白い夏の墓標

白い夏の墓標

781円 (税込)

3pt

パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。かつて仙台で机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友黒田が、実はフランスで自殺したことを告げられたのだ。細菌学者の死の謎は真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして二十数年前の仙台へと遡る。抒情と戦慄のサスペンス。

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白い夏の墓標 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「色褪せない」ってこういうことなのかと思った。
    描写が美しくて、頭の中で情景がふぁ〜って広がって、映画を見ているみたいな感覚になった。

    余白がたくさんで、すごく好き。

    最近の本に多いようなスピード感があるからページを捲る手が止まらないのとは違った感覚で、どんどん読み進めて、終わるのが寂しいって思

    0
    2025年07月14日

    Posted by ブクログ

    書店で帯に惹かれ購入。名作と言われるだけあって繊細で綺麗で切ない文章が読む手を止めなかった。

    210頁「人は理由なしに生きることはできるけれども、十分な理由なしに死ぬことはできない。」本質的な素晴らしい一文だ

    0
    2024年11月22日

    Posted by ブクログ

    この作家さんの話は専門的だけど好きなんです。今回もまるでコロナが以前から知っていたような感じをさせる物語であるともいえる。まぁ所々専門すぎて読み飛ばしたものはありますが(笑)

    0
    2024年06月03日

    Posted by ブクログ

    「この本、本当に凄いぞ!!」の帯に衝動買い。45年前とは思えない現代的内容の医学ミステリー。

    アメリカで客死した学友の痕跡をおって行くうちに辿り着く細菌研究所。細菌兵器の研究に従事する医学者たち。逆立ちした科学。人体実験やウイルスなど、COVID19の出自を預言しているかのような内容。

    書店員の

    0
    2024年02月11日

    Posted by ブクログ

    昭和50年代に出された作品なのに、今読んでも色褪せない。仙台ヴァイラスを持ってアメリカの研究所へ渡った同僚の事故死。でも、それが事故じゃないと聞かされてから始まる物語。

    細菌の融合によって生物兵器をも作り出せてしまう。逆立ちの科学。人を救うためのものではないのか。そんな自問自答が苦しいほど伝わる。

    0
    2023年07月20日

    Posted by ブクログ

    大どんでん返しの結末。これには驚いた。
    けれども、文章をしっかりと読んでいれば、ある箇所でその違和感に気づき、この結末を予想できたかもしれない。

    ウィルス、そこからの細菌兵器開発へ。人のためになるはずの科学ではなく、”逆立ちした科学”。それに従事せざるを得ない科学者の苦しみ、葛藤。そして、そこから

    0
    2025年10月26日

    Posted by ブクログ

    フランスで開催される肝炎ウイルス国際学会に出席した佐伯教授は米国陸軍微生物研究所のベルナールという人物からの訪問を受けた。かつて仙台で一緒に机を並べていた黒田がアメリカ留学時代に事故死したと思っていたが、ベルナールが言うにはフランスで自殺をしたという。そしてフランスの田舎に黒田の墓があるのでぜひ見舞

    0
    2025年10月09日

    Posted by ブクログ

    ウィルス研究は兵器製造にも繋がるという恐怖と、知らずにその罪に加担するおぞましさ。
    並行して黒田の死が二転三転するところにも引き込まれる。

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    この手の医療倫理モノって今となっては多数存在するのだけれど、40年以上前に発表され、今もってまったく古さを感じさせないというのは凄い。そして、書いたのが帚木さんというところに、本の説得力がある。
    センダイ・ヴァイラスを発見、研究していた黒田氏がアメリカにヘッドハンティングされ、そのままアメリカで亡く

    0
    2025年07月08日

    Posted by ブクログ

    友人が間違って同じものを買ってしまったので、と言ってくれた本。帚木蓬生さんの本は、当初私が友人に勧めた。気に入ってくれたみたいで、今度は他に目移りしていた私に勧めてきた。久しぶりに読んだらやはり面白い。最初から「ミステリー」の体をなしている訳ではなく、徐々にじわじわと謎が染み出してくる。その上著者の

    0
    2025年05月05日

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