帚木蓬生のレビュー一覧

  • 国銅(上)

    Posted by ブクログ

    今ここで生きてることにありがとう!!と言う気分が無性にこみ上げるハナシでした(シラフで)。ラストの漢詩がもうね…

    0
    2009年10月04日
  • アフリカの蹄

    Posted by ブクログ

    これはNHKのドラマがやってるので読んでみたけど 
    人種差別もここまでくると地獄だよ 
    そこまで肌の色にこだわる精神はわかんないけど絶対、人種差別っていうものはどこの国にもあることだしのめり込めた 
    いや、この作品フィクションだけど 
    すっごい考えさせられた

    0
    2009年10月04日
  • 国銅(下)

    Posted by ブクログ

    棹銅を作り、都へ行き大仏を作った国人を初めとする奈良時代の人足の物語。もうほとんど語り手・国人と同じ視線で、朝から晩まで働き、山草木を愛で、字を覚え宇宙の広がりを感じてることが出来た。聖武天皇ではなく人足何十万人の労働で大仏は出来た。この小説を読まなければそう思うこともできなかったでしょう。

    0
    2009年10月04日
  • 国銅(上)

    Posted by ブクログ

    天平時代を生きた人達の物語。当時の社会状況が、ことこまかに描かれている。現代ではもう見られなくなった、さまざまな職種の人達も登場。渡来人、百済人もよく描かれている。船や橋、建物などの記述も鮮やかでとてもよい。当時の食文化も読み応えがあった。鮨などにいたっては、当時から1200年以上の時を経て、やっと世界中で食べられるようになったのであるから、釈迦の真の教えが世界にあまねく広まるのは、まだまだ先のことであろう。金曜の夜に馬鹿騒ぎをし、ジーンズを履いて犬を散歩させ、大型スクリーンを眺めて暇を潰し、果てには飲酒運転で暴走してしまう、至極退屈な現代の日本人達と、当時を必死で生きた天平人、どちらが幸せな

    0
    2009年10月04日
  • 空の色紙

    Posted by ブクログ

     帚木蓬生の初期中短編3作。全てが医学もので、医学界の暗部を抉る強烈なものがある。
     表題作「空の色紙」は、嫉妬をめぐる夫婦群像とでもいうのだろうか。狂気とは誰の内にでも存在すること、狂気を治療する医者の内部にさえ巣食っている事実をまざまざと突きつけてくる。そこに、戦争を交えることで、昭和というマクロと夫婦というミクロが同時に描かれていて、その広さと深さが読後感を充実したものにしてくれる。しかし、特攻で死んだ兄の色紙が実は幻だった、という終局は、なんだか稚拙さすらも感じられてしまった。それが残念。
     「墟の連続切片」は、荒々しさも感じられる筆致で、ある面で「失敗作」と評されたことに納得もできる

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(下)

    Posted by ブクログ

     解説を読んで、守田が作者の父だとわかり、上巻での疑問は吹っ飛んだ。だとすれば、作者は、父の顔も知らずに育つはずだった竜次。彼はその後、父から、何をどのように聞かされ、育ったのだろうか。全てを聞いたのではないだろう。だからこそ、作者は、小説という形で上梓しなければならなかったのではないか。父の語ったものの隙間を埋めていく作者の心中はいかばかりであっただろう。
     結末は、やはり予想の範囲内ではあった。あの時期、逃げおおせた人や、逃げて捕まるのが遅かった人たちの多くが助かり、早々に捕まった人たちが生贄にされたのだ、という話はいくつか聞いていたから。逃亡期間が1年になったことで、確信は深まった。それ

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

    Posted by ブクログ

     とにかく難しいテーマだ、というのが第一の感想。戦後生まれの作者が何故、このテーマを選んだのか。そこにものすごく興味を惹かれた。
     BC級戦犯といって取り上げられてきた人々は、例えば『私は貝になりたい』のように、上官命令で仕方なく現地人や捕虜を虐待・殺害したような人々が多い。その中で、「憲兵」という、訴追されても仕方ないんじゃないか、という諦めを覚えさせられる立場の人間を主人公に据えたのは何故か。この微妙な視点の置き所が、帚木蓬生という作家がいいと思う所以なのだと思う。
     それでいて、ただひたすら、淡々と描く筆致も好きだ。余計な感情を挿まずに、ただ、そこにあった事象と語り手の心情だけに集中する

    0
    2009年10月04日
  • 国銅(下)

    Posted by ブクログ

     実のところ、国人が都に行くことになった辺りから、結末はほとんど予測できていた。下手をすれば、国人だって奈良登りにはたどり着けない。でも、国人が待ち望んでいた再会はなかった。それが、悲しい。たくさん、話したいことがあっただろうに。
     都で、国人の感覚は、詩や歌を覚えることで、ずいぶんと華やいでいたと思う。人足たちの中でも、文字が読め、仏の意味も深く考えていた。すごく雅て見える。でも、奈良登りへ帰る道々、仲間を失っていく中で、どんどん荒々しいものになっていったように見える。そして、奈良登りの石仏の碑を彫りつけようとする国人の姿は、荒々しさそのもの。
     これは、仏作りに関わって、聖なる者になってい

    0
    2009年10月04日
  • 国銅(上)

    Posted by ブクログ

     やっぱり帚木蓬生は面白い。固そうでそうでもなく、かと言って緩すぎず。文章に適度な重みがあっていい。
     広国が死んだ辺りまでは、国人が課役から逃げ出していく話になるのかなぁ、と思いながら読んでいたんだけど、段々に国人は仏の教えに染まっていって、なんだか複雑。ただ、彼が信じているのは、ある意味、治世に利用されている仏教ではなく、本当に日本に伝わってきた仏典の中の仏教で、そこには私自身も共鳴できるものが多いとも思った。今、私の身近にある、世俗化した仏教ではなくて、日本に入ってきたばかりの仏教。涼やかな感じがする。

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

    Posted by ブクログ

    第二次大戦中香港で憲兵隊員として活動していた主人公。
    しかし終戦と共に戦犯とされる事を受け入れられない彼は憲兵隊から逃亡し、中国そして日本、彼の過酷な逃亡生活が始まる。

    主人公は憲兵ですが、よくある鬼の憲兵の物語ではなく一人の戦犯とされた日本軍人が戦後の混乱期の中をどのように生き抜いてきたかがメインのテーマになっています。
    そしてその中で、戦犯として追われる主人公が家族と共に過酷な運命に対して立ち向かい、乗り越えていく姿はすばらしいドラマに仕上がっています。

    終戦後の混乱期に日本人が何を考え、どのように行動し、そして生き抜いてきたかが鮮やかに描かれていて戦後史という面でも面白い作品になって

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(下)

    Posted by ブクログ

    第二次大戦中香港で憲兵隊員として活動していた主人公。
    しかし終戦と共に戦犯とされる事を受け入れられない彼は憲兵隊から逃亡し、中国そして日本、彼の過酷な逃亡生活が始まる。

    主人公は憲兵ですが、よくある鬼の憲兵の物語ではなく一人の戦犯とされた日本軍人が戦後の混乱期の中をどのように生き抜いてきたかがメインのテーマになっています。
    そしてその中で、戦犯として追われる主人公が家族と共に過酷な運命に対して立ち向かい、乗り越えていく姿はすばらしいドラマに仕上がっています。

    終戦後の混乱期に日本人が何を考え、どのように行動し、そして生き抜いてきたかが鮮やかに描かれていて戦後史という面でも面白い作品になって

    0
    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

    Posted by ブクログ

    私の大好きな作家、ははきぎほうせい氏の(う〜漢字がどうしてもパソコンで打てない!)作品です。
    長編ですが、この方の人間味溢れる語り口には引き込まれてしまいます。 内容は、戦争中に憲兵をしていた主人公が戦犯として手配され、逃亡するというものです。 今まで、あまり戦犯について考えた事がなかったので、とても考えさせられました。 ぜひ皆さんも読んでみて!

    0
    2009年10月04日
  • ヒトラーの防具(上)

    Posted by ブクログ

    ドイツ物だからなぁ・・・manaの採点は甘い!だなんて思わないでくださいまし〜。本当に感動しました! 上・下巻に分かれているものの、あっという間に読むことができますよん。戦争中のドイツの残虐な行為についても書かれていますし、それに対抗しようとしていたアンダーグラウンド組織のこともでてきます。もう涙・涙ですよん。戦争の悲劇は人間を狂わせてしまうところですよね。日本国家を背負って駐在している主人公のヒューマニズムはだまってはいませんでした。しつこいですけど、満点をうなずいていただける作品だと思います。それにしてもこの剣道の防具、実存しているんですよ〜。フランスにあったらしいのですが、今は日本剣道協

    0
    2009年10月04日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

    Posted by ブクログ

    曖昧さを引き受ける、という考え方に非常に惹かれたので手に取った本。どちらかというと白黒はっきりさせたいタイプなので、学ぶべき点は多かったように思う。
    「ネガティブケイパビリティ」という言葉を知っているだけで踏ん張れる場面がある、という指摘になるほどな、と思った。確かにそうかもしれない。
    ただ、中弛みは結構あった。

    0
    2026年08月15日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

    Posted by ブクログ

    「ネガティブ・ケイパビリティ」
    すぐに答えを出そうとせず、わからないこと・割り切れないこと・不確かなことを、そのまま抱えていられる力のこと。

    「諦める」とは違う、ここが面白いところ。
    諦める→「もう考えても仕方ない」
    ネガティブ・ケイパビリティ→「まだ答えは出ない。でも、もう少しこの問いと一緒にいてみよう」
    という違い。

    小説を読んでいて、登場人物の気持ちや出来事の意味が最後まではっきりしないときにも、この力が関係する。
    「つまりこういうことね」と早く答えを決めるのではなく、わからなさや複雑さを抱えたまま感じる。
    最近読んだ『カフネ』のような、登場人物の表面だけではわからない思いや、簡単に

    0
    2026年08月05日
  • 信仰と医学 聖地ルルドをめぐる省察

    Posted by ブクログ

    プラセボ効果、ノセボ効果の差、
    期待と意味付けによって生じる治療効果である、物質であっても、非脂質であっても構わない、あの雰囲気や環境であっても良い。

    0
    2026年07月22日
  • 三たびの海峡

    Posted by ブクログ

    特に前半、筆力とあまりにも醜悪で悲惨な歴史的事実、精緻なリサーチが凄まじかった。後半の展開には納得いかない部分もあった。主人公らの野望が実現しなかったであろうことが読後感として苦くある。

    0
    2026年06月30日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

    Posted by ブクログ

    ネガティブケイパビリティとは、元々は詩人がシェイクスピアの創作活動から抽出したものだった。

    タイトルの通り
    ネガティブケイパビリティとは、

    答えの出ない事態に、耐える力
    なんとか持ち堪える力

    のこと

    多くの症例や
    戦時中の遺書や歴史
    源氏物語
    教育現場等を例に引きながら
    ネガティブケイパビリティを説明する

    胆力

    とも言えるかもしれない。

    答えを急がず、
    投げやりにならず、
    簡単にキレず、
    諦めず、

    持ち堪える力

    これは、親切、共感の土台にもなるとのこと。

    非存在の存在
    言語以前の感覚

    これは、
    中原中也の言うところの「名辞以前」のことのような気がする

    ここに止まり続ける

    0
    2026年06月27日
  • 風花病棟

    Posted by ブクログ

    上司のおすすめで、貸してもらって読んだ。

    10人のお医者さんが出てくる短編集。
    最初の2作品までは、うーん、いまいち印象に残らないかもしれない…と思いながら読んだが、3つ目の「雨に濡れて」(乳がんと闘いながら医者を続ける内科医の女性のお話)から印象が変わった。
     
    物語の展開や起伏は少ないが、しみじみと良いお医者さんの良いお話だなあと感じられる。あとがきに記載の通り、名医でも悪医でもない「普通の名医」のお話。

    「顔」(顔の真ん中に穴が空いた女性のお話)と「アヒルおばさん」(腟内異物を10年以上放置した女性のお話)は、テーマが衝撃的過ぎて、印象に残った。

    0
    2026年05月25日
  • 守教(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    上巻はかなり読みづらかった。ただひたすら歴史をなぞっているパートが長く、苦痛だった。
    下巻もそのようなパートはあるものの、後半にかけて一世代に費やされる描写が短くなっていくため、話のテンポが上がり読みやすくなる。
    大庄屋の家系、他の村の庄屋、百姓と視点を変えながらキリシタン信仰を追った本作は、物語というよりもドキュメンタリー色が強いと感じた。

    0
    2026年05月18日