鈴木光司のレビュー一覧
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二〇二五年の読書におけるベスト。今年はたくさん本を読んだわけではなかったけれど、それでも、読んだ中で一番の出来だった。連載開始から十数年、待ちに待った単行本化であり、鈴木光司がこれまで描いてきた「世界そのものへの謎」へのアプローチの集大成とも言える一作だ。
南極深層の氷、ヴォイニッチ手稿、都内で起きる連続変死事件、そして新興宗教団体。一見バラバラな素材が、主人公の調査を通じて一本の線に束ねられていく。その収束の快感がまず凄い。ミステリとしての謎解きの面白さにとどまらず、人類や宇宙、世界の領域へと物語が拡張していくドライブ感は、まさに作者の真骨頂だ。デビュー作『楽園』や『神々のプロムナード』『 -
Posted by ブクログ
朝宮運河さんの「現代ホラー小説を知るための100冊」を読んで、掲載本を全部読んでみたいなとなりまして。
そのトップを飾っていたのがこちら。
言わずもがなの本で。
やはり現代ホラーはここから始まったと言えるのですね。
日本中から始まって、世界中を震撼させ、
貞子のキャラが一人歩きして、
キャラものとすらなってしまいましたが、
35年ぶりに読み返してみると、
そのホラーとしての秀逸さもありますが、
ミステリーとしても極めて優秀。
掴みが怖い。
そして少しずつその深淵に迫りながら、
やはりヒトコワにしっかりと焦点を当てて、
キレイに謎を解いて、
で、やはり恐怖は終わらない、で閉じる。
探偵役のキ -
Posted by ブクログ
重厚なSFだった。
実は人間は植物の意向に沿って生かされているという衝撃的な内容だった。植物の種を世界中に行き渡らせる為に、アルカロイドの刺激により言語中枢が刺激され、人間は言葉が話せるようになっただとか。
『人々が自然保護を謳うとき、「緑の地球を守ろう」というスローガンを掲げることが多い。この場合の「緑」はとは植物のことを指す。生物にもかかわらず、なぜか、植物は自然の一部に組み入れられてしまう。ノアの方舟に乗せられたのは動物のつがいだけで、植物は乗せてもらえなかった。
もし植物に、人間の言葉を理解する能力があったなら、「緑の地球を守ろう」というスローガンを聞いて、腹を抱えて笑うに違いない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレどの段階で「そのこと」に気づいていたのか、それとももう幾分か感染の影響であったのか。ただし、完全にはそうとも言いきれず。人間側の意思とウイルスの意思の境界線はどこにあったのか。遺伝子が人間を支配しているのか、人間があっての遺伝子なのか。
塩基配列からここまでの問題提起を包含できるのはもの凄い。専門的な話題が多いにも関わらず、次へ次へと読む手が止まらないのは、主人公のPDCAサイクルの異様な速さにある。Cの段階で次のPが始まっているのだ。だから中断ができず平日の2日で読み終わってしまった。助かったような残念なような。
見たもの読んだものが脳からのどんどん抜けていく世代になってきているが。今回は流 -
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