【感想・ネタバレ】守教(上)(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

九州の筑後領高橋村。この小さな村の大庄屋と百姓たちは、キリスト教の信仰を守るため命を捧げた。戦国期から明治まで三百年。実りの秋も雪の日も、祈り信じ教えに涙する日々。「貧しい者に奉仕するのは、神に奉仕するのと同じ」イエズスの言葉は村人の胸に沁み通り、恩寵となり、生きる力となった。宣教師たちは諸国を歩き、信仰は広がると思われたが、信長の横死を機に逆風が吹き始める。

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Posted by ブクログ

旅行で長崎に訪れた際に、かくれキリシタンに興味を持ち、この守教に出会いました。
この本は、かくれキリシタンの概要を述べることに留まらず、「かくれ」ることになった経緯・歴史、それを取り巻く人々の習慣・知恵・苦悩、そしてそれが先祖から子孫へと受け継がれていく様が描かれています。
非常に生々しく、重たい場面なども多いのですが、それがこの物語に出てくる、信念を持った人々の様子をよく表している気がし、実際に長崎で見た景色と相まって、深く感じ入るものがありました。

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2022年01月08日

Posted by ブクログ

神道と仏教の国にやってきたキリスト教。神も仏も多数、全ての存在にそれぞれの神が在る。対するキリスト教は父である神と子であるキリストと聖霊の三位一体、神は唯一の信仰の対象。
この違いを受け入れる下地は何だったのだろう。特に百姓の暮らしは辛いものがあり、変化を求める思いがあったかもしれない。更に、布教にやってきた人達の何かに引き付けられた気もする。信頼できると思う人の言葉は受け入れやすいだろう。
信じることで暮らしが、物事の受け取り方が良い方に変われば、信じる心はより強固になる。

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2020年04月22日

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