帚木蓬生のレビュー一覧

  • 水神(下)

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    素晴らしい。感動した。読後感も良い。
    縄田さん絶賛も新田二郎賞受賞も大いに納得で
    登場人物に対する抑制された愛情を感じた。

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    2021年07月16日
  • 聖灰の暗号(下)

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    圧巻のレイモン・マルティの手稿!!マルティは、14世紀、カタリ派を弾圧するローマ教会の審問官について記録するドミニコ会の修道士なのだが、カタリ派の指導者が聖書のイエスの言葉を引用して審問官を糾弾していく姿を見て、本当のキリスト者はカタリ派の人々ではなかったかと思い始めるのだ。マルティとカタリ派の指導者との心の交流は感動的である。イエスは罪と冒涜と腐敗を拒む人々は迫害されると言ったが、その迫害者こそローマ教会である。はっきり言って、ローマ教会は人殺し集団だ。この小説の現代の場面においても、この14世紀のマルティの手稿を抹殺しようと殺人を繰り返したり、誘拐事件を起こしたりするのは教会の手先たちなのだ。あとがきを書いている陣野氏が、フランス語に翻訳されるべきだと言っているが、難しいかもしれない。カトリックに対する明らかな糾弾であるから。問題作だ。排他的で好戦的な宗教に対する挑戦である。カタリ派の平和的で平等で敬虔な宗教観は見直されるべきかもしれない。

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    2021年06月14日
  • インターセックス

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    ノンフィクションともとれる現代の日本のジェンダーや医療と倫理をテーマにした深い内容。ながらにして、ストーリーとしても面白く、ぐいぐいと引き込まれて読めました!
    男と女の性差の前に、ひとりの人間ー、って今日現在に生きる私たちにとって、本当に重要な問いかけですよ。ちゃんと目の前や周りの人に興味を持って、人として幸せに出来てますか?って話。2020年末に読み終えて大変有意義でした。

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    2020年12月31日
  • 襲来 下

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    日蓮の予言「外敵襲来」を確かめるために、千葉安房からはるばる九州西の島対馬まで旅をした見助。いよいよ対馬でその情報を見聞きしていくのが下巻。

    「見助」というネーミングがうまい。侍でもない職人でもない、ただ海で舟をこぐのとタイ釣りがうまい漁師。だから西海に出て、果ての島に渡っていくのも得意である、まじめで勤勉な好青年、というのも見知らぬ土地での活動ができるということ。

    そんな彼が「蒙古襲来」にまつわる事実関係を把握していく様は、一緒に歴史をひも解いて見ていくようだ。「元寇」が神風で終わったでは済まない、小さな島の逃げ道のなさは残酷な侵略と犠牲的な戦いの現実。その敵も味方もすさまじく容赦がないということをつぶさに見ていく見助。

    7世紀前の出来事ではあり、小説という形ではあるけれども、現代にも通じるものがある。日蓮という思想家の宗教も絡んではいるが、日蓮宗の解釈は重要ではなくて、人間としての生き方のやさしい解き明かしになっているのが好感。

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    2020年09月22日
  • 風花病棟

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    ちょっと心が辛いときに読みたくなる本。立ち止まって後ろを振り返って良いし、そうやって日々を過ごしていけばいいんだな、と。優しい気持ちになれます。

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    2020年07月23日
  • 閉鎖病棟

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    感動

    閉鎖病棟に居る患者たちの互いを思いやる気持ちの美しさに感動しました

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    2020年01月19日
  • 水神(上)

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    中村哲さん急逝で読み直した。涙なしに読めない。江戸時代、身代をかけて筑後川に大石堰を築いた五人庄屋の実話に基づいた小説。五人を取り巻く人々が、細やかに描写されている。決して聖人君子物語ではない。

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    2020年01月15日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    いわゆる医療サスペンスの系譜に分類される小説である。この分野の小説は、あまり読んだことがなかった。同系列のドラマもあまり得意ではない。手術の場面など、いわゆる臓器手術の場面(描写)の生々しさが苦手だからである。
    本書の著者は現役の精神科医である。もちろん医学的な知識は豊富で、それがこの小説にリアリティと重厚感を与えている。恐る恐る手にした小説だったが、読んでよかったと感じている。ナースの日常、病院の院内描写、論文の内容の細部に至るまで、あたかもノンフィクションのごときリアリティである。しかし、小説が備えるべき物語性も十分に盛り込まれている。病院の闇を巡る物語にもかかわらず、ラブロマンスの要素も(決して甘くなり過ぎない程度に)入っているのだから、この小説だけで幾通りもの楽しみが詰め込まれているといっていい。
    臓器移植を巡る倫理性を読者に突きつける話であり、「無脳症児」といういわば奇形の赤ん坊が登場する。寡聞にして、「無脳症児」なる症例は初見であり、医学的な知識が皆無な自分には医学百科的な楽しみもあった。何せ無脳症児の作り方まで書かれているのだ。
    医療の世界が舞台ということで食わず嫌いになっていた時間がもったいないと思えるほど、引き込まれる作品である。丁寧で、奇を衒うことのない描写も好感が持てる。エキセントリックなタイトルも、読後には印象が変わっているだろう。

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    2019年08月06日
  • アフリカの蹄

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    おそろしい物語でした。さすがにこれはフィクションだと思いますが、つい20年ほど前までアパルトヘイトという差別が現実に存在していたというおそろしさを垣間見た気がします。

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    2019年01月26日
  • 臓器農場

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    ケーブルカー。生まれ育った長崎にふと思いを馳せる。規子と的場医師の出会いもとっても素敵だったが、ラストシーンで(うすうすわかってはいたものの)明確になる的場医師と規子の思いに胸熱くなった。あぁ。規子と的場医師が結ばれてほしかったな・・・

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    2018年10月12日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

    nao

    購入済み

    とても面白く一気読みしましたが、読んでいて気持ち悪くなりました。
    お金の為にここまでやるのかと衝撃を受け、
    巻き込まれた方々が本当に気の毒で悲しくなりました。

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    2018年09月01日
  • 蛍の航跡―軍医たちの黙示録―

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    蠅の帝国の2冊目。
    開戦時に「負けるね」という連隊長があんまりにインパクトがあって、現場はそんなもんだったかーと思った。

    まぁそれが主題じゃない。
    この本は、ジャングルの中を彷徨するイメージが強い。

    阿部昭風に言えば、「戦中派の帰ってきた人たち」の声は、こうして話してくれれば掘り起こすことができるけれど、その背後には語ってくれない人々の無数の戦争が埋もれている。
    そして帰ってこられなかった無数の人びとの声もまた、埋もれている。
    これらは掘り起こす事も出きず、知らない私たちが想像すれば、変質し、化け物になる。
    …形にしても化け物になるけれど。

    こういう本は、何も考えず、何も探らず、そのまままっさらな気持ちで読むほうがいい。
    自分は軍医で、手には薬も機材も何もなくて、でもけが人病人は目の前に横たわっている。
    さぁ、どうする?

    読み終えた私にあったのは、声なき慟哭だけだった…。

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    2018年03月22日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    ふと、本屋さんの本棚で見つけた。
    最初見つけたときは、またどうせ、ありきたりの体験談手記じゃいやだなぁと思って手に取ることもせず。
    これを世間では食わず嫌いという。

    いやはやふと思い立って急に買って、でもしばらく放置。
    そしてある日、急に読みたくなって読んだわけだが、よかった。読んでよかった、買ってよかった。

    とても淡白、冷静。「私」になりきってしまって、通勤時間が広島だったり空襲後の東京だったり、朝の時間に読むには結構つらかった。帰りもなかなかつらいけど。
    視点がいつも「私」なので、吉村昭より読みやすいかも。だけれど、感傷に浸る前に現実が押し寄せて来て、立ち止まりもできないし、泣いてもいられない。
    生きよう、今できることをしよう、何ができるだろう、この何もない状況で。という思考が止まることがない。
    読みえてとても疲れたけれど、また再読したい。
    作家のライフワークだという作品って、こんなに重たいのだと、そして何度も読みたくなるものなんだと感じた。

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    2018年03月19日
  • 風花病棟

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    ネタバレ

    帚木蓬生、いい作品が多いと改めて思う。
    これを読むの、3回目。
    どの先生も、穏やかでいいドクターです。こんなドクターにかかりたいと、みんな思うことでしょう。

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    2018年03月11日
  • 臓器農場

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    ミステリー好きになったきっかけの本。
    夜読み始めたら止まらなくなり、そのまま最後まで読んでしまった。
    内容も当時の自分には結構衝撃的だった。
    そのせいか、色々と印象に残っている。
    面白い本だと思う。

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    2017年12月17日
  • 逃亡(下)

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    戦犯という立場、自らの罪意識は持ちつつも、それでもやりばのない国家から見放された理不尽さ、今まで考えたこともなかった戦争の側面を考えさせられた。そしてもうひとつ、下巻を通じて太く貫かれていたのが、嫁の気丈さ。はんぱない。嫁からの手紙は本当に泣けました。

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    2017年11月22日
  • 三たびの海峡

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    良い本を読んだ。久しぶりに電車の中で熱中の余り、降り損ねかけた。
    帚木さんのミステリーっぽくない本を探していて見つけたのがこの本。あらすじを見て、テーマが戦時中の朝鮮人強制労働という政治・民族的なものなのでちょっと悩んだが、帚木さんなら冷静に扱うだろうと考え購入した。
    前半は戦時下を中心に現代をフラッシュバックで扱いながら進行する。あまりに屈辱的な日本の朝鮮統治、その中で強制労働に徴集される17歳の主人公。連れて来られた日本の炭鉱での過酷な労働。そして搾取・拷問・・・。帚木さんの端正な文章で綴られるその悲惨さは、扇情的でないために却って胸に響いてくる。
    一方で日本人炭鉱労働者が差し出す強制労働者への小さな救い。炭鉱を脱走後、逃げる主人公を救う同胞の友情。そして知り合った日本人女性との深い愛。これらが悲惨さの中に適度に入り混じる事により、この物語は救済されている。そして、その為に”決して繰り返してはならない歴史”を素直に認識し、受け止める事が出来るのだと思う。
    唯一の不満は最終章の手記。過去の清算ではなく、未来に向けた希望という方向で物語を閉じる方法もあったように思うのだが。
    いずれにせよ素晴らしい作品だと思います。
    〔5/26追記〕試験が終わったばかりで退屈そうな娘に「読んでみたら」とこの本を渡した。すでに夕方だったが、一晩で読み終え、翌朝「面白かった」と言っていた。私が気になったエンディングも彼女には良かったみたいです。

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    2017年11月16日
  • 逃亡(上)

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    憲兵視点での読み物は個人的には初めてなのでとても新鮮。戦争にはこういう側面もあるのかと。下巻に向けて逃亡も本格化しそうできたいたかまる。

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    2017年11月11日
  • 天に星 地に花 下

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    最高です。全編にわたり優しさに満ち溢れています。まさに慈愛です。
    庄十郎少年を優しく見守る父と母、鎮水先生とつる婆さん。そして立派な医師に成長した凌水先生の患者や子供達へのまなざし。九州訛りがより優しく感じられます。本当によかです。
    電車の中で読むと、涙で目が霞んで困ります。蓬生先生、素晴らしい小説をありがとうございました。凌山先生を主人公にした続編をぜひお願いします。

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    2017年06月29日
  • 水神(上)

    購入済み

    水神(上)

    江戸時代の百姓の生活環境が良く書かれていると感じました。

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    2017年06月17日