帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めてこの人の本読んだけど、この人すごい!と思った。
痴呆老人、介護士の客観目、安楽死。
日本がこれから直面する問題であろう題材をミステリー仕立てに仕上げられている。
最初の語りあたりは、正直気怠くて、ずっと最後まてこんな調子かなあ。。だったらこの本海外小説並みに分厚いし、途中で挫折しようかなと思ってたんだけど、途中からドンドン面白くなっていって引き込まれていった。
直近未来に痴呆になる可能性がある親を持つ私には、小説の話だけとはいかず、かなり学びの感覚で読んでいった。
それにしても、登場人物の看護士の着眼点は見事としかいいようがない。
途中涙あり、笑いあり、驚きあり、で読み終わったらな -
Posted by ブクログ
精神科医だけど、文学賞を受賞した作家でもあるらしく、文章が上手い。
日本全国どこにでもあり、お手軽に行けるパチンコ・スロットマシーンなどの娯楽がいかに危険か、具体的な統計データや、最近の刑事事件などを引用しながら、論理的に説明していて、非常に説得力がある。
パチンコ業界の利権に群がる警察の実態と、その利権から得られる莫大な金についても冷静に明晰に説明されている。
日本の新聞やテレビは、パチンコ業界と警察の癒着を追及できない。
なぜなら、パチンコ業界から莫大な広告収入を得ているから。
記者クラブでの馴れ合いといい、広告スポンサーへの弱腰といい・・・。
日本のマスメディアの腰抜けぶりは、想 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは、すごい内容の医療サスペンスだった!
かなりのめり込んで読んだ。
生まれたばかりの無脳症の乳児の臓器を移植。
というすごい設定で衝撃的で考えさせられた。
副院長が無脳症の乳児を『物』扱いしたとき、私は怒りを感じた。
けど、、、、、無脳症の乳児の画像をコンピュータで検索して見て考え直した。
ホントに脳がなく頭が平で目が出目金のように出てる写真や、頭の中が露わになってる画像、一つ目の乳児の画像などなど見てとても衝撃を受けた。
正直、人間というよりもエイリアンに近い感じ。
そんな赤ちゃんを自分が産んだらどう思うか。
考えるだけで怖く悲しくなる。
奇形の自分の赤ちゃんを愛せるか。
脳がな -
Posted by ブクログ
ネタバレ帚木さん、さすがです。
ストーリーはドラマチックでぐいぐい読ませるし、人物は魅力的だし、何よりこの題材。
フィクションではあるが少し前の南アフリカ共和国に状況が似ていて、スラムに生きる黒人たちが欲していたのは本当に小さな、よその国では疑問すら持たないような当然の権利だった。
日本人として恵まれた環境に生きていること、充分幸せ(偏った価値観かもしれないが)なのにきちんと感謝できていないこと。そういうのはもちろん感じて頭のどこかで反省したりはするんだけど、たぶん大事なのはそこじゃない。別に説教くさいわけでもなく、読んでいる間はただただ子供たちの病気が治りますようにと祈っていた。
ただ白人側の -
Posted by ブクログ
ドイツ物だからなぁ・・・私の採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし~。
本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。
戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。
戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。
日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。
しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。
著者である帚木(ははきぎ)氏は元精神科のお医者様。
初期の作品はお仕事柄か、精神医学ミステリ -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説でありながら実録のような重みがあり、続けて二度読みしてしまうほど、記憶に留めておきたい作品となった。
一兵卒として軍に徴集される立場と違って、最初から恵まれた立場にあるが、終戦間近には国内の陸軍軍医学校でコウリャン飯が食べられていたなど、知らなかった事が多い。
戦地での食糧不足、医薬品不足、情報不足に苦しみながらも、常に目の前に自身を必要とされている人を優先とする医者という信念に感動する。戦死者より病死者の多さに対する苦悩。さらに戦時下の軍医としての重要な仕事は、死者の氏名を明らかにして戦死者名簿に載せること。これも初めて知った。
「戦犯」という作品で語られた、使役住民の何百人もの