帚木蓬生のレビュー一覧
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前々から読みたいと思っていて、ラオスで出会ったJICA職員の方から頂いた(奪った?笑)一冊。
アフリカの現状についてとてもよく調べられているというのが、節々で感じられた。所々に織り交ぜてあるたとえ話(たばこ一箱で子どもの一日分の蛋白質が奪われるとか、高速道路5kmの費用=アフリカ人100人の1年の食費とか)が、自分の中でイメージを想起しやすくてよかった。
誘拐事件のくだりからスピード感は出てきたけど、現実感ないし、何事もうまいこといきすぎやし、ちょっとだれてきたのは否めないな。
ただ、ラストは感動的やし、締めとしてふさわしいラストやし、自分の好きな一冊。
HIV感染の問題につい -
Posted by ブクログ
いや、おもしろかった。HIV薬害(と呼んでいいと思う)について内面から真っ向固く書き連ねているにもかかわらず、ストーリー展開もキャラ立ちも極上の筆力でああっという間に読める。私はまだ前作「アフリカの蹄」を読んでいないのだが、ぜひとも読まなければ、という気にさせられた。
それにしてもキャラたちのすべて魅力的なことよ! 悪者がまったく出てこない(出てきてもそれは深く書かれない)のは物足りない気もするが、テーマがはっきり浮かび上がって、むしろマンガ的にはしない、読者に「こう感じて欲しい」という作者の狙いが前面に出ていて、ドキドキはするが、エンタティンメントというよりは実録ものをどう面白く読んでもらえ -
Posted by ブクログ
半年近く前に上巻は読み終えていたのだが、だいぶ間が空いてしまった。
上巻をもう一度読み直さないとダメか…と思ったが、いきなり読み進めることが出来た。おそらく自分が思っていた以上に、人物の設定・ストーリーの展開などが、自身の記憶には印象的だったのだと思う。
後半の展開は、文章に余韻がありすぎて(NANAのいつも巻頭に書かれるようなセリフ口調を思い浮かべてもらうと良い)先の展開が、読めすぎてしまった。
最後のオチもなんかスッキリしなかったので、星4つ。上巻の方が引き込まれた、。それだけ新鮮だったのだろう。
ヒトラーの防具は実在しているというのが驚き。そして、それは今現在、日本にあるらしい。 -
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『聖灰の暗号(下)』(帚木蓬生、2010年、新潮文庫 )
キリスト教がテーマ、謎解き、謎解きと並行して起こる殺人事件。小説の設定としては『ダヴィンチ・コード』と似てます。
『聖灰の暗号』では、中世にローマカトリック教会から異端とされたカタリ派に関する世紀の大発見をした日本人歴史学者スガイとフランス人医師らとともに、物語が進んでいきます。
謎解きが進むにつれ、追手がいることが明らかに。それはスガイの発見を阻害しようとします。それがため、殺人事件にまで発展してしまいます。
追手が迫るなか、スガイらは謎解きと完成することができるのか。
(2009年12月31日) -
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『聖灰の暗号(上)』(帚木蓬生、2010年、新潮文庫 )
キリスト教がテーマ、謎解き、謎解きと並行して起こる殺人事件。小説の設定としては『ダヴィンチ・コード』と似てます。
『聖灰の暗号』では、中世にローマカトリック教会から異端とされたカタリ派に関する世紀の大発見をした日本人歴史学者スガイとフランス人医師らとともに、物語が進んでいきます。
謎解きが進むにつれ、追手がいることが明らかに。それはスガイの発見を阻害しようとします。それがため、殺人事件にまで発展してしまいます。
追手が迫るなか、スガイらは謎解きと完成することができるのか。
(2009年12月27日) -
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インターセックスから読んでしまったので、スターウォーズ的な感じになりました。
岸川の技術で人生が救われる人もいれば、簡単に命をとられてしまう胎児。
これは簡単に善悪の判断ができないなーと思った。僕の意見は学会に来ていた日本人の医師たちに似ていると思った。倫理とかを話合うべきなのではと。
まだ子供を持ちたいと思ったことないし、身近に想像できないガキだからそう思うのかな。身近な問題の人にとって話合いなんて待ってられないだろうな。
親と見ていたテレビの番組で、先天的な治療しないと命にかかわる難病にかかった幼児が、痛みで泣きじゃくっている姿を見た自分の親が、
「あんなに苦しい思いをさせるくら -
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下巻に入ると、モナコ学会での成功に目をつけたアメリカの企業からの魔の手が伸びてくるなどして事件が多発。テンポもあがって一気読みです。主人公・岸川院長の考えは全くぶれず、基本的に「患者のため」「患者の要望を叶える」。その姿勢は正しいが、「患者のため」を理由に何をしてもいいのかというと、当然そんなことはない。岸川院長の評価が難しいのは、通常の小説やドラマなら、悪役の医者は自分の利権(主にお金、名誉)を追い求めるので分かりやすいのだが、岸川院長は単純な利権にしがみついているわけではないところだ。上巻からずっと主人公視点で書かれているのでずっと読んでいると、正しいことをしているような感覚になる。やはり
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天才医師といえば外科医のイメージが強いが、この本の主人公・産婦人科医の岸川はまさに天才。天才ゆえの倫理を無視した医療の研究と実践の数々が、難しいことなのに分かりやすく描かれており、圧倒的に引き込まれる。岸川視点でひとつひとつの行動・言動についての経緯や考えがものすごく丁寧に書かれているおかげだと思う。上巻ではまだ大きな事件とか事故は起こっていないので、小説としての盛り上がりはないが、今後の展開に期待せずにはいられない。人工受精〜エンブリオ産業・・・人間にとって何が正しくてどう進むべきなのか? ある程度自分の考えをもちながら下巻も読み進めていきたいと思う。
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憲兵という主役には取り上げられない仕事についていた人間を主人公にした物語。
長い話だが、そもそも対象となっている期間が昭和45年から47,8年ということと、適度に現在と過去がフラッシュバックする
構成もあって、飽きることなく読み進められる。
主人公は戦時における憲兵という仕事柄、非道なことにもかかわるが、実はそれを思い悩むことはあまりない。
そこらへん作者が医者であるということもあるのだろう。作中にも出てくる事件で、遠藤周作は、主人公が悩んで悩んで悩みまくっちゃうという
「海と毒薬」という傑作を書いているのが、本作はそこまでの高みに達していないというか、そもそもそれを目的にしていない。
いずれ -
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倫理観、善悪、良心。
判断の基準はとても曖昧で、恣意的だ。
誰の立場で考えるかでも、判断は180度変わってしまう。
とりあげるのは臓器移植。
日本では、脳死の子どもの臓器移植は認められていない。法律で。
脳死判定の基準ができて、脳死と判定されれば臓器移植のドナーとなることが認められた。法律で。
じゃあ、無脳症児からの移植は?
移植でしか助かる道のない子どもを助ける方法がある。
脳死者からの臓器提供。
無脳症児からの臓器提供。
法律で認められている前者はセーフで、後者はアウト。
その線引きの恣意的さ。
ドナー側、患者側、どちらの立場で見るかによって、風景はころっと変わってしまう。