帚木蓬生のレビュー一覧

  • エンブリオ 下

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    ーー手足を曲げ、身体の半分を占める大きな頭部を俯き加減にして身を縮めている。この姿勢を眼にするたび、岸川は祈りの形だと思う。いわばエンブリオは子宮の中にいる間、ずっと祈り続けているのだ。この世に無事に生まれ出ることをひたすら願っているのに違いない。(21)

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    2023年10月03日
  • 沙林 偽りの王国(下)(新潮文庫)

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    和歌山砒素カレー事件を題材にした『悲素』は18年に読んだ。本作も、語り手は九州大の沢井教授。冒頭は、『悲素』のサリン事件回想の場面とほぼ同じ展開。現実の事件を基にした物語とは言え、テーマが変わったからといって関連する場面を変えたりしない、作者の姿勢が見えた気がする。
    インチキ宗教に、高等教育を受けた優秀な人材が嵌まり込み、大量殺人を起こしたこと。その、状況的に真っ黒な、しかも前代未聞の凶悪犯罪を起こしたと思われる組織の広報担当が連日TVに出て、空疎な反論を吐き散らしたこと。それを視聴率が稼げるからとTV局が連日放送し、我々もそれを半ば面白がって見ていたこと。オウムも十分に異常な組織だったが、そ

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    2023年09月23日
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    一連のオウム事件が起きたのは、高校生の時。上巻の大部分を占める第三章、地下鉄サリン事件発生~教祖逮捕の過程を読んで、当時の事を思い出した。

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    2023年09月19日
  • 聖灰の暗号(上)

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    2010初読
    2023/8再読
    〈十字軍〉はイスラム勢力と戦ったものだけでなく、ヨーロッパ内でも、“異端”と決め付けたカタリ派の迫害に関わったものもあったことを知った作品。一体、ローマ教皇庁は、過去の総括をしているのだろうか? 

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    2023年09月07日
  • 聖灰の暗号(下)

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    2010初読
    2023/8再読
    〈十字軍〉はイスラム勢力と戦ったものだけでなく、ヨーロッパ内でも、“異端”と決め付けたカタリ派の迫害に関わったものもあったことを知った作品。一体、ローマ教皇庁は、過去の総括をしているのだろうか? 

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    2023年09月03日
  • 天に星 地に花 下

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    幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君…。医師を志す大庄屋の次男・庄十郎が成長していく姿を通して、筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描く。

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    2023年04月20日
  • 天に星 地に花 上

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    幕府に翻弄される庄屋、圧政に苦しむ百姓、身命を賭して民を守る名君…。医師を志す大庄屋の次男・庄十郎が成長していく姿を通して、筑後平野に息づく、さまざまな人生の哀歓を描く。

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    2023年04月20日
  • 閉鎖病棟

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    感想が難しいなぁ。
    患者が正確な描写なのかはわからない。
    描かれているのは閉鎖されてはいない病棟にいる人たちなんですよね。
    社会から一定隔離された人という意味では閉鎖空間なのかもだけど外に出る自由もあるので色々あっても割とマトモな人達が紡ぐ物語。
    マトモだと感じることを偏見が減るとなるかはわからない。語り視点の語る内容が狂っていては話として成立しませんもんね。
    だとすると『ドグラ・マグラ』みたいになるんじゃないななぁ。
    とかあるんですが、お話としてトータルの読後感は悪くありません。
    人の再起を応援したくなるいい作品です。

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    2024年02月21日
  • 閉鎖病棟

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    読み終わって何故かジーンときました。ただ生きることにひたむきな人々、つい偏見の眼で見てしまいがちな自分が如何に身勝手であったのかを気付かせてくれました。

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    2023年03月02日
  • 水神(下)

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    江戸時代の筑後川治水工事の話の後編。難工事ではなく、一冬の間に堰渠は完成。順調に話が進むと思われたが、試験通水で戻り水が起こり、死者を出してしまう。しかし、菊竹源左衛門によって、五人の庄屋は救われた。いい話でした。

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    2022年11月16日
  • 水神(上)

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     大河・筑後川の流域でありながら、台地のために川の水の恩恵を受けられない貧しい村々。その中の五人の庄屋が、水路(堰と堰渠)を作るため立ち上がった。前編はここまで。

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    2022年11月10日
  • 受難

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    韓国、日本を舞台に個性的な人々が織り成す物語。登場人物が生き生きしていてつい読み込んでしまう。SFチックなサスペンス。

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    2022年09月29日
  • 国銅(上)

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    奈良の大仏を作るために全国から集められる人々。その中で長門から竿銅を作っていた国人がやがて奈良で大仏を作り懸命に生きる姿を描写する。
    習字や薬草についてなど探究しながらも長門に帰る日を夢見て。
    昔の建造物には奴隷のように働いた一人一人がいたんだ、東大寺の大仏見に行くぞ。古代の旅の風景も興味深い。

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    2022年09月26日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    的場医師も敵なのかな!?と最初は思っていたけど、本当に勇敢で素敵な人だった。疑ってすみません、、
    脳がなければ人権はないのか、という倫理的な問題を考えさせられる本。
    フィクション感が弱く、すごく面白かった。
    どんどん先を読みたくなる感じ。
    廃棄庫やリネン庫、研究室に忍び込んでいる時のドキドキ感が最高でした。

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    2022年09月08日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    題名の通りの本。
    最後の方になるとミステリー要素が強くなってきて面白い。
    そこまでは、インターセックスや性同一性障害の方についてとても勉強になるし、色々と考えさせられました。
    ミステリーに関しては、殺人の動機が弱い、、??と少し思ったが面白かった。
    翔子が岸川に呼び出されて部屋で話してる時、どんな結末になるのだろう、、とすごく胸が踊りました。
    翔子の素性を最後に知って、驚きともに納得。

    その後のサンビーチ病院の話を読んでみたい。

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    2022年08月23日
  • 風花病棟

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    十編を収めた短編集。
    いずれも老若男女の「良医」が主人公・花が必ず登場するもので、どれもものすごく大きな起伏があるという話ではないけれど、なんだかじんわりよかったなと思わせられた。
    現役精神科医である作者によると、メディアなどで大きく名医だと取り沙汰される医者よりも、日の当たらないところに良医はいるのだと、それを伝えたかったのだと。
    たしかに作中に出てくる医師たちは、患者をよく見て、患者との関わりを常に模索している人たちが多かったな。
    1話目は個人的に導入が入りづらいなあと感じだけど、どの話も全体的にどこか印象に残る。
    あらすじには紹介されてない話だけど、藤籠、顔、アヒルおばさんという話が好き

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    2022年05月08日
  • 風花病棟

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    帚木さんの作品はやはりとても読みやすい。
    短編なので、気楽に読むことができた。
    長編のようなずっしりとした読み応えはもちろんないが、読後感のさわやかさがあった。

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    2022年03月30日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    ギャンブルが日常にあることが異常だと気がついた。パチンコ最近してないから気楽に読んでみたら、もはやパチンコなどが存在することこそ悪ではないか。

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    2022年03月29日
  • インターセックス

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    エンブリオを読んでからのインターセックス。
    エンブリオは岸川目線だったのが本作は翔子目線で物語が進む。
    インターセックスについてとても興味深く読み進め、いろんな意味で勉強になった。
    途中からサスペンス要素が強くなり、翔子が真相に近づくにつれドキドキが止まらない。
    予想もしないラストにこれ以上のラストは無いと思った。
    とにかく読み応え十分、おすすめです。

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    2022年03月22日
  • 賞の柩

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    イギリス医学会の重鎮アーサー・ヒルがノーベル医学・生理学賞を受賞したことを端緒に、青年医師・津田が自信の恩師である清原の随筆を読んだことから始まる医療サスペンス。

    津田の恩師に対する思い、その娘・紀子の父への思慕、無名の研究者の発見が搾取され狂わされた人生、そして研究者たちの不可解な死因、とグイグイ引き込まれた。

    章が変わるごとに目線が変わり、今回は誰?あれは誰が探り当てたんだっけ?と混乱する時も。
    権威あるものに逆らえない風潮はどの分野にもあるんだろうけど、殺人はともかくこんなことは現実にもありそうで、なんだかノーベル賞も手放しで賞賛できなくなりそう。

    それにしても死因が明らかになる終

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    2022年03月12日