帚木蓬生のレビュー一覧

  • アフリカの蹄

    Posted by ブクログ

    「アフリカの蹄」の12年前のお話。シンやパメラの出会いや若き日々を知ることができた。天網恢恢疎として漏らさず、に尽きると思った。そこまで動かす、人種差別というものは何なのだろうか。感染してしまった小さな子供を抱きながら、何もできずに諦めて呆然としている母親…というのを思っただけで、胸どころではなくお腹まで深くえぐられるような、突き刺さった思いがした。

    0
    2009年10月15日
  • エンブリオ 下

    Posted by ブクログ

    下巻に入ると、モナコ学会での成功に目をつけたアメリカの企業からの魔の手が伸びてくるなどして事件が多発。テンポもあがって一気読みです。主人公・岸川院長の考えは全くぶれず、基本的に「患者のため」「患者の要望を叶える」。その姿勢は正しいが、「患者のため」を理由に何をしてもいいのかというと、当然そんなことはない。岸川院長の評価が難しいのは、通常の小説やドラマなら、悪役の医者は自分の利権(主にお金、名誉)を追い求めるので分かりやすいのだが、岸川院長は単純な利権にしがみついているわけではないところだ。上巻からずっと主人公視点で書かれているのでずっと読んでいると、正しいことをしているような感覚になる。やはり

    0
    2011年08月06日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    天才医師といえば外科医のイメージが強いが、この本の主人公・産婦人科医の岸川はまさに天才。天才ゆえの倫理を無視した医療の研究と実践の数々が、難しいことなのに分かりやすく描かれており、圧倒的に引き込まれる。岸川視点でひとつひとつの行動・言動についての経緯や考えがものすごく丁寧に書かれているおかげだと思う。上巻ではまだ大きな事件とか事故は起こっていないので、小説としての盛り上がりはないが、今後の展開に期待せずにはいられない。人工受精〜エンブリオ産業・・・人間にとって何が正しくてどう進むべきなのか? ある程度自分の考えをもちながら下巻も読み進めていきたいと思う。

    0
    2011年08月06日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    どこまでが真実なのでしょう?
    妊娠中なので、結構身近な問題にただ驚愕です!
    でも面白かったです。

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

    Posted by ブクログ

    憲兵という主役には取り上げられない仕事についていた人間を主人公にした物語。
    長い話だが、そもそも対象となっている期間が昭和45年から47,8年ということと、適度に現在と過去がフラッシュバックする
    構成もあって、飽きることなく読み進められる。
    主人公は戦時における憲兵という仕事柄、非道なことにもかかわるが、実はそれを思い悩むことはあまりない。
    そこらへん作者が医者であるということもあるのだろう。作中にも出てくる事件で、遠藤周作は、主人公が悩んで悩んで悩みまくっちゃうという
    「海と毒薬」という傑作を書いているのが、本作はそこまでの高みに達していないというか、そもそもそれを目的にしていない。
    いずれ

    0
    2009年10月04日
  • 臓器農場

    Posted by ブクログ

    倫理観、善悪、良心。
    判断の基準はとても曖昧で、恣意的だ。
    誰の立場で考えるかでも、判断は180度変わってしまう。

    とりあげるのは臓器移植。

    日本では、脳死の子どもの臓器移植は認められていない。法律で。
    脳死判定の基準ができて、脳死と判定されれば臓器移植のドナーとなることが認められた。法律で。

    じゃあ、無脳症児からの移植は?

    移植でしか助かる道のない子どもを助ける方法がある。
    脳死者からの臓器提供。
    無脳症児からの臓器提供。

    法律で認められている前者はセーフで、後者はアウト。
    その線引きの恣意的さ。

    ドナー側、患者側、どちらの立場で見るかによって、風景はころっと変わってしまう。

    0
    2014年06月22日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    帚木さんっぽい作品。

    いま医療の様々な場面で取り上げられる難しい問題である、生命倫理。
    このことについて、色々考えさせられた。
    決して彼(主人公)の考え方が正しいと言うわけではないけれど、妙に納得させられたり。。。

    『反倫理とは反自然に他ならなく、自然でない行為が、倫理的でないと難詰される。
     では医学・医療とはなんなのか。
     人の死・病を回避する術だとすれば、それは反自然的行為であり、従って反倫理行為となってしまう。』

    医療に携わる者として1番心に残った場面。
    これから先色んな生命倫理の問題に直面するのだろう。
    そんな時、今はまだ自分の倫理観は確立していないけど、確実に影響を受ける1冊

    0
    2009年10月04日
  • 千日紅の恋人

    Posted by ブクログ

    この著者には珍しく、普通の日常を描いたほっこりした小説。
    ハッピーエンドで良かった。
    けど、男性がちょっと素敵すぎる気も…

    0
    2009年10月04日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    上下巻で完結、なのに、
    「これはまだ序章じゃないのか?」と思わせます。
    ラストまで一気に盛り上がり、その頂点で終わる。
    も、もどかしい…!
    かといって続編は望みません。

    0
    2009年10月04日
  • エンブリオ 下

    Posted by ブクログ

    もし、全て医療とは自然の摂理に反する行為だと割り切ってしまうのであれば、そこに限界など存在しないことになる。
    しかし、仮に医療とは自然の摂理に反するものではないというのであれば、その根拠と限界を示さなければならない。それは非常に困難な作業だろう。ただ、その困難さを乗り越えないかぎり、最先端医学の暴走を止めることはできない。
    「暴走」と決めつけること自体、ひとつのとらわれた思考ではある。ただ、暴走でないと言い切る勇気は自分にはない。
    結論は見えない。考え続けることしか、今はできない。

    現代の最先端医療を舞台にした『ペスト』といったところか。

    最後のシーンは、作者のただものではない部分を思い知

    0
    2009年10月04日
  • アフリカの蹄

    Posted by ブクログ

    「閉鎖病棟」が有名な著者なのに、「閉鎖病棟」を読まずに、初めて帚木作品を読みました。
    医療ミステリーにも分類してもいいような気がしたけど、敢えて、ミステリーとは別分類とさせていただきました。
    アフリカのある国で、絶滅したはずの天然痘と闘う日本人医師を描いた作品。
    差別社会、ウイルスとの闘い、人種を超えた人間のつながりetc・・・
    いろんな難しい内容がてんこもりだけど、ほとんど抵抗もなく、最後まで一気読み。
    もう少し、ハラハラドキドキがあってもいいような感じもしたけど、久々に読んで良かったと思える作品でした。

    0
    2009年10月07日
  • ヒトラーの防具(上)

    Posted by ブクログ

    元sex machinegunsのノイジーが読んでいるときき,
    購入。こんなに分厚いのを彼が読んでいるとは・・・
    失礼極まりないが,どうも結びつかない。
    動機は不純,そして,厚い本を読む自分,かっこいい
    みたいな。でも,読み進めると・・・

    0
    2009年10月04日
  • 千日紅の恋人

    Posted by ブクログ

    そんな女にとって理想的な男がいるか〜!と。いたところで裏があるんじゃないかと疑いますね、私なら。まぁ自分の疑い深さは置いといて、母親やヘルパーの仕事を交えてるのが現実を感じさせて、ただの夢物語ではないと思いました。それなりに人生経験を積んだ年齢で恋愛しようと思ったら避けられないこと。そういう意味で「大人の小説」だと思います。

    0
    2009年10月04日
  • 千日紅の恋人

    Posted by ブクログ

    読みながら「これ帚木さんの作品だよな」と何度も確認する思いでした。その位、私の持っている帚木作品とのイメージが違いました。
    九州のどこかに建つ築25年の古アパート扇荘。そこに住むちょっと変った人たち。そして、父親が建てたこのアパートを管理するバツ2の娘の時子は、これらの住人と接触を保ち、時に怒り、時に親切に接する。そんな扇荘に独身男性が引っ越してきて。。。
    帚木さんの作品と言えば、どこかに重さを感じるのですが、そんなところがまったくと言ってありません。ちょっと古臭い感じのする、でも暖かで気持ちの良いラブストーリーでした。

    0
    2016年08月07日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    上流階級の患者を受け入れる病院。
    地下には秘密の施設・・・
    病院で起こるなぞの死
    産婦人科事情も垣間見れます。

    0
    2009年10月04日
  • アフリカの瞳

    Posted by ブクログ

    この人のストーリー構成って一種独特のものがある。映画化されると面白いような構成と言えばいいのか・・。

    0
    2009年10月04日
  • 安楽病棟

    Posted by ブクログ

    「目は窪んだところについてるから疑りぶかい器官、耳は外に開かれてるから楽観的でオープンな器官」というような一節がインパクト大でした。作者の方がお医者様てなことで院内の細かなところの描写がリアリティ溢れまくってて興味深いんですが、それを支えるのはこの方の深い洞察と研ぎ澄まされた美意識なんじゃないかなあと。しかもそれがすごくあったかい!「国銅」を読んでなおさらそう思いました

    0
    2009年10月04日
  • アフリカの蹄

    Posted by ブクログ

    NHKでやっていたドラマの方はどうかと思うが、こっちの作品はやはり『さすが』の一言。

    人種差別という日本人にはあまり馴染みの無いような(ここには個人的にもちょっと言いたい事もあるが・・・)テーマながら、それをしっかりと理解させる内容に出来ているのではないでしょうか?
    そして、箒木蓬生お得意の医学関係がうまく使われている。

    人種差別というテーマが無ければただのパニックアクションものにでもなりそうな内容ですが、そこを箒木蓬生の筆力でしっかりと押さえ込んでいます。

    とりあえず、この続編の『アフリカの瞳』にも期待です。

    0
    2009年10月04日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    『さすが』の一言。
    この人の作品で、読み応えの無いもの、読んでて飽きてくるものってほとんど無いですよね。
    面白かった。個人的には産婦人科さんとは全く関係の無い生活をしているのに、こないだ知り合ったお医者さんに「え?、そっち関係の勉強してるの?」と言われるほど、知識だけはついてくる。

    で、知識だけの本かといえば全然そんなことも無い。終末医療、産婦人科業界そんな中に生きるのもやはりニンゲン。う〜ん、考えさせる一冊でした。

    それにしても、この人の本は京極なみに薀蓄が増えて本の面白さとは別に楽しいな〜。

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

    Posted by ブクログ

    戦犯として追われる主人公の逃亡生活が、ちょっとした移動ですらも余さずにほとんどが描かれている。長い。がそれだけの価値はあると思う。

    0
    2009年10月04日