帚木蓬生のレビュー一覧

  • 天に星 地に花 下

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    享保十九(1734)年~天明三(1783)年
    医師としての技術とそれ以上の心持ち、思想を学び続ける庄十郎。独立を許され開業する。
    そして新たな増税。8歳以上一人につき払えという。裕福な者には大したことは無い。子だくさんの貧しい百姓には‥‥
    起こるべくして一揆は起きる。増税を言い出した藩は首謀者と庄屋、大庄屋を罰して事を治める。
    凌水と名乗りを変え医師として働く庄十郎は、家族の軋轢や百姓の窮状の中で自分の出来ることを少しずつでもしていく。
    彼の言葉で気に入ったのが「人生に大事なものは、はとははとははは」
    歯、母、はははと笑うこと。ホントだ、父が無いのが侘しいけどね (笑)

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    2017年05月31日
  • ヒトラーの防具(上)

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    理性の眠りが怪物を育てる、第二次世界大戦のドイツを舞台に期待を裏切らない一冊。歴史と事実は違うからこそ、魅せられる。

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    2017年05月07日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    カジノ法案が成立してしまった状況で、この本を読んだので、日本の未来が心配だ。それにしても役人の天下りと癒着には呆れてしまう。タイトルとおりの本でとても参考になった。

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    2017年04月25日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    こんなに信頼できない『小説』があるとは。
    どう見ても『事実』、
    どう見ても『歴史』、
    どう見ても『人生』。

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    2017年03月16日
  • 安楽病棟

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    刊行されてから20年近く時間を経ているが、
    内容は色褪せないどころか、むしろ、切実になっている。

    いずれもモノローグで記述されており、読み始めは戸惑ったが、
    読み進むにつれ、全体像が掴めるようになり、
    その結末たるや、読者に大きな問いを投げかけるものである。

    高齢化してゆくのが自明である現代日本において、
    誰しもが考えるべきテーマだと思った。

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    2017年02月24日
  • 国銅(下)

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    久々にヒット!
    地味な主人公だけど、奈良時代の話が克明に描かれていてその時代が目に浮かんでくるようだ。
    箒木篷生って知らなかったけど、他の本も是非読んでみたい。

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    2016年11月27日
  • 国銅(上)

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    久々にヒット!
    地味な主人公だけど、奈良時代の話が克明に描かれていてその時代が目に浮かんでくるようだ。
    箒木篷生って知らなかったけど、他の本も是非読んでみたい。

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    2016年11月27日
  • 逃亡(下)

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    1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた―。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった…。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。

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    2016年10月06日
  • 逃亡(上)

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    1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた―。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった…。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。

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    2016年10月06日
  • 国銅(下)

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    東大寺盧舎那仏坐像造立に関わった仕丁の人生物語。「感動した!」・・・。行き切るとは如何なることか、自らの自堕落な生活が情けない。合掌?

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    2016年06月11日
  • 水神(上)

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    再読です。
    ややドロドロした本が続いたので、真っ直ぐな物語が読みたくなって。
    江戸時代、両側を川に挟まれながら台地ゆえに水が回らず、困窮する村々。そこの五人の庄屋が立ち上がり、私財をなげうって筑後川に堰を設けて村に水を引くまでの物語です。
    彼らの無私な熱意は藩を動かし、最初は反対をした他の庄屋や町の商人をも巻き込み突き進んでいきます。
    悪人が一人も出てこない、真っ直ぐな話です。真直ぐゆえに、ストーリーの曲折は少ないのですが、それを十分にカバーする力があります。
    でも、地図くらい付けて欲しかったなぁ。どうも水路の構造が理解できずに、話が見えなくなるところがありました。

    ============

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    2016年06月05日
  • 水神(下)

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    筑後川の流域にありながら高地なため水に恵まれない土地.久留米藩の財政も苦しい中.5庄屋が全財産と命までも投げ売って筑後川大石堰の工事に乗り出す.武士,農民.商人たちの協力のもと大事業は成し遂げられる.3度は泣ける.この物語に悪人は一人も出てこないのが読後感を良いものにしている.

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    2015年11月27日
  • 聖灰の暗号(下)

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    登場人物がフランス語(やらオキシタン語)やらで話しているせいなのか、著者の癖なのか、とにかく一文が長く、接続も多い。しかし、それが翻訳のような雰囲気を生んでおり、外国文学を読んだような後味がある。
    カタリ派から見た歴史も、あるひとつの見方にしか過ぎず、全てを肯定的にとらえてよいのかはわからないが、少なくとも人殺しに神の名を借りる者に、神を説く資格はない。どのような宗教であろうが、罪を犯したり他人を害したわけでなもないのに、特定の思想を持たなければ救わないような狭量な者は、神でなくただの王ではないか。

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    2015年11月17日
  • 風花病棟

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    2015/11/05
    NHKラジオである土曜日の朝に朗読された「かがやく」をきいて涙があふれ、サイトで帚木蓬生さんの作品だと知り本書を手にした。読み進めるのが惜しく一話読むたびに時間を置いた。ほんとうに良い本だった。

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    2015年11月05日
  • 安楽病棟

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    初めてこの人の本読んだけど、この人すごい!と思った。
    痴呆老人、介護士の客観目、安楽死。
    日本がこれから直面する問題であろう題材をミステリー仕立てに仕上げられている。

    最初の語りあたりは、正直気怠くて、ずっと最後まてこんな調子かなあ。。だったらこの本海外小説並みに分厚いし、途中で挫折しようかなと思ってたんだけど、途中からドンドン面白くなっていって引き込まれていった。

    直近未来に痴呆になる可能性がある親を持つ私には、小説の話だけとはいかず、かなり学びの感覚で読んでいった。

    それにしても、登場人物の看護士の着眼点は見事としかいいようがない。
    途中涙あり、笑いあり、驚きあり、で読み終わったらな

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    2015年09月04日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    精神科医だけど、文学賞を受賞した作家でもあるらしく、文章が上手い。

    日本全国どこにでもあり、お手軽に行けるパチンコ・スロットマシーンなどの娯楽がいかに危険か、具体的な統計データや、最近の刑事事件などを引用しながら、論理的に説明していて、非常に説得力がある。

    パチンコ業界の利権に群がる警察の実態と、その利権から得られる莫大な金についても冷静に明晰に説明されている。

    日本の新聞やテレビは、パチンコ業界と警察の癒着を追及できない。
    なぜなら、パチンコ業界から莫大な広告収入を得ているから。

    記者クラブでの馴れ合いといい、広告スポンサーへの弱腰といい・・・。
    日本のマスメディアの腰抜けぶりは、想

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    2017年08月21日
  • アフリカの蹄

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    これは星5つで問題ないでしょう。
    若干うまくいきすぎなところはなくもないけど、でも、これくらいじゃないと酷すぎて読んでられないもの。
    救いが必要。
    現実はもっともっともっと過酷なんだよね。
    日本人として日本に住んでいて、カトリック教育を受けていると今一つ差別してしまう気持ちが理解できないのだけど、ある意味人間の本能的な部分なのではないかと思ってしまったりも。
    考えさせられる作品でした。
    そして「あ~よかった」的な感じでは終わっているけれど、そんな一筋縄ではいかないよね。きっとここからがまた大変なんだよね・・・。

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    2015年03月11日
  • 水神(下)

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    ネタバレ

    福岡県現うきは市の5庄屋が筑後川大石堰の工事に尽力した実話に基づく話(九州農政局HPにも紹介されている)。当時の農村の様子が丁寧に描かれている。読み終わったときの爽快感がいい。

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    2014年12月31日
  • 水神(上)

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    ネタバレ

    舞台は島原の乱後の筑後川流域の農村。上巻は5人の庄屋が立ち上がって久留米藩に堰を作りたいと嘆願書を出すまでの話。川から水を毎日朝から晩まで水を運ぶ仕事をしている若い小作農の眼を通じて話が進んでいる。歴史小説なのに戦国大名や幕末志士が登場する訳でもない。でも心温まる感動的な話。登場人物が筑後弁でしゃべってくれるので、すぐに話に入っていけた。没頭しすぎで最寄り駅に到着したのにも気づかず…。

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    2014年12月20日
  • 水神(下)

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    後半は涙涙です

    堰を作る作業、大きな石を川に沈める描写など実際に観ているようです
    悪人が登場しないところも好きです!

    読みやすく感動的な作品でした

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    2015年02月18日