帚木蓬生のレビュー一覧
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映画の原作だと知り購入。
ただ思っていた時代背景などが違う上に、精神疾患に対して理解がない時代でもあり、言葉に戸惑って、読むのを辞めようかと思ってしまった。
でも山本周五郎賞を受賞しているとあったので、最後まで読み進めてみた。
精神疾患に理解が得られない時代。
常識から外れると、おかしい、とされる時代。
個性だと認めてもらうことはもちろんなく、家族からさえ疎まれる人たち。
だけど、純粋に人を想いやれるのは、常識内にいるとされる人ではなく、この病棟にいる人たちではないのかな?と思ってしまう。
現代で心を病む人は増えていると聞く。
生きる意味を探している人も多い。
弱くても、存在が薄くても、常 -
Posted by ブクログ
ネタバレカバー裏の内容紹介を読んで、ミステリ?と思ってしまったけれど、この本はミステリではありませんでした。
一体いつの時代の話なのだろうと思うくらい、テクノロジーとは無縁の人々。
「普通」ではないと言われ、「普通」の人たちから隔離され、それでも明るく温かく時に寂しく日々を送る。
ストーリーはもちろんあるのだけど、大事なのはそこではない。
彼ら患者が発病する前の生活、今の暮らし、そしてこれからのこと。
作中で主人公のチュウさんが貰う手紙にこう書いてある。
”病院はついの棲み家ではありません。渡りに疲れた鳥たちが羽を休める杜(もり)でしかないのです。病院で死に鳥になってはいけません。いずれ翔び発って -
Posted by ブクログ
蒙古襲来、元寇・・・
必ず異国が海を渡って日本を攻めて来ると考えた日蓮様は漁師の出である見助を対馬へ送る。見助は日蓮様の耳目として13年間その任にあたり、ついに巨大な船団がやって来る。圧倒的な力に立ち向かうこともできず、ひたすら「見る」事に徹する見助。
蒙古の襲撃の場面は読んでいて胸が張り裂けそうになる。
それにしても帚木先生の作品は、なぜこうも優しさに満ち溢れているんだろう。日蓮様はもとより、鎌倉の干物屋のおかみのたえ、対馬のくったん爺さまと、とい婆さまや密かに心を寄せあうなみ。兄のような馬場冠治、そして海を渡ってやってきた馬の蒙古。全ての登場人物の笑顔が目に浮かぶ。
蒙古襲来がロシアのウク -
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私はギャンブルはしないが、友人にパチンコ・パチスロ狂がいて、その心理を理解する為にこの本を手に取った。
筆者は本書の中でギャンブル依存症患者の事を「鬼・ロボット以下」と評する。
そしてそれは当たっていると思う。
本人だけでなく周りの関係者も不幸のどん底へ叩き落とすから。
ただ、ギャンブル依存症は本人の意志ではなく病気なのだ、という認識は自分には無かったので新たな発見。
本書を読み進めて行くと、なんとこの日本にはギャンブルの誘惑の多い事か。
それも政治がギャンブル狂を作っているフシさえある。癒着と利権まみれ。
単純に個人の弱さと片付けられない。
恐ろしい事だ。 -
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主人公の作田信は30代の外科医師。心臓移植手術を学ぶため、南アフリカの大学病院に留学している。この国では、白人の命を助けるために黒人の臓器が提供され、その逆はない。医学技術の進歩が人種差別の犠牲の上に成り立っている皮肉に、作田も疑問を感じざるを得ない。
作田は、勤務時間外を利用して、町のスラム地域にあるサミュエルの診療所を手伝い始める。
サミュエルはエリート医師として豊かな生活も出来るが、使命感と反骨精神から、自らスラム地域に留まっている。しかし、スラムの環境は劣悪で、医者の手はいくらあっても足りない。
そんな中、黒人の子供たちの間に奇妙な病気が広がり、特に体力の乏しい幼児は次々に落命していく -
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真っ当な小説を久々に読んだ気がします。勉強不足で、同県民なのに大石堰と五庄屋の事知らなかった…素晴らしい業績。
時代もので農民が中心に描かれてる作品って確かにあまり読んだことが無いかも。その上、庄屋様もお奉行様も利他な人が多くて凄い。庄屋たち、苦労は我々の代で終わらせて次世代に引き継がないという強い意志を感じます。身代潰しても、磔にされても構わない、って相当強い。
農民と庄屋や奉行、階級差は歴然とあるけど下々を虐げることは全く無くて凄い。農民のキツさは今の時代とは比べものにならないけど、農民を虐げて温々暮らす庄屋が居ない……庄屋って悪徳な印象だったけど五庄屋の面々には覆されました。
権がかわい