【感想・ネタバレ】守教(下)(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

禁教の嵐が日本を襲った。苛烈を極めた拷問、眼前で行われる磔刑。村々を束ねる大庄屋は懊悩する。棄教か殉教か。隠れることは正しいのか。「人間には命より大切なものがあるとです」一人の男が決断した殉教、あふれてやまぬ涙。信仰とは、救済とは……。江戸時代を通じて、ひっそりと潜教し続けた福岡県「今村信徒」の慟哭の歴史を、真率に描きぬいた感動の巨編。吉川英治文学賞他受賞作品。(解説・縄田一男)

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Posted by ブクログ

 はじまりは一五六九年から、終わりは一八六七年まで信仰のために苦難の道を辿ることになった人々の姿をつぶさに書いた本作は、その大部分が棄教か殉教かをめぐるドラマに割り当てられています。

 文章自体はとても丁寧で落ち着いていますが、描かれる映像は優しさや美しさ、あるいは〈善性〉だけで溢れているわけではなく、特に後半は人間の痛みや苦しみ、悲しみ、弱さが容赦なく描かれています。切々と胸にしみいって、読み終えた時、あぁ読んでよかった、と作者に感謝したくなるような作品でした。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

圧巻の物語。
三十代半ばにして初めて、信仰とは何か考えさせられたように思える。今までももちろん宗教についての本は読んだことがあるけれど、それは単に教義について知りたいという知識欲の延長でしかなくて、精神性についてまで考えが及んでいなかった。というか頭で考えて理解できるものではない…。「信仰とは?」と問われて、賢しらに答えられるものではない。

信仰がこれほど続いたのも、農民の生活の苦しさと信仰の融合性の高さもあるのかなと。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

そうだいな切支丹の生活史。ここまで日々の生活をベースに置いた切支丹の小説が他にあるのだろうか。隠れ切支丹として脈々と世代を繋いでいくもので悲壮さがないのが読んでいてすがすがすら覚えるものだった

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2020年09月01日

Posted by ブクログ

大浦天主堂で、知った 浦上四番崩れについても
この本でよく分かった。
小説であるが、歴史書でもある

この書き振りが、より歴史の重さを教えてくれた

今村教会にも行ってみたい

それにしても 帚木蓬生さんと言う作家は、素晴らしい作品をいくつ残すのか。作家と言うより、研究者である。

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2020年08月23日

Posted by ブクログ

禁教の弾圧をどう躱すのか。殉教か、棄教か、隠すか、どの道にも辛さがある。教えを残すには生き残ることが大切になる。自分の命を差し出すことで大勢の命が難を逃れるなら、差し出すことを躊躇わない。そんな人が確かにいたと信じられる。

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2020年04月25日

Posted by ブクログ

下巻でようやく面白くなってきて、静かに終わる。星2寄りの3かな。説明書きが多いのは仕方ないのだけど、それをあまりセリフにして欲しくなかったかな...読み終わると後味は悪くなくて、九州行きたくなる笑

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2022年12月30日

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