帚木蓬生のレビュー一覧
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良い本を読んだ。久しぶりに電車の中で熱中の余り、降り損ねかけた。
帚木さんのミステリーっぽくない本を探していて見つけたのがこの本。あらすじを見て、テーマが戦時中の朝鮮人強制労働という政治・民族的なものなのでちょっと悩んだが、帚木さんなら冷静に扱うだろうと考え購入した。
前半は戦時下を中心に現代をフラッシュバックで扱いながら進行する。あまりに屈辱的な日本の朝鮮統治、その中で強制労働に徴集される17歳の主人公。連れて来られた日本の炭鉱での過酷な労働。そして搾取・拷問・・・。帚木さんの端正な文章で綴られるその悲惨さは、扇情的でないために却って胸に響いてくる。
一方で日本人炭鉱労働者が差し出す強 -
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ヒトラーの防具
第二次大戦前に、ドイツを訪れた日本の剣道団体がヒトラー総統に剣道防具を贈呈するとこらから物語は始まる。側近に渡すことができればよいと考えていた贈呈団は、ヒトラー本人が表れて感激する。
ドイツ駐在武官補佐である主人公の香田は日本陸軍中尉だが、折に触れヒトラーの関心を引く。一方で、香田自身はナチスドイツに対し、違和感を抱き続ける。それというのも、香田の周りには、両親、兄をはじめ、魅力的な人間が集まっており、やはりナチスドイツに違和感、あるいは反感を持っているからだ。通常の生活では明らかにすることができない各人の本心が、香田に対しては明らかにされていくところに、香田自身の魅力が表現さ -
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享保十九(1734)年~天明三(1783)年
医師としての技術とそれ以上の心持ち、思想を学び続ける庄十郎。独立を許され開業する。
そして新たな増税。8歳以上一人につき払えという。裕福な者には大したことは無い。子だくさんの貧しい百姓には‥‥
起こるべくして一揆は起きる。増税を言い出した藩は首謀者と庄屋、大庄屋を罰して事を治める。
凌水と名乗りを変え医師として働く庄十郎は、家族の軋轢や百姓の窮状の中で自分の出来ることを少しずつでもしていく。
彼の言葉で気に入ったのが「人生に大事なものは、はとははとははは」
歯、母、はははと笑うこと。ホントだ、父が無いのが侘しいけどね (笑) -
Posted by ブクログ
再読です。
ややドロドロした本が続いたので、真っ直ぐな物語が読みたくなって。
江戸時代、両側を川に挟まれながら台地ゆえに水が回らず、困窮する村々。そこの五人の庄屋が立ち上がり、私財をなげうって筑後川に堰を設けて村に水を引くまでの物語です。
彼らの無私な熱意は藩を動かし、最初は反対をした他の庄屋や町の商人をも巻き込み突き進んでいきます。
悪人が一人も出てこない、真っ直ぐな話です。真直ぐゆえに、ストーリーの曲折は少ないのですが、それを十分にカバーする力があります。
でも、地図くらい付けて欲しかったなぁ。どうも水路の構造が理解できずに、話が見えなくなるところがありました。
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