帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
安楽病棟(痴呆病棟)で働く新人看護師・城野。ここには認知症が進んで家で生活できなくなった患者さんがたくさん入院している。一口に認知症といっても症状は十人十色。基本的に回復の見込みは無い患者さんばかりだが、城野は先輩看護師達と一緒に、どうすれば患者さんが快適に過ごせるか、楽しく人生を謳歌できるか。介護を工夫したりイベントを企画したりと毎日一生懸命働いていた。
裏表紙のあらすじを読んでこの本を購入したのは随分前である。そして、私はいざその本を読み始める時に改めてもう一度あらすじを読んでから読み始めることはしない。ということで、どんな話なのかわからないまま読み始めたのも同然だったので、これは痴呆病棟で奮闘する新人看護師と患者さんの日常が実録風に書かれている小説なんだと思いながら9割読んでいた。ところが最終章の「動屍」で雰囲気は一変。そうか、ミステリーだったのね(^^;残りの1割は食い入るように読んだが、いかんせんそれまでが冗長すぎたのが残念。主人公の城野看護師がとても熱血な優しい看護師だったおかげで、想像していたような重々しい痴呆病棟の話ではなかったのだが、もっとスマートに削れると思う。こうした病棟では切っても切れない糞尿騒動や家族と介護の問題なども、驚く程ポジティブに、そして何より患者さんのことを考えた看護がされていて、「こういう病棟や看護師さんばかりだったら幸せだなぁ」と思わされるものだったので余計にそう思った。タイトルからすると”安楽死”について書かれている部分が大半かと思われたが、そうでもなかったなぁ。それよりも、認知症介護について読みたい人に薦めたい。 -
Posted by ブクログ
ここで挙げられる良医は良心的なお医者さんです。単に腕の良い医者の事では有りません。現役の医者であり、ヒューマニティーに溢れた帚木さんの作品ですが、なぜか感動の量は少なく。
面白くない訳ではありません。帚木さんですから、一定以上の質は確保していると思います。でも、どうも地味な感じなのです。どこか物足らない。それぞれの物語がとても良い素材を持っているだけに残念な気がするのです。もう一つ二つ突っ込めば、大化けするのではないか。そんな気がするのです。読み手の精神的体調も有りますから、私のせいなのかもしれませんが。
そういえば、帚木さんの短編は珍しい。やはり長編が得意なのかな。