Posted by ブクログ
2020年01月05日
時は1700年前半、久留米の大庄屋の次男として生まれた主人公。各地の庄屋を取りまとめる大庄屋は兄が継ぐことは決まっているなかで、自分の道を決められずにいた。
ある日領主の理不尽な要求に反発した百姓たちが城下を火の海にしようと集まり手に鋤や鍬を持って続々と城下へ向かう場面に遭遇する。結果的には領主と百...続きを読む姓の間に入った家老が事を収めるのだが、その光景は主人公の心に焼きつき、さらにその家老の立派な処置に感銘を受ける。
そうこうしているうちに疱瘡にかかり生死をさまようが腕利きの医師に命を救われるが、彼がうつしてしまった母と女中が死んでしまう。それを機に兄との確執が生まれ、そして主人公は命を救ってくれた医師に弟子入りすることを決心する。
20年ほど師匠の元で修業した後、故郷近くで開業。平穏な日々が続くが、代替わりした領主によりまたもや理不尽な要求が課され、本格的な一揆になっていく。
百姓ではない立場で当時の百姓の暮らしぶりや苦労ぶり、領主の横暴さなどで領民が振り回される様をリアルに描いている。
当時はこんな感じだったんですよというのと、医師とは本来こうあるべきというのを主人公を通して伝えている感じ。全体的に淡々としていて、一揆などは起こるものの物語として盛り上がるわけでもないので、退屈と言えば退屈。ただ当時の様子がリアルでよく調べているなぁという感じ。