帚木蓬生のレビュー一覧

  • 水神(下)

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    下巻は菊竹様に涙…こんなに農民想いのお奉行様は居ないだろうけどたとえフィクションだとしても泣けます。水神、ってこの人のことだったのか。。嘆願書という名の遺書、心にきました。
    大石堰出来て、こんなに大量の水を見たことがない村民が川の側に佇んで日がな一日眺めてる気持ちもわかるし、あの水流を何かに利用できないかと考え始める村民もいて、治水工事思い立って嘆願した五庄屋たちは救われただろうなと思いました。元助と伊八も田んぼが作れる。
    藤兵衛さんもよかった…上巻でなんて嫌な爺と思っていましたが、耄碌してたと自分の間違いを認めてずっと苦しんでたんだな。。磔台の酷さをまざまざと目にしてたというのもあるんだろう

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    2022年03月05日
  • 国銅(下)

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    東大寺の大仏を作るのにどれだけの人々の苦労があったのだろう。その一人がいた、いやいなかったかもしれないが、大きな建造物を作り上げるための限りないほどの労力は今でも変わりはないのかもしれないと思った。故郷の景信和尚と絹女を思いながら都の作業、生活に打ち込む国人の潔さ、清々しい姿が心に染みた。

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    2022年02月11日
  • 国銅(上)

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    奈良時代に大仏像のための銅を作り出すために懸命働く若者たちの物語。全く明るい話はないが、懸命に生きる姿に清々しい思いも出てくる。色々な場面で登場する拍子歌が物語を少しだけほのぼのとした雰囲気にしてくれる。さて、大仏はどうなるのかの後編に続く。

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    2022年01月31日
  • 賞の柩

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    地元の誉である帚木蓬生さん。(うちの父の同級生であることを最近知りました)

    仏文科と医学部をご卒業されたという作者の経歴が生かされた、ヨーロッパを旅しながらの医療サスペンスがおもしろかったです。栄光の裏には、きっとこういう隠された事実がいくつもあるんだろうなと思います。

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    2022年01月10日
  • 風花病棟

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    短編10篇の、うちはじめの2篇はしみじみとした趣があるものの物足りなく感じてしまった。
    しかし3遍目からは前のめりに読み耽ってしまった。今まで読んできた医療小説とは少々趣を異にするものだった。
    私の我儘ではあるが、最後の「終診」は泣けるものであって欲しかった。

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    2021年11月02日
  • ギャンブル依存とたたかう

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    お釈迦さまでもなる可能性があるという依存症
    意志が強い弱いの問題ではなく、脳の仕組みとなれば、依存症になる、ならないは運の問題かもしれない。
    だから自分を過信せず、手を出してはいけないと思った。
    IR(統合型リゾート)に今後関わる人には読んでほしい。
    そして、自分は絶対依存症にならないと言えるかどうか自分に問うてほしい。 他人を不幸に陥れるかもしれないことも、考えてほしい。

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    2021年10月27日
  • アフリカの蹄

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    ネタバレ

    南アフリカのアパルトヘイトを題材にし、白人の支配層が絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を殲滅しようとする。

    そんな中で心臓移植を学ぶ為に南アフリカに来ていた日本人医師・作田信が主人公をつとめます。

    大学病院へ行かない時間を使い、スラム街の診療所の手伝いを始めた頃にその地域で生活する黒人の子供たちの間で奇妙な病が流行りだす。

    次々と命を落としていく幼い子供たち。

    作田はなんとかしょうと、大学病院に患者を連れて行くも、黒人だからという理由で診察すら受けることを許してもらえない。

    時を同じくし、作田の周りの人々が彼に対し圧力をかけ始める。

    その間にもどんどん広がりをみせる病と、命を落と

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    2021年08月28日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    ギャンブル依存症の特徴は、借金と嘘を積み重ねることにある。
    そして周囲の家族を苦しめ続けることになる。

    やがてどうにもならなくなり、ようやく迎えた家族に対しての借金の告白ですら金額を誤魔化し、返済するはずのお金でギャンブルする。

    著者はギャンブラーを鬼・ロボット以下であると述べているが、本当にやってることは人の心を無くした鬼畜の所業である。

    これは環境が整えば誰でもなってしまうという恐ろしい病気。そして日本にはパチンコ・スロットという最悪の環境が整えられているのである。

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    2021年06月19日
  • インターセックス

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    ネタバレ

    当事者にしてみれば「興味深い」なんて言ってはいけないのかもしれないけど、世間であまり話題にされることのない、生まれつきの「インターセックス」を題材にした長編。
    最近、性同一性障害などはわりとオープンになってきたけど、体そのものが男性器と女性器を両方兼ね備えていたり(ただしどちらも未発達のことが多い?)、または両方ともなかったりする「インターセックス」は、割合的には多く出産しているにも関わらず、当事者が声をあげることなくひっそりと生きているため、問題にされることが少ない。
    主人公の女医は、赤ちゃんのうちに手術をしてどちらかの方に近づけるべき、という従来の考え方を転換させ、そんな体でもいいじゃない

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    2021年05月30日
  • 日御子(上)

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    邪馬台国のお話かと思ったらもっと前の時代から続くお話。語り部が変わっていくので、過去の人の話が出ると懐かしくなる。

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    2021年05月29日
  • 日御子(下)

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    『日御子』を読んだ後、新書『内戦の日本古代史』を読む。冒頭に漢から晋の時期の朝貢の話が出てくる。魏志倭人伝の記述からこの小説の登場人物が呼び起こされ、知人の苦労を振り返るような感じになった。

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    2021年05月29日
  • ソルハ

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    アフガニスタンの小説が好きで良く読んでいるけれど、これは少し異色で日本人が描いたアフガニスタンの小説。
    しかも激動の時代を少女目線で描いたもの。大人の男性だったら、大人の女性だったら、男の子だったら...また違う景色になったんだろうなと思う。
    帚木蓬生の本の中では異色だと思うけれど、しっかり人に薦めたい一冊。

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    2021年02月17日
  • ソルハ

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    アフガニスタンで暮らす少女の物語。
    ほとんど知識のない国のお話に
    興味津々でしたが
    想像以上に過酷な日常。

    しかも理不尽な暴力を受け続ける
    一般市民(特に女性)の悲惨なこと。
    でもビビの純粋な目線で描かれていたため
    最後まで読み切れたのだと思います。

    アフガニスタン人の普通の生活を
    知ることですごく親近感がわき、
    アフガニスタンという国が
    果物も豊富で
    とても素敵な国だということも知れて
    なんだか嬉しくなりました。
    ソルハ(平和)がずっと続きますように。

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    2020年10月03日
  • ソルハ

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    興味を持って選択のできる人生は、当たり前では無い。

    落ち着かない国内にあって、学ぶ姿勢を貫く主人公。
    周りの助けもあるが、とても意識が強い。

    知らない事を知ること。興味を持つ事。先を考える事。
    小さな世界に捉われずに常に広い視野でいたいと感じた作品。

    中東の近代史に俄然興味が湧いた。

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    2020年10月01日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    そうだいな切支丹の生活史。ここまで日々の生活をベースに置いた切支丹の小説が他にあるのだろうか。隠れ切支丹として脈々と世代を繋いでいくもので悲壮さがないのが読んでいてすがすがすら覚えるものだった

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    2020年09月01日
  • 蛍の航跡―軍医たちの黙示録―

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    軍医という立場から見た、大東亜戦争での15の体験話を基にした小説。戦争というのは相手国との戦闘だけでなく、病気や飢餓、行軍などあらゆることで命を落としてしまう。膨大な参考資料が記述されており、これを書き上げるのはとてつもない作業だったことが伺える。貴重。

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    2020年08月26日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    大浦天主堂で、知った 浦上四番崩れについても
    この本でよく分かった。
    小説であるが、歴史書でもある

    この書き振りが、より歴史の重さを教えてくれた

    今村教会にも行ってみたい

    それにしても 帚木蓬生さんと言う作家は、素晴らしい作品をいくつ残すのか。作家と言うより、研究者である。

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    2020年08月23日
  • ソルハ

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    アフガニスタンの首都カブールに住むビビ。戦争-内乱-圧政と、命の危機、心の危機に出会いながらも前向きに成長していく彼女に光を見る。家族や友人、周りの人の手助けがあるけれど彼女の根本に確固としているものがあるのだろう。

    「ソルハ」ってどんなものだろう、何かの名前?
    ビビに寄り添って読んでいった最後にわかる。
    涙が出るほど美しいものだった。

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    2020年07月28日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    医学分野を題材とする
    とてもおもしろく、読ませてくれる小説を
    書いておられる作家さん
    というのが
    私の中の帚木蓬生さんだった。

    書店で
    へぇーっ
    帚木さんはこんな本(本書のこと)も
    書いておられるのだ
    と 何気なく読み始めたら

    いやいや これが
    なかなか興味深く
    一気に読ませてもらった

    この世の中の「負」の面
    ギャンブル依存の実態を
    鋭く指摘し、警鐘を鳴らしておられる
    メンタルクリニックのお医者さんであること
    を改めて認識させてもらった

    これは
    この国を憂うる
    社会問題を考える一冊として
    次の人に手渡したい一冊です

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    2020年05月27日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    禁教の弾圧をどう躱すのか。殉教か、棄教か、隠すか、どの道にも辛さがある。教えを残すには生き残ることが大切になる。自分の命を差し出すことで大勢の命が難を逃れるなら、差し出すことを躊躇わない。そんな人が確かにいたと信じられる。

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    2020年04月25日