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精神科医ラゼーグら周囲の心遣いから次第に心を開くようになった音奴。日本の旅芸人一座にいたという彼女が語り始めた身の上にラゼーグは驚きを隠せない。そんななか、連続女性失踪事件を追うパリ警視庁警視の妹で、ラゼーグとも親しい仲だったラボリ嬢が殺害される。犯人は誰で、その目的は何なのか。失踪事件の真相とは。華やかなパリ万国博覧会の陰で起こった猟奇的事件をスリリングに描く。
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Posted by ブクログ
舞台は1900年のパリ。1900年のパリ、と聞いても歴史に弱い私はそれがどういう時期だったのか、すぐに分かりませんでした。確かフランス革命って18世紀末だよな。じゃあそれから100年後くらいか。ふむふむ、パリ万博。おっ、これはなんか聞いたことあるぞ。ドレフュス事件……? うっ、こっちもなんか聞いたことはあるけど……、ほうほう、こんな事件だったのか。と正直そのくらいの知識で読みはじめたのですが、著者の紡ぐ丁寧な描写のおかげもあって、気付けば、心は1900年のパリにいました。
日本の芸術品に強い興味を持つ精神科医のラゼーグを語り手に、謎めいた日本人女性である音奴との出会い、そしてラゼーグに会うまでの彼女に何があったのか、という秘密が事件の真相に深く関わっていく――。ラゼーグと音奴の関係はもちろんですが、徐々に心を開いていく音奴と彼女に協力的な態度を示してくれる脇を固める人物の姿も印象的でした。真相が明かされることで読者が知る、サスペンス的な恐怖と後に残るような嫌な感じも魅力的です。
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