帚木蓬生のレビュー一覧

  • 水神(上)

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     大河・筑後川の流域でありながら、台地のために川の水の恩恵を受けられない貧しい村々。その中の五人の庄屋が、水路(堰と堰渠)を作るため立ち上がった。前編はここまで。

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    2022年11月10日
  • 閉鎖病棟

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    古本屋で購入

    全く予備知識がなく、手に取る。

    作者は精神科医なので、精神病棟や患者の症状の記述が詳しい。

    ある都市の精神病院が舞台。入院患者とそれを取り巻く家庭環境など、「精神病の人はなんか気味が悪くて気持ち悪い」などと思いがちだが、そのステレオタイプを正さなければならないかもしれない。

    最後は落涙必須の良作。
    さすが、山本周五郎賞をもらうだけの小説。

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    2022年10月23日
  • 閉鎖病棟

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    この世の中を必死に生きる患者たちの葛藤を感じた。登場人物は色んな世代の人が出てくるが、世代を超えて分かり合えるものがあるなと思った。
    感動する物語だった。

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    2022年09月30日
  • 受難

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    韓国、日本を舞台に個性的な人々が織り成す物語。登場人物が生き生きしていてつい読み込んでしまう。SFチックなサスペンス。

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    2022年09月29日
  • 国銅(上)

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    奈良の大仏を作るために全国から集められる人々。その中で長門から竿銅を作っていた国人がやがて奈良で大仏を作り懸命に生きる姿を描写する。
    習字や薬草についてなど探究しながらも長門に帰る日を夢見て。
    昔の建造物には奴隷のように働いた一人一人がいたんだ、東大寺の大仏見に行くぞ。古代の旅の風景も興味深い。

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    2022年09月26日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    的場医師も敵なのかな!?と最初は思っていたけど、本当に勇敢で素敵な人だった。疑ってすみません、、
    脳がなければ人権はないのか、という倫理的な問題を考えさせられる本。
    フィクション感が弱く、すごく面白かった。
    どんどん先を読みたくなる感じ。
    廃棄庫やリネン庫、研究室に忍び込んでいる時のドキドキ感が最高でした。

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    2022年09月08日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    題名の通りの本。
    最後の方になるとミステリー要素が強くなってきて面白い。
    そこまでは、インターセックスや性同一性障害の方についてとても勉強になるし、色々と考えさせられました。
    ミステリーに関しては、殺人の動機が弱い、、??と少し思ったが面白かった。
    翔子が岸川に呼び出されて部屋で話してる時、どんな結末になるのだろう、、とすごく胸が踊りました。
    翔子の素性を最後に知って、驚きともに納得。

    その後のサンビーチ病院の話を読んでみたい。

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    2022年08月23日
  • 風花病棟

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    十編を収めた短編集。
    いずれも老若男女の「良医」が主人公・花が必ず登場するもので、どれもものすごく大きな起伏があるという話ではないけれど、なんだかじんわりよかったなと思わせられた。
    現役精神科医である作者によると、メディアなどで大きく名医だと取り沙汰される医者よりも、日の当たらないところに良医はいるのだと、それを伝えたかったのだと。
    たしかに作中に出てくる医師たちは、患者をよく見て、患者との関わりを常に模索している人たちが多かったな。
    1話目は個人的に導入が入りづらいなあと感じだけど、どの話も全体的にどこか印象に残る。
    あらすじには紹介されてない話だけど、藤籠、顔、アヒルおばさんという話が好き

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    2022年05月08日
  • 風花病棟

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    帚木さんの作品はやはりとても読みやすい。
    短編なので、気楽に読むことができた。
    長編のようなずっしりとした読み応えはもちろんないが、読後感のさわやかさがあった。

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    2022年03月30日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    ギャンブルが日常にあることが異常だと気がついた。パチンコ最近してないから気楽に読んでみたら、もはやパチンコなどが存在することこそ悪ではないか。

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    2022年03月29日
  • インターセックス

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    エンブリオを読んでからのインターセックス。
    エンブリオは岸川目線だったのが本作は翔子目線で物語が進む。
    インターセックスについてとても興味深く読み進め、いろんな意味で勉強になった。
    途中からサスペンス要素が強くなり、翔子が真相に近づくにつれドキドキが止まらない。
    予想もしないラストにこれ以上のラストは無いと思った。
    とにかく読み応え十分、おすすめです。

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    2022年03月22日
  • 賞の柩

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    イギリス医学会の重鎮アーサー・ヒルがノーベル医学・生理学賞を受賞したことを端緒に、青年医師・津田が自信の恩師である清原の随筆を読んだことから始まる医療サスペンス。

    津田の恩師に対する思い、その娘・紀子の父への思慕、無名の研究者の発見が搾取され狂わされた人生、そして研究者たちの不可解な死因、とグイグイ引き込まれた。

    章が変わるごとに目線が変わり、今回は誰?あれは誰が探り当てたんだっけ?と混乱する時も。
    権威あるものに逆らえない風潮はどの分野にもあるんだろうけど、殺人はともかくこんなことは現実にもありそうで、なんだかノーベル賞も手放しで賞賛できなくなりそう。

    それにしても死因が明らかになる終

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    2022年03月12日
  • 水神(下)

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    下巻は菊竹様に涙…こんなに農民想いのお奉行様は居ないだろうけどたとえフィクションだとしても泣けます。水神、ってこの人のことだったのか。。嘆願書という名の遺書、心にきました。
    大石堰出来て、こんなに大量の水を見たことがない村民が川の側に佇んで日がな一日眺めてる気持ちもわかるし、あの水流を何かに利用できないかと考え始める村民もいて、治水工事思い立って嘆願した五庄屋たちは救われただろうなと思いました。元助と伊八も田んぼが作れる。
    藤兵衛さんもよかった…上巻でなんて嫌な爺と思っていましたが、耄碌してたと自分の間違いを認めてずっと苦しんでたんだな。。磔台の酷さをまざまざと目にしてたというのもあるんだろう

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    2022年03月05日
  • 国銅(下)

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    東大寺の大仏を作るのにどれだけの人々の苦労があったのだろう。その一人がいた、いやいなかったかもしれないが、大きな建造物を作り上げるための限りないほどの労力は今でも変わりはないのかもしれないと思った。故郷の景信和尚と絹女を思いながら都の作業、生活に打ち込む国人の潔さ、清々しい姿が心に染みた。

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    2022年02月11日
  • 国銅(上)

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    奈良時代に大仏像のための銅を作り出すために懸命働く若者たちの物語。全く明るい話はないが、懸命に生きる姿に清々しい思いも出てくる。色々な場面で登場する拍子歌が物語を少しだけほのぼのとした雰囲気にしてくれる。さて、大仏はどうなるのかの後編に続く。

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    2022年01月31日
  • 賞の柩

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    地元の誉である帚木蓬生さん。(うちの父の同級生であることを最近知りました)

    仏文科と医学部をご卒業されたという作者の経歴が生かされた、ヨーロッパを旅しながらの医療サスペンスがおもしろかったです。栄光の裏には、きっとこういう隠された事実がいくつもあるんだろうなと思います。

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    2022年01月10日
  • 風花病棟

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    短編10篇の、うちはじめの2篇はしみじみとした趣があるものの物足りなく感じてしまった。
    しかし3遍目からは前のめりに読み耽ってしまった。今まで読んできた医療小説とは少々趣を異にするものだった。
    私の我儘ではあるが、最後の「終診」は泣けるものであって欲しかった。

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    2021年11月02日
  • ギャンブル依存とたたかう

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    お釈迦さまでもなる可能性があるという依存症
    意志が強い弱いの問題ではなく、脳の仕組みとなれば、依存症になる、ならないは運の問題かもしれない。
    だから自分を過信せず、手を出してはいけないと思った。
    IR(統合型リゾート)に今後関わる人には読んでほしい。
    そして、自分は絶対依存症にならないと言えるかどうか自分に問うてほしい。 他人を不幸に陥れるかもしれないことも、考えてほしい。

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    2021年10月27日
  • アフリカの蹄

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    ネタバレ

    南アフリカのアパルトヘイトを題材にし、白人の支配層が絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を殲滅しようとする。

    そんな中で心臓移植を学ぶ為に南アフリカに来ていた日本人医師・作田信が主人公をつとめます。

    大学病院へ行かない時間を使い、スラム街の診療所の手伝いを始めた頃にその地域で生活する黒人の子供たちの間で奇妙な病が流行りだす。

    次々と命を落としていく幼い子供たち。

    作田はなんとかしょうと、大学病院に患者を連れて行くも、黒人だからという理由で診察すら受けることを許してもらえない。

    時を同じくし、作田の周りの人々が彼に対し圧力をかけ始める。

    その間にもどんどん広がりをみせる病と、命を落と

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    2021年08月28日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    ギャンブル依存症の特徴は、借金と嘘を積み重ねることにある。
    そして周囲の家族を苦しめ続けることになる。

    やがてどうにもならなくなり、ようやく迎えた家族に対しての借金の告白ですら金額を誤魔化し、返済するはずのお金でギャンブルする。

    著者はギャンブラーを鬼・ロボット以下であると述べているが、本当にやってることは人の心を無くした鬼畜の所業である。

    これは環境が整えば誰でもなってしまうという恐ろしい病気。そして日本にはパチンコ・スロットという最悪の環境が整えられているのである。

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    2021年06月19日