帚木蓬生のレビュー一覧

  • アフリカの蹄

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    人種差別よる天然痘のパンデミック。ウィルス感染が怖いという以前に差別ということがとても怖く感じた。今ではたくさんの命を救うことができる心臓移植についても人種差別や人権の問題がとても関わっていたことを知り、いろいろ考えさせられる小説でした。

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    2014年06月12日
  • 国銅(下)

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    いつか読みたいと思っていた。
    オーソドックスな歴史小説だと思うが、奈良時代の使役の様子を再現するというのは、作家の想像力というのは凄いものだ。生きていくことが、諸国を移動することがとてつもなく困難で危険であった時代、丁寧に丁寧に日々を生きることが、なにより大事であったのだろう。そういう感慨で胸が包まれる。

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    2018年10月14日
  • 国銅(下)

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    (上下巻通じての感想です)
    奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記述は素晴らしかったです。
    ただ、ちょっと残念だったのは主人公があまりにも体力的、知的、人物的に優れていたことでした。もっと庶民の姿で書いてあれば良かったのにと思いました。

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    2014年05月04日
  • 国銅(上)

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    (上下巻通じての感想です)
    奈良の大仏を作る物語ですが、時の権力者や僧侶の側からではなく、作業に直接携わる人足の側から書いています。大仏の材料となる銅鉱石の掘り出しから始まって、精錬し、地方から都へ舟で運び、大仏の製造鋳込みを行います。その作業過程の描写や働く人足たちの気持ちの記述は素晴らしかったです。
    ただ、ちょっと残念だったのは主人公があまりにも体力的、知的、人物的に優れていたことでした。もっと庶民の姿で書いてあれば良かったのにと思いました。

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    2014年05月04日
  • 臓器農場

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    ミステリーの形としては普通なんだけど、テーマが特殊だからかすごく特別に感じた。でも、これって答えの出ない問題なのかもしれない。倫理的な問題って意見分かれるよね。

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    2014年04月29日
  • 水神(下)

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    泣きっぱなしでした。九州弁がいいよね。でも、歴史的にはこのあと過酷な状況になるらしい。本当に続編が読みたいなー。

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    2014年04月16日
  • 水神(上)

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    前半は百姓の悲惨な生活…松皮粉、藁餅など農民文学かと思いきや、後半は涙涙の展開。下巻はもっとウルウルするのかな。

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    2014年04月15日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    戦争とは、人が死ぬこと。人を殺すこと。

    死というものと最も向き合わなければいけない軍医。
    医師としての無力感と、駒として戦争という場面に巻き込まれてしまうことに対する不条理さ。
    数々の軍医の物語は、個人という存在にとって戦争がどれだけ無意味かということを生々しくあぶりだす。

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    2014年03月29日
  • 移された顔

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    顔移植について短編、戯曲、解説と3部構成になっています。


    短編では散弾銃で顔を撃たれ眼と鼻、頬
    上顎と上唇を失った女性のお話


    顔の中で残されたのは額、上瞼、下唇、左目のみ上の歯は
    すべて吹き飛ばされ口蓋もなく口で息ができないため
    喉に穴が開けられる。半年の間に受けた手術は25回
    頬を造るために肋骨が切り取られ、上顎は足の骨

    それでもそれは顔の最低限の形を保つだけの役目


    しかし彼女は顔と引き替えに命拾いしたと前向きに生きていきます
    事故から7年後、彼女は顔移植を受ける。


    彼女は口から息ができ、コップから飲み物を飲め、
    食べる事ができる、匂いも戻ってきている
    そして何より一番うれ

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    2017年09月20日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    参考図書に圧巻。
    医者である著者にしか書けない小説の形をとった短編のノンフィクション作品。
    本来は戦場に行かなくてもいいはずのエリートたる医者や医学生を動員をせざるをえない太平洋戦争が、総力戦だったのだと再確認。

    見所は、376ページの出征する医学生に訓示をするシーン

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    2015年04月02日
  • インターセックス

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    さすが医師の作品。学部の産婦人科でもそれほど学ばない分野を克明に記述していた。医師としてもなかなか読み応えのあるものだった。

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    2014年02月12日
  • 賞の柩

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    この本で初めて帚木先生の存在を知ったのですが、これこそ医療サスペンス。今は医療サスペンスというと「チームバチスタ」かもしれませんが、断然こちらをお薦めします。小難しい医療話も少なく分かりやすいし、場面展開が早くて飽きがきません。他の作品も読みたいです。

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    2014年02月05日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    15人の軍医達の、軍医になるまで・軍医としての行動・軍医で無くなってからの事などなどが淡々と語られる。医学の道を志した彼らが図らずも或いは希望して軍医という道を歩き始めた時先が見えていた人は殆ど居なかったのではないか。その時々の状況に応じて精一杯の事をして行く彼らに人としての基本のようなものを感じる。軍医で無くなった彼らは今どんな医者を過ごしているのだろうか。

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    2014年01月26日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    東京、広島、沖縄、満州、シベリアなど戦地で生きた軍医たちの短編集。
    敵国からの攻撃、それに恐怖する描写は顔をしかめてしまうほど。この感情のみで戦争に反対する理由が成り立つのではないかと思う。

    興味が引かれたのは、徴兵試験を行う軍医の話。最初の短編が戦地での生き死にを描いていただけに、印象が強い。お国のためという大義が叫ばれていようと、選択の余地があるのなら身の安全を確保したいと考えるだろう。このご時世、明治以降の歴史を昔のお話として捉えるよりも今の感性のもと理解していく歴史認識の仕方も必要だろうと思う。

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    2014年01月19日
  • 蠅の帝国―軍医たちの黙示録―

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    副題の「軍医たちの黙示録 」が示すように第二次大戦中の様々な軍医たちを主人公にした短編集です。
    私は『三たびの海峡』の様な帚木さんらしいヒューマニスティックな物語を期待していましたが、吉村昭さんの後期の記録文学に近く、それは巻末の膨大な参考文献の多くが日本医事新報への元軍医の投稿である事からも判ります。どちらかといえば私にとって苦手とする分野で、結構読むのに苦労しました。
    しかし、そうしたノンフィクション色の強い作品だけに、いろいろ考えさせられることも多い作品でした。
    戦争の悲惨さ、特に私の住む広島で起きた原爆の惨状、満州からの逃避行の悲惨さ。そして、終戦直後に様々な地域で起きた日本人への暴

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    2016年05月29日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    森田正馬は明治から大正にかけて活躍された精神医学者ですが、正直この本を読むまでは全く知らない人でした。ただ自身も神経症であったのを克服。その森田正馬の数ある言葉からよりすぐりの15の言葉を選んだのがこの本の内容です。正直どんな本か分からずに読んだのですが想像以上に良い内容でした。

    私が印象に残ったのは以下の4つの記述です

    ・「素直」の反対は「言い訳」
    ・過労死は単一の仕事を長時間続けた末に発生しやすく、ちょこちょこ頻繁に仕事の中身を変えておれば起こりにくい
    ・悩みや心配は5分以上頭で考えてはいけない。5分立てば体を動かした方がまし
    ・「ねぱならない」は英語ではMUST。「ねぱならない」を念

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    2013年11月26日
  • 風花病棟

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    乳癌と闘いながら仕事を続ける泣き虫先生。長年地域で頼りにされてきたクリニックを閉じようとしている老ドクター。顔を失った妻と妻を支える夫を見つめる医者。同じ戦地を経験した日米の二人の医師。など
    医師という共通の職業を持った10人の人間物語の温かい短編集。短編小説というよりも医者としての日記のような作品。
    病を乗り越えて更にいい作品を描いて頂きたい。

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    2013年11月12日
  • 移された顔

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    夫に猟銃で撃たれ顔を移植する妻の短編と、医師の婚約者の運転中事故で脳死になった友人から皮膚移植を受ける表題作は戯曲

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    2013年10月21日
  • 移された顔

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    映画『フェイス・オフ』もどきの医療が、これから増えていくのだろうなあ。
    医学の進歩は、未知の世界・・

    この著者の本は、コレが初めてで、こんな人がいたんだあ~と驚きです。
    東大文学部卒→TBS入社→退社後医学部へ→医者+小説家
    彼の頭の中、どうなってるんだろう・・

    もっと他の本も、ぜひ読んでみたい。

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    2013年10月19日
  • 逃亡(下)

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    最近外れ続きだったので久々の傑作でウレシス。
    社会派だけど情景描写が素晴らしく、情緒的で、
    でも情に傾きすぎない、素晴らしい一冊でした。

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    2013年10月06日