帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで私が読んだ帚木作品は、精神科医らしく心を病む人物の登場が多かった。
これは第二次大戦中憲兵として働き、敗戦後逃亡し続ける主人公の限界とも思える物語だ。
同時期に大陸で新聞記者として従軍した父の面影と重ね合わせた。
戦争は人を変えると言うが、随所にそれがうかがえる場面が出てくる。
しかし、極限状態にあっても友情の存在があることも知った。
小説としてより、ドキュメンタリーのような迫力、面白さを感じた。
敗戦後の混乱、戦争裁判の不条理、道を誤った国家の恐ろしさ
、どれも私年代(80歳)にとっては記憶にある事だけに胸を打ちまた痛みを感じた。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに手にした帚木さんです。
『エンブリオ』の続編ですが、それを読んだのが6年前ですから、内容はほとんど覚えてなくて、ただ天才医師・岸川とリゾートのようなサンビーチ病院だけは強く印象に残っていました。
帚木さんらしいヒューマニズムに溢れた作品ですが、やや冗長な感じがあります。それはこの物語に2つの軸を持たせた為だと思います。軸の一つが半陰陽(=インターセックス)に対する医学的偏見、もう一つは岸川と病院をめぐる連続殺人事件です。ただ、著者が描きたかったのは前者で、後者は物語の形を作る道具だてに過ぎない感じがします。
インターセックスを巡るエピソードは秀逸で心を揺るがせます。また、その関連で綴