帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お勧めされてこちらの本を。
閉鎖病棟の中で事件が起こってそれを解決するようなミステリー小説だと思って読みはじめたが、全く異なるストーリーだった。
まず閉鎖病棟の中だけでずっと物語が進むのではなく、かなり頻繁に外に出かけることがある。それに驚いたと同時に、重い精神的な病を持つ人は治りづらく、病院の中にずっといるものだ、という自分の中の固定概念というか偏見というかに気が付かされた。
浅くもなく深くもなく、会社の同僚とも家族とも違う関係で、でも互いに想い合う日々の暮らしの話。
病気の症状を思わせる描写がいろいろ出てくるのだけど、主人公視点が統合失調症の患者なので、こちらも医者の言葉の方が間違っているような気がしてきて、まさにこういう気持ちなのだろうと思ったりした。
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Posted by ブクログ
【353冊目】答えの出ない事態に耐える力のことを言うようです。
本書の中では色んな事例を出して説明してくださるのですが、私なりの解釈は、
"拙速に「答え」に見えるものに飛びついて引き換えに安心を得るのではなく、「こういうこともある」と鷹揚にかまえてことの成り行きを受け入れるチカラ"
なのかなぁ?と思いました。
ただし、正直な感想は「なんだかよく分からん」でした笑。というのも、イヌの散歩やら、海外の作家やら、源氏物語の話やら、果てはドイツのメルケル元首相やトランプ大統領の話まで、話題が多岐に及んでしまっているのです。それぞれに絡めてネガティヴ・ケイパビリティが論じられているのですが、ちょっと強引な印象が拭えませんでした。単に筆者が書きたいことを書いて、無理矢理ネガティヴ・ケイパビリティと結びつけているような…
学術的に深掘りされている概念ではなく、また、広く知られた一般的な考えでもないので議論が浅く広くなるのは仕方がないのかもしれません。
ただ、そうだとしたら、筆者の専門領域である精神医学の話題に集中して深掘りしてほしかったなと思います。実際、精神科の臨床事例を複数並べた数ページは、「確かにすぐにできる解決方法がない。こういう状況を乗り越えるためにはネガティヴ・ケイパビリティが必要だ」と思わせる説得力がありました。なので、こうした説明を多くすることで読者自身にもっとネガティヴ・ケイパビリティの概念を定着させることができたのではないでしょうか?基礎を固めずに応用の話をされてしまっているように感じてしまいました。
全体のテーマとの関連では分かりづらさを感じるものの、ひとつひとつの文章はとても読みやすく、さすが医師で作家の方が筆者だなぁと感嘆するばかりでした。入試問題に本書の文章が使われているというのも納得。
色々と書きましたが、「そんなに焦るな。あるがまま受け入れて、気長に待ちな。なんとかなるから。」という本書のメッセージは、とても素敵だと思います。
また、そういう姿勢は「人格」の問題ではなく、「能力=ケイパビリティ」なんだよ!と言われると、なんだか自分にも出来そうな気がしてきませんか?笑
生まれつきの性格の悪さはなかなか治りませんが笑、逆上がりや計算のような能力であれば訓練で身につけられそうな気になってきます。
とかく成果とスピードを求められる時代で、中間管理職をやっているとそれも仕方がないよなぁと思いつつ、「のんびり、じっくり、どっしり、ふんわり」こそが生きるために必要だという本書のメッセージに励まされる人はたくさんいると思います。 -
Posted by ブクログ
30年以上前に書かれた作品。
アフリカの大学病院に留学して心臓移植手術を学んでいる日本人の作田信。
彼は黒人差別が横行していることに反発を抱き、大学病院へ行かない日はスラム地域での診療を始めた。
しかし、それに目をつけられ厳重注意を受けるが、それには従わず、スラムへ通い続ける。
そんな中、絶滅した筈の天然痘の症状が黒人地区の子どもたちばかりに見られるようになる。
それは人為的なものと見られる、作田は益々、黒人たちの側につくことになる。
しかし、この国での黒人に対する扱いは留まるところを知らずに、それに加担する作田も危険にさらされる。
何人もの犠牲を出しながら、戦う黒人たちの姿に、時代の残酷さを感じずにはいられない。
2026.1.24 -
Posted by ブクログ
10年振り再読。
題材はとても面白いが、展開がやや回りくどく、前半は正直退屈に感じた。一方で終盤は一気に畳みかけるように進み、読み終えたあとはスッキリとした爽快感がある。
生体実験というテーマは、倫理的な問題が強く問われる一方で、今後の医療発展に大きく関わる可能性を持っている内容でもある。
しかし、その裏で犠牲になる被験者一人ひとりの人生や幸せを無視するような考え方は、決して許されるものではないと感じた。
『閉鎖病棟』では患者の目線から苦悩が描かれていたが、本書では医療者や研究者の立場からの思考が前面に出ており、読後に重さの残る作品だった。
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Posted by ブクログ
日本でネガティブ・ケイパビリティを広めた帚木蓬生さんによる新書。依存症の当事者グループ(ギャンブラーズアノニマス)や、福祉現場におけるオープン・ダイアローグなどのありようにネガティブ・ケイパビリティの実践を読み取る。「答えは質問の不幸である」というネガティブ・ケイパビリティの態度(個人的にはケイパビリティというより視点や態度と認識している)の重要性は強く共感する。そして紹介される現場におけるネガティブ・ケイパビリティ的な対話を「ほんとうの会議」ということも、企業等の多くの組織における会議がそれとは程遠いものであることもまったくその通りであると思う。ただ、(著者がつけたのではないと推測するが)副題に「実践法」と付けてしまうと期待と内容のズレがどうしても出てしまう。実践というからには、不祥事を起こした企業や旧日本軍での会議を推測でダメ出しするだけでなく、多くの読者が現在所属している組織における会議をどうすればいいのかなにかしらの「ポジティブ」なヒントを得たいという人も多いだろう。この点では枝廣さんの本の方が引き続き良い。また、著者の専門や関心から文学や芸術家たちのことに多くの紙幅が割かれるのも、個人的には関心があるから良いのだが、「実践法」というタイトルとのギャップは感じてしまう。「ほんとうの」「実践法」と総じてタイトルが別のものであった方が素直に楽しめたかな、という印象。
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匿名
購入済みビジネス書として読まないこと
この本を、最初、会議の有意義なやり方を教える本かと思いましたが、実際は、カウンセリング、文学やその作家の背景も複雑にかかわるので、人によっては、分かりにくかったりするかもしれません。
また、この本では、会議(特にビジネス)で求められることが、実は、不正や腐敗の原因にもなるというのは考えされます。