【感想・ネタバレ】閉鎖病棟のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

カバー裏の内容紹介を読んで、ミステリ?と思ってしまったけれど、この本はミステリではありませんでした。

一体いつの時代の話なのだろうと思うくらい、テクノロジーとは無縁の人々。
「普通」ではないと言われ、「普通」の人たちから隔離され、それでも明るく温かく時に寂しく日々を送る。
ストーリーはもちろんあるのだけど、大事なのはそこではない。
彼ら患者が発病する前の生活、今の暮らし、そしてこれからのこと。

作中で主人公のチュウさんが貰う手紙にこう書いてある。
”病院はついの棲み家ではありません。渡りに疲れた鳥たちが羽を休める杜(もり)でしかないのです。病院で死に鳥になってはいけません。いずれ翔び発って自分の巣に帰って欲しいのです。”
多分二度とシャバに出ることはないであろう大切な友人からの手紙。
これが作者の言いたかったことなのではないだろうか。

「メンヘラ」という薄っぺらいレッテルを貼ってわかった気になってはいけない。
人の尊厳ということを互いに尊重し合える社会であればいいと思う。
心や体が疲れたり病んだりしている時も。

読み終わってしばらくは胸がいっぱいで、とても感動したのだけれど、一つだけよくわからない点が。
不登校の女子中学生の島崎さんが、どうしてこんなに精神病院の入院患者であるチュウさんや秀丸さんや昭八ちゃんという3人のおじいさんたちと深い交流を持つことになったのか。
病院で開かれている陶芸教室がきっかけだったとしても、他にも女性患者もいたと思うのだけど、なぜ彼らに特別深い絆が生まれたのか。
ちょっとわからなかった。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

秀丸さんのチュウさんに宛てた手紙に感動!!!
そしてチュウさんの返信の手紙にまた感動!!!
そしてそしてチュウさんが秀丸さんの裁判で堂々と臆する事なく、力強く証言する場面に感動!!!
どうか、秀丸さん・チュウさん・昭八ちゃん・敬吾さん・島崎さんが幸せになっていますように……
感涙です。

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2022年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物がやや多めで、追うのに少し苦労しました。
精神病院がどんなものなのか、興味があり手に取った本ですが、物語は真面目で静かで人情に溢れています。

人と関わることの複雑さ、愛おしさが繊細に描写されています。
「秀丸さん、退院したよ」にうるっときました。
描写生活にそれなりに満足していたのに、退院を迎えたときの心情の変化に、すごく納得です。新川先生も素敵でした。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今とは違う昔の精神科の雰囲気、精神病患者と家族のやり取り連鎖する患者たちの関係や心の傷がいかに癒えないかが辛い。最後もハッピーエンドのようでわたしはそう感じなかった。彼の30年は消えてしまった

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2022年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【2021年30冊目】
最初はメインとなる人物が比較的ころころ変わり、かつ途中で精神病院の患者がどどどっと出てきたので誰が誰やらわかってなかったのですが、途中からチュウさんが主役であることを理解してからはするする読めました。

「秀丸さん、退院したよ」の一言がぐっと来て電車の中なのに泣きそうになり危なかったです。なるほど、こういう愛のカタチがあるのだなぁ…と。チュウさん結構年寄りのイメージで読んでたので、映画だと綾野剛さんが演じておられることにちょっとビックリしました。

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2021年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とある精神科の病棟。
過去に凶悪犯罪を犯してしまった患者たちを
優しく暖かく描く物語。
ラストのクライマックスでは思わず涙。
しかし、忘れてならないのは彼らは重い罪を
犯したということ。
その前科さえ霞むくらいの純粋さが美しい。
罪を犯し精神病院に入る=危険と
簡単に認識してしまう自分と社会。
改めるのは難しいが努力してみようと思う。

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2023年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後、法廷でのやり取りに、ほろっと来ました。
最初の方は、色々な人の話があり、期待してたのと違う気がして、さらっと読んでました。
精神病院の話なので、もっと壊れてる様子かと思ったら、チュウさんは思ってた以上にしっかりしてたが、妹達の態度も解る気がするのは、偏見を持っているからだと思います。それでも、患者さん同士の友情になんだか感動しました。

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2021年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

娘の本より。

最後には精神科病棟の希望が描かれているが、この本が出て既に20年、まさかこんなに現実が変わっていないとは。小説の中の事件の真実以上に驚愕とした。

九州のあの辺りかなぁと思い馳せつつ読むと、その光景がリアリティもって感じられた。

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2021年10月13日

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