帚木蓬生のレビュー一覧
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アフリカにある某国でエイズ勢力が跋扈している。アパルトヘイトから解放された矢先のエイズ禍。低所得者層では、効果的な抗エイズ薬は買えない。彼らは製薬会社から人体実験のモルモットにされ、黒人政府には踏み台にされていた。そんな所に日本人医師・作田が多くの人達と共にエイズと戦う。
興味深く読むことができた。すんごい感動した。難しい本読むよりこういう小説絡みで読んで勉強できるんだから、もっと本を読もうと、読まないといけないと思った。力を合わせるって素敵な事、作田も皆もすっごい良い人。これは泣けるぞ。
さて、これは差別・エイズを問題にしたものだ。日本に住んでてエイズを心配したことがあったろうか。小中高と性 -
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本書は2009年8月末に単行本として出版されているもので、本年6月に文庫化されたものだから既読本である。再読すると往々にして当初の感動イメージが損なわれることがあるのだが、本書はかつて読んだときの感動がそのまま再現された稀有な例で兎に角読んで絶対に損はさせないと太鼓判を押せる作品だ。
本書の舞台は島原の乱の記憶もまだ色褪せない頃の九州は筑後川流域。滔々と流れる大河の傍に住むにも関わらず、土地の高低によりその水を利用できず永年、水不足・旱魃に悩まされてきた村々。そこでは人力による水汲みだけを仕事として一生を終える百姓も居る。その窮状を何とかしようと流域の庄屋5名が、私財を投げ打ってまでも堰渠を -
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本書は2009年8月末に単行本として出版されているもので、本年6月に文庫化されたものだから既読本である。再読すると往々にして当初の感動イメージが損なわれることがあるのだが、本書はかつて読んだときの感動がそのまま再現された稀有な例で兎に角読んで絶対に損はさせないと太鼓判を押せる作品だ。
本書の舞台は島原の乱の記憶もまだ色褪せない頃の九州は筑後川流域。滔々と流れる大河の傍に住むにも関わらず、土地の高低によりその水を利用できず永年、水不足・旱魃に悩まされてきた村々。そこでは人力による水汲みだけを仕事として一生を終える百姓も居る。その窮状を何とかしようと流域の庄屋5名が、私財を投げ打ってまでも堰渠を -
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ネタバレ傑作。
ただ感動。
帚木さんの本はいま別のを読み進めているが、
この"アフリカの蹄"は越えられないと思う。
アパルトヘイト下の南アフリカが舞台。
心臓移植を学ぶため、一人日本から留学した作田信。
友人のサミュエルと恋人のパメラとの出会いから、
黒人スラム街の診療所を手伝う事に。
ある日から黒人の子供のみに原因不明の奇病が発生。
薬も医療器具もないなかで必死に戦い続けるが、
裏では国家的な民族浄化が粛々と進められていた、という話。
まぁーまぁー、よくあるストーリだが、
まず白人の差別感情がすさまじい。
黒人を家畜以下に考え、家畜以下に扱う。
どこまでも追い詰めていく狂っ -
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痴呆になりつつある数人の老人の描写から始まる。この人のようになるのかあの人のようになるのか……。それぞれの理由で痴呆病棟に入院になる。
次は病院での様子を看護婦の目で教えてくれる。家族にとっての毎日は身内であるゆえの辛さや苦しさがあるのだと思える。仕事としてのほうが冷静に対応できるのかも知れない。痴呆になった人はもう人ではないのか?動く屍なのか?他人に迷惑をかけるなら早く死んだほうがいいのか?割り切れる回答は無いのかもしれないけれど、痴呆になっても生きていることを許していける社会だといいなと思う。
安楽死を、死なせることを医者が選ぶのではなく自然に、命の火が消えるのがいいな。ぽっくり逝きたいと -
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パチンコ、麻雀、競馬、競輪…。「庶民の娯楽」という美名の陰で、急速に増えつづける依存者の群れ。この本には「地獄への片道切符」に乗ってしまった人たちの末路が描かれております。
僕は西原理恵子を始め、伊集院静や白川道など、確実にギャンブル依存症の作家のエッセイや作品を読んで、彼らの日常を笑ってみていたことがありましたけれど、それでも、彼らの日常が破滅しないのは彼らがやっぱり普通の人間の何倍もお金を稼いでいるのだという事実と、仮に、破綻はしていても『作家だから』ということで、多めに見てもらっているのであって、普通の人間が病的なまでにギャンブルにのめりこんでしまうと確実に待っているのは地獄への一本道 -
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ネタバレ分類では医療サスペンス?だけど、小説の本質と良さとは全く違うところにある。なので本書がサスペンスの角度で紹介され、また呆け老人の行動の描写でまるで好奇心を煽るような紹介文には個人的に違和感を感じる。
小説の構成は、病院の中の老人個人個人のストーリを集めて構成される病院の日常、新人看護婦の視点、サスペンスのキーとなる医師の講演、その後老人のあいつぐ急死、手紙での告発。
小説後半のスピードが早く、たたみかけるような終結も箒木蓬生さんのパターンではあるが、今回も終盤で一気にギアチェンジし急にサスペンスに入った。だから医療サスペンスなんやけど、なんかちょっと奇妙。
本質は老人医療、安楽死等の倫 -
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私は先に「水神」の方を読んでしまったが、この「国銅」があって「水神」がある、そんなことが自ずと頓悟された。
非常によくできた二昔前ぐらいの連続テレビドラマを観ているかのようだ。
主人公の国人が絵に描いたような善人の模範で、周りの人々や環境にも異様なほど恵まれる、などといったフィクションならではの好都合も随所に見られるが、本作全体を貫き通す真っ直ぐな流れは揺らぐことなく、読者の真情に迫る。
物語の中には、謎もどんでん返しもトリックも出てはこないが、“生きる”とはどういうことなのか、そんな命題に真っ向から取り組み、そのプロセスを経て得られた著者なりの答えが示されている。
「水神」同様、作中に出 -
Posted by ブクログ
私は先に「水神」の方を読んでしまったが、この「国銅」があって「水神」がある、そんなことが自ずと頓悟された。
非常によくできた二昔前ぐらいの連続テレビドラマを観ているかのようだ。
主人公の国人が絵に描いたような善人の模範で、周りの人々や環境にも異様なほど恵まれる、などといったフィクションならではの好都合も随所に見られるが、本作全体を貫き通す真っ直ぐな流れは揺らぐことなく、読者の真情に迫る。
物語の中には、謎もどんでん返しもトリックも出てはこないが、“生きる”とはどういうことなのか、そんな命題に真っ向から取り組み、そのプロセスを経て得られた著者なりの答えが示されている。
「水神」同様、作中に出