帚木蓬生のレビュー一覧

  • ヒトラーの防具(上)

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    ベルリンの描写が素晴らしい。
    ヒトラーという狂気の持ち主に翻弄されてしまったドイツ国民と
    ベルリンという悲劇の都市、そして
    誇り高く生きた日本人武官。
    歴史の波に流されつつも、自らを貫き通した人々を讃える、
    壮大な叙事詩である。
    感服しました。

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    2010年04月06日
  • 聖灰の暗号(上)

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    一気に読んだ。面白かった!
    人間の心は自由なんだなぁ。
    レイモン・マルティの手稿が素晴らしかった。

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    2010年02月16日
  • ギャンブル依存とたたかう

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    ギャンブル依存を扱った本では、これまでで一番いい。公平な視点でさまざまな治療法について触れているし、著者が小説家でもあるので文章もわかりやすい。

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    2010年04月16日
  • エンブリオ 下

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    まずミステリーとして見るならば、全体を貫くストーリーや様々な仕掛けと呼ぶに値する伏線などは秀逸だと思うし、早く先の展開を読み進めたくなる気持ちははやるばかりなんだけど、肝心なところの多くが明かされぬまま、おそらくは意図的に曖昧なまま置いて小説は閉幕しているので、何だかかゆいところに手が届かないような、指に刺さった棘がなかなか抜けないようなモヤーっとしたものが残る。
    ただ、あえてそんな不満点から述べてしまったけれど、この小説の最大にして唯一のテーマはそういった類のものではないので、謎の多くが明文化して示されていないというモヤモヤ感を打ち消して余りある満足を読後は得ることができた。
    じゃあそのテー

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    2009年12月23日
  • エンブリオ 上

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    まずミステリーとして見るならば、全体を貫くストーリーや様々な仕掛けと呼ぶに値する伏線などは秀逸だと思うし、早く先の展開を読み進めたくなる気持ちははやるばかりなんだけど、肝心なところの多くが明かされぬまま、おそらくは意図的に曖昧なまま置いて小説は閉幕しているので、何だかかゆいところに手が届かないような、指に刺さった棘がなかなか抜けないようなモヤーっとしたものが残る。
    ただ、あえてそんな不満点から述べてしまったけれど、この小説の最大にして唯一のテーマはそういった類のものではないので、謎の多くが明文化して示されていないというモヤモヤ感を打ち消して余りある満足を読後は得ることができた。
    じゃあそのテー

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    2009年12月23日
  • アフリカの瞳

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    アフリカの蹄の続編ともいえる。

    アパルトヘイトに撤廃を成し遂げるが、貧富の差がなかなか埋まらない。貧しさに黒人たちがまだ喘いでいる。

    やがてエイズ感染が広がる。

    世界のエイズ感染者の60%の地域。
    感染からどのように救い出すのか。

    HIV感染者からエイズへ。
    小説を読んで、日本ではどうなのだろうかと思ってしまう。

    HIVとは、エイズとは、小説を通して正確な知識を持って欲しい。

    著者の弱者に対する暖かな眼差しを感じる。
    著者には一貫してこうした弱者に対する視線があり、ホッとする。

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    2009年12月05日
  • 受精

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    日本、韓国、フランスの女性。
    それぞれ事故で恋人を失う。
    その恋人の精子が冷凍保存されていた。
    恋人の子どもが欲しい。
    三人はブラジルのセンタに寮を提供する病院に受精のために行く。

    三人と恋人との逢瀬が実によく描かれている。

    そしてブラジルの風景、情景などが細かく描写されている。

    著者の眼差しを感じる。
    こういう感じはなかなか味わえない。

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    2010年09月07日
  • アフリカの蹄

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    小説の中での「この国」とは南アフリカのことでしょう。あえて国名は明記していない。

    この国に心臓移植の外科医として留学した若き医師がアパルトヘイトに衝撃を受け、黒人たちと共に撤廃の活動をしていく様子を描いています。

    アパルトヘイトとはどんなものなのか、知識だけの理解が恥ずかしい。その知識も現実感がない。若いときに、十代にこのような世界を見ておく必要性がありますね。

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    2009年11月30日
  • 国銅(下)

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    華やかな奈良の都で、大仏造営に携わった国人が主人公の物語。

    銅の産出から、大仏造営と奈良時代の社会、風俗良く描かれていて大変興味深く読めた。

    大仏造営を底辺で支えた人々の営みが興味深かった。

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    2009年10月24日
  • ヒトラーの防具(上)

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    ドイツ物だからなぁ・・・私の採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし~。本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。
    戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。
    著者である帚木(ははきぎ)氏は元精神科のお医者様。初期の作品はお仕事柄か、精神医学ミステリが多かった

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    2009年10月23日
  • アフリカの瞳

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    これもウガンダで一気に読んだ一冊。
    アフリカをディープに読みたいなら、これ!!
    クライマックスも感動しますよ!

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    2009年10月23日
  • 国銅(上)

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    ならの大仏建立の物語です。
    銅を作り上げるまで。
    銅を流し込んで大仏にするまで。
    その過程を体験する一人の若者が苦役に耐えて成長する姿を描いています。
    人生でほんとうに大事なものは何か。

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    2009年10月07日
  • 国銅(上)

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    借本。
    著者の本はこれが初めて。
    仏像の造り方に携わる人の話が読みたくて。
    久々にいい本にめぐりあえた。

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    2012年12月29日
  • 千日紅の恋人

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    『閉鎖病棟』がすごく良かったから、
    帚木蓬生2冊目いってみました。



    こっちも… とっても良かった!
    シンプルな日常の物語なんだけれど、
    登場人物1人1人がすごく魅力的。

    父親の遺したアパート“扇荘”を管理している時子と、
    扇荘に暮らすちょっと変わった住民たち。
    ほんわりする恋の話。


    それは『閉鎖病棟』でもそうなんだけど、
    帚木蓬生さんは人をいきいきと描くのがうまいと思う。

    扇荘に暮らす人たちの描写はもちろん、
    時子と母親が通うカラオケ教室の生徒たち
    時子が働く特養ホームの同僚や高齢者たち
    みんなすごく温かい目で描かれていると思う。

    柏木のおじいちゃんのお葬式の場面がお気に入り。

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    2009年10月04日
  • アフリカの瞳

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    人間の傲慢は、知らない内に黒く広がっていくものなんだと思います。
    けど、それに立ち向かっている人もいる。
    見習えるとは思わないけど、尊敬します。

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    2009年10月04日
  • 安楽病棟

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    ハハキギって読むんだー
    「閉鎖病棟」でドはまりして、次に選んだ一冊です。今の自分にとても興味がある内容。

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    2009年10月04日
  • 受精

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    こんなことが実際あったら怖いよね、と云う感じでしょうか。現代というよりは近未来っぽいかなー…という印象を受けます。屹度、事実に気付かなければ主人公はそれはそれで幸せだったのではなかろーか。ストーリーは別として、こんな凄い医療施設があったらいいですよねぇ。

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    2009年10月04日
  • 国銅(上)

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     若い頃「師」と呼べるような人と出会えることは本当に幸せなことだと思う。
     この物語に出てくる主人公「国人」もそのような出会いを経て次第に成長していく。
     時には死者もでる程過酷な大仏建立の課役を務めつつ、様々な人との出会い、別れを乗り越えて「自分の仏」=アイデンティティを確立していく主人公の様子を、徐々に出来ていく大仏と平行させて描いている。
     「国人」が次第に魅力的な人間に成長していく過程を「景信」をはじめ様々な個性あふれる登場人物や、大仏建立作業はもちろん、その他にも当時の都の様子、食べ物等の細かい風俗描写を織り交ぜて描いており、全く飽きずに読み進めることができた。そして最後には本

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    2009年10月04日
  • エンブリオ 下

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    サンビーチ病院院長の岸川。不妊治療によって200人を超える自分の子供を
    人工授精児として作り出し一方では胎児を利用しつくす。
    中絶、不妊、移植、再生医療、における本質的問題を真正面から取り上げて科学の進歩と社会の変化についていけない政府の無策ぶりを鋭くつく。

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    2009年10月04日
  • 安楽病棟

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    痴呆病棟での介護の姿
    痴呆症状がよくわかる
    その病棟で相次ぐ患者の死
    香川先生の終末期医療の考え方
    こんな実験がほんとにあったら怖い・・

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    2009年10月04日