帚木蓬生のレビュー一覧

  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

    Posted by ブクログ

    15人の軍医達の、軍医になるまで・軍医としての行動・軍医で無くなってからの事などなどが淡々と語られる。医学の道を志した彼らが図らずも或いは希望して軍医という道を歩き始めた時先が見えていた人は殆ど居なかったのではないか。その時々の状況に応じて精一杯の事をして行く彼らに人としての基本のようなものを感じる。軍医で無くなった彼らは今どんな医者を過ごしているのだろうか。

    0
    2014年01月26日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

    Posted by ブクログ

    東京、広島、沖縄、満州、シベリアなど戦地で生きた軍医たちの短編集。
    敵国からの攻撃、それに恐怖する描写は顔をしかめてしまうほど。この感情のみで戦争に反対する理由が成り立つのではないかと思う。

    興味が引かれたのは、徴兵試験を行う軍医の話。最初の短編が戦地での生き死にを描いていただけに、印象が強い。お国のためという大義が叫ばれていようと、選択の余地があるのなら身の安全を確保したいと考えるだろう。このご時世、明治以降の歴史を昔のお話として捉えるよりも今の感性のもと理解していく歴史認識の仕方も必要だろうと思う。

    0
    2014年01月19日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

    Posted by ブクログ

    副題の「軍医たちの黙示録 」が示すように第二次大戦中の様々な軍医たちを主人公にした短編集です。
    私は『三たびの海峡』の様な帚木さんらしいヒューマニスティックな物語を期待していましたが、吉村昭さんの後期の記録文学に近く、それは巻末の膨大な参考文献の多くが日本医事新報への元軍医の投稿である事からも判ります。どちらかといえば私にとって苦手とする分野で、結構読むのに苦労しました。
    しかし、そうしたノンフィクション色の強い作品だけに、いろいろ考えさせられることも多い作品でした。
    戦争の悲惨さ、特に私の住む広島で起きた原爆の惨状、満州からの逃避行の悲惨さ。そして、終戦直後に様々な地域で起きた日本人への暴

    0
    2016年05月29日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

    Posted by ブクログ

    森田正馬は明治から大正にかけて活躍された精神医学者ですが、正直この本を読むまでは全く知らない人でした。ただ自身も神経症であったのを克服。その森田正馬の数ある言葉からよりすぐりの15の言葉を選んだのがこの本の内容です。正直どんな本か分からずに読んだのですが想像以上に良い内容でした。

    私が印象に残ったのは以下の4つの記述です

    ・「素直」の反対は「言い訳」
    ・過労死は単一の仕事を長時間続けた末に発生しやすく、ちょこちょこ頻繁に仕事の中身を変えておれば起こりにくい
    ・悩みや心配は5分以上頭で考えてはいけない。5分立てば体を動かした方がまし
    ・「ねぱならない」は英語ではMUST。「ねぱならない」を念

    0
    2013年11月26日
  • 風花病棟

    Posted by ブクログ

    乳癌と闘いながら仕事を続ける泣き虫先生。長年地域で頼りにされてきたクリニックを閉じようとしている老ドクター。顔を失った妻と妻を支える夫を見つめる医者。同じ戦地を経験した日米の二人の医師。など
    医師という共通の職業を持った10人の人間物語の温かい短編集。短編小説というよりも医者としての日記のような作品。
    病を乗り越えて更にいい作品を描いて頂きたい。

    0
    2013年11月12日
  • 移された顔

    Posted by ブクログ

    夫に猟銃で撃たれ顔を移植する妻の短編と、医師の婚約者の運転中事故で脳死になった友人から皮膚移植を受ける表題作は戯曲

    0
    2013年10月21日
  • 移された顔

    Posted by ブクログ

    映画『フェイス・オフ』もどきの医療が、これから増えていくのだろうなあ。
    医学の進歩は、未知の世界・・

    この著者の本は、コレが初めてで、こんな人がいたんだあ~と驚きです。
    東大文学部卒→TBS入社→退社後医学部へ→医者+小説家
    彼の頭の中、どうなってるんだろう・・

    もっと他の本も、ぜひ読んでみたい。

    0
    2013年10月19日
  • 逃亡(下)

    Posted by ブクログ

    最近外れ続きだったので久々の傑作でウレシス。
    社会派だけど情景描写が素晴らしく、情緒的で、
    でも情に傾きすぎない、素晴らしい一冊でした。

    0
    2013年10月06日
  • 国銅(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻。
    都での出世を断ち自らの仏を彫ることに打ち込んだ師匠様と、世俗と出世におぼれた師匠の友人との対比が、著者の強いメッセージ。

    主人公は、兄、友人、恋人、師匠様を亡くすも、また黙々と人足の仕事に打ち込むことを決意する。「己の仏を創る」ことを目指す。
    古い時代の人間を描いた話であるのに、現代にも通じるメッセージ性が印象的だ。

    0
    2013年09月30日
  • 国銅(上)

    Posted by ブクログ

    奈良の大仏を製作する為の、人足(力仕事をする作業員)の物語。
    時代も環境、身分、境遇は違えども、現代の自分達と変わらぬ「人の感情」がそこにはある。いや、むしろ常に生死を意識しながら、己の体を目一杯に使う毎日だからこそ現代以上の強い「感情」がある。

    0
    2013年09月30日
  • 安楽病棟

    Posted by ブクログ

    痴呆病棟を舞台にしたミステリーという括りだが、ミステリー要素はオマケ。新米看護師の目から見た痴呆病棟の叙述は密着ドキュメンタリーを観ているように細部まで描写されている。(身近に痴呆の人を見たことがない方は信じないだろうけど、かなりリアル)新米看護師の患者や家族との関わり方は慈愛に満ち、病棟で起きるハプニングもユーモラスにも思える。終末期の人間に関わるすべての人に対して粛々と問題提起する本。読んだ人は、家族なら、自分ならどうする?と考えずにいられなくなるはず。興味がある人は是非読むべき。

    0
    2013年09月08日
  • アフリカの瞳

    Posted by ブクログ

    どこまでが真実でどこまでがフィクションなのかわからないが、医者としての叫びのような作品。
    インフラや食糧や衣料のやみくもの援助すらも生活を破壊していく。10人に1人がHIVに感染している国。民主化後も貧しい人々は正しい知識も知らされず、満足な治療は受けられず、欧米の製薬会社による新薬開発の人体実験場と化していた。エイズを通してアフリカのかかえる様々な問題が書かれている。
    「アフリカの蹄」という作品が前篇として対になっているらしいが、これだけでも十分な完結したメッセージ小説となっている。

    0
    2013年09月08日
  • 国銅(上)

    Posted by ブクログ

    美しい景色と銅山での課役。そして奈良の大仏建立への挑戦。一人の人足の目線で語られる一大スペクタル歴史小説。天平の時代の彩る情景を思い浮かべる事が出来る美しい表現力。神の領域か。後半は味わって読もう♪

    0
    2013年08月25日
  • インターセックス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本の背表紙のあらすじでは「~やがて彼女は岸川の周辺に奇妙な変死が続くことに気付き…」とがっつりサスペンス感があるけど、その話はたまーにチラチラ最後にポッと出てくるだけでほとんどがインターセックスやその当事者の事、主人公の考えなど。
    インターセックスに興味があったので興味深い事だらけでよかった
    インターセックスに全く興味が無く、サスペンスを期待して読むとキツイかも
    むしろサスペンス要素は無しで、インターセックスや性差医療、男とか女とかじゃなくて人間として…的な内容だけで十分だったかも

    たまに難しそうな医学的用語や描写があるけどとても読みやすかったので、サスペンスは期待せず、インターセックスを知

    0
    2013年07月18日
  • 三たびの海峡

    Posted by ブクログ

    エンディングがどうなんだろう?
    折角積み上げてきたものが全て台無しになってしまう位の設定選択、惜しいなぁ。でもこの本は一読に値すると思う。
    日本人の歴史に対する対峙の態度はどう贔屓目に見ても浅薄と言わざるを得ないと感じるが、こういった書物等から目を開いていくしかないでしょう。
    自戒の念も込めてそう思いますな。

    0
    2013年06月06日
  • 三たびの海峡

    Posted by ブクログ

    第二次大戦中に朝鮮から日本へ強制連行された一人の男の人生を描く作品。
    戦時中の日本が何をしてきたのか、私は恥ずかしいけれど何となくしか知らない。
    そんな人が日本でも、きっと沢山いると思う。
    戦争を、朝鮮の人々の立場から捕らえた作品を読んだのは初めてだったので勉強になったし、日本と朝鮮に限らず、人が人を支配しようとすることの醜さを改めて強く感じた。

    ただこの主人公の最後の行為(実際に行われたかは不明だが)の描写が、
    引き込まれて読んできた最後に、少し唐突に感じるような、違和感を覚えた。

    0
    2013年05月24日
  • 空の色紙

    Posted by ブクログ

    自分が知らない時代の話。戦後や学生運動を舞台に生きた人たちを読むことは、いまを生きる者として損な事ではないだろう。

    著者のデビュー作ということで、メディカルサスペンスではないけれど、その時代の無情は感じれた気がする。

    0
    2013年05月06日
  • エンブリオ 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    彼が積み上げてきた研究に危機が訪れる
    米国からのスパイ、裏切り者
    愛していた恋人までも裏切られ・・・
    そしてすべての邪魔がやみに葬られた
    エンブリオとともに・・・・

    0
    2013年04月27日
  • エンブリオ 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中絶した胎児を保存
    死体から子宮を摘出して卵子を凍結、そして妊娠
    男性の妊娠、胎児の脳を摘出して手術に使われる・・・・
    夢のような話が書かれているのだけど
    実際に近いうちに行われるのではないかと考えさせられる
    倫理的にそれは悪なのか善なのかわからないが
    研究を追及し続ける主人公の危うさ感じられ目が離せない

    0
    2013年04月26日
  • エンブリオ 下

    Posted by ブクログ

     倫理を超えながらも、探究心、さらには冒険心で生殖医療に望む岸川。そのデーター、技術に巨額な金が動くことを見越しながらも、患者の要求に応えてこその医療といゆう信条が、この岸川医師を一刀両断に裁ききれないモヤモヤ感がある。
     患者にとっての最高の医者。その社会評価と背中合わせに感じるこのエグさはなんなんだろう。脳が未成熟で何ら判断の持たないエンブリオならば如何様にも手を下しても、堕胎してもかまわない、社会に未認知の空白の時間。人類のすべての子供が恵まれた環境で歓迎された状態で生まれてきてはいない事実はわかっていても、この空白時間にまで手をだすことは、やはり許されないと思う。
     医療がますますビジ

    0
    2013年03月17日