんだ?笑
ホットゾーンでも読んだやつ。ウィルスが生物と無生物の間を行ったり来たりしていること、増殖することが目的である(?)こと、他の生物の一部だったこと。増殖しすぎたら宿主が死ぬイコール自分も死ぬのに、なんで増殖を繰り返すのか…
ループの後に「エス」「タイド」とまだ2作あったの知らなかった!3つ再読した後、残りも読んでみる。
すごく楽しみ。 -
Posted by ブクログ
私のは『角川ホラー文庫30周年記念 最恐の書き下ろしアンソロジー 特装版BOXセット』で、その1冊。文庫サイズだけどハードカバーで、おどろおどろしい表紙が素敵。ボックスのにゃんこはかわいい。
『828-1』は文庫版『身から出た闇』で読んでいたので再読。「死神」の定義が妙に納得できて怖い。そういうものかもなと思うと、ふと頭に繰り返し浮かぶ言葉を訝しんでしまう。
一穂ミチさんは初めましてだったけど、その「体験描写」がとてもリアルで「視える人ってこうかも」と思えるほど。憑かれる理由も抗う様子も生々しくて読んでいて力が入った。
鈴木光司さんのお話はまるでドキュメンタリーを追っているかのよう。モキュメンタリー?違うな、「本物でしょ、これ」と思えてならず、あらためて『リング』を読みたくなった
あと2冊も並行読書中。ボックスセットなので楽しみが途切れず、楽しい -
Posted by ブクログ
ネタバレ初読時『リング』よりも科学的で論理的で面白いなと感じたことを思い出した。
読み直しても改めてそう思った。
『リング』では訳が分からなかった現象を科学的、医学的根拠から解き明かしていく。
暗号の解読も面白い。
ただホラー現象が解き明かされて興醒めとならないのが『らせん』である。
ある程度分かったところで、事態は更にその上を行く。
そもそもビデオに念写してウイルスが……という前提からして荒唐無稽、超常現象だ。
死因が何か分かっても、ウイルスの姿が分かっても、とんでもないことが起きていることに変わりない。
それは終盤、最高潮を迎える。
『リング』とはまた別種の怖さがそこにあった。
以前読んでオチは覚えていたにも関わらず、これでいいのかと恐ろしくなったという。
ただ解説にもあった通り、この話は単純にホラー作品という括りでは捉えきれないと思う。
サイエンス話でもあり、家族の物語でもあり……ともあれ唯一無二の作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ10代で読んだときとは読後感が随分と違った気がする。
どの話も基本的にオチを十全語ってはくれない。
ほぼ答えは確定しているようなものの、他の解釈もできる余地がある。
当時はそれを物足りなく感じたが、今はその余地というか余白が嬉しいという。
最近は何でもかんでも説明しがちだから余計に。
おいしいところでぶった斬られている話もありつつ、それでも物足りなさを感じないのは、人物や情景描写が驚くほど緻密で、いい意味で生々しいから。
実に様々なキャラクターが出てくるが、どのキャラクターも本当に生々しかった。
それを思い知らされた短編集だった。
個人的には、悲しい設定ながら希望も持てる『森に沈む森』が他のホラー作品とはまた毛色が違って印象深かった。
この話の情景描写も見事なのだ。
プロローグ・エピローグにも繋がる話だから、より思い入れが強いのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
二〇二五年の読書におけるベスト。今年はたくさん本を読んだわけではなかったけれど、それでも、読んだ中で一番の出来だった。連載開始から十数年、待ちに待った単行本化であり、鈴木光司がこれまで描いてきた「世界そのものへの謎」へのアプローチの集大成とも言える一作だ。
南極深層の氷、ヴォイニッチ手稿、都内で起きる連続変死事件、そして新興宗教団体。一見バラバラな素材が、主人公の調査を通じて一本の線に束ねられていく。その収束の快感がまず凄い。ミステリとしての謎解きの面白さにとどまらず、人類や宇宙、世界の領域へと物語が拡張していくドライブ感は、まさに作者の真骨頂だ。デビュー作『楽園』や『神々のプロムナード』『エッジ』、『リング』シリーズで培われてきた要素が、形を変えつつ、より洗練された状態で統合されている。
とりわけヴォイニッチ手稿という「解読不能な謎」への挑戦が、物語の推進力として機能している点が素晴らしい。僕自身、かつて何者かによって手帳に記された謎の数字を解こうとして結局何も掴めないまま年月だけが過ぎた不思議な経験がある。あのとき感じた、解読の入口に立っているのに永遠に入れない感覚――そういう「不可知の魅力」が、ここでは物語のエンジンになる。
一般にホラー作家として認知されがちな著者だが、本作が突きつけてくるのは、怪物の出現よりも「常識だと思っていた骨組みの崩壊」だ。
世界の仕組みを知りたいという欲求――それ自体を物語に変える、未知への自由研究のような無邪気さと熱量がある。
そして恐怖の質もまた、貞子がテレビから出てくるような視覚的なものではなく、自分が立っている大地が足元から書き換えられていく感覚に近い。盤石だと思っていた現実が、新たな論理によって更新されていくスリル。しかも、その飛躍は飛躍のまま終わらない。宇宙や意識や“神のようなもの”へと話が跳ぶのに、科学的な説明でSF/ミステリーとして成立させ、説得力のあるものとして着地させてくる。この技量こそが鈴木光司作品の醍醐味であり、『ユビキタス』はそれが最大出力で発揮された一冊だと思う。
後半を「ホラーとして失速した」と言う声が出るのも分かる。でも鈴木光司は、もともとジャンルを飛び越える作家だ。欠点ではなく、本領だろう。高山竜司を彷彿とさせる「稀人」的なキャラクター造形も、ファンとしては嬉しい。既視感はあるが、それはマンネリではなく、作者が信じる「ある種の人間像」の強度を示している。
タイトルの「ユビキタス(偏在)」が示す通り、今回のテーマは植物だ。あの表紙が示す静かなる支配と、全体を貫く大きな意志の力に圧倒された。中学時代、『リング』で世界の見方を変えられた僕が、大人になった今、再びその原点にして到達点を見せつけられた気分でいる。傑作。 -
Posted by ブクログ
重厚なSFだった。
実は人間は植物の意向に沿って生かされているという衝撃的な内容だった。植物の種を世界中に行き渡らせる為に、アルカロイドの刺激により言語中枢が刺激され、人間は言葉が話せるようになっただとか。
『人々が自然保護を謳うとき、「緑の地球を守ろう」というスローガンを掲げることが多い。この場合の「緑」はとは植物のことを指す。生物にもかかわらず、なぜか、植物は自然の一部に組み入れられてしまう。ノアの方舟に乗せられたのは動物のつがいだけで、植物は乗せてもらえなかった。
もし植物に、人間の言葉を理解する能力があったなら、「緑の地球を守ろう」というスローガンを聞いて、腹を抱えて笑うに違いない。笑い過ぎて、涙をこぼす。
……緑を守る? 思い上がりも甚だしい。お情けで、生かされている立場を自覚したほうがいい。
動物に対する生殺与奪の権限を握っているのは、地球に生息する生命全重量の99%以上を占める植物である。特に人間は、生存に必要なカロリーの七割以上を、コメ、ムギ、トウモロコシなどの穀物に依存している。
植物に対する動物の割合は0.5%から0.3%程度で、人間となればたった0.01%に過ぎない。そんなちっぽけな人間が、しゃーしゃーと「緑の地球を守る」とスローガンを唱えるおかしさは、生まれたばかりの新生児が「パパとママを守る」と宣言するようなものだ。』 -
Posted by ブクログ
ネタバレどの段階で「そのこと」に気づいていたのか、それとももう幾分か感染の影響であったのか。ただし、完全にはそうとも言いきれず。人間側の意思とウイルスの意思の境界線はどこにあったのか。遺伝子が人間を支配しているのか、人間があっての遺伝子なのか。
塩基配列からここまでの問題提起を包含できるのはもの凄い。専門的な話題が多いにも関わらず、次へ次へと読む手が止まらないのは、主人公のPDCAサイクルの異様な速さにある。Cの段階で次のPが始まっているのだ。だから中断ができず平日の2日で読み終わってしまった。助かったような残念なような。
見たもの読んだものが脳からのどんどん抜けていく世代になってきているが。今回は流し読みに近いスピードで読んだのに文字がどんどん入ってくる感じがした。脳に直接文字が入ってくる感じで、これはもはや感染では?と思うほど。読書のゾーンに入ったような感覚で読み終えた。
読み終わると全てを「らせん」目線で見てしまう。目の前の事象は自分の意思なのかそれとも遺伝子によるものなのか。それとも他に潜む何かの意向なのか。そして気づいてしまう、「いでんし」の中に「いし(意思・意志)」が紛れていることに。さらに遺伝子という言葉が「子孫に遺し伝えるもの」という意味なのか「伝える子孫を遺す」という意味なのか……