帚木蓬生のレビュー一覧

  • インターセックス

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    今まで男女の二分でしか見てなかった世界が拡がりました。
    どちらかに寄せる手術がよいのでは、と最初は考えてましたが、読み進むうち、そうでない選択もあり、それがよいのだと考えが変わりました。

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    2025年01月17日
  • 聖灰の暗号(下)

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    須貝らによって発見されたレイモン・マルティの手稿が圧巻だった

     〜生きた人が焼かれるのを見たからだ
     焼かれる人の祈りを聞いたからだ
     煙として立ち昇る人の匂いをかいだからだ
     灰の上をかすめる風の温もりを感じたからだ〜

    神を仰ぎ、慎ましく、嘘をつかず静かに暮らしてきた人びとがなぜ聖職者により、残酷な火刑に処されることになったのか?
    宗教や信仰が悪いわけではない…
    カタリ派の一掃はフランス王にとっては南仏への領土拡大、教皇にとっては異端排除…
    それぞれの思惑が一致したのだ
    結局は人間の欲だ…
    深く心に残る作品になった
    須貝とクリスチーヌの❤はやはりお約束だったが…(笑)

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    2025年01月08日
  • 香子(一) 紫式部物語

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    紫式部物語を読みながら、源氏物語を読む。
    贅沢な作品。

    源氏物語がいかにして出来たのか。
    古今和歌集や蜻蛉日記、白氏文集、長恨歌………もう全然知識が足りないな(笑)

    誠に人の世は、野分や雲、雨と同じで、人の手ではどうにも動かせない。その摂理の下で、翻弄され続けるのだ。

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    2024年12月11日
  • 三たびの海峡

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    吉川英治文学新人賞

    最近、日本の植民地支配はいいことしかなかった、大東亜共栄圏はアジアの人たちを欧米列強の支配から解放してあげたから感謝された。などなど真顔で言う人の話を聞いたが、その人に読んでもらいたい。でも、全部作り話だと言うだろうけど。
    いくら戦争中とはいえ、人間とは思えない鬼畜のような日本人、そして日本人に取り入り、同胞をいたぶる朝鮮人に怒りを覚えるが、その中でもまともな日本人もいるのを知って少し安心した。しかし、戦後も、戦中にこのような悪行を働いていたにもかかわらず、何食わぬ顔で成功していた人物も多いんだろう。

    次が気になり、速攻で読み終えたけど、最後が納得できない終わり方だった

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    2024年12月03日
  • 閉鎖病棟

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    1995年第8回山本周五郎賞受賞作

    帚木氏は、小説家で精神科医でもあります
    精神病院の施錠を必要とする病棟
    その中で今を生きる患者達を淡々と描きます
    患者達それぞれに過去があり、家族と過ごしたこともある
    そこから切り離された日常を寄り添いながら生きている彼らにも 感情があり希望がある
    病院の内側から語られていきます

    山本周五郎の「季節のない街」を 思い出しながら読みました
    語り口、社会から取り残されたような世界観
    山本周五郎賞に相応しい作品でした

    しかーし、面白く読み切れるかというとちょっと辛いんですね
    患者の群像劇(正しいわからないけど)で、
    それぞれの病気と性格を把握していくのが

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    2024年12月01日
  • 閉鎖病棟

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    ネタバレ

    三人のショートストーリーから始まり、これ短編集?その割には尻切れみたいな終わり方だなぁと思っていたら、突然本章となり、一つの病棟の朝の描写から始まった。すでに異常な行動が書きだされ、ああ、閉鎖病棟=精神病院(旧)の話だと理解する。
    それぞれに様々な症状の患者がおり、その中でも日常生活をまともに過ごす何人かが中心となり、しかしそのまともな人もまともじゃなかった過去がある。今ではだいぶんとケアの仕方も変わっているんだろうけど、当時はまさにこの小説の世界そのものだった。一人一人を丁寧に描かれており、読んでいくうちに誰もが愛おしく感じられるが、後半に入ると息も詰まるような事件が発生し、ああ、冒頭の話が

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    2024年11月04日
  • 白い夏の墓標

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    ウィルス研究者のかつての同僚の過去を知り、米国の細菌兵器の研究をしていたことを知る。どんでん返しはないが、同僚の生い立ちや心理描写が良かった。

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    2024年10月29日
  • 閉鎖病棟

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    精神病院での日常と、患者たちの過去が描かれている作品。昔は特に精神病への差別も今より酷かったろうし理解も薄かったはず。そんな中明るく生きる人達の模様と結末に心がジーンとした。

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    2024年10月06日
  • 閉鎖病棟

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    作者が登場する人たちをとても愛しているのだと感じた。何気ない描写日々の生活がとても丁寧で共感でき、物語に没頭できる。
    精神障害の描かれ方が非常に魅力的だった

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    2024年09月03日
  • 沙林 偽りの王国(下)(新潮文庫)

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    面白かった。オウム事件についての本は沢山読んできたけどこういった医者・学者の立場からの物はなかったので非常に楽しめた。ただ範囲サリンなどの化学兵器だけに収まらず一連の殺人事件などにも及んでいるので、事件の全体像についても描かれている。ただそれが主人公の衛生学者の視点なので、専門分野以外についても語っていたり公判をすべて傍聴したかのような書きっぷりがどうにもちぐはぐな印象は受けた。ほぼノンフィクションなんだけども、実際主人公の沢井のモデルになったのは井上尚英という学者らしく、作中に登場するこの人の著書も読んでみたい。しかしこういった有識者は警察からの照会、メディアの取材、裁判の証人など大変な責任

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    2024年08月07日
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)

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    小説なんだけどオウム事件の経緯をノンフィクションとして読まされてるのが95%って感じ。いわゆる物語としての楽しさはまだないなあ。ただ疫学者の視点からの事件描写自体はめちゃくちゃ興味深いので読み進めてる感じ。

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    2024年08月06日
  • 白い夏の墓標

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    科学は人を生かすことも殺すこともできる。研究を続けるためにアメリカへ飛んだ若き科学者は自分の信念を黙殺して組織に従うのか、それとも信念を貫いて組織に殺されるのか。

    こういったジレンマは数多くの物語のテーマになっているけど、飽きもせずいつの時代も人々はその物語を読み、考え続ける。1983年にこの本が出版されてから、世代を超えて読み継がれ、今また注目を集めていることが素晴らしいと思う。
    日々のニュースでは人間の嫌な部分ばかり強調されるけど、そんなに悲観する必要はないのかもしれない。

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    2024年07月28日
  • 白い夏の墓標

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    40年以上前の話と思えないほど現代に通じるものがあった。
    終盤は予想外の展開でページをめくる手が止まらなかった。

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    2024年07月18日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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     本書は森田療法の核心がわかりやすく言語的に理解できるものとなっている。苦しい、悲しい、辛い、痛い、生きていれば苦しみは避けられない。しかし、森田はそれはあるがままにそのままにして、今成すべきことをとにかく成せと言ふ。森田自身もそういう生き方をしていた。およそ100年経っても森田の業績は語り継がれている。負のエネルギーは正のエネルギーに転換したときに大きな力となることを森田自身が証明しているようだ。不安や恐怖によって前にすすむことが怖くなってしまった人にオススメの1冊。

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    2024年06月28日
  • 香子(一) 紫式部物語

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    なるほど、そりゃ全5巻にもなるわ。一作で二度美味しい。といいつつ作中作の部分はさらさらと…。頑張って5巻まで読みます。

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    2024年06月18日
  • 閉鎖病棟

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    閉鎖病棟に入院となれば「精神病の患者」とひとくくりにされがちですが、当たり前にひとりひとりの人生があり、喜怒哀楽もあるし、他人を思い遣ったり幸せを願ったり。そんな事に気付かされる小説でした。

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    2024年05月23日
  • 臓器農場

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    新人ナースの主人公が自分が務める病院の謎を暴いていく。臓器移植のための隠された施設など見つけていく過程はどきどきする。後半の急速に問題解決していくところは、それまでじっくり丁寧に描かれていたのにちょっとついていけなかったけど。作品としては面白く楽しめた。

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    2024年05月14日
  • 白い夏の墓標

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    すごい 面白い
    古さを感じない話題、作者の卓越な知識をもとにした文章、引き込まれる構成、全てが面白かった。
    途中、黒田のことを考えて辛過ぎて心が沈んでしまった。それぐらい読んでて引き込まれたし、心が動かされた、

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    2024年09月15日
  • 香子(一) 紫式部物語

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    一つで二度味わえる小説。紫式部物語を読む中で作中で書かれる源氏物語を読んでいることになる。香子(かおるこ)は父から「香子(きょうこ)、今日からそなたのことを、かおること呼ぶことに決めた」と言われた。女子にしておくのは惜しい。男子であればこの堤第を再興してくれるだろう。誰でもが認めるひとかどの人物になる、その資質が薫るからだ、と言われる。和歌と漢詩が作中にふんだんに出てくる。漢詩は漢字が難しく意味を取りがたいものも多いが、和歌は二度読んでみるとなんとなく雰囲気で分かってくるものが多い。源氏物語の桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花まで書かれた。

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    2024年04月24日
  • 閉鎖病棟

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    1.著者;帚木氏は小説家。大学仏文科を卒業後、TBS勤務。2年後に退職し、医学部で学んだ。その後、精神科医に転身する一方で、執筆活動。「三たびの海峡」で吉川英治文学新人賞、「閉鎖病棟」で山本周五郎賞など、多数受賞。帚木氏は現役の精神科医であり、第一回医療小説大賞を受賞(医療や医療制度に対する興味を喚起する小説を顕彰)。
    2.本書;現役精神科医が、患者の視点から病院内部を赤裸々に描いた人間味ほとばしる物語。閉鎖病棟とは、精神科病院で、出入口が常時施錠され、自由に出入り出来ない病棟。ここを舞台に、患者が個別の事情を抱えながら、懸命に生きる姿を描く。死刑を免れた秀丸、性的虐待を受けて不登校になった島

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    2024年04月12日