帚木蓬生のレビュー一覧

  • アフリカの蹄

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    白人の人種差別から来る陰謀としてのパンデミック、というなんともおぞましいスケールの大きいテーマの割にドキドキハラハラ、といった切迫感よりは黒人側につく主人公の静かな怒りが物語全体に低通している感じがした。

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    2013年03月03日
  • エンブリオ 上

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     小説でなければ書けなかった医療現場の飽くなき探究心、生命誕生にどこまで人為的な行動が許されるか?そして日本の医療の法的規制のない事実。倫理とか常識とかいった心情に訴えるだけで、現実として未出生になる胎児は、年間出生胎児とほぼ同数か倍数に百万から二十万という事実。特に医学・医療が延命に対して先端医療が認められるのならば、生命誕生にはどうななのか?という課題を衝き付ける13章は読ませる。
     山中教授のノーベル賞受賞報道の頃に本書の紹介文があり知りました。子孫を残していくという本能に近い部分と、それが叶わなかった人にも機会を、ここではips細胞発見まえだったので、血縁ある胎児細胞を移植に利用すると

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    2013年03月03日
  • アフリカの蹄

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    この国がどうして〈アフリカの蹄〉と言うのか教えてやろうか。白人が我々黒人を蹄で蹴散らし、踏みにじっている場所だからだー。
    アパルトヘイト政策のもと、人種差別が激烈であった南アフリカ共和国が舞台のモデルとなっている。

    根絶したはずの天然痘が、爆発的な勢いで黒人の子供達に蔓延した。白人の子供達には被害は無く、黒人の子供達だけが毎日多く命を落とす。この不可解な出来事と相重なって衛生局は病人を隔離し、病の拡散を防ぐことを謳い黒人達を黒人居住区へ追いやる。この国の白人は、古くからこの地で暮らしていた黒人を排斥して白人だけの国家を築くことを強く願っていた。一連の出来事は何者かの陰謀なのか?
    心臓外科を学

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    2013年02月04日
  • 水神(下)

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    さすがに感動させる文章。「名もなき英雄」の描き方がうまく、実話をもとにした作品だけにおもしろい。文章にくどさがなく、テンポがよく、それでいて起伏があってよい。複雑な伏線をはりめぐらす作品ではないだけに、ストレートなよさがある。

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    2013年01月09日
  • アフリカの蹄

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    新年一冊目は、チョット真面目なお話。ずっと気になっていた帚木蓬生さん。心臓移植を学ぶ為にアフリカに留学した若い日本人医師。そこで黒人差別の酷さを目の当たりにする。白人が黒人社会を排除する為に絶滅した天然痘ウィルスをばらまき、黒人の子供達の間に天然痘が一気に流行する。なんとかして助けてやりたいと、若き日本人医師が自分の命の危険を犯してまでも白人社会と闘う。教科書では知る事の出来ないアパルトヘイトについて書いてあって、どうしてこんな差別が起きたのか哀しくなった。最後は、日本人医師の人種を越えた勇気にただただ感動。

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    2013年01月05日
  • 千日紅の恋人

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    「千日紅」という文字に惹かれて手に取った一冊。
    九州を舞台に、バツ2で40歳間近の時子の日常生活を中心としたお話。

    ホームヘルパーとして、父の形見であるアパート「扇荘」の管理人として毎日を送っていますが、仕事を仕事と割り切らず、所々に感じる彼女の人の良さがとても自然で素敵でした。

    扇荘に一人の青年・有馬が現れたことから、少しずつ時子の生活が華やいでいきますが、終始ゆったりとした話です。
    鵜飼いや棚田など、田舎の描写が綺麗で、目に浮かぶようでした。
    ベトナムのサイゴンへも行ってみたくなりました。

    始めは途中で飽きてしまうかもと思ったけれど、たまにはこんな大人の恋愛も良いなぁと思える作品でし

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    2013年01月05日
  • ヒトラーの防具(下)

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    東西の壁が崩壊したベルリンで、「贈ヒトラー閣下」と書かれた剣道の防具が発見された事実から描かれた作品。
    ナチス政権下のベルリンに武官補佐官として派遣された日独混血の青年将校の苦悩と数奇な運命。回復の見込みのない精神病者の処分、ユダヤ人弾圧、ヒトラー・ナチスの外交戦略に惑わされる日本軍部の定見のなさが冷静な日本青年の目を通して描かれる。ナチスを通して更にその上を行く無定見な日本をも描いている。
    結末は少しどうかなとも思ったが、全体としてはすばらしい作品。
    視点としては戦争末期、朝鮮人の九州炭鉱への強制連行を朝鮮人の視点で描いた「三たびの海峡」と同じ目線。
    作者が精神科医として、精神病院の入院患者

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    2012年12月18日
  • エンブリオ 上

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    SF(実際現実がどこまで行ってるか知らんけど)映画なとこと小説らしい書き方流れ(お約束的な)。おもしろいし安定感(引き込まれる)だけど物足りないような(下巻の展開に期待)。とともに下巻しだい。

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    2012年11月08日
  • 空の色紙

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    重さは相変わらずだが、初期短編ゆえに書評の通りやはり硬い気もする。が、箒木作品に親しい人ならば気になるほどではないだろう。

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    2012年10月31日
  • 風花病棟

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    お医者さんを題材にした10の短編。エンタメとかサスペンスではなく誠実な人間ドラマがきちんと描かれてた…いろんな場所いろんな時代いろんな社会医療問題を背景としたお話なので飽きないし、楽しめるとともに勉強になった。花のエピソードがまたいい。

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    2012年10月25日
  • エンブリオ 下

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    院長岸川の野心。それに疑問を抱きつつも、子に恵まれない夫婦には、何とかして子を授けてやりたいと、ディンクスの私は思わざるをえません。

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    2012年10月03日
  • ヒトラーの防具(下)

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     戦況も押し迫ってきて,上巻よりも速いペースで読めた。主人公とヒトラーとのつながりも,みるみる深くなってゆく。
     この小説は,日本からヒトラーに贈られた剣道の防具が,ドイツ統一後に発見されるというところが話の発端。下巻に至って,『ヒトラーの防具』というタイトルに二重の意味が込められていたことも判明する。最後のベルリン陥落,ヒトラーの最後の場面は見ものだった。

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    2012年10月01日
  • ヒトラーの防具(上)

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     妻の薦めで読んだ。1938年,ベルリンに赴任した日本陸軍大尉の目から見た,戦争の一部始終。主人公は日独混血の青年。ヒトラーや大島浩をはじめとする日独の高官や一般の市民だけでなく,ユダヤ人・精神病患者等とのかかわりも深く,小説を通してナチスドイツの戦争を多面的に辿っていくことができる。
     上巻は,三国同盟成立まで。

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    2012年10月01日
  • 水神(下)

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    いよいよ水路作りが始まった。生き生きと働く農民たち。
    食べ物の描写が細かい。けっして豪華な食べ物じゃないんだけど、実に美味しそう。

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    2012年09月17日
  • 水神(上)

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    渇水に苦しむ村々。筑後川の堤作りに立ち上がった庄屋たちの悲願は叶うのか。
    農民たちの暮らしや庄屋たちの想いが淡々と、生き生きと綴られます。

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    2012年09月17日
  • エンブリオ 下

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    なるほど。こちらを先に読んでいれば、『インターセックス』で一部なぞとなっている部分は、なぞでも何でも無かったのですね。
    知らずに逆の順序で読んだことで、実は『インターセックス』をちょっと多めに楽しむ事が出来たのかもしれませんし、こちらで岸川の性格、やり方が分かっていたら違った視点から読めたのかもと。。。
    しかし、驚いたのは、年間に生まれる子供と堕胎される子供の数が同じくらいであること。もしかして少子化の原因には堕胎のリスクが昔よりも少なくなり、一昔前なら生まれたかもしれない命が、避妊意外にもこういった方法で盛んにBirth Controlが行えてしまっていることも含まれるのではと邪推せずには入

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    2012年08月17日
  • 水神(上)

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    百姓たちの頑張り、庄屋たちの熱い思いが詰まっている作品です。
    末端の人間の頑張りも、必ず見てくれている人がいる。現代でもそうありたいものです。

    百姓・庄屋たちの描写もしっかりと読ませてくれますが、圧巻は庄屋たちがお奉行へ嘆願する場面です。
    嘆願書の文面には涙を禁じえません。

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    2012年08月16日
  • 水神(下)

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    (上)
    目の前を悠然と流れる筑後川。

    だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。


    助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。



    その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。


    彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。


    新田次郎文学賞受賞作。


    (下)
    ついに工事が始まった。

    大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。


    百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。

    「水が来たぞ」。



    苦難の果てに叫び声は上がった。

    子々孫々にまで筑

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    2012年08月14日
  • 水神(上)

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    (上)
    目の前を悠然と流れる筑後川。

    だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。


    助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。



    その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。


    彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか―。


    新田次郎文学賞受賞作。


    (下)
    ついに工事が始まった。

    大石を沈めては堰を作り、水路を切りひらいてゆく。


    百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。

    「水が来たぞ」。



    苦難の果てに叫び声は上がった。

    子々孫々にまで筑

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    2012年08月14日
  • エンブリオ 上

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    てっきり『インターセックス』の後の話だと思って読んでいたのですが、前の話だったのですね。『インターセックス』に少ししか登場しないのになぜか存在感を放っている人物が生き生き描かれています。
    もしかして、こちらも推理小説仕立てなのでしょうか?だとすると『インターセックス』でちょっとなぞのままだったところのパズルのピースが嵌るのかも。と言うわけで、下巻に乞うご期待。

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    2012年08月13日