帚木蓬生のレビュー一覧

  • アフリカの蹄

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    アパルトヘイト解放後もなお残る黒人差別をモチーフに描き上げられたサスペンス。フィクションとしてだけでなく、社会派小説としてもとても勉強になった。確かNHKで特番ドラマ(主人公は大沢たかお)になったはずなのだが、後編を見逃してしまった。再放送してくれないかなぁ。

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    2009年10月04日
  • ヒトラーの防具(上)

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    ドイツ物だからなぁ・・・manaの採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし〜。本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。それにしてもこの剣道の防具、実存しているんですよ〜。フランスにあったらしいのですが、今は日本剣道協

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    2009年10月04日
  • 臓器農場

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    90年代の小説だがこれが一気に読ませる掘り出し物だった。難しそうなテーマだからと敬遠していたが、医療サスペンスとして一級品だが、それだけでなくヒューマンドラマとしても面白かった。
    命を扱う、という事は命に対して責任がある、という事である。
    そこにあるのは医療を金儲けの手段や道具としか考えていない人々への警鐘であり、命の重たさを伝える事でもある。
    この世に産まれ落ちた命はどんな形であれ生きるという宿命を負っている、本書にはそんな声が宿っている。

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    2026年01月02日
  • 白い夏の墓標

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    久々にのめり込んだ作品。
    細菌兵器に手を染めさせられた科学者の悲運な人生をなぞる、自分にとってある種盲点な、なじみのないテーマに強く惹きつけられる。
    本書で取り上げる科学の二面性は、昨今のAIに対しても同じ思いを抱かずにはいられない。

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    2025年12月28日
  • インターセックス

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    『エンブリオ』の続編。
    天才だがサイコパス的な岸川先生は、前作では圧倒的な存在感だった。
    しかし本書では秋野先生という才色兼備で患者に寄り添うスーパードクターの登場によって、岸川の異常な才能や性格がやや薄まった印象。
    秋野先生には岸川の罪を究明してほしい気もするし、してほしくない気もして、ドキドキして一気読みしてしまった。
    また、インターセックスの患者を取り巻く現状が描かれており、その点は非常に勉強になる。

    医療はマイノリティを排除する側面があるという考えにはなるほどと思わされたが、どんな状況でも人工中絶は悪だとする秋野先生の信念には、正直なところ全面的には共感できない。
    ラストでは秋野先生

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    2025年12月22日
  • 閉鎖病棟

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    つまらなすぎて途中で読むのをやめようかと思ったが、最後の方は涙が止まらず、読んどいてよかった。精神病院というとなんだか不気味なイメージがあるけど、人間なんだよ。そうなりたくてなった人達ではなく、生まれ持ったものや社会やそうさせたものなんだ。そして精神病院の中でもいろんな人間関係はあるのだなと改めて思う。
    島崎さんの原因を勝手に決めつけていた自分に大反省。そして法廷でのちゅうさんの言葉には心を打たれ、警察の都合のよさには怒り心頭。みんな仲良く助け合って生きていってほしいと切に願います。

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    2025年12月15日
  • エンブリオ 下

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    患者のためなら何をしても正義なのか。
    上巻では、岸川先生は倫理的な問題を抱えつつも患者思いの名医という印象が強かった。
    だが下巻に入ると、そのイメージは一変する。続きが気になって読む手が止まらなかった。
    表向きは人格者で、誰もが惚れ込むほどの医療を提供する天才。
    しかし裏では、自分にとって都合の悪い人間に対して冷酷で、罪悪感というものがまるでない。
    全ては自分が正しいという確信のもとに行動しており、その姿はかなりのサイコパスだと思う。
    善と悪が混在している人物だが、もし自分が患者の立場だったなら、きっと彼のことを神様みたいに感じてしまうのだろうなあと思った。

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    2025年11月28日
  • エンブリオ 上

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    不妊治療や流産・死産の経験がある人には、読むのが辛いかもしれない。
    ショッキングな描写もあるが、残酷さを強調するのではなく淡々と書かれていて、その発想に驚かされる。

    いくつかの症例が登場する中で、とりわけ印象に残るのは、亡くなった女性の卵子を人工授精させ、男性の腹部へ移植するというケース。
    倫理的には完全にアウトで、世間から強く批判される類の治療だが、それでも医師の姿勢には揺さぶられるものがある。
    患者に寄り添い、未来の医療を見据えるその信念を前にすると、本当に「なぜいけないのか」「倫理とは何か」と考えさせられる内容だった。
    下巻の展開が楽しみ。

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    2025年11月27日
  • 白い夏の墓標

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    大どんでん返しの結末。これには驚いた。
    けれども、文章をしっかりと読んでいれば、ある箇所でその違和感に気づき、この結末を予想できたかもしれない。

    ウィルス、そこからの細菌兵器開発へ。人のためになるはずの科学ではなく、”逆立ちした科学”。それに従事せざるを得ない科学者の苦しみ、葛藤。そして、そこからの逃亡。

    1人ではできない、立っていられない。誰かが必要。

    それにしても、見事などんでん返しだと思う。面白かった。

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    2025年10月26日
  • 白い夏の墓標

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    フランスで開催される肝炎ウイルス国際学会に出席した佐伯教授は米国陸軍微生物研究所のベルナールという人物からの訪問を受けた。かつて仙台で一緒に机を並べていた黒田がアメリカ留学時代に事故死したと思っていたが、ベルナールが言うにはフランスで自殺をしたという。そしてフランスの田舎に黒田の墓があるのでぜひ見舞ってほしいという…。思いもしない旧友の後を追うことになり、細菌兵器研究の闇を覗くことになった。

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    2025年10月09日
  • 臓器農場

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    人に勧めたい作品。長編だが文面は読みやすい。題名や表紙のイラストは不気味だが内容は普通のミステリー。面白かった。

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    2025年09月10日
  • 臓器農場

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    精神科医でもある著者。思ってたように暗い。
    体調が良くなってなかったら読めなかったかもというくらい、暗い。新生児の臓器のビジネス、もう聞くだけで暗い。

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    2025年09月08日
  • 白い夏の墓標

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    ウィルス研究は兵器製造にも繋がるという恐怖と、知らずにその罪に加担するおぞましさ。
    並行して黒田の死が二転三転するところにも引き込まれる。

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    2025年08月24日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

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    自身の知らない概念であったネガティブ・ケイパビリティについて、多方面から教えてもらてもらえる本でした。シェイクスピアや源氏物語、戦争に関する本も読んでみたいと思うようになりました。

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    2025年08月03日
  • 白い夏の墓標

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    この手の医療倫理モノって今となっては多数存在するのだけれど、40年以上前に発表され、今もってまったく古さを感じさせないというのは凄い。そして、書いたのが帚木さんというところに、本の説得力がある。
    センダイ・ヴァイラスを発見、研究していた黒田氏がアメリカにヘッドハンティングされ、そのままアメリカで亡くなったと聞かされていたにもかかわらずフランスに手がかりが……という国際色溢れる作品。さすが、医学は国境を越える。
    純粋なサスペンスとして、黒田の”死”の真相や、登場人物の関係性が徐々に明らかになっていくのは面白い。本当に、古さを感じない作品。
    あと、センダイウイルスが実在することにも驚いた。完全に創

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    2025年07月08日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    大阪のIRが2030年秋に開業する予定だが、ギャンブル依存は医師もお手上げな病気らしい。
    というのも、一旦ギャンブル症になった人の脳は元に戻らない。西洋では「いったんピクルスになったギャンブル脳は、二度と元のキュウリの脳には戻りません。」と表現するらしい。治療や自助グループ活動により、ギャンブルをしない期間を1年、また1年と積み上げていくのが現状。
    日本人のギャンブル症有病率は世界3位だというのに、いいのか?

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    2025年07月07日
  • 薔薇窓の闇 下

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     舞台は1900年のパリ。1900年のパリ、と聞いても歴史に弱い私はそれがどういう時期だったのか、すぐに分かりませんでした。確かフランス革命って18世紀末だよな。じゃあそれから100年後くらいか。ふむふむ、パリ万博。おっ、これはなんか聞いたことあるぞ。ドレフュス事件……? うっ、こっちもなんか聞いたことはあるけど……、ほうほう、こんな事件だったのか。と正直そのくらいの知識で読みはじめたのですが、著者の紡ぐ丁寧な描写のおかげもあって、気付けば、心は1900年のパリにいました。

     日本の芸術品に強い興味を持つ精神科医のラゼーグを語り手に、謎めいた日本人女性である音奴との出会い、そしてラゼーグに会

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    2025年07月03日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    先日、たまたま新聞のコラムで帚木蓬生さんの本が紹介されているのを目にして、ちょっと興味が湧いたので読んでみることにしました。
    パチンコはギャンブルだ、というのは以前から認識していましたし、パチンコ屋がより人をパチンコにハマるような仕掛けをしてきている、ということはある程度分かっているつもりでした。また、その他の公営ギャンブルも何故合法なのか不思議に思ってはいたのですが、それらの裏には巧妙な利権のシステムがあった、というのはちょっと意外、と言うか自分の物の見方が甘かったということを改めて認識させられました。
    本書を読む限り、日本という国のギャンブル依存は治りそうもないという絶望しかありませんね。

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    2025年07月01日
  • 逃亡(上)

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    戦争は終わった──。だが、彼の戦いは、そこから始まった。

    敗戦とともに価値観が反転した時代。
    かつて「国のため」と信じて従ったその道は、一夜にして「罪」へと変わる。
    追われる男と、彼を信じて待つ家族。寄せられる村の視線、心の中に生まれる疑いと迷い。

    逃げることは、罪なのか。
    生きることに、どれほどの勇気が要るのか。

    静かな田舎の風景の中で、声にならない問いが交錯する。
    正しさとは何か――。
    読む者の胸に静かに刺さる。
    下巻に続く

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    2025年06月24日
  • 閉鎖病棟

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    精神病患者の聖人君子すぎるキャラクターや、作品全体の謎として性加害が扱われることの危うさなど、気になるところはあるが、惹き込まれる文章。

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    2025年06月07日