帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
顔移植について短編、戯曲、解説と3部構成になっています。
短編では散弾銃で顔を撃たれ眼と鼻、頬
上顎と上唇を失った女性のお話
顔の中で残されたのは額、上瞼、下唇、左目のみ上の歯は
すべて吹き飛ばされ口蓋もなく口で息ができないため
喉に穴が開けられる。半年の間に受けた手術は25回
頬を造るために肋骨が切り取られ、上顎は足の骨
それでもそれは顔の最低限の形を保つだけの役目
しかし彼女は顔と引き替えに命拾いしたと前向きに生きていきます
事故から7年後、彼女は顔移植を受ける。
彼女は口から息ができ、コップから飲み物を飲め、
食べる事ができる、匂いも戻ってきている
そして何より一番うれ -
Posted by ブクログ
副題の「軍医たちの黙示録 」が示すように第二次大戦中の様々な軍医たちを主人公にした短編集です。
私は『三たびの海峡』の様な帚木さんらしいヒューマニスティックな物語を期待していましたが、吉村昭さんの後期の記録文学に近く、それは巻末の膨大な参考文献の多くが日本医事新報への元軍医の投稿である事からも判ります。どちらかといえば私にとって苦手とする分野で、結構読むのに苦労しました。
しかし、そうしたノンフィクション色の強い作品だけに、いろいろ考えさせられることも多い作品でした。
戦争の悲惨さ、特に私の住む広島で起きた原爆の惨状、満州からの逃避行の悲惨さ。そして、終戦直後に様々な地域で起きた日本人への暴 -
Posted by ブクログ
森田正馬は明治から大正にかけて活躍された精神医学者ですが、正直この本を読むまでは全く知らない人でした。ただ自身も神経症であったのを克服。その森田正馬の数ある言葉からよりすぐりの15の言葉を選んだのがこの本の内容です。正直どんな本か分からずに読んだのですが想像以上に良い内容でした。
私が印象に残ったのは以下の4つの記述です
・「素直」の反対は「言い訳」
・過労死は単一の仕事を長時間続けた末に発生しやすく、ちょこちょこ頻繁に仕事の中身を変えておれば起こりにくい
・悩みや心配は5分以上頭で考えてはいけない。5分立てば体を動かした方がまし
・「ねぱならない」は英語ではMUST。「ねぱならない」を念