帚木蓬生のレビュー一覧

  • 臓器農場

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    日本ミステリーのレンチャン。めったに無いことですね。
    帚木蓬生さんは前回の閉鎖病棟が気に入って2冊目。余りミステリーめいたものは避けて購入したつもりが・・・。面白くなかったわけではないのです。ただ、この題材ならミステリー的な比重をもう少し下げたほうが、良い作品になったように思えます。優子も的場医師も死を賭してまで調査する必要も無いですし、殺害されなくても・・。
    一人一人の登場人物は生きていると思います。例えばケーブルカー乗員の藤野さんとか、間島看護婦とか。そうした人物像中心で話を進めたら臓器移植という題材をより生かせたように思えるのです。
    また、最後50ページはチョッとくどい感じですねエ

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    2017年11月16日
  • 空夜

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    恋愛小説です。そういった分野を好む人には良いかも知れません。帚木さんの文章が好きなので読んでる最中は結構熱中できるのですが、終わってしまうと何も残ってないような気がします。どうもこの手の恋愛小説は私には似合わないのでしょう。
    それと帚木作品に共通しているのですが、私にはどうも最後の一章が「くどい」感じがします。
    ちょっと生臭いかな。もっと将来の予感で終わった方がすっきりしたか・・・と。恋愛小説としての出来も、むしろ「賞の柩」の方が良いかも知れませ

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    2017年11月16日
  • 安楽病棟

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    最初に一人一人の入院までの過程が短編風に語られ、その後、病院での生活風景が続き、最後にサスペンス。「閉鎖病棟」によく似た構成でできています。
    この人の文章はよほど私の波長と会うのでしょうか、導入部では一気に没入できました。しかし、祖父や母のことを思い起こさせる中盤はちょっと辛い。延々と痴呆の実態がつづられます。なんだか一種のルポルタージュみたいです。何がテーマなのか、どうエンディングにつながるのかと心配した頃、いきなりサスペンスに変わります。
    サスペンスが書きたかったのか、痴呆と言う社会問題を提起したかったのか、どちらにしても中途半端な感じは否めません。

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    2017年11月10日
  • エンブリオ 上

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    これは物語(小説)の形を借りた、現代医療の倫理上の問題点を啓発する書でしょう。確かにミステリー仕掛けで小説としての姿は整っているのですが、作者の書きたかったテーマはそこにあるようです。
    主人公の岸川医師は、献身的で優秀な医者として描かれます。その結果、全ての患者から信頼され、かつ、それを裏切らない医者です。しかし一方で、彼が、そして日本の法律が人間とは見なさない胎児、卵子、精子については”物”としての取り扱いです。その行為は恐ろしく、グロテスクです。
    こうした問題に対し、興味がある方以外には、余りお勧めできる本では有りません。

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    2017年10月30日
  • インターセックス

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    医師としても経営者としても優れた岸川と、インターセックスや性同一性障害の患者に向き合う翔子。翔子の秘密については早期に予想はつくし、ラストも予想の範囲内だが、医療ものとしては分かりやすく、とても勉強になった。すべてのインターセックスの人が同じ考えを持つかは分からないが。薬の量にしても、誰を基準としているかなど考えたこともなかったので、なるほどと思えた。
    岸川の魅力が強すぎて、翔子が霞んでいる気がするのが惜しい。

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    2017年10月21日
  • 安楽病棟

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    安楽死のことより、老人の抱える問題、特に痴呆老人のことが詳しく描かれていて、興味深い。
    40歳から老後が始まる、という記述にドキリとした。

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    2017年09月30日
  • 国銅(下)

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    若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。

    帚木さんの作品は初めてだが、様々なタイプの物があるようなのでまた読みたい。

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    2017年09月18日
  • 受精

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    恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。舞子はかつて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。その言葉は、“生ける屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。死んだ恋人の子供を身ごもるために…

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    2017年04月08日
  • インターセックス

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    これは深いい本だった。両性具有は知ってたけど色んなインターセックス(半陰陽)のパターンがあるとは驚きだった。そもそもインターセックスという言葉も初めて知ったし。
    その方たちは本にもあるように誰にも知られず、ヒッソリと生活しているのか?そもそも人間は白黒つけたがるし。個人的にはグレーもウェルカムだけど、その本人にとったら隠したいのも良く分かる。

    ミステリーの方はおまけ的な感じ。インターセックスの勉強をする本だと思う。読んで良かった。

    岸と名のつく苗字は前職の社長を思い出させるので、そこだけが何とも気持ち悪い感じだった。

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    2017年04月28日
  • インターセックス

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    男でもなく女でもない第3の性「インターセックス」
    広義では100人に1.5人もいるという事実にびっくり。
    学校でいえば、1学年に1人くらいはいるってことか・・・

    マイノリティの苦悩
    すごく勉強になった1冊

    ミステリの部分は、まぁおまけ的な感じ(笑)

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    2017年01月27日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    薦められて読んだ本。おもしろい、というより勉強になる本。普通に生きていたら知ることもない世界に対して、筆者の知ってほしいという感情が溢れている。「おそらく不意に襲ってきた不幸に対して、人は「どうしてよりによって」と反射的に考え、その解決策として原因探しをし、自分を責めるだろう。人間の遺伝子に組み込まれた知性がそうされるに違いない。
    要するに人間の知性は<偶然>を受け入れられないのだ。すべてに因果関係を求めるこの傾向こそが、ヒトをその他の動物から抜きん出させた原因とさえ言える。」
    蛇足だが岸川先生のような人材は罪に問われる必要は無いと思う。

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    2017年01月21日
  • 三たびの海峡

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    朝鮮人の目からみた大戦中の強制労働を軸に、二十数年前に書かれた小説。

    当時の雰囲気を反映してか、戦時中の日本国家による行為に対する目は厳しい。

    昨今のかの国での言説についての理解が進む状況において、本書に書かれたような半世紀前の残虐行為に対する怨恨に対する復讐や、強制労働にも一定の重きを置いた記念館の設立がどれほどの説得力を持つのだろうか。

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    2016年11月21日
  • インターセックス

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    これは、続編なのですね。
    知らずにこちらを読みました。
    最初から読んだ読者さんは当然しっていることを、複線のように書くのは難しいんでしょうね。
    それとも複線のようにするつもりもないのかも。
    途中で話が読めてしまって、ミステリー側の方は、特に面白くなかったです。
    でも、インターセックスの話は、事実の程度は知らないですが、引き込まれました。
    それだけで書いたらもっと良かったのではないかと思ってしまいました。

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    2016年09月26日
  • 臓器農場

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    読んでて気持ちよくはないけれど、面白くはあった。
    全否定はできないけれど、やっぱり倫理的に許されないと思う。

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    2016年08月13日
  • 日御子(下)

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    上巻に比べて下巻は中心人物が変わりすぎてなんだか目まぐるしい感じがしました。
    通訳として漢に渡った主人公がそのお祖父さんが漢へつれていった生口の女性と会う場面が好きです。
    実際に皇帝が生口に対してそのような配慮をしてくれたかどうかは疑問ですが、そうであってほしい、と思ってしまう場面でした。

    日御子様がでてきてからは、日御子様の周りが話の中心になりますが、ちょっと出来すぎかなぁ。という話が多かったので、私としては通訳一族を中心にした話をもっと読みたかった、、と思ってしまいました。(そしたらタイトル変えなきゃだめですですね。)

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    2016年08月09日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    本書にあるように事件の原因にパチンコにハマって…。という理由は多いような認識がある。
    依存症は数あれど当たった時の刺激が強いのだろう。

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    2016年03月26日
  • 受精

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    うろ覚えだけど、ヒトラーってアーリア人以外は認めてないんじゃなかったっけ?
    そんなヒトラーを信奉するナチの残党が日本人や韓国人を選ぶかな?
    という割りと肝のところで引っ掛かかったので、読後は少しスッキリしない。
    ヒトラー出さないで他の理由にして欲しかったな。

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    2016年02月05日
  • 賞の柩

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    ネタバレ

    ノーベル賞受賞者アーサー・ヒル。そして自分を医学に導いた恩師や、アーサーに関わる人の死因が繋がりそうな気配を必死で手繰り寄せる医師の津田。どの世界でも「出る杭は打たれる」。アーサーは出過ぎてしまった。しかも「出てきそうな杭を事前に潰しておく」と必ず矛盾が生じてくる。それでも「名誉」を求めたアーサー。アーサーの原動力は母親への愛からくるものだったのではないだろうか。母という女性が彼を突き動かした。そして、彼自身の幕引きも女性の手によるものになるとは皮肉だ。明らかになった真実は静かに「柩」の中で永遠に眠る。

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    2016年01月26日
  • インターセックス

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    両性具有という言葉は聞いたことがありましたが、それがインターセックス。未発達な二つの生殖器を持っていて、性同一性障害とは異なる。

    専門用語が沢山使われていてチョット読みにくいうえ、前半 インターセックスの説明、患者さんの苦しみや生きづらさが長過ぎ、いやになります。
    何処からサスペンスが始まるのだという感じでしたが、勉強になる作品でした!

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    2016年01月26日
  • 薔薇窓の闇 下

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    帚木さんらしくなく、普通の小説だった。
    宗教も最近も人種差別もほとんど出てこず・・・
    ポリニャック夫人の執事たちの行動はちょっとやりすぎ。
    そして、私のお胸の写真を見ても、ママは判別できないと思う。

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    2015年12月18日