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「男性の妊娠」研究を国際学会で発表し、各国の賞賛を浴びた岸川。彼の高度な医療水準に、アメリカで不妊治療をビジネス展開する大企業が目をつける。最先端の技術と情報を盗むため、巨大組織が仕掛けた卑劣な罠。そして、それに対して岸川がとった恐るべき反撃策とは。岸川が持つ闇が徐々に暴走し始める…。生殖医療の暗部を鋭くえぐり、進みすぎた生命科学が犯す罪を描き出した戦慄の長編小説。
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Posted by ブクログ
「男性の妊娠」研究を国際学会で発表し、各国の賞賛を浴びた岸川。彼の高度な医療水準に、アメリカで不妊治療をビジネス展開する大企業が目をつける。最先端の技術と情報を盗むため、巨大組織が仕掛けた卑劣な罠。そして、それに対して岸川がとった恐るべき反撃策とは。岸川の持つ闇が徐々に暴走し始める…。生殖医療の暗部...続きを読むを鋭くえぐり、進みすぎた生命科学が犯す罪を描き出した戦慄の長編小説。 重いテーマを扱っているのに、何故か暖かいのが、帚木さんのすごいところ。やっぱり好きだなあ。 最後まで岸川先生の人物像がイメージできないのは私の未熟さゆえだろうか・・・
まずミステリーとして見るならば、全体を貫くストーリーや様々な仕掛けと呼ぶに値する伏線などは秀逸だと思うし、早く先の展開を読み進めたくなる気持ちははやるばかりなんだけど、肝心なところの多くが明かされぬまま、おそらくは意図的に曖昧なまま置いて小説は閉幕しているので、何だかかゆいところに手が届かないような...続きを読む、指に刺さった棘がなかなか抜けないようなモヤーっとしたものが残る。 ただ、あえてそんな不満点から述べてしまったけれど、この小説の最大にして唯一のテーマはそういった類のものではないので、謎の多くが明文化して示されていないというモヤモヤ感を打ち消して余りある満足を読後は得ることができた。 じゃあそのテーマとは一体何なのかと問われても一言では言い表せられないのがもどかしくもあり、自分の知識、語彙の至らなさが嘆かわしくもあるのだが、とにかく、21世紀の最先端生殖医療とはここまでのものなのか、と素直に驚いたし、また非常に陳腐で月並みな表現なんだけど、生命発生のメカニズムというものに人の手を加えることについての是非なんかに関しても、どんな読者だってこれを読めば少なからず考えを及ばさざるをえない、そんな圧倒的で根源的な問い掛けを大いに感じた。 「自然」という言葉は、たとえば木の枝を集めて巣を作るビーヴァーにも、山を削り木を伐ってビルディングを建てる人間にも等しく用いられるべきである、という考えを私は持っているんだけど、その延長線上、とまで言えるのかどうかは分からないが、作中に登場する“生殖活動に人為的に手を加えることを背徳的というのならば、自然な生命の終焉を阻害するすべての医療行為はあまねく認められないことになる”という主旨の表現には強く共感を覚える。 本当にそうだと思う。 できる限り病や怪我や死というものを遠ざけよう遠ざけようとしているすべての医療行為は、広義で言えば“神の意志”に反している。 癌を早期発見して外科手術によって根治させるのは推奨するけれど、たとえ患者の望みであっても受精のメカニズムをいたずらに人の手が左右することはあってはならない、と勝手にどこかでラインを引いてしまい、あたかも人間が神の意志を代弁しているかのように振る舞うことこそが、最も背徳的なのかもしれない。 それにしたってこの作品の主人公のように、一方では不特定の患者たちの幸福を実現するためという信念で以って既成の倫理を無視する先端治療を行い、他方では邪魔になった人間の命を虫けらのごとく消し去るなどという完全乖離したアイデンティティの持ち主なんているわけないよ、それ以外の部分では極めて常識的かつ聡明な人格と知性を備えながらさあ、と読者に思わせてしまうところがほんの少しだけ残念。
サンビーチ病院院長の岸川。不妊治療によって200人を超える自分の子供を 人工授精児として作り出し一方では胎児を利用しつくす。 中絶、不妊、移植、再生医療、における本質的問題を真正面から取り上げて科学の進歩と社会の変化についていけない政府の無策ぶりを鋭くつく。
患者のためなら何をしても正義なのか。 上巻では、岸川先生は倫理的な問題を抱えつつも患者思いの名医という印象が強かった。 だが下巻に入ると、そのイメージは一変する。続きが気になって読む手が止まらなかった。 表向きは人格者で、誰もが惚れ込むほどの医療を提供する天才。 しかし裏では、自分にとって都合の悪い...続きを読む人間に対して冷酷で、罪悪感というものがまるでない。 全ては自分が正しいという確信のもとに行動しており、その姿はかなりのサイコパスだと思う。 善と悪が混在している人物だが、もし自分が患者の立場だったなら、きっと彼のことを神様みたいに感じてしまうのだろうなあと思った。
生殖医療はどこまで医学、科学が介入してよいものか。 自分の邪魔をするものには容赦がない岸川には、恐怖さえ感じる。 だが、いつか未来では本当に起こり得るような気がして興味深い。
ーー手足を曲げ、身体の半分を占める大きな頭部を俯き加減にして身を縮めている。この姿勢を眼にするたび、岸川は祈りの形だと思う。いわばエンブリオは子宮の中にいる間、ずっと祈り続けているのだ。この世に無事に生まれ出ることをひたすら願っているのに違いない。(21)
男性の妊娠を国際学会で発表した岸川。 アメリカの不妊治療ビジネス大手の企業が接近してくる。 ただ、その企業は岸川に罠をしかけようとしていた。 それに気付きた岸川もまた、驚きの対策をする。 不妊に悩む夫婦を助けながらも、卑劣な面を垣間見せる岸川。 衝撃的な展開に息を飲む。 2018.11.29
「男性の妊娠」研究を国際学会で発表し、各国の賞賛を浴びた岸川。彼の高度な医療水準に、アメリカで不妊治療をビジネス展開する大企業が目をつける。最先端の技術と情報を盗むため、巨大組織が仕掛けた卑劣な罠。そして、それに対して岸川がとった恐るべき反撃策とは。岸川の持つ闇が徐々に暴走し始める…。生殖医療の暗部...続きを読むを鋭くえぐり、進みすぎた生命科学が犯す罪を描き出した戦慄の長編小説。
上巻が主に岸川が行う医療内容やそれに対する周囲の反応だったのに比べ、此方は「岸川が如何にしてこの研究分野で独走するのか」という視点で書かれていた。 異常な処置や実験を行う医者、というイメージが、患者が満足できるように手を貸すだけ、と説明されることにより、 「あれ、やってることエグいけど岸川が正しいん...続きを読むじゃ」 とまで錯覚を抱きそうになる。 今後の生殖医療の展開が心なしか心配になる。
倫理を超えながらも、探究心、さらには冒険心で生殖医療に望む岸川。そのデーター、技術に巨額な金が動くことを見越しながらも、患者の要求に応えてこその医療といゆう信条が、この岸川医師を一刀両断に裁ききれないモヤモヤ感がある。 患者にとっての最高の医者。その社会評価と背中合わせに感じるこのエグさはなんな...続きを読むんだろう。脳が未成熟で何ら判断の持たないエンブリオならば如何様にも手を下しても、堕胎してもかまわない、社会に未認知の空白の時間。人類のすべての子供が恵まれた環境で歓迎された状態で生まれてきてはいない事実はわかっていても、この空白時間にまで手をだすことは、やはり許されないと思う。 医療がますますビジネス化し、人工子宮という技術もそう遠くない時代に生まれてくる気がする。あと10年後にこの本もう一度手にしてみたいと思う。
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