帚木蓬生のレビュー一覧

  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    目から鱗の連続。昔、物語を投稿した参加賞としていただいた岩波文庫にたくさん抜き書きしました。手帳貸出期限が来たので、つづきは購入して読みます。

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    2013年07月23日
  • 逃亡(下)

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    下巻では、帰国し、妻子と再会し、そして戦犯として逃亡する姿が描かれる。上巻がある意味ハードボイルド的な部分もあったのに対し、下巻は情緒的なところが大きい。特に、妻とのさまざまなやり取りは涙を誘う。

    舞台は全然違うが加賀乙彦の「湿原」を思い起こさせた重厚な傑作。

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    2013年04月28日
  • 逃亡(上)

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    第二次世界大戦中、香港で憲兵をしていた主人公「守田征二」。上巻では戦犯になることを恐れ、身分を偽って収容所に入り、帰国のチャンスを窺う様子が描かれる。

    ときおり挟まれる戦時中のエピソード。憲兵という仕事柄、自分もスパイを使うし、敵もスパイを使う。正々堂々というと皮肉な響きにはなるが、敵も味方もそういうものだと思って行動する。スパイを捕まえれば拷問によって吐かせようとするし、逆にスパイがばれた側は、ときには死も厭わない。戦争のダークサイドというか、普通には表に出ない部分であるが、裏を返せば、すべてが明らかにされれば、戦犯となってしまう。

    戦争という場では当然だったことが、戦争が終わった瞬間に

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    2013年04月28日
  • アフリカの蹄

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    天然痘ウィルスを使った黒人撲滅無差別テロ事件。
    天然痘ウィルスを国外に持ち出し、感染を防げるか!?というストーリー。
    2作目よりも私は1作目のほうが好きでした。

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    2013年04月10日
  • 臓器農場

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    1993年の作品だけどiPS細胞が注目されている今こそ考えるべき先端技術と倫理の問題。特に臓器移植については移植に携わる医師、救命医、ドナーを待つ家族、そして移植される患者自身、立場が変われば是非は問えないだろうと考えさせられた。

    治療の一つとしては確かに必要な臓器移植。また再生医療の発展と共に何処までが「人間」なのか?一生付き合う必要のある命題なのだと感じた

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    2013年02月27日
  • ギャンブル依存とたたかう

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     ギャンブルはこれまで一度もやったことはありませんが、ネットや音楽に依存しがちな自分にも役立つかもしれないと思い、手に取った本。

     第一章はギャンブル依存症の大まかな説明である。『007』シリーズのイアン・フレミングの「ギャンブルに絶対勝つ方法はただ一つ、イカサマをすることである」という言葉を引用した上で、DSM-Ⅳ病的賭博「衝動制御の障害」ICD-10「習慣及び衝動の障害」において放火癖・窃盗癖・抜毛癖と同等の疾患であり、日本では法律によって場所・実施方法が制限されていないパチンコの存在が最大の特徴であると指摘している。また、今後は株取引のデイトレードやネット上のギャンブルが問題になるだろ

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    2013年02月15日
  • 安楽病棟

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    ミステリ要素すら終末医療という避けられないテーマに組み込んだ良作。自分の未来を投影出来ればいくつもの読み方ができる。

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    2013年01月26日
  • 水神(下)

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    江戸初期の久留米藩が舞台。福岡県うきは市に残る大石堰がテーマ。 為政者ではなく村の庄屋が起案の前代未聞の治水工事。水から見放されている土地と百姓を救うという一心で身代ばかりか命までもかけた五人の庄屋。作者が込めた想いはただ百姓の事を書きたかったという通り日々の過酷な環境を日々の生活に重ね合わせて工事にかける意気込みとともに百姓の目線にて書き綴る。後半は藩への命がけの嘆願が通りいよいよ工事へ。陰には百姓を心身ともに支えた一人の老武士。死亡事故の責任を藩より庄屋に押し付けられた時の老武士の嘆願書。涙なしでは読めません。

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    2013年01月05日
  • 安楽病棟

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    ネタバレ

    帚木さんの『閉鎖病棟』が良かったので、今度はこちらを~。
    て久しぶりの帚木さんの作品だよ。

    老人性痴呆症、老後の生活、そして終末期医療を主筋にして書かれた小説です。
    かなーり重い内容で460ページの長編。
    考えさせられるね~。
    パパが死ぬ前に入院してた頃、ちょっとだけ看病したのを思い出しながら読みました~。

    今の時代、介護や看護は誰にでも切り離せない問題となったけど、
    本当にみんなは理解してるのか?
    そう思うわ~。

    私は癌のパパの看病をそんなにしてたわけじゃないけど、最後は寝たきりになって少しは看護婦さんの手助けを少しはしたかな?
    オムツの替え方、洗浄の仕方とかシーツの替え方、少しは知っ

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    2012年11月27日
  • 水神(下)

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    ネタバレ

    筑後川の堰渠工事を舞台に、当時の百姓の生活、庄屋の苦悩、士農工商という身分の中でも生きる人の優しさ、思慮深さが描かれた素晴らしい名作だと思う。
    百姓の苦しさを救うがために、堰渠工事に尽くした庄屋のために、最後の藩の奉公として命を投げるという展開には思わずえっと声が出てしまうぐらい驚愕した。そして、堰渠工事の完成。五庄屋だけでなく、菊竹にも完成を見てほしかったと思わざるを得ない。
    外国に行くたびに(特にスペインとか)、水があふれる日本とはなんて恵まれた国なんだろうと思っていたけど、それは水のために命をかける人がいたからこそ。
    本当に良作でした。

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    2012年10月31日
  • 三たびの海峡

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    三たびの海峡は、韓国と日本の間を3往復と思っていたのですが、冷静に考えると、海峡を3度渡ることなので、その半分でした。
    日本と韓国との歴史的問題にふれた書物は数多くありますが、本書は読むべき本だと思います。おすすめです。

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    2012年10月02日
  • 安楽病棟

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    長編ではあるが、ショートストーリーが集まったような構成。一つ一つ良い内容であり、考えされるものである。とても良い。

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    2012年09月28日
  • アフリカの瞳

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    アフリカにある某国でエイズ勢力が跋扈している。アパルトヘイトから解放された矢先のエイズ禍。低所得者層では、効果的な抗エイズ薬は買えない。彼らは製薬会社から人体実験のモルモットにされ、黒人政府には踏み台にされていた。そんな所に日本人医師・作田が多くの人達と共にエイズと戦う。
    興味深く読むことができた。すんごい感動した。難しい本読むよりこういう小説絡みで読んで勉強できるんだから、もっと本を読もうと、読まないといけないと思った。力を合わせるって素敵な事、作田も皆もすっごい良い人。これは泣けるぞ。
    さて、これは差別・エイズを問題にしたものだ。日本に住んでてエイズを心配したことがあったろうか。小中高と性

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    2012年09月24日
  • 水神(下)

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    水に恵まれない土地で愚直に懸命に生きる百姓たち。
    渇水に苦しむ村に、筑後川の水を分配する工事を考える庄屋助左衛門。
    近隣の村の庄屋達と共に五庄屋が身代と命をかけて取り組む大事業を描く話です。
    上巻から読み進め、下巻では何度も涙がこみ上げてきた。
    村の百姓たちも庄屋も侍も金貸も、それぞれに感情移入してしまう。
    最後、タイトルにもなっている水神様の嘆願書は、きっとこの村を生きる人々に語り継がれることだろう。
    この作品は、また何度でも読みたいと思う。

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    2012年09月09日
  • 国銅(下)

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    長門の奈良登りで過酷な苦役の日々を送る国人が、
    大仏造営命を受け仲間と共に奈良へ旅立つ・・・

    黒虫の考え方、言葉がとても好き。
    また、歌や詩には大きな力があることを改めて感じる。
    人にとって大切なものは何か、この時代の人々の生きる様、
    色々な事を考えさせられる重量感ある話です。

    続きが気になって止められず、夜中まで起きて読みきってしまった。
    購入して再読したいと思います。

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    2012年08月19日
  • 水神(下)

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    百姓や庄屋の頑張りももちろんですが、反対派の庄屋や管轄する奉行の生き様も素晴らしく描かれています。
    なかなかに涙腺を刺激してくれます。
    ラストの描写はわかっていながら、「よかった。あぁよかった!」と心から思ってしまいます。
    上下巻共に素晴らしい読み物でした。

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    2012年08月16日
  • 水神(下)

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    本書は2009年8月末に単行本として出版されているもので、本年6月に文庫化されたものだから既読本である。再読すると往々にして当初の感動イメージが損なわれることがあるのだが、本書はかつて読んだときの感動がそのまま再現された稀有な例で兎に角読んで絶対に損はさせないと太鼓判を押せる作品だ。

    本書の舞台は島原の乱の記憶もまだ色褪せない頃の九州は筑後川流域。滔々と流れる大河の傍に住むにも関わらず、土地の高低によりその水を利用できず永年、水不足・旱魃に悩まされてきた村々。そこでは人力による水汲みだけを仕事として一生を終える百姓も居る。その窮状を何とかしようと流域の庄屋5名が、私財を投げ打ってまでも堰渠を

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    2012年06月26日
  • 水神(上)

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    本書は2009年8月末に単行本として出版されているもので、本年6月に文庫化されたものだから既読本である。再読すると往々にして当初の感動イメージが損なわれることがあるのだが、本書はかつて読んだときの感動がそのまま再現された稀有な例で兎に角読んで絶対に損はさせないと太鼓判を押せる作品だ。

    本書の舞台は島原の乱の記憶もまだ色褪せない頃の九州は筑後川流域。滔々と流れる大河の傍に住むにも関わらず、土地の高低によりその水を利用できず永年、水不足・旱魃に悩まされてきた村々。そこでは人力による水汲みだけを仕事として一生を終える百姓も居る。その窮状を何とかしようと流域の庄屋5名が、私財を投げ打ってまでも堰渠を

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    2012年06月26日
  • アフリカの蹄

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    ネタバレ

    傑作。
    ただ感動。
    帚木さんの本はいま別のを読み進めているが、
    この"アフリカの蹄"は越えられないと思う。

    アパルトヘイト下の南アフリカが舞台。
    心臓移植を学ぶため、一人日本から留学した作田信。
    友人のサミュエルと恋人のパメラとの出会いから、
    黒人スラム街の診療所を手伝う事に。

    ある日から黒人の子供のみに原因不明の奇病が発生。
    薬も医療器具もないなかで必死に戦い続けるが、
    裏では国家的な民族浄化が粛々と進められていた、という話。

    まぁーまぁー、よくあるストーリだが、
    まず白人の差別感情がすさまじい。
    黒人を家畜以下に考え、家畜以下に扱う。
    どこまでも追い詰めていく狂っ

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    2012年05月06日
  • 安楽病棟

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    痴呆になりつつある数人の老人の描写から始まる。この人のようになるのかあの人のようになるのか……。それぞれの理由で痴呆病棟に入院になる。
    次は病院での様子を看護婦の目で教えてくれる。家族にとっての毎日は身内であるゆえの辛さや苦しさがあるのだと思える。仕事としてのほうが冷静に対応できるのかも知れない。痴呆になった人はもう人ではないのか?動く屍なのか?他人に迷惑をかけるなら早く死んだほうがいいのか?割り切れる回答は無いのかもしれないけれど、痴呆になっても生きていることを許していける社会だといいなと思う。
    安楽死を、死なせることを医者が選ぶのではなく自然に、命の火が消えるのがいいな。ぽっくり逝きたいと

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    2012年03月06日