帚木蓬生のレビュー一覧

  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

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    ネガティヴケイパビリティとは、容易に答えの出ない事態に耐えうる脳力。キーツが発見をし、精神科医のビオンが再発見し、発展させた。

    教育や医療の現場ではポジティブケイパビリティ、つまり即時の問題解決能力が求められ、この事象はわたしの生活でも同じ。実際小学校中学校でも、質問と問いが二項対立にあり、その速度を求められる。またビジネスも同じように事象に対して、過去の経験やフレームワークから解決策を落とし込むことが推奨される。前提として、ビジネスは提供できるサービスの幅や品質などに制限があるため、すべての目の前の患者、目の前の人へ向き合い、一人一人に目を向け耳を貸すことは不可能は部分もあるかもしれないが

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    2025年09月07日
  • 閉鎖病棟

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    めちゃくちゃ好きな系統の本だった。哀しくて温かい群像劇にはこのまま終わらないで欲しいと思ったし、最後の法廷での「退院したよ!」に胸熱だったし、いつかまた読み返してチュウさんや秀丸さん、昭八ちゃんに会いたいと思ったので、文句なく星5つ!

    クロちゃんの自死の心理が丁寧な描写で描かれていたのが、秀丸さんが事件を起こすための心理経過の伏線描写になっていたりして、前半の「病棟の日常風景」が組み上げられて後半のドラマにクローズアップされていく感じ。良かった。
    戦時中の話も絡む時代性や、九州の言葉がガッツリ出てくる地域性なんかもとても味わい深い。

    この精神病院での何十年にも及ぶ生活を送る人々のコミュニテ

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    2025年09月06日
  • 閉鎖病棟

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    Audible !!

    25年振りの再読!
    当時の記憶は重めだけど良い話しだったな〜程度でした。読み返してみて、、うん、重いけど良い話しだった!成長してね〜(-_-;

    ◆2行概要
    精神科病棟のお話で、一人一人の生い立ちをとても丁寧に描写されていました。

    ◆感想
    精神病患者は何をするか分からない危ない人にみられがちってのは昔から言われていることだけど、今でもだな〜って感じました。
    穏やかな人もいれば、怒りやすい人もいる。そんな当たり前のことに気づけない。
    そんな社会だから一時的に休む場所のはずが、ずっといすわってしまう人も多いのかなと。

    ただ、病院に限らず、皆んな何かしらのコミュニティに属

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    2025年08月14日
  • ほんとうの会議 ネガティブ・ケイパビリティ実践法

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    ネガティブ ケイパビリティ
    →【不確実さや神秘さ、疑いの中に、事実や理を早急頼ることなく、居続けられる能力】

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    2025年07月19日
  • 白い夏の墓標

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    「色褪せない」ってこういうことなのかと思った。
    描写が美しくて、頭の中で情景がふぁ〜って広がって、映画を見ているみたいな感覚になった。

    余白がたくさんで、すごく好き。

    最近の本に多いようなスピード感があるからページを捲る手が止まらないのとは違った感覚で、どんどん読み進めて、終わるのが寂しいって思った…もう一回読みたい。

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    2025年07月14日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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     はじまりは一五六九年から、終わりは一八六七年まで信仰のために苦難の道を辿ることになった人々の姿をつぶさに書いた本作は、その大部分が棄教か殉教かをめぐるドラマに割り当てられています。

     文章自体はとても丁寧で落ち着いていますが、描かれる映像は優しさや美しさ、あるいは〈善性〉だけで溢れているわけではなく、特に後半は人間の痛みや苦しみ、悲しみ、弱さが容赦なく描かれています。切々と胸にしみいって、読み終えた時、あぁ読んでよかった、と作者に感謝したくなるような作品でした。

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    2025年07月10日
  • 逃亡(下)

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    ネタバレ

    長い戦争と厳しい日々を乗り越えた主人公は、逮捕され収容所で孤独な時間を過ごしましたが、自分の過去から決して目を背けませんでした。突然の釈放は、長かった逃亡生活の終わりを告げますが、それはただの安堵ではありません。戦争の重い記憶や失った仲間たちへの思い、生き延びたことへの葛藤が静かに胸を締めつけます。上官との再会で交わされる敬礼と涙は、言葉にできない深い絆と人間の強さを感じさせます。生きて帰ることの重さを感じさせる物語です。

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    2025年07月07日
  • 水神(下)

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    水に恵まれない土地で、農民の為、五庄屋が筑後川の堰渠(せきりょう)工事を命と財産を賭して成し遂げた話。
    解説は縄田一男さん。「嗚咽なしには読めない」と書かれている。ああ、自分だけじゃないんだと思った。「私は近来、これほど平易にして達意の文章を操ることのできる作家を知らない。正しくその文章は読む者の心をふるわせるのだ。」これ以上の適切な表現が思いつかず、引用させていただきます。
    帚木蓬生の三部作の一つという事で、「天に星 地に花」に感動して読んだ。次は「守教」を読む。

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    2025年06月13日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

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    答えの出ない事態に耐える力、『ネガティブ・ケイパビリティ』とは何なのかー。

    提唱者は、ロンドン生まれのジョン・キーツ、医師兼詩人。
    その概念を約170年後、奇跡的に再発見した、軍人、のちに教師、のちに精神科医のビオン。

    世の中には分からない事、解決できない事が意外とたくさんある。
    しかし我々の脳は「分かりたがる脳」であるらしく、誰もが問題を解決したがる。それも瞬時に。
    我々はそう教育されてもきている。

    筆者は、謎は謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんの、どうしようもない状態を耐え抜く力こそが必要だと述べている。
    精神医療であれば患者が自ら解決に向うまで。
    教育現場であれば不登校の子どもが

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    2025年06月10日
  • 三たびの海峡

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    知人が長年の希望の舞台出演が叶ったので知った作品。
    医者しながらこれ書けるリサーチ馬力恐れ入ります。

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    2025年05月25日
  • 閉鎖病棟

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    ネタバレ

    うつ病を治療中なので気になって読んでみた。

    はじめの3人のそれぞれの物語が段々と繋がって、チュウさんを中心に病院での日常と共にそれぞれの葛藤が書かれていて、その度に胸が締め付けられ、時には涙した。
    秀丸さんのためにチュウさんが法廷で話した事、最後に伝えた一言で号泣してしまった。
    島崎さんのためにそれぞれが頑張って、そして今度は島崎さんが。

    1996年の作品だけど今の私に身に沁みた。映画化もされてるらしいので観ようと思う。

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    2025年05月14日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    ■ギャンブル症の脳内化学伝達物質
     脳内科学伝達物質には、大きく分けて四種類ある。セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン、オピオイドである。
     セトロニンは衝動の制御。
     ノルエピネフリンは覚醒と興奮。
     ドーパミンは報酬系の制御と行動の維持。
     オピオイドは覚醒剤と同様に覚醒の維持に関与している。
     ギャンブルという特異な行為の反復によってギャンブル症者の脳内化学伝達物質は大きく均衡が崩れる。
     まず、セロトニンの低下が見られ衝動にブレーキがかかりにくくなる。反対にノルエピネフリンとオピオイドは増加する。覚醒と興奮の度合いが強くなり、脳がゆっくり休んでいられなくなる。このときノルエピネフリ

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    2025年05月12日
  • 花散る里の病棟(新潮文庫)

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    病死した父の代まで代々続いた診療所を、主に経済的な理由で、閉じました。現代の開業医は様々な方向から叩かれます。父は夜中よく起こされて診療していたのを覚えています。そんな私がこの作品を読むと、私も耳が痛くなる作品でした。

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    2025年05月01日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    ・ギャンブルは危険。脳の仕組みが変わる
    ・一度脳の仕組みが変われば、復活は難しい
    ・アルコール依存症と構造は変わらない
    ・日本政府はやばい。ギャンブルとの癒着強すぎる。

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    2025年04月30日
  • 香子(五) 紫式部物語

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    源氏物語54帖が完結し、源氏絵を紫式部が母君と見ながら語り合う場面、自分も絵を想像しながら振り返っていました。

    紫式部の生涯と執筆の過程や思いが記されているこの本により、源氏物語の理解が深まりました。

    源氏物語の中には、和歌に心を込めてやりとりする場面が随所に見られます。なんて、風雅なんだろう!作中人物になり変わって、男性の心も女性の心も、歌にたくすることができた紫式部は、すごい人だなぁ。

    高校のとき、漫画「あさきゆめみし」で光源氏の恋愛に興味を持っていましたが、今は男性の物語というより女性の生き方を描いているのかなと思うようになりました。現代語訳でも楽しめましたが、もう一度原文に立ちか

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    2025年03月20日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    我が国のギャンブル依存症治療の第一人者であり、著名な作家でもある著者の一般向けの本。2004年の新潮選書から出たg「ギャンブル依存とたたかう」でも勉強させていただいたが、20年経ち、コロナ禍も経て、ギャンブル依存症がパチンコからオンラインに代わってきた現在、またIR法ができさらにリスクが高まる情勢の中で、改めて書かれた書で、その新しい知見も含めて書かれており、わかりやすく勉強になる。早速、患者さん及び家族のためにどんどん進めている次第である。治療の工夫でSOGSで小結、大関、横綱と重症度判断をして伝える方などは感心した。最後に自助グループの意味合いについて懇切丁寧に書かれているのは同様の類書に

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    2025年02月24日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    なんだか好きそうな考えだなあと思いつつ深掘りしていなかった森田療法。噛み砕いてくれている本書は入門にぴったりでした。

    「反省と吟味は自分の過去の小さな行動までに及びます。現在の行動よりも、過去の行動が重味をもってきます。(略)
    こうなると現在の時間は、過去の言動を点検し、今後の行動を事前に決めるのにひたすら費やされます。いわば、今の時間が、過去と未来の時間に侵入されて、身動きがとれなくなった状態です。」

    これって流行りのマインドフルネスでお馴染み「今ここ」と同じでは?と思いました。イマイチ理解し切れていなかったのですが、森田療法でするっと入ってきて驚きです。
    あとがきにもあるように、考え方

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    2025年02月23日
  • 花散る里の病棟(新潮文庫)

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    彦山ガラガラ 二○一○年/父の石 一九三六年/
    歩く死者 二○一五年/兵站病院 一九四三 ― 四五年/
    病歴 二○○三年/告知 二○一九年/
    胎を堕ろす 二○○七年/復員 一九四七年/
    二人三脚 一九九二年/パンデミック 二○一九 — 二一年

    四代にわたる医師の家
    働き方はそれぞれながら、治療するという立場は同じと思えば違うかもしれないとも思う。
    戦争の時代、パンデミックの時
    思いは乱れたかもしれない

    自分が体験していないことは想像するしかないけれど、できるだけ心を寄せて想像しようと思う

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    2025年01月20日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    主人公にとって大切な2人の命が奪われてしまうことは悲しい出来事だった。
    この本を読んで、助かりたい気持ち、研究心や向上心、助けたいという気持ちの裏側に、犠牲になる命があると知ったらどうする?ということを深く考えた。自分の信念を問われている気がした。

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    2025年01月19日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    「ギャンブル依存症は進行性の病気だ」そう看破する筆者の主張が悲惨極まりない具体的な例とともに語られている本です。ギャンブル依存症とは本人はおろか周りの人も傷つけるものだと痛感します。恐ろしい一冊です。




    いやぁ、恐ろしいですね。ギャンブル依存症というものは。しかも、誰でもかかりうる病であるということ、そして、根治するには専門医の手を借りないとどうしようもないんだということが、いやというほど読んでいてよくわかります。

    僕の場合は、自分がこういうことには人一倍弱い人間だということがわかりすぎるくらいわかっているので、たぶん、この病気には人より早く、また深くかかることになると思うんで、なるた

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    2025年01月14日