帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦争の話とか、医療の話とか、途中読んでてしんどくなってきたけど(内容理解できない的な意味で)読んでよかったと思う。
ミステリーな部分は本当にほんのちょっとで(最終章までミステリーだということを忘れていました)ドキュメントみたいに感じました。
安楽死の問題はいくら話し合っても答えの出ない重い問題だと思います。
この本ではミステリーなので殺人という形でしたが、実際自分の祖父母が、父母が、兄弟が、自分が、ああいう立場になったときにどういう決断をするのか、とても考えさせられました。
とりあえず自分には介護の仕事は死んでも勤まらないなと思いました。
世のヘルパーさんたちはすごい。 -
Posted by ブクログ
話ができすぎていて、スリルに欠ける部分がある。
ただ、カタリ派というあまり馴染みのないキリスト教の一派に対する中世キリスト教の異端審問を題材にして、権威、権力と個人の信仰、内面という問題をうまく扱っていて、なかなか勉強させられる。
あまり馴染みのないテーマをわかりやすく、興味をひきだすように描きだす技術はすごい。
カタリ派が日本人の宗教観に近いのか、カタリ派を日本人の宗教観に合わせて解釈しているのかよくわからないが、カタリ派の独特な考え方がなかなか興味深い。
前回読んだ、『深い河』の大津の考え方を思い出したりもした。
ただ、カタリ派に対する評価と、ローマ教会に対する批判的態度がいずれも