帚木蓬生のレビュー一覧

  • 国銅(下)

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    若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。

    帚木さんの作品は初めてだが、様々なタイプの物があるようなのでまた読みたい。

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    2017年09月18日
  • 受精

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    恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。舞子はかつて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。その言葉は、“生ける屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。死んだ恋人の子供を身ごもるために…

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    2017年04月08日
  • インターセックス

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    これは深いい本だった。両性具有は知ってたけど色んなインターセックス(半陰陽)のパターンがあるとは驚きだった。そもそもインターセックスという言葉も初めて知ったし。
    その方たちは本にもあるように誰にも知られず、ヒッソリと生活しているのか?そもそも人間は白黒つけたがるし。個人的にはグレーもウェルカムだけど、その本人にとったら隠したいのも良く分かる。

    ミステリーの方はおまけ的な感じ。インターセックスの勉強をする本だと思う。読んで良かった。

    岸と名のつく苗字は前職の社長を思い出させるので、そこだけが何とも気持ち悪い感じだった。

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    2017年04月28日
  • インターセックス

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    男でもなく女でもない第3の性「インターセックス」
    広義では100人に1.5人もいるという事実にびっくり。
    学校でいえば、1学年に1人くらいはいるってことか・・・

    マイノリティの苦悩
    すごく勉強になった1冊

    ミステリの部分は、まぁおまけ的な感じ(笑)

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    2017年01月27日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    薦められて読んだ本。おもしろい、というより勉強になる本。普通に生きていたら知ることもない世界に対して、筆者の知ってほしいという感情が溢れている。「おそらく不意に襲ってきた不幸に対して、人は「どうしてよりによって」と反射的に考え、その解決策として原因探しをし、自分を責めるだろう。人間の遺伝子に組み込まれた知性がそうされるに違いない。
    要するに人間の知性は<偶然>を受け入れられないのだ。すべてに因果関係を求めるこの傾向こそが、ヒトをその他の動物から抜きん出させた原因とさえ言える。」
    蛇足だが岸川先生のような人材は罪に問われる必要は無いと思う。

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    2017年01月21日
  • 三たびの海峡

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    朝鮮人の目からみた大戦中の強制労働を軸に、二十数年前に書かれた小説。

    当時の雰囲気を反映してか、戦時中の日本国家による行為に対する目は厳しい。

    昨今のかの国での言説についての理解が進む状況において、本書に書かれたような半世紀前の残虐行為に対する怨恨に対する復讐や、強制労働にも一定の重きを置いた記念館の設立がどれほどの説得力を持つのだろうか。

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    2016年11月21日
  • インターセックス

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    これは、続編なのですね。
    知らずにこちらを読みました。
    最初から読んだ読者さんは当然しっていることを、複線のように書くのは難しいんでしょうね。
    それとも複線のようにするつもりもないのかも。
    途中で話が読めてしまって、ミステリー側の方は、特に面白くなかったです。
    でも、インターセックスの話は、事実の程度は知らないですが、引き込まれました。
    それだけで書いたらもっと良かったのではないかと思ってしまいました。

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    2016年09月26日
  • 臓器農場

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    読んでて気持ちよくはないけれど、面白くはあった。
    全否定はできないけれど、やっぱり倫理的に許されないと思う。

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    2016年08月13日
  • 日御子(下)

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    上巻に比べて下巻は中心人物が変わりすぎてなんだか目まぐるしい感じがしました。
    通訳として漢に渡った主人公がそのお祖父さんが漢へつれていった生口の女性と会う場面が好きです。
    実際に皇帝が生口に対してそのような配慮をしてくれたかどうかは疑問ですが、そうであってほしい、と思ってしまう場面でした。

    日御子様がでてきてからは、日御子様の周りが話の中心になりますが、ちょっと出来すぎかなぁ。という話が多かったので、私としては通訳一族を中心にした話をもっと読みたかった、、と思ってしまいました。(そしたらタイトル変えなきゃだめですですね。)

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    2016年08月09日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    本書にあるように事件の原因にパチンコにハマって…。という理由は多いような認識がある。
    依存症は数あれど当たった時の刺激が強いのだろう。

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    2016年03月26日
  • 受精

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    うろ覚えだけど、ヒトラーってアーリア人以外は認めてないんじゃなかったっけ?
    そんなヒトラーを信奉するナチの残党が日本人や韓国人を選ぶかな?
    という割りと肝のところで引っ掛かかったので、読後は少しスッキリしない。
    ヒトラー出さないで他の理由にして欲しかったな。

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    2016年02月05日
  • 賞の柩

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    ネタバレ

    ノーベル賞受賞者アーサー・ヒル。そして自分を医学に導いた恩師や、アーサーに関わる人の死因が繋がりそうな気配を必死で手繰り寄せる医師の津田。どの世界でも「出る杭は打たれる」。アーサーは出過ぎてしまった。しかも「出てきそうな杭を事前に潰しておく」と必ず矛盾が生じてくる。それでも「名誉」を求めたアーサー。アーサーの原動力は母親への愛からくるものだったのではないだろうか。母という女性が彼を突き動かした。そして、彼自身の幕引きも女性の手によるものになるとは皮肉だ。明らかになった真実は静かに「柩」の中で永遠に眠る。

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    2016年01月26日
  • インターセックス

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    両性具有という言葉は聞いたことがありましたが、それがインターセックス。未発達な二つの生殖器を持っていて、性同一性障害とは異なる。

    専門用語が沢山使われていてチョット読みにくいうえ、前半 インターセックスの説明、患者さんの苦しみや生きづらさが長過ぎ、いやになります。
    何処からサスペンスが始まるのだという感じでしたが、勉強になる作品でした!

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    2016年01月26日
  • 薔薇窓の闇 下

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    帚木さんらしくなく、普通の小説だった。
    宗教も最近も人種差別もほとんど出てこず・・・
    ポリニャック夫人の執事たちの行動はちょっとやりすぎ。
    そして、私のお胸の写真を見ても、ママは判別できないと思う。

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    2015年12月18日
  • ヒトラーの防具(上)

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    ネタバレ

    文庫本サイズで上下巻計1000頁以上の久々の大作だった。

    巻末の謝辞から、日本からヒトラーに贈られた剣道の防具があったというのは事実のようだ。なんともワクワクさせられる出だしではないか。そこから着想し、主人公の日独混血の青年将校を生み出し、彼の目を通して見た第二次世界大戦中のドイツと日本の様子を描き出す。タイトル『ヒトラーの防具』(『総統の防具』から改題)に含ませた意味が本書の大いなる伏線であり、見事な点。

     著者の作品は初めて。医者である自分の立場から出てくるのであろう弱者への思いが繰り返される。強者の論理に振り回される弱者の立場を執拗に描くことで、「真理は弱者の側に宿る」(東郷大使、の

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    2015年12月09日
  • アフリカの蹄

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    歴史上の事実として知識はあったものの、こうして物語として紡がれるとそこで生きてきたであろう人たちがフィクションではあれ現実感をもってたちあがってくる。
    そしてそのような現実が驚く程最近まで起きていた事実。
    あってはならないことが現実に起きていた事実をしっかりと胸に刻んでおかなければならない。
    そして、目には見えないウィルスで何かを支配できてしまうことの恐ろしさ。

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    2015年11月21日
  • 空の色紙

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    言い回しが古かったり、専門的な記述がすぎる部分はありますが、内容的には自分の知らない時代の異常な状態での心理状態や葛藤などが読めて興味深かったです。

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    2015年11月07日
  • インターセックス

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    男性でも女性でも無い性があると言う観点ではとても感心した話であった。
    しかし、主人公の女医が完璧すぎてこれまた入り込めない。ほほえんだだけで周囲の男性が皆でれっとする・・そんな場面は必要か?

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    2015年08月19日
  • 風花病棟

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     病院の窓から見える山藤、実家の百日紅、庭のチューリップ、造花のカーネーション。
     病院という閉ざされた空間と縦軸の時間を繋いでいく花々のモチーフが、日常のさりげない情景として、ストンと入ってきてくれた。医者としての苦悩も伝わってきた。
     

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    2015年05月27日
  • 移された顔

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    『顔のない顔』『移された顔』の二編。
    表題作は著者初の戯曲である。

    『顔のない顔』アルコール依存症の夫に顔を奪われた「わたし」。
    人々の好奇と恐怖の目を弱った視力の中でぼんやりと捉えながら「わたし」は生きている。
    「モンスター」と幼い子は言った。
    「わたし」はそれを優しく諭す。

    顔の移植などという大掛かりなものが、本当にできるのだろうか。
    顔を失った「わたし」は見知らぬドナーからもらった顔だった。
    だから受け入れられたのかもしれない。
    しかしそれが知人、親友だったら。

    戯曲『移された顔』はそれを描いている。
    事故で植物状態になったリナ。
    ユミは顔をなくしてしまった。
    唯一大けがを負わなか

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    2015年05月10日