帚木蓬生のレビュー一覧

  • インターセックス

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    ネタバレ

    当事者にしてみれば「興味深い」なんて言ってはいけないのかもしれないけど、世間であまり話題にされることのない、生まれつきの「インターセックス」を題材にした長編。
    最近、性同一性障害などはわりとオープンになってきたけど、体そのものが男性器と女性器を両方兼ね備えていたり(ただしどちらも未発達のことが多い?)、または両方ともなかったりする「インターセックス」は、割合的には多く出産しているにも関わらず、当事者が声をあげることなくひっそりと生きているため、問題にされることが少ない。
    主人公の女医は、赤ちゃんのうちに手術をしてどちらかの方に近づけるべき、という従来の考え方を転換させ、そんな体でもいいじゃない

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    2021年05月30日
  • 日御子(上)

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    邪馬台国のお話かと思ったらもっと前の時代から続くお話。語り部が変わっていくので、過去の人の話が出ると懐かしくなる。

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    2021年05月29日
  • 日御子(下)

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    『日御子』を読んだ後、新書『内戦の日本古代史』を読む。冒頭に漢から晋の時期の朝貢の話が出てくる。魏志倭人伝の記述からこの小説の登場人物が呼び起こされ、知人の苦労を振り返るような感じになった。

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    2021年05月29日
  • ソルハ

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    アフガニスタンの小説が好きで良く読んでいるけれど、これは少し異色で日本人が描いたアフガニスタンの小説。
    しかも激動の時代を少女目線で描いたもの。大人の男性だったら、大人の女性だったら、男の子だったら...また違う景色になったんだろうなと思う。
    帚木蓬生の本の中では異色だと思うけれど、しっかり人に薦めたい一冊。

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    2021年02月17日
  • ソルハ

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    アフガニスタンで暮らす少女の物語。
    ほとんど知識のない国のお話に
    興味津々でしたが
    想像以上に過酷な日常。

    しかも理不尽な暴力を受け続ける
    一般市民(特に女性)の悲惨なこと。
    でもビビの純粋な目線で描かれていたため
    最後まで読み切れたのだと思います。

    アフガニスタン人の普通の生活を
    知ることですごく親近感がわき、
    アフガニスタンという国が
    果物も豊富で
    とても素敵な国だということも知れて
    なんだか嬉しくなりました。
    ソルハ(平和)がずっと続きますように。

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    2020年10月03日
  • ソルハ

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    興味を持って選択のできる人生は、当たり前では無い。

    落ち着かない国内にあって、学ぶ姿勢を貫く主人公。
    周りの助けもあるが、とても意識が強い。

    知らない事を知ること。興味を持つ事。先を考える事。
    小さな世界に捉われずに常に広い視野でいたいと感じた作品。

    中東の近代史に俄然興味が湧いた。

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    2020年10月01日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    そうだいな切支丹の生活史。ここまで日々の生活をベースに置いた切支丹の小説が他にあるのだろうか。隠れ切支丹として脈々と世代を繋いでいくもので悲壮さがないのが読んでいてすがすがすら覚えるものだった

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    2020年09月01日
  • 蛍の航跡―軍医たちの黙示録―

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    軍医という立場から見た、大東亜戦争での15の体験話を基にした小説。戦争というのは相手国との戦闘だけでなく、病気や飢餓、行軍などあらゆることで命を落としてしまう。膨大な参考資料が記述されており、これを書き上げるのはとてつもない作業だったことが伺える。貴重。

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    2020年08月26日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    大浦天主堂で、知った 浦上四番崩れについても
    この本でよく分かった。
    小説であるが、歴史書でもある

    この書き振りが、より歴史の重さを教えてくれた

    今村教会にも行ってみたい

    それにしても 帚木蓬生さんと言う作家は、素晴らしい作品をいくつ残すのか。作家と言うより、研究者である。

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    2020年08月23日
  • ソルハ

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    アフガニスタンの首都カブールに住むビビ。戦争-内乱-圧政と、命の危機、心の危機に出会いながらも前向きに成長していく彼女に光を見る。家族や友人、周りの人の手助けがあるけれど彼女の根本に確固としているものがあるのだろう。

    「ソルハ」ってどんなものだろう、何かの名前?
    ビビに寄り添って読んでいった最後にわかる。
    涙が出るほど美しいものだった。

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    2020年07月28日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    医学分野を題材とする
    とてもおもしろく、読ませてくれる小説を
    書いておられる作家さん
    というのが
    私の中の帚木蓬生さんだった。

    書店で
    へぇーっ
    帚木さんはこんな本(本書のこと)も
    書いておられるのだ
    と 何気なく読み始めたら

    いやいや これが
    なかなか興味深く
    一気に読ませてもらった

    この世の中の「負」の面
    ギャンブル依存の実態を
    鋭く指摘し、警鐘を鳴らしておられる
    メンタルクリニックのお医者さんであること
    を改めて認識させてもらった

    これは
    この国を憂うる
    社会問題を考える一冊として
    次の人に手渡したい一冊です

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    2020年05月27日
  • 守教(下)(新潮文庫)

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    禁教の弾圧をどう躱すのか。殉教か、棄教か、隠すか、どの道にも辛さがある。教えを残すには生き残ることが大切になる。自分の命を差し出すことで大勢の命が難を逃れるなら、差し出すことを躊躇わない。そんな人が確かにいたと信じられる。

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    2020年04月25日
  • 守教(上)(新潮文庫)

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    神道と仏教の国にやってきたキリスト教。神も仏も多数、全ての存在にそれぞれの神が在る。対するキリスト教は父である神と子であるキリストと聖霊の三位一体、神は唯一の信仰の対象。
    この違いを受け入れる下地は何だったのだろう。特に百姓の暮らしは辛いものがあり、変化を求める思いがあったかもしれない。更に、布教にやってきた人達の何かに引き付けられた気もする。信頼できると思う人の言葉は受け入れやすいだろう。
    信じることで暮らしが、物事の受け取り方が良い方に変われば、信じる心はより強固になる。

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    2020年04月22日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    ギャンブル依存症の悲惨な事例が数多く紹介されていた。ギャンブルに触れる年齢が若いほど、身を取り崩す危険性が高くなるのも分かる。断酒会やGAで自身の反省を促すことが、医師の指導より圧倒的に効果があるということに感心した。

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    2020年02月16日
  • 悲素(下)(新潮文庫)

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    面白かった。和歌山毒物カレー事件の捜査に取材した小説で、実在した衛生学教授を主人公にしている。
    何度も同じような記載が出てきて、ちょっとしつこく感じる所も多々あるが、非常に読ませる。最後の刑事からの手紙の下では思わず目頭が熱くなり、非情な事件を扱っていながらも読後感は良い。著者の他の作品も読みたくなった。

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    2019年11月16日
  • 臓器農場

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    内容(「BOOK」データベースより)
    新任看護婦の規子が偶然、耳にした言葉は「無脳症児」―。病院の「特別病棟」で密かに進行していた、恐るべき計画とは何か?真相を追う規子の周囲に、忍び寄る魔の手…。医療技術の最先端「臓器移植」をテーマに、医学の狂気と人間の心に潜む“闇”を描いた、サスペンス長編。現役医師としてのヒューマンな視線、山本周五郎賞作家の脂の乗り切った筆致が冴える、感動の名作。

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    2019年11月05日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    昔、アフリカの蹄を読んだ記憶があり、ふと手に取った。大人になって自分に余裕が出来たからなのか、未来の不安を過剰に考えてるなと。
    水のように、揺れる気持ちを客観的に受け取る。
    抗うのではなく、手放す。自分を見つめる客観視。そんなことを思う。

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    2019年09月01日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    現役精神科医の医療系のヒューマンサスペンス。

    臓器農場というタイトルからはもう少しグロい感じを想像していたが、近未来を予測したフィクション作品という感じ(未来に決して起こって欲しくはないが)。

    無脳症という奇形の存在を知った衝撃は大きく、まして臓器移植の為に意図的に無脳症の子供が出来るようにして移植用の臓器を生産するという行為にはおぞましさを感じた。

    自分が勤める病院で行われている臓器移植の裏に何か秘密を感じ、その真相を解明しようとする規子と同僚であり友人の優子。

    そこに加わった的場医師と障害を持つ藤野。

    単なる謎解きサスペンスだけでなく、臓器移植という最新医療と、そこに関連する狂気

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    2020年10月25日
  • 臓器農場

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    「ぼくらはそれでも肉を食う」の後に読んだので、テーマに重複する部分があり、興味深かった。現役の医師による、医療小説である。
    タイトルからも想像できるように、臓器移植が主題だ。山の中腹にある新設の総合病院には秘密の部門があり、そこでは臓器移植が行われていた。ドナーはどんな人なのだろうか。
    倫理的にとても難しい問題である。死が確定している人と臓器移植が無ければ死ぬ運命の人の命のどちらが尊いのか?この本の中で書かれていることが、これから本当に起きるかもしれない。そういう意味では、カズオイシグロの「わたしを離さないで」を思い起こした。
    本書はミステリー仕立てになっているが、ミステリーとしてよりも医療小

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    2019年07月01日
  • ヒトラーの防具(上)

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    私の、初めての、帚木蓬生。
    二次大戦中のドイツが舞台。
    帚木蓬生の、歴史小説のなかでは、私的1番かも。

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    2019年05月07日