帚木蓬生のレビュー一覧

  • 国銅(下)

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    ネタバレ

    奈良の都、国人と仲間が作る大仏の作り方が克明に書かれる。
    日々を詩に詠み成長を遂げていた。数え切れぬほどの無名の男たちによって、鉱石に命が吹き込まれ、大仏は遂に完成した。
    5年後、帰国を許された国人22歳の困難な道中
    師匠の修行僧景信
    思い人絹女

    ケン・フォレットの「大聖堂」は、イギリス十二世紀。ジャックは、大聖堂をこの手で建てたいと家族と無茶な旅をする。それより、約四百年前、、東大寺大仏建立のため日本各地から奈良の都に使役として人足たちが故郷に家族を置き駆り出される。

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    2013年07月01日
  • 聖灰の暗号(下)

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    通訳書記として居合わせたドミニコ会修道士が書いた手稿を追う主人公。
    ローマカトリック教会の弾圧に遭いながらも信仰を捨てなかったカタリ派を書いた手稿は泣ける

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    2013年06月16日
  • 国銅(下)

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    帚木の異色作品。
    天平の時代に生きた一人の仕丁「国人こくと」が、長門の銅山から徴用され、奈良の都の大仏建立に携わり、重労働に明け暮れ、故郷に帰る。
    淡々と人生の悲しみ、人との出会いと別れ、そしてひたすら誠実に生きる国人と徴用から帰国まで一緒に歩む。
    また、大仏をどのように作ったかということが詳細に描かれている。

    物語とは関係ないが、銅の大仏をつくることで、私鋳銭も含め広く行き渡った銅の回収をはかったというマクロ経済の見方はちょっと面白い。

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    2013年06月14日
  • 安楽病棟

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    まず、痴呆老人の実情にびっくりします。この小説の主人公の看護婦の観察眼のするどさ、気配りの細やかさに感心します。
    物語が進む中でじりじりと噴出してくる終末医療の問題点と疑念。
    ミステリーとしてではなく、私たちが向かっていく老人としての生活を知る上でも必読の書です。

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    2013年06月09日
  • ヒトラーの防具(下)

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    一気にだだっと。
    最後はアクションというかドキドキする展開で、でも感動する。
    戦争によって、人が一人死んで二人死んで…大事な人が消えていくことのつらさが伝わる。
    精神科医として、精神患者を排除しちゃいけないっていうのは大事なメッセージだと思った。
    社会で邪魔になる人を排除してはいけない。

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    2013年06月06日
  • 三たびの海峡

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    ネタバレ

    3海峡って三往復かとおもったら1.5往復かよ!
    損した!一往復千円として二万円かえせよ!
    名前読めんがなと読んだらおもそろかったです

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    2013年06月12日
  • エンブリオ 下

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    医療ミステリー。患者に優しく優秀な医師の岸川。しかし、倫理を無視して暴走する彼の行き着く先は? 
    先に「インターセックス」を読んでいたのでいくつかの事件の詳細がわかっていて、それはそれで楽しめた。

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    2013年03月27日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    死んだ2人はいい人だから死んでほしくなかったです。
    ドナーの数が圧倒的に少ない子供の臓器を手に入れる方法。
    時間とお金がかかるけど良心も痛まず臓器を取り出せれるこの方法。認められないけれど 助けられる命も出てくる・・・
    早くIPS細胞で作り出せれるといいです。

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    2013年03月17日
  • 聖灰の暗号(下)

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    ★2.5だが友人の顔を立てておまけ。
    日本の小説に非常にありがちなエンターテインメントへのこだわり不足の典型例。
    こういった点がハリウッドをはじめとした(良くも悪くも)娯楽大国アメリカとの決定的、そして埋めがたい差という気がしてならない。
    作家はカタリ派の想いの代弁に力点を置いていたのかもしれなし、またそこに日本の特徴があると見るべきかもしれないが、それは中途半端な特徴に過ぎないことを皆自覚すべきかと思う。
    返す返す、題材・途中までの展開は面白いのに本当に惜しい。

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    2013年03月16日
  • アフリカの蹄

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    徹底的な黒人排除。天然痘を使ってまで黒人社会を滅亡させようとする白人支配層。それに立ち向かう日本人医師の作田の活躍。病気の黒人の子供達を救えるのか、先が気になってどんどん読みたくなる。
    でも、自分が正しいと思って他人を排除(差別)するって誰の心の中にもあるのかもしれない。

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    2013年02月19日
  • アフリカの瞳

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    南アフリカを舞台にした医療小説です。アパルトヘイト崩壊後の南アにてエイズが非常に流行っており、政府が私利私欲のために効果のない抗HIV薬を無料配布したり、アフリカが製薬会社の人体実験場と化している現状が描かれている。南アフリカは世界情勢を見つめるアフリカの瞳だという一説はささりました。

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    2013年02月18日
  • 風花病棟

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    母が闘病の末に亡くなったばかりで、病状の描写が生々しく、泣きそうだった。
    戦中の医療従事の描写には軍医だった祖父を重ね合わせて読んだ。

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    2013年02月05日
  • インターセックス

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    インターセックスと呼ばれる人達がいるという事が驚き。その人達の苦悩や考えを少しわかったことが収穫。そこにサスペンスも加味され物語としてもとても面白い。

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    2013年02月04日
  • アフリカの蹄

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    面白かったけど、国連の部分がどうもしっくりこなかった。けど良かった。
    チリ、オソルノからプエルトモンへの移動のバスで。

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    2013年01月17日
  • 空の色紙

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    初期の中短集。

    『空の色紙』表題作
    『墟の連続切片』
    『頭蓋に立つ旗』

    空の色紙以外の2作は何となく消化不良。

    ただ一つ、学生運動が盛んに行われた時代と現代の学生の違いについて、再考する機会ができた事は収穫だったかなと。
    まあ、正直疑問は尽きませんが。

    戦争、論文改ざん、人体実験、学生ストといった非常に重たい話ばかりです。
    人体解剖についてはとても勉強になりました。
    医学分野の人にとってはそそられる場面があるかもしれません。

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    2012年12月29日
  • 水神(上)

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    江戸初期久留米藩が舞台。治水工事がテーマ。しかも農民が起案の前代未聞の治水工事。前半は百姓の水に関する苦労を実際の日々の生活に重ね合わせて淡々と記述。後半は藩への命がけの嘆願が通りいよいよ工事へ。楽しみだ!

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    2012年12月24日
  • 三たびの海峡

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    重厚な作品というのでしょう。
    戦時下、朝鮮から九州の炭鉱に連れて来られ、そこでの地獄の日々。 
    フィクションかどうかわからない所もあるが、私達が忘れてはいけない事なのだと思う。

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    2012年11月10日
  • 水神(下)

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    悲惨な状況なかでも、他と比べてまだましな方は、今の状況から変化があることをきらう。いつの時代でも同じ構図がありますね。

    そんな中でもやり切れたのは、中心にあった人たちの固い決意と重大な覚悟があったから。またそれを理解し、支援する人たちがいたからだし、最後は民衆(農民)がその重要性を理解し、一生懸命協力したから。

    ついつい今の日本の政治家と政治状況とも見比べてしまう。

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    2012年07月07日
  • 水神(上)

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    江戸時代の筑後川流域の五庄屋が堰を作り、農業用水道をつくった実話を基にした小説

    福岡に一時住んでいたとき、日照りで給水制限があったことがありますが、福岡は昔から水に恵まれない土地だったのを、この本に登場する人たちの尽力ですこしづつ改善されてきたことがよく理解できます。

    川から水を汲み上げる役割の人がいて一日中行なっている姿がその汲み上げ方法を具体的に詳細に描かれている。すこし丁寧すぎるくらい。
    それだけ作者の思い入れがみえる気がする。

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    2012年07月07日
  • 水神(上)

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    目の前を流れる筑後川。しかし田畑にその水はこない。
    日照りに苦しむ百姓たちのために庄屋たちが立ち上がる。
    筑後川に大石堰を設けるために。藩への請願から始まり、まわりの村の反対に会い、それでもと進む彼らに頭が下がる。庄屋として村人のために働く…… 
    議員として住民のために働いてますか??議員のみなさん??と思ってしまいました

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    2012年06月29日