帚木蓬生のレビュー一覧

  • 襲来 下

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    ネタバレ

    題名から元寇の戦記物と思って購入したが、下人の成長譚・ロードムービー的なストーリーで、これはこれで面白さがあった。が、
    主人公は日蓮の耳目・手足として人生の大半を過ごす。想い人とも結ばれず、日蓮とも再会できずに亡くなるが、自分の一生は日蓮の依頼を全うし幸せだったと感じて亡くなる。
    信仰を持った者は幸せなのかもしれないが、自分には残酷な話にしか思えない。なんか、やるせない。
    主人公は無色透明というか、ロボット的。最初に受けた命令を実直にこなすだけ。かつての想いびとが蒙古に連れ去られても、日蓮の命令を優先して何もせず傍観するだけ。宗教の怖さを感じた。

    元寇は神風により撃退できた印象が一般的である

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    2020年09月06日
  • 国銅(下)

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    なんか史料館か博物館を見学した気分。とてもみっしり丁寧に当時の様子が描きこまれていて読み応えあり。でも大きな舞台のわりに主人公の心の波が小さくていまいち共感できず…

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    2020年08月17日
  • 三たびの海峡

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    28年前に初版の小説。
    ドキュメンタリータッチの反日小説という感じ。
    炭鉱に関する資料の入手先で如何で主題が変わってくる。

    物語としては面白いのかもしれない。
    復讐劇だけど都合のいいことが起こりすぎるような気もした。
    炭鉱での過酷な生き様は日本人も外国人も変わりなかったという資料が多い。差別する余裕もなかったはず。

    この作者の本は二冊読んだだけだが感動してきたのに。
    今、同じテーマで書かれるとしても同じ設定になるのだろうか。もっとも、書き切ったのでありましょうが。
    ちょっと、問いたい気持ちもする。

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    2020年04月22日
  • 安楽病棟

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     痴呆病棟を舞台にした終末期医療について考えさせられる作品。
     全てが日記・手紙調で書かれており、病棟での歳月を追っているため、文章はかなり長めになっている。文章自体は読みやすいのだが、登場人物も多いため「誰がどんな症状で、家族はどんな様子…」といったことを確認しながら読み進めるとかなりの時間を要する。
     167ページまでは入院患者の紹介(患者本人や家族などから)のため、看護師の視点がなく本書を読み始めたときは「?」といった感じだったが、徐々に読み進めていくうちに内容が明らかになってきた。
     ミステリーとされているが、謎解き要素は少ない。ただ、痴呆の現状と医療の問題点は浮き彫りにされているよう

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    2020年01月20日
  • 空の色紙

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    帚木蓬生の初期作品3作を収めた本書は、時代背景もあり、鬱屈した、しかしなにか正義の上に立ち続けたいという複雑な意思を表明しつつ環境に流されてしまうもどかしさあるいは諦めが表現されている作品である。つまり、文学的であるというよりも著者の意図が前面に立ち、言いたいことは何かあることはわかるが、分かりにくいといったある意味それが若々しさなのかもしれん、と感じたのだ。(「つまり」になっていなようだが。)

    表題作『空の色紙』は精神鑑定に携わる精神科医の視点から、精神鑑定の意義を問いかけていることとは別に精神的に病むほど思い込んでしまう男女関係の疑いの恐ろしさと、精神科医といえでもその状況にはまり込んで

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    2020年01月11日
  • 天に星 地に花 下

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    時は1700年前半、久留米の大庄屋の次男として生まれた主人公。各地の庄屋を取りまとめる大庄屋は兄が継ぐことは決まっているなかで、自分の道を決められずにいた。
    ある日領主の理不尽な要求に反発した百姓たちが城下を火の海にしようと集まり手に鋤や鍬を持って続々と城下へ向かう場面に遭遇する。結果的には領主と百姓の間に入った家老が事を収めるのだが、その光景は主人公の心に焼きつき、さらにその家老の立派な処置に感銘を受ける。
    そうこうしているうちに疱瘡にかかり生死をさまようが腕利きの医師に命を救われるが、彼がうつしてしまった母と女中が死んでしまう。それを機に兄との確執が生まれ、そして主人公は命を救ってくれた医

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    2020年01月05日
  • 賞の柩

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     ノーベル賞を巡る疑惑を追及したサスペンス。
     結論からすると、話の筋は非常に簡単なのだが、登場人物の多さと、日本・イギリス・フランス・スペインを舞台にした国際的なスケールが話を複雑化している。外国の情景は割と詳細に書かれているが、イメージがわかない人にはやや小難しい内容となってしまうかもしれない。
     人間は、名声と権威を得ると傲慢になってしまうのかなと思ってしまう(もちろんそうでない人も数多くいるが)。謙虚さが欠けるというか、真摯な姿勢ではなくなるというか…。そのようなことも考えさせられる作品。

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    2019年12月22日
  • 風花病棟

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    性別、診療科、状況のそれぞれ違う10人の医師の視点から描かれる短編集。淡々とした筆致の中に、著者の主張・テーマが差し入れられた内容は、素直に共感できる。「かがやく」と「終診」に心惹かれた。
    「逃げんで、踏みとどまって、見届ける。」支援者としてのあるべき姿だと...。

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    2019年12月07日
  • 水神(上)

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    ネタバレ

    筑後川の灌漑の話だ。
    水が、百姓がそそいだすべての労力に、命を吹き込むといってよかった。毎年、水不足や氾濫に悩まされてきた村が筑後川に堰を造り、豊かな土地にすることに心血を注いだ5つの庄屋の話だ。庄屋というと、これまでは百姓をいじめて年貢を巻き上げるイメージしかなかったが、この話では、命も財産もかけて闘う5庄屋がかっこいい。
    上巻の半分ぐらいまでは、もたもたした書きぶりだが、堰の話をお奉行様に洩っていくあたりからひきこまれていく。
    全二巻

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    2019年12月07日
  • エンブリオ 下

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    タブーのオンパレード。
    不妊治療に悩む夫婦には、神様のような存在だが、
    自分の研究を邪魔するものには容赦ない先生が怖い。でも実はどこかでこんな研究が進められているのかも知れないな。

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    2019年11月29日
  • 受精

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    ネタバレ

    文庫本が、かなりの厚さ。2~30ページ読んだが、これはおもしろそうだぞー。楽しみだ。

    って思ったが、あまり盛り上がらなかったナー。ナチスという設定も余りしっくりこないし、最後も何だか唐突に終わった感じ

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    2019年11月29日
  • 千日紅の恋人

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    あらすじ
    宗像時子は父が遺した古アパート、扇荘の管理人をしている。扇荘には様々な事情を抱えた人たちが住んでおり、彼女はときに厳しく、ときには優しく、彼らと接していた。ある日、新たな入居者が現れた。その名は有馬生馬。ちょっと古風な好青年だった。二度の辛い別離を経験し、恋をあきらめていた時子は、有馬のまっすぐな性格にひかれてゆく。暖かで、どこか懐かしい恋愛長篇。

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    2019年11月05日
  • 受精

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    最愛の恋人を事故で亡くし、悲しみに包まれていた舞子。
    かつて二人で訪れたことのある山を再度訪ねた際に偶然出会った老僧に、亡くなった恋人との子供を授かることが出来ると持ちかけられた。
    それはブラジルにある病院で叶えられると聞き、迷わず向かう。
    そこで、同じ境遇の韓国人の寛順と出会い、二人は固い絆で結ばれていく。
    そして、そこでは亡くなった恋人に会え、彼の子供を身籠れるという幸せな日々を送れるはずだった。
    しかし、そんな日々は長くは続かなかった。
    ブラジル行きに隠された恐ろしい秘密と大切な友人との日々が少しずつ崩壊していく。

    最初から何か胡散臭いと思っていたことが、明らかになっていく過程はハラハ

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    2019年09月11日
  • 臓器農場

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    臓器移植法施行以前に書かれた小説 多くの小児臓器移植が行われている病院、看護師がドナーは無脳症児ではないかと独自に調査を始めるサスペンス

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    2025年12月18日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    厚労省2014年発表のギャンブル依存有病率は男性8.7%女性1.8%。米国1.6%香港1.8%韓国0.8%に比べ高率。元凶はパチンコ・スロット、諸外国では規制対象なのに、日本では利権構造のため野放しになっている。

    カジノをコントロール下におけるなら、パチンコやスロットなど他を全て廃止して、一本化すればよいかも。プラスするのは最悪だけど。

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    2019年04月14日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    毒物学を基軸としたミステリーだと思ってはいたが、ここまでゴリゴリに毒物学押しだとは思いませんでした。
    もう、これ以上の毒物学のペダンチックな小説はかけないでしょう。

    ペダンチックでありながら、ひけらかし感が強くなかったのは、主人公の紳士的なキャラクターのおかげでしょう。

    犯人にとって砒素はデスノートみたいなものだったのかもしれません。

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    2019年04月09日
  • 安楽病棟

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    前半は年老いて、これから痴呆病棟へ入ろうと考える本人やその家族の側から描かれ、後半は痴呆病棟で働く看護師の側から描かれている。
    両方からの目線で書かれているので、状況がリアル。
    今から17年位前に書かれた作品だが、高齢化社会となった今も十分に読みごたえがある。

    2018.11.6

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    2018年11月07日
  • 臓器農場

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    新人看護師が配属された小児科。親友は産婦人科と子供の医療に携わって仕事をしているが、病院内の秘密を知ったせいで事件に巻き込まれる。移植をしないと助からない子供がいる事実。技術力や名声を上げたい医師。資金稼ぎをしたい病院。その隙にいる金に取り憑かれる人間。それぞれの思惑の中で新人看護師は真相を暴きだすが犠牲者も出てしまう。移植にまつわる事件のミステリー。

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    2018年03月28日
  • 賞の柩

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    ネタバレ

    ノーベル医学生理学賞のイギリス人受賞者の周りに隠れている不審死。多くの人の目線で語られるので始めは混乱したが、後半は盛り上がって面白かった。
    亡くなった日本人教授の弟子であった医師津田が主に謎を追うのだが、彼の性格が(特にデートしてるときの)ちょっと疑問…笑。

    エンディングはスカッとはしないし、盛り上がるとは言えやっぱ帚木さんの本は地味だなあ。あれもこれも無理に繋がったりどんでん返しがあるわけじゃない。そこがまた好き。
    アーサーヒルの内面はもう少し読みたかったかな。
    お手にとる方は、解説もぜひ。

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    2018年01月29日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    評価は3.

    内容(BOOKデーターベース)
    新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」―。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か?真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手…。医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む“闇”を描いた、サスペンス長編。現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。

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    2017年12月08日