帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
天才産婦人科医による、法の網をかいくぐる生殖医療、あるいはもはや生殖産業か。
生命倫理を考えるととんでもない医療技術なのだろうけれど、あくなき探究心で次々に新しい研究を進めていくのはとてもエキサイティングなのだと思う。医学の進歩には、過去に多くの黒歴史があり、その上に現代医学が成り立っていると考えれば、この小説のようにエンブリオを利用した技術がすでにどこかで開発されていたとしても決して不思議ではない。
倫理、善悪を抜きにするならば、興奮でぞくぞくしてしまうほどの研究の数々。なじみのない生殖医療の用語もわかりやすく、読みやすい。
下巻はどのような展開になるのか楽しみ。天才医・岸川がドナーになり続 -
Posted by ブクログ
今まで私が読んだ帚木作品は、精神科医らしく心を病む人物の登場が多かった。
これは第二次大戦中憲兵として働き、敗戦後逃亡し続ける主人公の限界とも思える物語だ。
同時期に大陸で新聞記者として従軍した父の面影と重ね合わせた。
戦争は人を変えると言うが、随所にそれがうかがえる場面が出てくる。
しかし、極限状態にあっても友情の存在があることも知った。
小説としてより、ドキュメンタリーのような迫力、面白さを感じた。
敗戦後の混乱、戦争裁判の不条理、道を誤った国家の恐ろしさ
、どれも私年代(80歳)にとっては記憶にある事だけに胸を打ちまた痛みを感じた。