帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
享保十九(1734)年~天明三(1783)年
医師としての技術とそれ以上の心持ち、思想を学び続ける庄十郎。独立を許され開業する。
そして新たな増税。8歳以上一人につき払えという。裕福な者には大したことは無い。子だくさんの貧しい百姓には‥‥
起こるべくして一揆は起きる。増税を言い出した藩は首謀者と庄屋、大庄屋を罰して事を治める。
凌水と名乗りを変え医師として働く庄十郎は、家族の軋轢や百姓の窮状の中で自分の出来ることを少しずつでもしていく。
彼の言葉で気に入ったのが「人生に大事なものは、はとははとははは」
歯、母、はははと笑うこと。ホントだ、父が無いのが侘しいけどね (笑) -
Posted by ブクログ
再読です。
ややドロドロした本が続いたので、真っ直ぐな物語が読みたくなって。
江戸時代、両側を川に挟まれながら台地ゆえに水が回らず、困窮する村々。そこの五人の庄屋が立ち上がり、私財をなげうって筑後川に堰を設けて村に水を引くまでの物語です。
彼らの無私な熱意は藩を動かし、最初は反対をした他の庄屋や町の商人をも巻き込み突き進んでいきます。
悪人が一人も出てこない、真っ直ぐな話です。真直ぐゆえに、ストーリーの曲折は少ないのですが、それを十分にカバーする力があります。
でも、地図くらい付けて欲しかったなぁ。どうも水路の構造が理解できずに、話が見えなくなるところがありました。
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Posted by ブクログ
初めてこの人の本読んだけど、この人すごい!と思った。
痴呆老人、介護士の客観目、安楽死。
日本がこれから直面する問題であろう題材をミステリー仕立てに仕上げられている。
最初の語りあたりは、正直気怠くて、ずっと最後まてこんな調子かなあ。。だったらこの本海外小説並みに分厚いし、途中で挫折しようかなと思ってたんだけど、途中からドンドン面白くなっていって引き込まれていった。
直近未来に痴呆になる可能性がある親を持つ私には、小説の話だけとはいかず、かなり学びの感覚で読んでいった。
それにしても、登場人物の看護士の着眼点は見事としかいいようがない。
途中涙あり、笑いあり、驚きあり、で読み終わったらな -
Posted by ブクログ
精神科医だけど、文学賞を受賞した作家でもあるらしく、文章が上手い。
日本全国どこにでもあり、お手軽に行けるパチンコ・スロットマシーンなどの娯楽がいかに危険か、具体的な統計データや、最近の刑事事件などを引用しながら、論理的に説明していて、非常に説得力がある。
パチンコ業界の利権に群がる警察の実態と、その利権から得られる莫大な金についても冷静に明晰に説明されている。
日本の新聞やテレビは、パチンコ業界と警察の癒着を追及できない。
なぜなら、パチンコ業界から莫大な広告収入を得ているから。
記者クラブでの馴れ合いといい、広告スポンサーへの弱腰といい・・・。
日本のマスメディアの腰抜けぶりは、想