帚木蓬生のレビュー一覧

  • 受精

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    ネタバレ

    文庫本が、かなりの厚さ。2~30ページ読んだが、これはおもしろそうだぞー。楽しみだ。

    って思ったが、あまり盛り上がらなかったナー。ナチスという設定も余りしっくりこないし、最後も何だか唐突に終わった感じ

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    2019年11月29日
  • 千日紅の恋人

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    あらすじ
    宗像時子は父が遺した古アパート、扇荘の管理人をしている。扇荘には様々な事情を抱えた人たちが住んでおり、彼女はときに厳しく、ときには優しく、彼らと接していた。ある日、新たな入居者が現れた。その名は有馬生馬。ちょっと古風な好青年だった。二度の辛い別離を経験し、恋をあきらめていた時子は、有馬のまっすぐな性格にひかれてゆく。暖かで、どこか懐かしい恋愛長篇。

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    2019年11月05日
  • 受精

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    最愛の恋人を事故で亡くし、悲しみに包まれていた舞子。
    かつて二人で訪れたことのある山を再度訪ねた際に偶然出会った老僧に、亡くなった恋人との子供を授かることが出来ると持ちかけられた。
    それはブラジルにある病院で叶えられると聞き、迷わず向かう。
    そこで、同じ境遇の韓国人の寛順と出会い、二人は固い絆で結ばれていく。
    そして、そこでは亡くなった恋人に会え、彼の子供を身籠れるという幸せな日々を送れるはずだった。
    しかし、そんな日々は長くは続かなかった。
    ブラジル行きに隠された恐ろしい秘密と大切な友人との日々が少しずつ崩壊していく。

    最初から何か胡散臭いと思っていたことが、明らかになっていく過程はハラハ

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    2019年09月11日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    厚労省2014年発表のギャンブル依存有病率は男性8.7%女性1.8%。米国1.6%香港1.8%韓国0.8%に比べ高率。元凶はパチンコ・スロット、諸外国では規制対象なのに、日本では利権構造のため野放しになっている。

    カジノをコントロール下におけるなら、パチンコやスロットなど他を全て廃止して、一本化すればよいかも。プラスするのは最悪だけど。

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    2019年04月14日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    毒物学を基軸としたミステリーだと思ってはいたが、ここまでゴリゴリに毒物学押しだとは思いませんでした。
    もう、これ以上の毒物学のペダンチックな小説はかけないでしょう。

    ペダンチックでありながら、ひけらかし感が強くなかったのは、主人公の紳士的なキャラクターのおかげでしょう。

    犯人にとって砒素はデスノートみたいなものだったのかもしれません。

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    2019年04月09日
  • 安楽病棟

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    前半は年老いて、これから痴呆病棟へ入ろうと考える本人やその家族の側から描かれ、後半は痴呆病棟で働く看護師の側から描かれている。
    両方からの目線で書かれているので、状況がリアル。
    今から17年位前に書かれた作品だが、高齢化社会となった今も十分に読みごたえがある。

    2018.11.6

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    2018年11月07日
  • 臓器農場

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    新人看護師が配属された小児科。親友は産婦人科と子供の医療に携わって仕事をしているが、病院内の秘密を知ったせいで事件に巻き込まれる。移植をしないと助からない子供がいる事実。技術力や名声を上げたい医師。資金稼ぎをしたい病院。その隙にいる金に取り憑かれる人間。それぞれの思惑の中で新人看護師は真相を暴きだすが犠牲者も出てしまう。移植にまつわる事件のミステリー。

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    2018年03月28日
  • 賞の柩

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    ネタバレ

    ノーベル医学生理学賞のイギリス人受賞者の周りに隠れている不審死。多くの人の目線で語られるので始めは混乱したが、後半は盛り上がって面白かった。
    亡くなった日本人教授の弟子であった医師津田が主に謎を追うのだが、彼の性格が(特にデートしてるときの)ちょっと疑問…笑。

    エンディングはスカッとはしないし、盛り上がるとは言えやっぱ帚木さんの本は地味だなあ。あれもこれも無理に繋がったりどんでん返しがあるわけじゃない。そこがまた好き。
    アーサーヒルの内面はもう少し読みたかったかな。
    お手にとる方は、解説もぜひ。

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    2018年01月29日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」―。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か?真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手…。医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む“闇”を描いた、サスペンス長編。現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。

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    2017年12月08日
  • 臓器農場

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    日本ミステリーのレンチャン。めったに無いことですね。
    帚木蓬生さんは前回の閉鎖病棟が気に入って2冊目。余りミステリーめいたものは避けて購入したつもりが・・・。面白くなかったわけではないのです。ただ、この題材ならミステリー的な比重をもう少し下げたほうが、良い作品になったように思えます。優子も的場医師も死を賭してまで調査する必要も無いですし、殺害されなくても・・。
    一人一人の登場人物は生きていると思います。例えばケーブルカー乗員の藤野さんとか、間島看護婦とか。そうした人物像中心で話を進めたら臓器移植という題材をより生かせたように思えるのです。
    また、最後50ページはチョッとくどい感じですねエ

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    2017年11月16日
  • 空夜

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    恋愛小説です。そういった分野を好む人には良いかも知れません。帚木さんの文章が好きなので読んでる最中は結構熱中できるのですが、終わってしまうと何も残ってないような気がします。どうもこの手の恋愛小説は私には似合わないのでしょう。
    それと帚木作品に共通しているのですが、私にはどうも最後の一章が「くどい」感じがします。
    ちょっと生臭いかな。もっと将来の予感で終わった方がすっきりしたか・・・と。恋愛小説としての出来も、むしろ「賞の柩」の方が良いかも知れませ

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    2017年11月16日
  • 安楽病棟

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    最初に一人一人の入院までの過程が短編風に語られ、その後、病院での生活風景が続き、最後にサスペンス。「閉鎖病棟」によく似た構成でできています。
    この人の文章はよほど私の波長と会うのでしょうか、導入部では一気に没入できました。しかし、祖父や母のことを思い起こさせる中盤はちょっと辛い。延々と痴呆の実態がつづられます。なんだか一種のルポルタージュみたいです。何がテーマなのか、どうエンディングにつながるのかと心配した頃、いきなりサスペンスに変わります。
    サスペンスが書きたかったのか、痴呆と言う社会問題を提起したかったのか、どちらにしても中途半端な感じは否めません。

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    2017年11月10日
  • エンブリオ 上

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    これは物語(小説)の形を借りた、現代医療の倫理上の問題点を啓発する書でしょう。確かにミステリー仕掛けで小説としての姿は整っているのですが、作者の書きたかったテーマはそこにあるようです。
    主人公の岸川医師は、献身的で優秀な医者として描かれます。その結果、全ての患者から信頼され、かつ、それを裏切らない医者です。しかし一方で、彼が、そして日本の法律が人間とは見なさない胎児、卵子、精子については”物”としての取り扱いです。その行為は恐ろしく、グロテスクです。
    こうした問題に対し、興味がある方以外には、余りお勧めできる本では有りません。

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    2017年10月30日
  • インターセックス

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    医師としても経営者としても優れた岸川と、インターセックスや性同一性障害の患者に向き合う翔子。翔子の秘密については早期に予想はつくし、ラストも予想の範囲内だが、医療ものとしては分かりやすく、とても勉強になった。すべてのインターセックスの人が同じ考えを持つかは分からないが。薬の量にしても、誰を基準としているかなど考えたこともなかったので、なるほどと思えた。
    岸川の魅力が強すぎて、翔子が霞んでいる気がするのが惜しい。

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    2017年10月21日
  • 安楽病棟

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    安楽死のことより、老人の抱える問題、特に痴呆老人のことが詳しく描かれていて、興味深い。
    40歳から老後が始まる、という記述にドキリとした。

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    2017年09月30日
  • 国銅(下)

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    若者の成長物語なのだがなんとも切ない。奈良時代を描いた作品といえば、「天平の甍」が思い出されるが、通じるものがある。人間的な深みとか、様々なタイプの人間を描いているという点では、やはり井上靖の方に軍配があがるが、奈良時代を描くという点では、本作品も調べが行き届いている感じがした。

    帚木さんの作品は初めてだが、様々なタイプの物があるようなのでまた読みたい。

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    2017年09月18日
  • 受精

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    恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。舞子はかつて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。その言葉は、“生ける屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。死んだ恋人の子供を身ごもるために…

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    2017年04月08日
  • インターセックス

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    これは深いい本だった。両性具有は知ってたけど色んなインターセックス(半陰陽)のパターンがあるとは驚きだった。そもそもインターセックスという言葉も初めて知ったし。
    その方たちは本にもあるように誰にも知られず、ヒッソリと生活しているのか?そもそも人間は白黒つけたがるし。個人的にはグレーもウェルカムだけど、その本人にとったら隠したいのも良く分かる。

    ミステリーの方はおまけ的な感じ。インターセックスの勉強をする本だと思う。読んで良かった。

    岸と名のつく苗字は前職の社長を思い出させるので、そこだけが何とも気持ち悪い感じだった。

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    2017年04月28日
  • インターセックス

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    男でもなく女でもない第3の性「インターセックス」
    広義では100人に1.5人もいるという事実にびっくり。
    学校でいえば、1学年に1人くらいはいるってことか・・・

    マイノリティの苦悩
    すごく勉強になった1冊

    ミステリの部分は、まぁおまけ的な感じ(笑)

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    2017年01月27日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    薦められて読んだ本。おもしろい、というより勉強になる本。普通に生きていたら知ることもない世界に対して、筆者の知ってほしいという感情が溢れている。「おそらく不意に襲ってきた不幸に対して、人は「どうしてよりによって」と反射的に考え、その解決策として原因探しをし、自分を責めるだろう。人間の遺伝子に組み込まれた知性がそうされるに違いない。
    要するに人間の知性は<偶然>を受け入れられないのだ。すべてに因果関係を求めるこの傾向こそが、ヒトをその他の動物から抜きん出させた原因とさえ言える。」
    蛇足だが岸川先生のような人材は罪に問われる必要は無いと思う。

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    2017年01月21日