帚木蓬生のレビュー一覧

  • 閉鎖病棟
    精神科の閉鎖病棟に入院していて、性別も年齢も違うけど仲のいい5人(1人は通院)がいるのですが、病院内で起きた殺人事件がきっかけとなり、5人の関係が変わっていきます。

    作家さんが精神科医ということもあり、前半は閉鎖病棟の日々が淡々と書かれています。

    色々な人が入院しているわけですが、その中でもチ...続きを読む
  • 水神(下)
    江戸時代の筑後川治水工事の話の後編。難工事ではなく、一冬の間に堰渠は完成。順調に話が進むと思われたが、試験通水で戻り水が起こり、死者を出してしまう。しかし、菊竹源左衛門によって、五人の庄屋は救われた。いい話でした。
  • 水神(上)
     大河・筑後川の流域でありながら、台地のために川の水の恩恵を受けられない貧しい村々。その中の五人の庄屋が、水路(堰と堰渠)を作るため立ち上がった。前編はここまで。
  • 閉鎖病棟
    古本屋で購入

    全く予備知識がなく、手に取る。

    作者は精神科医なので、精神病棟や患者の症状の記述が詳しい。

    ある都市の精神病院が舞台。入院患者とそれを取り巻く家庭環境など、「精神病の人はなんか気味が悪くて気持ち悪い」などと思いがちだが、そのステレオタイプを正さなければならないかもしれない。

    ...続きを読む
  • 閉鎖病棟
    この世の中を必死に生きる患者たちの葛藤を感じた。登場人物は色んな世代の人が出てくるが、世代を超えて分かり合えるものがあるなと思った。
    感動する物語だった。
  • 受難
    韓国、日本を舞台に個性的な人々が織り成す物語。登場人物が生き生きしていてつい読み込んでしまう。SFチックなサスペンス。
  • 国銅(上)
    奈良の大仏を作るために全国から集められる人々。その中で長門から竿銅を作っていた国人がやがて奈良で大仏を作り懸命に生きる姿を描写する。
    習字や薬草についてなど探究しながらも長門に帰る日を夢見て。
    昔の建造物には奴隷のように働いた一人一人がいたんだ、東大寺の大仏見に行くぞ。古代の旅の風景も興味深い。
  • 臓器農場
    的場医師も敵なのかな!?と最初は思っていたけど、本当に勇敢で素敵な人だった。疑ってすみません、、
    脳がなければ人権はないのか、という倫理的な問題を考えさせられる本。
    フィクション感が弱く、すごく面白かった。
    どんどん先を読みたくなる感じ。
    廃棄庫やリネン庫、研究室に忍び込んでいる時のドキドキ感が最高...続きを読む
  • インターセックス
    題名の通りの本。
    最後の方になるとミステリー要素が強くなってきて面白い。
    そこまでは、インターセックスや性同一性障害の方についてとても勉強になるし、色々と考えさせられました。
    ミステリーに関しては、殺人の動機が弱い、、??と少し思ったが面白かった。
    翔子が岸川に呼び出されて部屋で話してる時、どんな結...続きを読む
  • 花散る里の病棟
    大正時代、「虫医者」と言われ、蛔虫退治で多くの命を救った初代。
    軍医として戦地に赴き兵站病院に勤務し、
    満身創痍、復員後は町医者として地域に根ざした二代目。
    高齢者に医療と介護を施すため尽力した三代目。
    肥満治療を手がけてきた四代目。
    ここで、コロナウイルスが発生。

    戦争の残酷さは、「胎を堕ろす ...続きを読む
  • 花散る里の病棟
    もう2年半、なのに都内だけでも2000人近い感染者。それでも、また“G o T o”参院選目当てで。いい加減な政府のコロナ対策は、すでに忘却の彼方。「ワクチン無しは鉄砲も持たず戦場を歩かされたことに似とるよ」町医者四代のつぶやきは重いが、この国では届かない、マスクは律儀に未だに付けているが…。
  • 閉鎖病棟
    秀丸さんのチュウさんに宛てた手紙に感動!!!
    そしてチュウさんの返信の手紙にまた感動!!!
    そしてそしてチュウさんが秀丸さんの裁判で堂々と臆する事なく、力強く証言する場面に感動!!!
    どうか、秀丸さん・チュウさん・昭八ちゃん・敬吾さん・島崎さんが幸せになっていますように……
    感涙です。
  • 花散る里の病棟
    「面白いか?」と問われれば「否」ですが、読み応えは凄まじく。
    四代にわたる町医者の物語です。蛔虫退治で評判を取った初代。悲惨なフィリピン戦線の軍医だった二代目。高齢者医療を始めた三代目。そして肥満治療を手がけてきた四代目。それらがで順不同で描かれるオムニバス形式の短編10編です。
    三代目を主人公に、...続きを読む
  • 風花病棟
    十編を収めた短編集。
    いずれも老若男女の「良医」が主人公・花が必ず登場するもので、どれもものすごく大きな起伏があるという話ではないけれど、なんだかじんわりよかったなと思わせられた。
    現役精神科医である作者によると、メディアなどで大きく名医だと取り沙汰される医者よりも、日の当たらないところに良医はいる...続きを読む
  • 閉鎖病棟
    登場人物がやや多めで、追うのに少し苦労しました。
    精神病院がどんなものなのか、興味があり手に取った本ですが、物語は真面目で静かで人情に溢れています。

    人と関わることの複雑さ、愛おしさが繊細に描写されています。
    「秀丸さん、退院したよ」にうるっときました。
    描写生活にそれなりに満足していたのに、退院...続きを読む
  • 閉鎖病棟
    今とは違う昔の精神科の雰囲気、精神病患者と家族のやり取り連鎖する患者たちの関係や心の傷がいかに癒えないかが辛い。最後もハッピーエンドのようでわたしはそう感じなかった。彼の30年は消えてしまった
  • 風花病棟
    帚木さんの作品はやはりとても読みやすい。
    短編なので、気楽に読むことができた。
    長編のようなずっしりとした読み応えはもちろんないが、読後感のさわやかさがあった。
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~
    ギャンブルが日常にあることが異常だと気がついた。パチンコ最近してないから気楽に読んでみたら、もはやパチンコなどが存在することこそ悪ではないか。
  • インターセックス
    エンブリオを読んでからのインターセックス。
    エンブリオは岸川目線だったのが本作は翔子目線で物語が進む。
    インターセックスについてとても興味深く読み進め、いろんな意味で勉強になった。
    途中からサスペンス要素が強くなり、翔子が真相に近づくにつれドキドキが止まらない。
    予想もしないラストにこれ以上のラスト...続きを読む
  • 賞の柩
    イギリス医学会の重鎮アーサー・ヒルがノーベル医学・生理学賞を受賞したことを端緒に、青年医師・津田が自信の恩師である清原の随筆を読んだことから始まる医療サスペンス。

    津田の恩師に対する思い、その娘・紀子の父への思慕、無名の研究者の発見が搾取され狂わされた人生、そして研究者たちの不可解な死因、とグイグ...続きを読む