帚木蓬生のレビュー一覧
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仕事上で、外的要因によって業務内容が変化し、不安や億劫さを感じていたときに、その対処のヒントを得ようと思い本書を手に取った。しかし、読み進めるうちに、本書が扱うネガティブケイパビリティは、仕事に限らず、もっと広い人間の在り方に関わる概念であることを知った。
この言葉自体は以前から聞いたことがあったが、原典は詩人キーツが詩作の苦しみの中から生み出したものであり、その170年後に精神分析医ビオンが医学的観点から再評価した概念であることを知り、背景の深さに驚いた。また、著者である精神科医が語る臨床現場や終末期医療における「答えの出ない事態」に直面する実例は、ネガティブケイパビリティの必要性を実感さ -
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ネガティヴケイパビリティとは、容易に答えの出ない事態に耐えうる脳力。キーツが発見をし、精神科医のビオンが再発見し、発展させた。
教育や医療の現場ではポジティブケイパビリティ、つまり即時の問題解決能力が求められ、この事象はわたしの生活でも同じ。実際小学校中学校でも、質問と問いが二項対立にあり、その速度を求められる。またビジネスも同じように事象に対して、過去の経験やフレームワークから解決策を落とし込むことが推奨される。前提として、ビジネスは提供できるサービスの幅や品質などに制限があるため、すべての目の前の患者、目の前の人へ向き合い、一人一人に目を向け耳を貸すことは不可能は部分もあるかもしれないが -
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めちゃくちゃ好きな系統の本だった。哀しくて温かい群像劇にはこのまま終わらないで欲しいと思ったし、最後の法廷での「退院したよ!」に胸熱だったし、いつかまた読み返してチュウさんや秀丸さん、昭八ちゃんに会いたいと思ったので、文句なく星5つ!
クロちゃんの自死の心理が丁寧な描写で描かれていたのが、秀丸さんが事件を起こすための心理経過の伏線描写になっていたりして、前半の「病棟の日常風景」が組み上げられて後半のドラマにクローズアップされていく感じ。良かった。
戦時中の話も絡む時代性や、九州の言葉がガッツリ出てくる地域性なんかもとても味わい深い。
この精神病院での何十年にも及ぶ生活を送る人々のコミュニテ -
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Audible !!
25年振りの再読!
当時の記憶は重めだけど良い話しだったな〜程度でした。読み返してみて、、うん、重いけど良い話しだった!成長してね〜(-_-;
◆2行概要
精神科病棟のお話で、一人一人の生い立ちをとても丁寧に描写されていました。
◆感想
精神病患者は何をするか分からない危ない人にみられがちってのは昔から言われていることだけど、今でもだな〜って感じました。
穏やかな人もいれば、怒りやすい人もいる。そんな当たり前のことに気づけない。
そんな社会だから一時的に休む場所のはずが、ずっといすわってしまう人も多いのかなと。
ただ、病院に限らず、皆んな何かしらのコミュニティに属 -
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答えの出ない事態に耐える力、『ネガティブ・ケイパビリティ』とは何なのかー。
提唱者は、ロンドン生まれのジョン・キーツ、医師兼詩人。
その概念を約170年後、奇跡的に再発見した、軍人、のちに教師、のちに精神科医のビオン。
世の中には分からない事、解決できない事が意外とたくさんある。
しかし我々の脳は「分かりたがる脳」であるらしく、誰もが問題を解決したがる。それも瞬時に。
我々はそう教育されてもきている。
筆者は、謎は謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんの、どうしようもない状態を耐え抜く力こそが必要だと述べている。
精神医療であれば患者が自ら解決に向うまで。
教育現場であれば不登校の子どもが -
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■ギャンブル症の脳内化学伝達物質
脳内科学伝達物質には、大きく分けて四種類ある。セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン、オピオイドである。
セトロニンは衝動の制御。
ノルエピネフリンは覚醒と興奮。
ドーパミンは報酬系の制御と行動の維持。
オピオイドは覚醒剤と同様に覚醒の維持に関与している。
ギャンブルという特異な行為の反復によってギャンブル症者の脳内化学伝達物質は大きく均衡が崩れる。
まず、セロトニンの低下が見られ衝動にブレーキがかかりにくくなる。反対にノルエピネフリンとオピオイドは増加する。覚醒と興奮の度合いが強くなり、脳がゆっくり休んでいられなくなる。このときノルエピネフリ -
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源氏物語54帖が完結し、源氏絵を紫式部が母君と見ながら語り合う場面、自分も絵を想像しながら振り返っていました。
紫式部の生涯と執筆の過程や思いが記されているこの本により、源氏物語の理解が深まりました。
源氏物語の中には、和歌に心を込めてやりとりする場面が随所に見られます。なんて、風雅なんだろう!作中人物になり変わって、男性の心も女性の心も、歌にたくすることができた紫式部は、すごい人だなぁ。
高校のとき、漫画「あさきゆめみし」で光源氏の恋愛に興味を持っていましたが、今は男性の物語というより女性の生き方を描いているのかなと思うようになりました。現代語訳でも楽しめましたが、もう一度原文に立ちか -
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ざっくり今日読みました。
ネガティブ・ケイパビリティーーざっくり、宙吊りのままで答えの出ぬ状態に長期間耐える力だと思うんですが。
キーツが参考にされています。二章終わりまではザックリで問題ないです。
記憶していた部分に触れますが、心理療法はネガティブ・ケイパビリティであり、隣で見ている者ーー目薬ですね。隣でまなざす力です。
また親切であること。共感。
この親切であるというのは社会的であるということではなく、隣で長期間まなざしていれば、システムが働き出します。そういう、ある種のコードなのです。
あなたが私をまなざしていたことが、システムとしていつの間にか回り出し、それが双方向に働き出す。