帚木蓬生のレビュー一覧

  • ほんとうの会議 ネガティブ・ケイパビリティ実践法

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    仕事柄、会議が多く、実のある議論、効率的な議論とするにはどうすべきかと悩んでいるところで、店頭で見かけて手にしてみました。
    序盤は、依存症の方から話を引き出す事例から入っており、ビジネス観点ではなかなか頭に入らない内容でした。
    本書では、会議の目的は答えを出すことをよりも、話を引き出すことであり、そのためには答えがでないことも許容する(ネガティブ・ケイパビリティ)ことの重要性を説いていました。
    テキパキと会議を進めることだけではなく、話を引き出す重要性を改めて感じました。心理的安全性にもつながる内容だとも感じました。


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    2025年03月26日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    このところオンラインカジノが大きな話題となり、その利用者は国内337万人に推計されると報道されました。
    私自身、一番くじや宝くじは時々楽しみますが、オンラインカジノの広告なんて目にしたことはありません。損するとわかっているのに、なぜ手を出してしまうのか?
    そんなことを考えていた矢先に書店で本書を見つけ、興味深く読みました。

    幸いといっていいでしょうが、私の周りに「ギャンブル脳」はいません。
    ですので、本書で赤裸々に語られる患者とその家族の地獄の様相には言葉も出ませんでした。
    特に、ギャンブルをやめられない息子に悩む母親から「『ギャンブルをやめて』と遺書を書いて私が首を吊ったらやめてくれますか」と質問され、「いいえ、お母様の香典を盗んでギャンブルに行くだけです」と答えたエピソードには背筋が寒くなりました。
    アルコールや薬物など体外の物質から依存症状が起きるのと異なり、ギャンブルの場合は行為そのものによって脳内の化学物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランスが崩れるのが原因とのこと。なので、薬物療法がなく、「意思の力」でやめるなどもってのほか、というのが厄介なんだそうです。

    中でも興味深かったのが第二章「ギャンブル症になりやすい人、なった人」でした。
    遺伝や生育環境による影響もあるものの、どんな人がギャンブルにハマりやすいのか。
    かんしゃく持ち、興奮を求めやすい、褒められたことがない――。
    こうして列挙される特徴の数々から、ソシャゲのガチャ結果をsnsにアップする人々が浮かんでしまいました。
    ”ゲームへの課金”もすっかりハードルが低くなりましたが、お目当てのアイテムが買えるもの以外はギャンブルに他なりません。
    周囲との安定した関係が築けなかったり、自らの力で何かを達成したり作り出したことがなかったり。それらの人生を豊かにする経験が乏しい人々にとって、ギャンブルというのはお金の力で易易と成功体験を得られるもの。だからこそ抜け出すのが難しいのかもしれません。

    中盤から筆者の思い入れが強すぎて話の脱線が増え、実際の治療経過などがあまり描写されないのは残念ですが、「ギャンブルはうかつに手を出してはいけない」という認識がますます強くなりました。
    ギャンブル症は完治することがなく、生涯付き合っていくしかありません。またそのための特効薬もなく、有効だとされるのは自助グループとのこと。
    自助グループで自分をさらけ出し、他者を受け入れ、思いやりや寛容といった精神を育んでいくこと。そうした生活を送りながら、「今日もギャンブルをしなかった」日々を積み重ねていくしかないのでしょうね。

    未知の、そして知らなくていい世界を教えてくれる、興味深い一冊でした。

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    2025年03月15日
  • ヒトラーの防具(上)

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    久しぶりに再読してみた。
    第二次世界大戦直前から突入に至る期間。ドイツがナチスにより方向を間違え突き進んだ期間である。
    同じ轍を日本が辿っていくと言うのが悲しい。
    個を大事にするドイツ人ですらこんなに流されていくのだ。
    我が身に置き換えればなす術もないのか。
    匿ったユダヤ人女性はこれからどうなるのであろかかよ

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    2025年02月17日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    僕がスマホゲームの株を買わない理由がコレ。子供の脳に過度な射幸心を刻む犯罪だと思っているから。病的なギャンブルの仕組みはこの一冊でよく分かる。お金、女、ギャンブル、この3つに問題のある人とは関わらないようにしてるけど、帚木先生はこれをフィールドワークにしていると知りホントに凄い人だなとおもう。

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    2025年02月06日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    アルコールもギャンブルも、この国では身近ですよね。

    一度はまると、なかなか抜け出せない怖さ…
    人生が破壊されてもはまる威力があるものがいつでも出来ることを考えると頭が痛くなります。

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    2025年01月29日
  • インターセックス

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    今まで男女の二分でしか見てなかった世界が拡がりました。
    どちらかに寄せる手術がよいのでは、と最初は考えてましたが、読み進むうち、そうでない選択もあり、それがよいのだと考えが変わりました。

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    2025年01月17日
  • 聖灰の暗号(下)

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    須貝らによって発見されたレイモン・マルティの手稿が圧巻だった

     〜生きた人が焼かれるのを見たからだ
     焼かれる人の祈りを聞いたからだ
     煙として立ち昇る人の匂いをかいだからだ
     灰の上をかすめる風の温もりを感じたからだ〜

    神を仰ぎ、慎ましく、嘘をつかず静かに暮らしてきた人びとがなぜ聖職者により、残酷な火刑に処されることになったのか?
    宗教や信仰が悪いわけではない…
    カタリ派の一掃はフランス王にとっては南仏への領土拡大、教皇にとっては異端排除…
    それぞれの思惑が一致したのだ
    結局は人間の欲だ…
    深く心に残る作品になった
    須貝とクリスチーヌの❤はやはりお約束だったが…(笑)

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    2025年01月08日
  • 香子(一) 紫式部物語

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    紫式部物語を読みながら、源氏物語を読む。
    贅沢な作品。

    源氏物語がいかにして出来たのか。
    古今和歌集や蜻蛉日記、白氏文集、長恨歌………もう全然知識が足りないな(笑)

    誠に人の世は、野分や雲、雨と同じで、人の手ではどうにも動かせない。その摂理の下で、翻弄され続けるのだ。

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    2024年12月11日
  • 三たびの海峡

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    吉川英治文学新人賞

    最近、日本の植民地支配はいいことしかなかった、大東亜共栄圏はアジアの人たちを欧米列強の支配から解放してあげたから感謝された。などなど真顔で言う人の話を聞いたが、その人に読んでもらいたい。でも、全部作り話だと言うだろうけど。
    いくら戦争中とはいえ、人間とは思えない鬼畜のような日本人、そして日本人に取り入り、同胞をいたぶる朝鮮人に怒りを覚えるが、その中でもまともな日本人もいるのを知って少し安心した。しかし、戦後も、戦中にこのような悪行を働いていたにもかかわらず、何食わぬ顔で成功していた人物も多いんだろう。

    次が気になり、速攻で読み終えたけど、最後が納得できない終わり方だった。なので、星4.5。

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    2024年12月03日
  • 閉鎖病棟

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    1995年第8回山本周五郎賞受賞作

    帚木氏は、小説家で精神科医でもあります
    精神病院の施錠を必要とする病棟
    その中で今を生きる患者達を淡々と描きます
    患者達それぞれに過去があり、家族と過ごしたこともある
    そこから切り離された日常を寄り添いながら生きている彼らにも 感情があり希望がある
    病院の内側から語られていきます

    山本周五郎の「季節のない街」を 思い出しながら読みました
    語り口、社会から取り残されたような世界観
    山本周五郎賞に相応しい作品でした

    しかーし、面白く読み切れるかというとちょっと辛いんですね
    患者の群像劇(正しいわからないけど)で、
    それぞれの病気と性格を把握していくのが
    ちょっと大変かも
    ラストの患者だった人達の自分の意思を伝え始めるシーンはとても良いです

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    2024年12月01日
  • 閉鎖病棟

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    ネタバレ

    三人のショートストーリーから始まり、これ短編集?その割には尻切れみたいな終わり方だなぁと思っていたら、突然本章となり、一つの病棟の朝の描写から始まった。すでに異常な行動が書きだされ、ああ、閉鎖病棟=精神病院(旧)の話だと理解する。
    それぞれに様々な症状の患者がおり、その中でも日常生活をまともに過ごす何人かが中心となり、しかしそのまともな人もまともじゃなかった過去がある。今ではだいぶんとケアの仕方も変わっているんだろうけど、当時はまさにこの小説の世界そのものだった。一人一人を丁寧に描かれており、読んでいくうちに誰もが愛おしく感じられるが、後半に入ると息も詰まるような事件が発生し、ああ、冒頭の話がここにつながるのかぁとやるせなくなる。生々しく描かれた病棟での生活風景がトラウマのように頭の中で反芻する。
    あとで知ったんだけど、これ映画化されていたんだね。よく映画化できたなぁと感心するがそれくらい魅力ある作品だと思う。映画はもちろん見ない笑

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    2024年11月04日
  • 白い夏の墓標

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    ウィルス研究者のかつての同僚の過去を知り、米国の細菌兵器の研究をしていたことを知る。どんでん返しはないが、同僚の生い立ちや心理描写が良かった。

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    2024年10月29日
  • 閉鎖病棟

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    精神病院での日常と、患者たちの過去が描かれている作品。昔は特に精神病への差別も今より酷かったろうし理解も薄かったはず。そんな中明るく生きる人達の模様と結末に心がジーンとした。

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    2024年10月06日
  • 閉鎖病棟

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    作者が登場する人たちをとても愛しているのだと感じた。何気ない描写日々の生活がとても丁寧で共感でき、物語に没頭できる。
    精神障害の描かれ方が非常に魅力的だった

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    2024年09月03日
  • 沙林 偽りの王国(下)(新潮文庫)

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    面白かった。オウム事件についての本は沢山読んできたけどこういった医者・学者の立場からの物はなかったので非常に楽しめた。ただ範囲サリンなどの化学兵器だけに収まらず一連の殺人事件などにも及んでいるので、事件の全体像についても描かれている。ただそれが主人公の衛生学者の視点なので、専門分野以外についても語っていたり公判をすべて傍聴したかのような書きっぷりがどうにもちぐはぐな印象は受けた。ほぼノンフィクションなんだけども、実際主人公の沢井のモデルになったのは井上尚英という学者らしく、作中に登場するこの人の著書も読んでみたい。しかしこういった有識者は警察からの照会、メディアの取材、裁判の証人など大変な責任を負っているんだなと驚いた。作中の公判シーンでの麻原の発言に「子供たちと自由に生活できる」ってのがあって、麻原の人間的な部分がチラッと見えてしまってなんか悲しいような複雑な感情が湧き起こってる。これまでイカれた教祖とだけ捉えていたんだけど、親でもあるし子を愛しもしたんだなと。

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    2024年08月07日
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)

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    小説なんだけどオウム事件の経緯をノンフィクションとして読まされてるのが95%って感じ。いわゆる物語としての楽しさはまだないなあ。ただ疫学者の視点からの事件描写自体はめちゃくちゃ興味深いので読み進めてる感じ。

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    2024年08月06日
  • 白い夏の墓標

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    科学は人を生かすことも殺すこともできる。研究を続けるためにアメリカへ飛んだ若き科学者は自分の信念を黙殺して組織に従うのか、それとも信念を貫いて組織に殺されるのか。

    こういったジレンマは数多くの物語のテーマになっているけど、飽きもせずいつの時代も人々はその物語を読み、考え続ける。1983年にこの本が出版されてから、世代を超えて読み継がれ、今また注目を集めていることが素晴らしいと思う。
    日々のニュースでは人間の嫌な部分ばかり強調されるけど、そんなに悲観する必要はないのかもしれない。

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    2024年07月28日
  • 白い夏の墓標

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    40年以上前の話と思えないほど現代に通じるものがあった。
    終盤は予想外の展開でページをめくる手が止まらなかった。

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    2024年07月18日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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     本書は森田療法の核心がわかりやすく言語的に理解できるものとなっている。苦しい、悲しい、辛い、痛い、生きていれば苦しみは避けられない。しかし、森田はそれはあるがままにそのままにして、今成すべきことをとにかく成せと言ふ。森田自身もそういう生き方をしていた。およそ100年経っても森田の業績は語り継がれている。負のエネルギーは正のエネルギーに転換したときに大きな力となることを森田自身が証明しているようだ。不安や恐怖によって前にすすむことが怖くなってしまった人にオススメの1冊。

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    2024年06月28日
  • 香子(一) 紫式部物語

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    なるほど、そりゃ全5巻にもなるわ。一作で二度美味しい。といいつつ作中作の部分はさらさらと…。頑張って5巻まで読みます。

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    2024年06月18日