帚木蓬生のレビュー一覧
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真っ当な小説を久々に読んだ気がします。勉強不足で、同県民なのに大石堰と五庄屋の事知らなかった…素晴らしい業績。
時代もので農民が中心に描かれてる作品って確かにあまり読んだことが無いかも。その上、庄屋様もお奉行様も利他な人が多くて凄い。庄屋たち、苦労は我々の代で終わらせて次世代に引き継がないという強い意志を感じます。身代潰しても、磔にされても構わない、って相当強い。
農民と庄屋や奉行、階級差は歴然とあるけど下々を虐げることは全く無くて凄い。農民のキツさは今の時代とは比べものにならないけど、農民を虐げて温々暮らす庄屋が居ない……庄屋って悪徳な印象だったけど五庄屋の面々には覆されました。
権がかわい -
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ネタバレ帚木蓬生さんは、〇〇病棟シリーズとかけっこう読んで知っていたのに、この作品を読んでいなかったなんて、何たる不覚!!!もっと早く読むべきだった。
北九州に住んでいたことがあったのに、主人公の息子と同じように中学校で社会科を教えているのに、これを読まないまま今に至ってしまったことを恥じるばかりです。
小説は、強制連行で朝鮮から筑豊炭田に連れて行かれた人物の回想という形をとっている。回想しつつ、決意を固め、三たび海峡を渡って40年ぶりに日本へ行く。わけもわからぬまま日本に連れて行かれる場面、親と別れる場面や移動中の辛いできごと、同胞に助けられたことなど、いちいち涙なしでは読めない。
そしてもちろん -
Posted by ブクログ
すごいなぁ。素晴らしい作品だった‼︎
602ページ夢中で読み、今朝の電車で読み切ってしまいました。何度も胸が熱くなり涙が滲みました。ますます帚木蓬生作品、好きになりました。
人間性そのものへの探究と、事件性のミステリーとの両面、どちらも読み応えたっぷりです。
ちょっと大袈裟な言い方だけど…全人類が読めば良いのに…なんて思いました。
泌尿婦人科の医師、秋野翔子は、天才と評判の医師、岸川に誘われて、サンビーチ病院に転勤する。
医療技術や人材も、施設も充実した病院で、翔子の人柄と技量に魅了され、病院にも活気がでる。
そんな中、翔子は、岸川の周辺での奇妙な変死に気づき…!
両性具有という言葉は -
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ネタバレ帚木蓬生「老活の愉しみ」、2020.4発行。「終活」でなく「老活」。高齢者のためのバイブルみたいですW。大切なことが網羅されています。内容の骨子は: ①2025年は団塊世代がすべて75歳に。健康寿命を延ばすこと ②失うものばかり増える高齢者 ③筋肉こそが日本を救う。著者は1日120回のスクワットを ④この世で大切なのは歯。あいうべ体操とパタカラ体操 ⑤睡眠時間帯を一定に ⑥脳トレ ⑦食がすべての土台 ⑧酒は百薬の長にあらず ⑨タバコは命取り ⑩笑いが人を若くする ⑪健康についての正しい知識と応用 ⑫人(やペット)とのつながりは命綱。
世は終活ブームだけど、老活こそ生命線。帚木蓬生「老活の愉 -
真実は此処に在る…!
2021年8月読了。
この前に著者の『沙林』を読んで大いに心を動かされ(これはこれで必読!)、長らく積ん読状態だった本書を読んだ。
和歌山カレー事件は、オウム同様についこの前の出来事ぐらいの認識だったが、あれからもう20年以上経つのか…。
先日加害者家族(=「林真須美死刑囚」の家族)のドキュメンタリー番組を見たばかりであったのと、その直前には「(彼女の)長女が幼い娘と心中自殺」と云う報道も有った為、この事件の真実は何だったのかを改めて確かめたい思いも有った。
地下鉄サリン事件の方も凄まじかったが、こちらの方も何と凄惨な事件だった事か…、文中にも出てくる「ガヤガヤと騒々しいメディ -
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圧巻のレイモン・マルティの手稿!!マルティは、14世紀、カタリ派を弾圧するローマ教会の審問官について記録するドミニコ会の修道士なのだが、カタリ派の指導者が聖書のイエスの言葉を引用して審問官を糾弾していく姿を見て、本当のキリスト者はカタリ派の人々ではなかったかと思い始めるのだ。マルティとカタリ派の指導者との心の交流は感動的である。イエスは罪と冒涜と腐敗を拒む人々は迫害されると言ったが、その迫害者こそローマ教会である。はっきり言って、ローマ教会は人殺し集団だ。この小説の現代の場面においても、この14世紀のマルティの手稿を抹殺しようと殺人を繰り返したり、誘拐事件を起こしたりするのは教会の手先たちなの
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日蓮の予言「外敵襲来」を確かめるために、千葉安房からはるばる九州西の島対馬まで旅をした見助。いよいよ対馬でその情報を見聞きしていくのが下巻。
「見助」というネーミングがうまい。侍でもない職人でもない、ただ海で舟をこぐのとタイ釣りがうまい漁師。だから西海に出て、果ての島に渡っていくのも得意である、まじめで勤勉な好青年、というのも見知らぬ土地での活動ができるということ。
そんな彼が「蒙古襲来」にまつわる事実関係を把握していく様は、一緒に歴史をひも解いて見ていくようだ。「元寇」が神風で終わったでは済まない、小さな島の逃げ道のなさは残酷な侵略と犠牲的な戦いの現実。その敵も味方もすさまじく容赦がな -
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ネタバレいわゆる医療サスペンスの系譜に分類される小説である。この分野の小説は、あまり読んだことがなかった。同系列のドラマもあまり得意ではない。手術の場面など、いわゆる臓器手術の場面(描写)の生々しさが苦手だからである。
本書の著者は現役の精神科医である。もちろん医学的な知識は豊富で、それがこの小説にリアリティと重厚感を与えている。恐る恐る手にした小説だったが、読んでよかったと感じている。ナースの日常、病院の院内描写、論文の内容の細部に至るまで、あたかもノンフィクションのごときリアリティである。しかし、小説が備えるべき物語性も十分に盛り込まれている。病院の闇を巡る物語にもかかわらず、ラブロマンスの要素も