帚木蓬生のレビュー一覧

  • 守教(上)(新潮文庫)

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    神道と仏教の国にやってきたキリスト教。神も仏も多数、全ての存在にそれぞれの神が在る。対するキリスト教は父である神と子であるキリストと聖霊の三位一体、神は唯一の信仰の対象。
    この違いを受け入れる下地は何だったのだろう。特に百姓の暮らしは辛いものがあり、変化を求める思いがあったかもしれない。更に、布教にやってきた人達の何かに引き付けられた気もする。信頼できると思う人の言葉は受け入れやすいだろう。
    信じることで暮らしが、物事の受け取り方が良い方に変われば、信じる心はより強固になる。

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    2020年04月22日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    ギャンブル依存症の悲惨な事例が数多く紹介されていた。ギャンブルに触れる年齢が若いほど、身を取り崩す危険性が高くなるのも分かる。断酒会やGAで自身の反省を促すことが、医師の指導より圧倒的に効果があるということに感心した。

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    2020年02月16日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    面白かった。和歌山毒物カレー事件の捜査に取材した小説で、実在した衛生学教授を主人公にしている。
    何度も同じような記載が出てきて、ちょっとしつこく感じる所も多々あるが、非常に読ませる。最後の刑事からの手紙の下では思わず目頭が熱くなり、非情な事件を扱っていながらも読後感は良い。著者の他の作品も読みたくなった。

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    2019年11月16日
  • 臓器農場

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    内容(「BOOK」データベースより)
    新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」―。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か?真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手…。医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む“闇”を描いた、サスペンス長編。現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。

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    2019年11月05日
  • 閉鎖病棟

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    重苦しい題名からは想像できない明るく前向きな ほんわかした物語。医療関係者は全く脇役で患者が主人公。精神病院の中の患者を暖かく描いているのが珍しい。

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    2025年12月18日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    昔、アフリカの蹄を読んだ記憶があり、ふと手に取った。大人になって自分に余裕が出来たからなのか、未来の不安を過剰に考えてるなと。
    水のように、揺れる気持ちを客観的に受け取る。
    抗うのではなく、手放す。自分を見つめる客観視。そんなことを思う。

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    2019年09月01日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    現役精神科医の医療系のヒューマンサスペンス。

    臓器農場というタイトルからはもう少しグロい感じを想像していたが、近未来を予測したフィクション作品という感じ(未来に決して起こって欲しくはないが)。

    無脳症という奇形の存在を知った衝撃は大きく、まして臓器移植の為に意図的に無脳症の子供が出来るようにして移植用の臓器を生産するという行為にはおぞましさを感じた。

    自分が勤める病院で行われている臓器移植の裏に何か秘密を感じ、その真相を解明しようとする規子と同僚であり友人の優子。

    そこに加わった的場医師と障害を持つ藤野。

    単なる謎解きサスペンスだけでなく、臓器移植という最新医療と、そこに関連する狂気

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    2020年10月25日
  • 臓器農場

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    「ぼくらはそれでも肉を食う」の後に読んだので、テーマに重複する部分があり、興味深かった。現役の医師による、医療小説である。
    タイトルからも想像できるように、臓器移植が主題だ。山の中腹にある新設の総合病院には秘密の部門があり、そこでは臓器移植が行われていた。ドナーはどんな人なのだろうか。
    倫理的にとても難しい問題である。死が確定している人と臓器移植が無ければ死ぬ運命の人の命のどちらが尊いのか?この本の中で書かれていることが、これから本当に起きるかもしれない。そういう意味では、カズオイシグロの「わたしを離さないで」を思い起こした。
    本書はミステリー仕立てになっているが、ミステリーとしてよりも医療小

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    2019年07月01日
  • ヒトラーの防具(上)

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    私の、初めての、帚木蓬生。
    二次大戦中のドイツが舞台。
    帚木蓬生の、歴史小説のなかでは、私的1番かも。

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    2019年05月07日
  • 受難

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    セウォル号 救助されなかったたくさんの命を思い出す。関連する記事を目にしなくなって、そんなこともあったと「思い出す」自分にちょっとガッカリ。
    お金と技術で蘇った少女。自分の出自を確信したタイミングは、はっきりわからなかったけれど、辛かっただろうと思う。何も知らずに楽しんでいられたら… 良かった?……

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    2019年05月07日
  • 天に星 地に花 下

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    人は何のために生きるのか。死なないために、食べるだけに生きるのか。享保年間の九州の過酷な藩政に対する農民の抵抗を通して、人への慈愛と幸せを淡々と説く。著者の初期のサスペンス作品とは趣きが異なるが、本書や少し時を遡り農民が力を合わせて筑後川に堰を築いて農地を開拓するという「水神」は、同じような語り口で安心して内容に溶け込める。外せない小説である。2019.4.21

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    2019年04月21日
  • 天に星 地に花 上

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    九州筑後川流域の農村の貧窮。享保年間ということは吉宗の享保の改革で幕府財政の立て直しがはかられた時代。改革の一環として、租税も検見法から定免法に移行、米の出来高に関わらず安定した徴収が意図されたが、凶作が続くと農民の生活が忽ち窮乏した。このあたりの背景にも本編では触れられている。塗炭の苦しい生活を直視し、成長していく主人公の姿を語る。2019.4.16

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    2019年04月16日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    事件発生時はまだ幼く、事件のことも詳しくは知りませんでした。
    この年になってこの事件の大きさ、恐ろしさを知ることになるとは。

    隠れていた何年も昔の被害者、砒素と断定された理由、他の薬物との違い、他の薬物の症状、警察の頑張り、被害者達の心身への後遺症など。

    専門用語が多く、著者特有の淡々とした進みであるので読みづらいし小説として面白いかはわかりませんが、興味深く読めました。
    (読み飛ばした箇所もいくらかあります)

    砒素は症例数が少なく、診察をしたことのある医者も少ないと語られています。
    この小説が表に出たことで今後このような事件や事故があった場合、砒素による被害であると判明しやすくなった

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    2019年02月01日
  • インターセックス

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    『エンブリオ』の続編。
    こっちの方が興味深かった。
    今回は、あの岸川の経営するサンビーチ病院に転勤することになった秋野翔子が主役。
    彼女は性染色体の異常により、男性でも女性でもない「インターセックス」と呼ばれる人たちへの治療を行っていた。
    思いがけず、サンビーチ病院に転勤になった翔子だが、岸川の周辺に奇妙な点があることに気付く。
    先が気になって、読むのがやめられなくなる。

    2019.1.20

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    2019年01月21日
  • 臓器農場

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    臓器移植が持つ、希望、危険性が描かれている。
    患者たちに対する看護師の対応が頼もしくあり、
    秘密の部屋に忍び込むなどスリル有りで飽きない展開。
    キャラもかなり立っていたと思います。
    話も面白く、医療問題を考えるきっかけにもなり良い出会いだったと思う。

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    2019年01月17日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    事件の真相究明がどのように行われていたか初めて知りました。
    専門的な難しい語句が臨場感のある展開となり一気読みでした。

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    2018年12月15日
  • エンブリオ 下

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    男性の妊娠を国際学会で発表した岸川。
    アメリカの不妊治療ビジネス大手の企業が接近してくる。
    ただ、その企業は岸川に罠をしかけようとしていた。
    それに気付きた岸川もまた、驚きの対策をする。
    不妊に悩む夫婦を助けながらも、卑劣な面を垣間見せる岸川。
    衝撃的な展開に息を飲む。

    2018.11.29

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    2018年11月29日
  • エンブリオ 上

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    「エンブリオ」というのは受精後八週までの胎児のこと。
    産婦人科医の岸川は、人為的に流産させたエンブリオや、様々な手を使って手に入れた卵巣等を培養し臓器移植をするという異常な医療行為を行っていた。
    その技術は異常ながらも、世界の最先端をいっている。
    しかし、そうなるともう歯止めが効かなくなってくる…次は男性の妊娠実験…
    とにかく、全体的にかなり衝撃的な内容。

    2018.11.25

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    2018年11月25日
  • 日御子(上)

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    面白い。帚木 蓬生氏の本は「国銅」「水神」につづき3冊目となるが、どれもすばらしい歴史小説だと思う。本小説は日本に文字のない時代の話であり、歴史を語る文献は日本には存在しない。数少ない、事実と事実の間を実にうまく肉付けし違和感のない小説に仕上げている。はるかいにしえの時代は、確かにこのような時代であったのだろうと納得できる内容であった。

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    2018年11月04日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    和歌山毒カレー事件はもう20年前のことになるのですね。
    ちょうど今頃でした・・・。
    今でもそうですが、マスコミは熱していましたからいろいろ情報が錯綜して
    この小説を読んでいると、わたしでも昨日のことのように思い出します。

    この本の前半、カレー事件とは別の彼女が起こしたとおもわれる保険金詐欺が
    次々と明るみに出てくる描写には、今でもそくそくとしたおぞけがきます。
    現在は死刑囚女性の心の暗闇に一歩でも近づきたいと思う著者の執念迫力を感じます

    この本の語り手は、ひ素はもちろんいろいろの毒物の研究をしている、臨床医でもある教授、
    難しい医学的専門用語、毒物の種類、過去の事例を引いてリアル

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    2018年10月13日