帚木蓬生のレビュー一覧
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答えの出ない事態に耐える力、『ネガティブ・ケイパビリティ』とは何なのかー。
提唱者は、ロンドン生まれのジョン・キーツ、医師兼詩人。
その概念を約170年後、奇跡的に再発見した、軍人、のちに教師、のちに精神科医のビオン。
世の中には分からない事、解決できない事が意外とたくさんある。
しかし我々の脳は「分かりたがる脳」であるらしく、誰もが問題を解決したがる。それも瞬時に。
我々はそう教育されてもきている。
筆者は、謎は謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんの、どうしようもない状態を耐え抜く力こそが必要だと述べている。
精神医療であれば患者が自ら解決に向うまで。
教育現場であれば不登校の子どもが -
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■ギャンブル症の脳内化学伝達物質
脳内科学伝達物質には、大きく分けて四種類ある。セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン、オピオイドである。
セトロニンは衝動の制御。
ノルエピネフリンは覚醒と興奮。
ドーパミンは報酬系の制御と行動の維持。
オピオイドは覚醒剤と同様に覚醒の維持に関与している。
ギャンブルという特異な行為の反復によってギャンブル症者の脳内化学伝達物質は大きく均衡が崩れる。
まず、セロトニンの低下が見られ衝動にブレーキがかかりにくくなる。反対にノルエピネフリンとオピオイドは増加する。覚醒と興奮の度合いが強くなり、脳がゆっくり休んでいられなくなる。このときノルエピネフリ -
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源氏物語54帖が完結し、源氏絵を紫式部が母君と見ながら語り合う場面、自分も絵を想像しながら振り返っていました。
紫式部の生涯と執筆の過程や思いが記されているこの本により、源氏物語の理解が深まりました。
源氏物語の中には、和歌に心を込めてやりとりする場面が随所に見られます。なんて、風雅なんだろう!作中人物になり変わって、男性の心も女性の心も、歌にたくすることができた紫式部は、すごい人だなぁ。
高校のとき、漫画「あさきゆめみし」で光源氏の恋愛に興味を持っていましたが、今は男性の物語というより女性の生き方を描いているのかなと思うようになりました。現代語訳でも楽しめましたが、もう一度原文に立ちか -
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ざっくり今日読みました。
ネガティブ・ケイパビリティーーざっくり、宙吊りのままで答えの出ぬ状態に長期間耐える力だと思うんですが。
キーツが参考にされています。二章終わりまではザックリで問題ないです。
記憶していた部分に触れますが、心理療法はネガティブ・ケイパビリティであり、隣で見ている者ーー目薬ですね。隣でまなざす力です。
また親切であること。共感。
この親切であるというのは社会的であるということではなく、隣で長期間まなざしていれば、システムが働き出します。そういう、ある種のコードなのです。
あなたが私をまなざしていたことが、システムとしていつの間にか回り出し、それが双方向に働き出す。
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我が国のギャンブル依存症治療の第一人者であり、著名な作家でもある著者の一般向けの本。2004年の新潮選書から出たg「ギャンブル依存とたたかう」でも勉強させていただいたが、20年経ち、コロナ禍も経て、ギャンブル依存症がパチンコからオンラインに代わってきた現在、またIR法ができさらにリスクが高まる情勢の中で、改めて書かれた書で、その新しい知見も含めて書かれており、わかりやすく勉強になる。早速、患者さん及び家族のためにどんどん進めている次第である。治療の工夫でSOGSで小結、大関、横綱と重症度判断をして伝える方などは感心した。最後に自助グループの意味合いについて懇切丁寧に書かれているのは同様の類書に
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なんだか好きそうな考えだなあと思いつつ深掘りしていなかった森田療法。噛み砕いてくれている本書は入門にぴったりでした。
「反省と吟味は自分の過去の小さな行動までに及びます。現在の行動よりも、過去の行動が重味をもってきます。(略)
こうなると現在の時間は、過去の言動を点検し、今後の行動を事前に決めるのにひたすら費やされます。いわば、今の時間が、過去と未来の時間に侵入されて、身動きがとれなくなった状態です。」
これって流行りのマインドフルネスでお馴染み「今ここ」と同じでは?と思いました。イマイチ理解し切れていなかったのですが、森田療法でするっと入ってきて驚きです。
あとがきにもあるように、考え方 -
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「ギャンブル依存症は進行性の病気だ」そう看破する筆者の主張が悲惨極まりない具体的な例とともに語られている本です。ギャンブル依存症とは本人はおろか周りの人も傷つけるものだと痛感します。恐ろしい一冊です。
いやぁ、恐ろしいですね。ギャンブル依存症というものは。しかも、誰でもかかりうる病であるということ、そして、根治するには専門医の手を借りないとどうしようもないんだということが、いやというほど読んでいてよくわかります。
僕の場合は、自分がこういうことには人一倍弱い人間だということがわかりすぎるくらいわかっているので、たぶん、この病気には人より早く、また深くかかることになると思うんで、なるた -
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日本人全員が読んだ方がいい。
最近よく読む帚木蓬生さんの歴史小説が興味深いものばかりで、今回も内容は知らないまま読み始めた。
タイトルと絵から何度も渡航に失敗しつつ日本に渡った鑑真の話かと予想したが全く違い、強制連行された朝鮮人労働者の話だった。
辛く厳しい話が多いけれども、読み進めさせる力はやはり相当で、特に最後の展開では止まれなかった。
一方、読み終えて今の日本人でこういったことを知っている人はどれぐらいいるのだろうと思った。
自分も聞いた覚えはある程度だけど、私が子どもの頃はまだ戦争が身近だった。
祖父母は戦争を体験していて、8月になると戦争についてのテレビ番組が多く流され、体験者の