【感想・ネタバレ】閉鎖病棟のレビュー

あらすじ

とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった……。彼を犯行へと駆り立てたものは何か? その理由を知る者たちは――。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ好きな系統の本だった。哀しくて温かい群像劇にはこのまま終わらないで欲しいと思ったし、最後の法廷での「退院したよ!」に胸熱だったし、いつかまた読み返してチュウさんや秀丸さん、昭八ちゃんに会いたいと思ったので、文句なく星5つ!

クロちゃんの自死の心理が丁寧な描写で描かれていたのが、秀丸さんが事件を起こすための心理経過の伏線描写になっていたりして、前半の「病棟の日常風景」が組み上げられて後半のドラマにクローズアップされていく感じ。良かった。
戦時中の話も絡む時代性や、九州の言葉がガッツリ出てくる地域性なんかもとても味わい深い。

この精神病院での何十年にも及ぶ生活を送る人々のコミュニティは社会から隔離・閉鎖された時空間で、ホロスコープでいう12ハウス。
「患者はもう、どんな人間にもなれない。(中略)そこではもう以前の職業も人柄も好みも、一切合切が問われない。骸骨と同じだ。」
そこから、チュウさんは退院というプロセスを経て、1ハウスの自分自身を生きるシャバに飛び込んで(戻るというよりも新たなチャレンジとして)行ったんだな。
「すべてを自分の意志で自由に決定できる。それこそが病院の中にいる患者との決定的な違いだ。」
中学生の身に余る多難を経験した島崎さんが未来に向かって歩み出している終わり方も、こちらの心まで希望に照らされるようで良かった。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

Audible !!

25年振りの再読!
当時の記憶は重めだけど良い話しだったな〜程度でした。読み返してみて、、うん、重いけど良い話しだった!成長してね〜(-_-;

◆2行概要
精神科病棟のお話で、一人一人の生い立ちをとても丁寧に描写されていました。

◆感想
精神病患者は何をするか分からない危ない人にみられがちってのは昔から言われていることだけど、今でもだな〜って感じました。
穏やかな人もいれば、怒りやすい人もいる。そんな当たり前のことに気づけない。
そんな社会だから一時的に休む場所のはずが、ずっといすわってしまう人も多いのかなと。

ただ、病院に限らず、皆んな何かしらのコミュニティに属してて、一括りにされてる面はあるなぁと思った。その中にいるのは楽なんだけど、日々流されていく感がある的な。
まぁそんな日々が幸せなのかもだけど、、

一つのコミュニティだけだと周りが見えなくなるし、その一つに合わないと逃げ場が無くなるから複数持って一人の時間も大切にってことかな。

等々、色々と考えさせられたけど最後はとても素敵な結末で、新しい一歩を踏み出したくなるそんな読後感でした。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うつ病を治療中なので気になって読んでみた。

はじめの3人のそれぞれの物語が段々と繋がって、チュウさんを中心に病院での日常と共にそれぞれの葛藤が書かれていて、その度に胸が締め付けられ、時には涙した。
秀丸さんのためにチュウさんが法廷で話した事、最後に伝えた一言で号泣してしまった。
島崎さんのためにそれぞれが頑張って、そして今度は島崎さんが。

1996年の作品だけど今の私に身に沁みた。映画化もされてるらしいので観ようと思う。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

自分も精神疾患を持っていて、精神科のデイケアとか閉鎖病棟とか実際に訪れたことがあって、その時のことをさまざまと思い出した。何度も読みたい作品

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

映画の原作だと知り購入。
ただ思っていた時代背景などが違う上に、精神疾患に対して理解がない時代でもあり、言葉に戸惑って、読むのを辞めようかと思ってしまった。
でも山本周五郎賞を受賞しているとあったので、最後まで読み進めてみた。

精神疾患に理解が得られない時代。
常識から外れると、おかしい、とされる時代。
個性だと認めてもらうことはもちろんなく、家族からさえ疎まれる人たち。
だけど、純粋に人を想いやれるのは、常識内にいるとされる人ではなく、この病棟にいる人たちではないのかな?と思ってしまう。

現代で心を病む人は増えていると聞く。
生きる意味を探している人も多い。
弱くても、存在が薄くても、常識的でなくても、お互いに支えあえる存在があれば、生きる意味も生まれる気がした。

読み進めて良かったと思う。

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2023年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カバー裏の内容紹介を読んで、ミステリ?と思ってしまったけれど、この本はミステリではありませんでした。

一体いつの時代の話なのだろうと思うくらい、テクノロジーとは無縁の人々。
「普通」ではないと言われ、「普通」の人たちから隔離され、それでも明るく温かく時に寂しく日々を送る。
ストーリーはもちろんあるのだけど、大事なのはそこではない。
彼ら患者が発病する前の生活、今の暮らし、そしてこれからのこと。

作中で主人公のチュウさんが貰う手紙にこう書いてある。
”病院はついの棲み家ではありません。渡りに疲れた鳥たちが羽を休める杜(もり)でしかないのです。病院で死に鳥になってはいけません。いずれ翔び発って自分の巣に帰って欲しいのです。”
多分二度とシャバに出ることはないであろう大切な友人からの手紙。
これが作者の言いたかったことなのではないだろうか。

「メンヘラ」という薄っぺらいレッテルを貼ってわかった気になってはいけない。
人の尊厳ということを互いに尊重し合える社会であればいいと思う。
心や体が疲れたり病んだりしている時も。

読み終わってしばらくは胸がいっぱいで、とても感動したのだけれど、一つだけよくわからない点が。
不登校の女子中学生の島崎さんが、どうしてこんなに精神病院の入院患者であるチュウさんや秀丸さんや昭八ちゃんという3人のおじいさんたちと深い交流を持つことになったのか。
病院で開かれている陶芸教室がきっかけだったとしても、他にも女性患者もいたと思うのだけど、なぜ彼らに特別深い絆が生まれたのか。
ちょっとわからなかった。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

誰一人として見捨ててない小説
変に気取らずありのままを書いているから、その分感動できる

名作かどうかはわからないが、自分にはバリ刺さった

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2022年11月25日

購入済み

感動

閉鎖病棟に居る患者たちの互いを思いやる気持ちの美しさに感動しました

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2020年01月19日

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精神病患者の聖人君子すぎるキャラクターや、作品全体の謎として性加害が扱われることの危うさなど、気になるところはあるが、惹き込まれる文章。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

1995年第8回山本周五郎賞受賞作

帚木氏は、小説家で精神科医でもあります
精神病院の施錠を必要とする病棟
その中で今を生きる患者達を淡々と描きます
患者達それぞれに過去があり、家族と過ごしたこともある
そこから切り離された日常を寄り添いながら生きている彼らにも 感情があり希望がある
病院の内側から語られていきます

山本周五郎の「季節のない街」を 思い出しながら読みました
語り口、社会から取り残されたような世界観
山本周五郎賞に相応しい作品でした

しかーし、面白く読み切れるかというとちょっと辛いんですね
患者の群像劇(正しいわからないけど)で、
それぞれの病気と性格を把握していくのが
ちょっと大変かも
ラストの患者だった人達の自分の意思を伝え始めるシーンはとても良いです

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三人のショートストーリーから始まり、これ短編集?その割には尻切れみたいな終わり方だなぁと思っていたら、突然本章となり、一つの病棟の朝の描写から始まった。すでに異常な行動が書きだされ、ああ、閉鎖病棟=精神病院(旧)の話だと理解する。
それぞれに様々な症状の患者がおり、その中でも日常生活をまともに過ごす何人かが中心となり、しかしそのまともな人もまともじゃなかった過去がある。今ではだいぶんとケアの仕方も変わっているんだろうけど、当時はまさにこの小説の世界そのものだった。一人一人を丁寧に描かれており、読んでいくうちに誰もが愛おしく感じられるが、後半に入ると息も詰まるような事件が発生し、ああ、冒頭の話がここにつながるのかぁとやるせなくなる。生々しく描かれた病棟での生活風景がトラウマのように頭の中で反芻する。
あとで知ったんだけど、これ映画化されていたんだね。よく映画化できたなぁと感心するがそれくらい魅力ある作品だと思う。映画はもちろん見ない笑

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

精神病院での日常と、患者たちの過去が描かれている作品。昔は特に精神病への差別も今より酷かったろうし理解も薄かったはず。そんな中明るく生きる人達の模様と結末に心がジーンとした。

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2024年10月06日

Posted by ブクログ

作者が登場する人たちをとても愛しているのだと感じた。何気ない描写日々の生活がとても丁寧で共感でき、物語に没頭できる。
精神障害の描かれ方が非常に魅力的だった

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

閉鎖病棟に入院となれば「精神病の患者」とひとくくりにされがちですが、当たり前にひとりひとりの人生があり、喜怒哀楽もあるし、他人を思い遣ったり幸せを願ったり。そんな事に気付かされる小説でした。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

1.著者;帚木氏は小説家。大学仏文科を卒業後、TBS勤務。2年後に退職し、医学部で学んだ。その後、精神科医に転身する一方で、執筆活動。「三たびの海峡」で吉川英治文学新人賞、「閉鎖病棟」で山本周五郎賞など、多数受賞。帚木氏は現役の精神科医であり、第一回医療小説大賞を受賞(医療や医療制度に対する興味を喚起する小説を顕彰)。
2.本書;現役精神科医が、患者の視点から病院内部を赤裸々に描いた人間味ほとばしる物語。閉鎖病棟とは、精神科病院で、出入口が常時施錠され、自由に出入り出来ない病棟。ここを舞台に、患者が個別の事情を抱えながら、懸命に生きる姿を描く。死刑を免れた秀丸、性的虐待を受けて不登校になった島崎、・・・。「感涙を誘う結末が絶賛を浴びた」と評価された。24項の構成。山本周五郎賞受賞。
3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
(1)『1項』から「(女医)堕ろす場合は相手の人かお母さんと一緒に来なさい」。「(母親と女教師)学校で何があったの?誰かが意地悪するの?」。「(母親)学級費も一体何に使ったの」 『20項』から「(島崎)こぼれる涙をふきもせず、義父との関係を告白しました」。「(チュウ)大抵の事には驚かない私も、背筋が凍る思いがしました」 『14項』から「(チュウ)島崎さんが重宗に辱めを受けた」 『24項』から「(島崎)医院に住まわせてもらって、昼はそこで働いているの。夜は医師会の看護学校」
●感想⇒読書嗜好からすれば、この類の本は苦手です。案の定、最初から中学生が望まぬ妊娠し、中絶するという内容です。最近マスコミでもこうした事件がよく報道されます。一言でいえば、義父は非道極まる人間です。女性の人格を無視した行為には反吐が出ます。相談相手たるべき母親は、子供に寄添うどころか、無視と非難「学級費も一体何に使ったの」。義父は言うまでもなく糾弾されるべきですが、母親こそ再婚相手よりも子供を大切に考え、普段からもっと関心を持つべきでしょう。彼女は、その後も患者から辱めを受け、精神的にはボロボロになりました。それでも、立直る姿に感動です。一般的な事しか言えませんが、子供達が悲惨な被害者とならないように、周囲の大人達が気を配る社会になる事を節に願います。さらには、被害者が、誰にも相談出来ない状況に追い込まれるのだけは避けたいものです。社会全体の課題だと思うのです。
(2)『10項』から「(秀丸)男ば作っておやじを死なせたのもあんた[母親]。死んだおやじの年金ば貰うてぬくぬくとしとるのもあんた」 『20項』から「戦争に傷ついて帰ってきた父親を裏切って、絶望させ、六歳も年下の、子持ちの男と暮らすという母親の生き方を、私[秀丸]が許せなかった」
●感想⇒「父親を裏切って、絶望させ、六歳も年下の、子持ちの男と暮らすという母親の生き方」は、いかなる事情があっても許しがたい行為です。夫が戦争に行って生死をさ迷っている中で、不倫にうつつをぬかすなど言語道断。人の道を外れた行為に弁解の余地はありません。結婚には、❝愛する人と人生を共に歩み、子供が出来れば、育てて社会に送り出す❞という義務があるのです。結婚してから、他の人を好きになったり、配偶者を一生を共にする人ではないと思う事もあるかも知れません。しかし、物事には順序があります。好きな人のもとにに行きたいのなら、離婚が先です。そして、子供がいれば、わが子の将来の幸せを考える事も重要です。
(3)『21項』から「(医師)人の幸せなど簡単に他人が決められるものでもありませんよ。本人が進みたい方向に進めるというのが幸福でしょう。現在の塚本さんが決めた道というのは、退院して自分で生活したいという事ですから、それを応援してやるのが幸せに通じると思いますよ」。「(主任)これまで本当に兄さんの幸せについて考えた事がありますか」
●感想⇒「人の幸せ・・・本人が進みたい方向に進めるというのが幸福」。人間は人生の節目(進学・就職・結婚・・・)でどの道に行くか選択しなければなりません。その際は、取分け親は、あれこれと自分の考えを押付けがちです。ぐっと我慢して進路については、人生の先輩として、アドバイスに留めるべきです。本人が助けを求める事がなければ、自分で決めさせる事が良いと思います。失敗しても、勉強代と考え、救いの手を差し伸べる事が良いでしょう。一度だけの人生なのですから、悔いのない方向に進むとよいですね。「応援してやるのが幸せに通じる」は、至言です。
4.まとめ;本書を読んだ動機は、山本周五郎賞受賞作のベストセラーであり、普段あまり関与しない世界を見たい、という事でした。精神病患者という言葉は差別用語に聞こえます。しかし、この本を読めば、そんな偏見を持ってはいけないと痛感します。島崎さんを凌辱した、重信(札付きの強盗殺人者)を殺害するという方法は良くないと思いつつ、「島崎さんがあんな風に元気に立ち直ったのは秀丸さんのお陰」を読むと、心のどこかで拍手する自分がいます。最後の文章「秀丸さん、決して死んじゃいかんよ、チュウさんは青い空を見上げて心の中で叫んだ」には不覚にも涙腺が緩みました。解説の「帚木作品は例外なく、弱い立場にある者やハンディを背負った者に対して、温かい眼差しを注ぐ」に納得です。(以上)

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

淡々と話は進んでいくのだけど、キュウーッとゆっくりじわじわ胸を締め付けてくる話でした。
冒頭はこの物語の中心人物たちが、病棟に来る前の話をオムニバスみたいに語り、急に現在の話になっています。「チュウさん」「昭八ちゃん」など呼び名が病棟内でのニックネームに。
それがなんとなく気になるし、いちばん最初に書かれていた由紀の中絶も真相が気になりつつ、物語は患者らの過去を織り交ぜながらこれといった盛り上がりもなく、精神病棟の日常が過ぎているように感じました。

ところが一転!由紀が巻き込まれた事件で一気にいろんなことが加速し、読み手の私の感情もざわつきが収まらず、最後は一気に読みました。

もうこれ以上この人たちを辛くしないで終わってほしい...ッ

「秀丸さん、退院したよ」とチュウさんが叫ぶシーンに涙がほろり。過去の病気も事件もすべて受け入れ、仲間として一緒に生活してきた時間が走馬灯のように巡ってくる感覚です。最後もドアが力強く開くような明るいラストでした。

わりと最近映画化されたんだなーと思って予告編観ただけなのに涙腺崩壊しました。

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2024年03月10日

Posted by ブクログ

家族や世間から疎まれ隔絶され、病院の中に“閉鎖”された患者同士の、日常でのささやかなやりとりや、季節の移ろいを感じる行事。様々な出会いや別れの中で育まれるのは、家族と同じくらいに確かな絆だと感じた。

誰かの生きる支えになっている

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2023年12月05日

Posted by ブクログ

看護師をしていることもあって
医療に関連した映画やドラマをよく観る。
今回も『精神科病院』というキーワードから
手に取った本であり観た映画。

看護師の勉強をするまでは精神科って
かけ離れた領域のように感じてたし
精神科で働かない限り関係ないと思ってた。
でも実際はそんなことない。
精神疾患は誰にでも可能性があるし
どこで看護師してても無関係なことはない。
もしかしたら自分自身のことかもしれないし
家族や友人など身近なひとのことかもしれない。
だからどんな人も他人事ではないと思う。

そして精神科って知ろうとしないと
マイナスなイメージを持つことが多く
正しい知識がなくて偏見が生まれている。
精神疾患=隔離しよう
という流れは日本でもあった。
正しい知識と適切な治療があれば
時間はかかるかもしれないけど
社会復帰することは可能。
不必要な入院を減らそうとする流れはある。
だけど他の国に目を向けてみると
日本の精神科入院ベッド数はまだまだ多い。
本当は入院が必要ない人が
環境が整わないとかタイミングを逃したとかで
入院を継続せざるを得ないということだと思う。
偏見ではなく正しい知識を持って
そっと手を差し伸べられる人が増えるといいな。

読んだ本は記録してたけど、
これからは観た映画とかも記録していこうと思います。

〈映画キャスト〉
梶木秀丸▷笑福亭鶴瓶さん
塚本中弥▷綾野剛さん
島崎由紀▷小松菜奈さん
丸井昭八▷坂東龍汰さん
キモ姉▷平岩紙さん
ムラカミ▷綾田俊樹さん
ダビンチ▷森下能幸さん
ハカセ▷水澤紳吾さん
テッポー▷駒木根隆介さん
フーさん▷大窪人衛さん
オフデちゃん▷北村早樹子さん
おジギ婆さん▷大方斐紗子さん
ドウさん▷村木仁さん
島﨑佳代▷片岡礼子さん
島﨑伸夫▷山中崇さん
塚本富子▷根岸季衣さん
酒井▷ベンガルさん
大谷▷高橋和也さん
石田サナエ▷木野花さん
重宗▷渋川清彦さん
井波▷小林聡美さん

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

感想が難しいなぁ。
患者が正確な描写なのかはわからない。
描かれているのは閉鎖されてはいない病棟にいる人たちなんですよね。
社会から一定隔離された人という意味では閉鎖空間なのかもだけど外に出る自由もあるので色々あっても割とマトモな人達が紡ぐ物語。
マトモだと感じることを偏見が減るとなるかはわからない。語り視点の語る内容が狂っていては話として成立しませんもんね。
だとすると『ドグラ・マグラ』みたいになるんじゃないななぁ。
とかあるんですが、お話としてトータルの読後感は悪くありません。
人の再起を応援したくなるいい作品です。

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

読み終わって何故かジーンときました。ただ生きることにひたむきな人々、つい偏見の眼で見てしまいがちな自分が如何に身勝手であったのかを気付かせてくれました。

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2023年03月02日

Posted by ブクログ

精神科の閉鎖病棟に入院していて、性別も年齢も違うけど仲のいい5人(1人は通院)がいるのですが、病院内で起きた殺人事件がきっかけとなり、5人の関係が変わっていきます。

作家さんが精神科医ということもあり、前半は閉鎖病棟の日々が淡々と書かれています。

色々な人が入院しているわけですが、その中でもチュウさん(多分主人公なのかな?)は素敵な人たちと素敵な出会いがあり、それが後々まで影響があります。

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2022年11月18日

Posted by ブクログ

古本屋で購入

全く予備知識がなく、手に取る。

作者は精神科医なので、精神病棟や患者の症状の記述が詳しい。

ある都市の精神病院が舞台。入院患者とそれを取り巻く家庭環境など、「精神病の人はなんか気味が悪くて気持ち悪い」などと思いがちだが、そのステレオタイプを正さなければならないかもしれない。

後は落涙必須の良作。
さすが、山本周五郎賞をもらうだけの小説。

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2022年10月23日

Posted by ブクログ

この世の中を必死に生きる患者たちの葛藤を感じた。登場人物は色んな世代の人が出てくるが、世代を超えて分かり合えるものがあるなと思った。
感動する物語だった。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とある精神科の病棟。
過去に凶悪犯罪を犯してしまった患者たちを
優しく暖かく描く物語。
ラストのクライマックスでは思わず涙。
しかし、忘れてならないのは彼らは重い罪を
犯したということ。
その前科さえ霞むくらいの純粋さが美しい。
罪を犯し精神病院に入る=危険と
簡単に認識してしまう自分と社会。
改めるのは難しいが努力してみようと思う。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

琴線には触れなかった。

淡々と進んでいる内容で、精神病患者の日常を閉鎖病棟という空間で表している群像劇。
単純に合わなかった。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

入院患者たちの生活している様子が大部分を占めていた。なかなか話が展開しないので途中で読むのを止めようかと思ったが、後半になってようやく物語が大きく展開し、そこからは読む手が止まらず一気に読み切ってしまった。途中まではあんなに読むのがしんどく感じたのに、事件が起きて以降は先の展開やそれぞれの登場人物の行く末が気になり、終わらないでほしいと思っている自分がいた。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

現役精神科医である帚木達生さんが、精神科の旧閉鎖病棟を舞台に、患者の視点から病院の内部を描いた作品。淡々としながら優しさが溢れていて、患者への愛を感じた。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

山本周五郎生受賞作品。感涙の名作ということで、手に取りましたが、残念ながら、自分の琴線には触れませんでした。

精神病棟でおこる殺人事件に関するミステリーかと思っていたのですが、そもそも想定が違っていました(笑)

冒頭で3つの話が語られます。

産婦人科で堕胎する少女由紀の物語。
傷痍軍人の父親をもつ秀丸の物語。
甥の子供の水難事故の責任を追及される聾唖の昭八の物語。

なんの関連性もなく、なんなのこれ?っと思わせる展開でしたが、チュウさんを中心に描かれる閉鎖病棟での物語に絡んでいきます。

悲しい過去、重い過去をもつ患者たち。
そして、その患者、看護婦、先生の日常が語られていきます。
本書から伝わるメッセージは、患者たちが一部を除いて純粋な心の持ち主ということ。
一方、その周りの人たちや親族の人がひどい人たち。
考えさせられます。

そして、起きた病院内の殺人事件。
殺害の理由やそれを知る者たちの気持ちがひしひしと感じられます。

全体を通して、暗い気持ちになる物語でしたが、最後はさわやかな終わり方でよかったです。

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

最近よく読んでいる帚木蓬生さん、歴史もの以外は初。
精神科病棟の暮らしが実直に書かれていた。
事件が起こってから変化が訪れる展開で、読後感よし。

こんなにうまくいくというか、きれいな話だけではないだろうとは思うものの、著者は精神科医なので実際に近いのだろうとも思う。
もう20年も前、友人が精神科に入院してお見舞いに行ったことがあったが、それまでの勝手なイメージと違って、友人は以前と変わらなく見えたし、他の方々も淡々としておられた。
そういうことを思い出した本だった。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

精神病棟に入院している人々の生活
外の世界と同じようにそこには社会がある
退院したいと、外に出たいと思う

自分は本当に病気なのか
と聞かれ、答えに躓く

確かに
自分が普通なのか
至って健全かどうか
なんてはっきりと言えないもんなあ

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

読んですぐは時代背景が予想より昔過ぎるのもあり、患者さん達にもなかなか入り込めず…でも読み進めるにつれて過去を知るにつれて、人を知るにつれて、応援したくなる気持ちが膨らむし、このまま穏やかに過ごして欲しいと願ってしまうほど入り込んでしまいました笑
素敵な人たちばかり。優しい人たちばかり。
チュウさんの詩も好きでした。
最後の最後はほんとに泣けました。
どうか、この物語のみんなが、穏やかな毎日を過ごせますようにと願ってしまうラストでした。

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2023年12月07日

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