帚木蓬生のレビュー一覧

  • ヒトラーの防具(下)

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    東西の壁が崩壊したベルリンで、「贈ヒトラー閣下」と書かれた剣道の防具が発見された事実から描かれた作品。
    ナチス政権下のベルリンに武官補佐官として派遣された日独混血の青年将校の苦悩と数奇な運命。回復の見込みのない精神病者の処分、ユダヤ人弾圧、ヒトラー・ナチスの外交戦略に惑わされる日本軍部の定見のなさが冷静な日本青年の目を通して描かれる。ナチスを通して更にその上を行く無定見な日本をも描いている。
    結末は少しどうかなとも思ったが、全体としてはすばらしい作品。
    視点としては戦争末期、朝鮮人の九州炭鉱への強制連行を朝鮮人の視点で描いた「三たびの海峡」と同じ目線。
    作者が精神科医として、精神病院の入院患者

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    2012年12月18日
  • エンブリオ 上

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    SF(実際現実がどこまで行ってるか知らんけど)映画なとこと小説らしい書き方流れ(お約束的な)。おもしろいし安定感(引き込まれる)だけど物足りないような(下巻の展開に期待)。とともに下巻しだい。

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    2012年11月08日
  • 空の色紙

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    重さは相変わらずだが、初期短編ゆえに書評の通りやはり硬い気もする。が、箒木作品に親しい人ならば気になるほどではないだろう。

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    2012年10月31日
  • 風花病棟

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    お医者さんを題材にした10の短編。エンタメとかサスペンスではなく誠実な人間ドラマがきちんと描かれてた…いろんな場所いろんな時代いろんな社会医療問題を背景としたお話なので飽きないし、楽しめるとともに勉強になった。花のエピソードがまたいい。

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    2012年10月25日
  • エンブリオ 下

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    院長岸川の野心。それに疑問を抱きつつも、子に恵まれない夫婦には、何とかして子を授けてやりたいと、ディンクスの私は思わざるをえません。

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    2012年10月03日
  • ヒトラーの防具(下)

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     戦況も押し迫ってきて,上巻よりも速いペースで読めた。主人公とヒトラーとのつながりも,みるみる深くなってゆく。
     この小説は,日本からヒトラーに贈られた剣道の防具が,ドイツ統一後に発見されるというところが話の発端。下巻に至って,『ヒトラーの防具』というタイトルに二重の意味が込められていたことも判明する。最後のベルリン陥落,ヒトラーの最後の場面は見ものだった。

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    2012年10月01日
  • ヒトラーの防具(上)

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     妻の薦めで読んだ。1938年,ベルリンに赴任した日本陸軍大尉の目から見た,戦争の一部始終。主人公は日独混血の青年。ヒトラーや大島浩をはじめとする日独の高官や一般の市民だけでなく,ユダヤ人・精神病患者等とのかかわりも深く,小説を通してナチスドイツの戦争を多面的に辿っていくことができる。
     上巻は,三国同盟成立まで。

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    2012年10月01日
  • 水神(下)

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    いよいよ水路作りが始まった。生き生きと働く農民たち。
    食べ物の描写が細かい。けっして豪華な食べ物じゃないんだけど、実に美味しそう。

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    2012年09月17日
  • 水神(上)

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    渇水に苦しむ村々。筑後川の堤作りに立ち上がった庄屋たちの悲願は叶うのか。
    農民たちの暮らしや庄屋たちの想いが淡々と、生き生きと綴られます。

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    2012年09月17日
  • エンブリオ 下

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    なるほど。こちらを先に読んでいれば、『インターセックス』で一部なぞとなっている部分は、なぞでも何でも無かったのですね。
    知らずに逆の順序で読んだことで、実は『インターセックス』をちょっと多めに楽しむ事が出来たのかもしれませんし、こちらで岸川の性格、やり方が分かっていたら違った視点から読めたのかもと。。。
    しかし、驚いたのは、年間に生まれる子供と堕胎される子供の数が同じくらいであること。もしかして少子化の原因には堕胎のリスクが昔よりも少なくなり、一昔前なら生まれたかもしれない命が、避妊意外にもこういった方法で盛んにBirth Controlが行えてしまっていることも含まれるのではと邪推せずには入

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    2012年08月17日
  • 水神(上)

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    百姓たちの頑張り、庄屋たちの熱い思いが詰まっている作品です。
    末端の人間の頑張りも、必ず見てくれている人がいる。現代でもそうありたいものです。

    百姓・庄屋たちの描写もしっかりと読ませてくれますが、圧巻は庄屋たちがお奉行へ嘆願する場面です。
    嘆願書の文面には涙を禁じえません。

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    2012年08月16日
  • 水神(下)

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    (上)
    目の前を悠然と流れる筑後川。

    だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。


    助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。



    その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。


    彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。


    新田次郎文学賞受賞作。


    (下)
    ついに工事が始まった。

    大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。


    百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。

    「水が来たぞ」。



    苦難の果てに叫び声は上がった。

    子々孫々にまで筑

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    2012年08月14日
  • 水神(上)

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    (上)
    目の前を悠然と流れる筑後川。

    だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。


    助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。



    その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。


    彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。


    新田次郎文学賞受賞作。


    (下)
    ついに工事が始まった。

    大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。


    百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。

    「水が来たぞ」。



    苦難の果てに叫び声は上がった。

    子々孫々にまで筑

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    2012年08月14日
  • エンブリオ 上

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    てっきり『インターセックス』の後の話だと思って読んでいたのですが、前の話だったのですね。『インターセックス』に少ししか登場しないのになぜか存在感を放っている人物が生き生き描かれています。
    もしかして、こちらも推理小説仕立てなのでしょうか?だとすると『インターセックス』でちょっとなぞのままだったところのパズルのピースが嵌るのかも。と言うわけで、下巻に乞うご期待。

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    2012年08月13日
  • 風花病棟

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    ネタバレ

    どの話もよかった。

    しっかりした、中身の詰まった読み物、という感じ。
    昔読んだ「閉鎖病棟」ほど暗くなく、安心して読める。
    (戦争の話や重い病や、人間の残酷さなどは描かれているけど)

    盛り上がりは少ないけど、いい本だなー
    特に、「藤籠」「雨に濡れて」「百日紅」に、じーんとした。

    さわりは何となく重松清っぽいかなと思ったけど、
    嫌な言い方をすれば、もっと説得力があって、媚びの少ない感じ?
    重松清も好きだけど。

    あとがきもいい。

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    2012年08月09日
  • アフリカの蹄

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    ネタバレ

    「絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師」の話。

    医療系のパニック小説も実は好きなので、本の紹介文を見て予約。
    だが実際に読んでみて、ウィルスの怖さ以上に人種差別の問題が何よりも大きく重い。
    アパルトヘイトについて、恥ずかしい事に大雑把な知識しか持っていないが
    本書に描かれる「この国」の様子は、当時の実際の状況を表しているのだと思う。
    黒人医師サミュエルの言葉「黒人が解放されることは、白人が解放されることなんだよ」が胸に来る。
    誰かを抑圧し支配して生きる事は、実際には自分自身が、人間として大切なものをすり減らし失って生きていくこ

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    2012年08月08日
  • 安楽病棟

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    終末期医療の作品。

    閉鎖病棟も読みましたが、痴呆病棟内の描写は秀逸だとかんじました。

    ミステリーに仕上げてあるので、読み続ける愉しみも持ちつつ、また、主人公の看護師の公私ともの心の動きも興味深く読める帚木氏ならではの作品だと思います。

    看護師さんが、ある種語り部みたいな役割を担っているので、
    作品全体が優しいかんじになっているのかな。

    ただ、ミステリーとして読むとラストは、ちょっと寂しかったなあ。

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    2012年07月23日
  • 三たびの海峡

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    構成とテンポが非常によく、物語の長さを感じさせないのはさすが。テーマの重さや感情表現の巧みさもあって、読み応えが非常にあった。戦時中の日本を普段あまり考えない角度から描いているので、読まないよりも読んだほうが良い本だと思う。

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    2012年07月12日
  • 水神(下)

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    今のような重機がない時代。川に堰を作り用水路を張り巡らせるのはどんなに大変だったろう。大石を運ぶ場面で思い出したのはピラミッドの石運び。試験通水で起きた事故に対して庄屋に咎が行かないようにした下奉行の行為に涙が止まらなかった。命を懸ける覚悟をした五人の庄屋、命を懸けてそれを助けた武士。

    読み終わって、筑後川を大石堰を見てみたいと思った。インターネットは便利で、写真は見つけたけれどやっぱりこの目で見たいものだ。

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    2012年07月06日
  • 風花病棟

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    10話の短編集。医療に携わっている私には、周りの状況や主人公の思いなどが想像しやすい。だから入り込んで読み、涙ぐんだ作品もある。みんなこんな素敵な医師や看護師だったらなぁと思う。テレビの医療ドラマのような現実離れした所はなく、今の医療に欠けている部分を鋭くなく、柔らかな感じで現されている。

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    2012年06月30日