帚木蓬生のレビュー一覧
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インターセックスを扱った医療ミステリー。医師の翔子が、インターセックスに対する偏見と闘いながら、亡くなった親友の死の真相に迫る。
『エンブリオ』の続編となっているけれど、単体でも十分理解できる。
ミステリー部分については、犯人がほぼ分かっているので、物足りない気もするけれど、専門用語が多いのに分かりやすく、医療ものとしてはかなり楽しめる。
半陰陽、両性具有という言葉には馴染みがあったけれど、インターセックスは初めて聞いた。広義のインターセックスの新生児が、100人に1.5人の割合で生まれるということにビックリ。
性同一性障害はだいぶ認知されてきたけれど、それ以上にマイノリティな存在であるインターセックスの人たちが、声を上げることもできず、隠れるように生きている現状が淡々と描かれていて、読んでいて辛くなる。もっと世間に認知され、彼もしくは彼女たちが、自分らしく生きていける世の中になればいいと願う。
男か女かである前にひとりの人間であり、インターセックスは<第三の性>なのだという言葉が印象的。 -
Posted by ブクログ
紀元一世紀ごろの日本。漢の国から移民して来たらしい「あずみ」一族は、九州各地の小国家で異なる文字(阿住、安曇、安澄)を当てながら使譯(通訳)を務めていた。その内の那国出身の安澄を九代にわたって描いた歴史小説です。
最初の主人公は那国の使譯として「漢委奴國王」印を得た使節団で働き、その子孫たちも伊都国、弥摩大国(邪馬台国)で活躍します。時に女性が主人公になり、その時は日御子(卑弥呼)に仕える巫女です。
最近の帚木さんらしく悪人はおろか、品性卑しい人さえも登場しません。全べての登場人物が前向きの善人という設定です。様々な苦難もありますが、その原因は時代背景や自然です。
そのせいか、やはり少し物足りなさを感じます。物語として大きなうねりが少なく「綺麗ごと過ぎでしょう」という感じです。しかし、当時としては大冒険の漢への渡航、馬車、製鉄、度量衡などの様々な発明品との出会いなどで読ませて行きます。それで物語を成立させていくのですから、なかなかのものと言えます。
帚木さん自身が福岡出身・在住の為か、邪馬台国九州説で描かれていますがその辺りは主題では無く、あずみ一族に伝わる3つの教えが主要なテーマになって居ます。 -
Posted by ブクログ
繋驢桔(けろけつ)=ロバが繋がれた杭の周りを回って動けなくなる様=心配事をじっと考えて動かないこと。
それよりも、身を忙しくして目の前のやらなければならない仕事にとりあえず手を出す。休んで考える間なないほど日課を組む。小事を疎かにして大事ができるはずがない。
禅僧の修行=座禅、掃除、禅問答
本人の心理は無視=外相を整えれば内相も整う
朝から晩まで勤勉かつ簡素な生活をし続ければ、心が邪悪になるはずがない。
健康人のふりをしていれば健康になる。
素直な心、の反対語は頑固、ではない。言い訳が反対語。言い訳は進歩の芽を食いつぶす。
いいわけ=嘘をつく、責任転嫁、事態を過小化する、正当化、でも~。
気分本位の生き方は怠惰に直結する。怠惰を正当化するために気分が理由にされる。
その反対は、目的本位。気分がどうの、ではなく目的を果たそうと行動する。目的の行動をすれば、結果はともかくそれで良しとする。
無所住心=周囲にまんべんなく注意を払いつつ、心は何か一つに固着しない。
ハラハラ・ドキドキは、理想の精神状態である。集中している状態。ぼんやりしていない。
過去と未来に着目せず、現在に集中している状態。
即は人が食卓について食べようとしている状態。直ちに、近づく、取りも直さず。
渾沌=莊子 しゅつこつ=あっという間の短い時間
渾沌とは、矛盾を払いながらも成立しているこの世界のこと。
幸即不幸。煩悩即解脱。雑念即夢想。この世は渾沌としている。
なりきる=その場と一体化する
妨げる3要素=記憶、欲望、理解
悟りは、いかなる場合にも平気で生きていること。
痛みはそれ意外の影響力はない。無我夢中でこの一瞬を生きる。
心配事はつらい。これを受け入れる。自然服従。
与えられた環境に自然服従し、そこから出発するしかない。
吾唯足るを知る=口を共有している
生の欲望に気づくこと。目の前の仕事に手を出す。
我思う故に我なし。割れ動くゆえに我あり。
不安は生活していく上で避けられない副産物。道路にあらわれるトンネルと同じ。両者は不可分で共存している。=不安常住。
恐怖突入=真っ暗なトンネルの中で、前に突き進むこと。
不安常住=常に不安を抱きながら生きていき、毎日恐怖突入していく。毎日が本番であり練習はない。