帚木蓬生のレビュー一覧

  • アフリカの蹄

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    「閉鎖病棟」が有名な著者なのに、「閉鎖病棟」を読まずに、初めて帚木作品を読みました。
    医療ミステリーにも分類してもいいような気がしたけど、敢えて、ミステリーとは別分類とさせていただきました。
    アフリカのある国で、絶滅したはずの天然痘と闘う日本人医師を描いた作品。
    差別社会、ウイルスとの闘い、人種を超えた人間のつながりetc・・・
    いろんな難しい内容がてんこもりだけど、ほとんど抵抗もなく、最後まで一気読み。
    もう少し、ハラハラドキドキがあってもいいような感じもしたけど、久々に読んで良かったと思える作品でした。

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    2009年10月07日
  • ヒトラーの防具(上)

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    元sex machinegunsのノイジーが読んでいるときき,
    購入。こんなに分厚いのを彼が読んでいるとは・・・
    失礼極まりないが,どうも結びつかない。
    動機は不純,そして,厚い本を読む自分,かっこいい
    みたいな。でも,読み進めると・・・

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    2009年10月04日
  • 千日紅の恋人

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    そんな女にとって理想的な男がいるか〜!と。いたところで裏があるんじゃないかと疑いますね、私なら。まぁ自分の疑い深さは置いといて、母親やヘルパーの仕事を交えてるのが現実を感じさせて、ただの夢物語ではないと思いました。それなりに人生経験を積んだ年齢で恋愛しようと思ったら避けられないこと。そういう意味で「大人の小説」だと思います。

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    2009年10月04日
  • 千日紅の恋人

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    読みながら「これ帚木さんの作品だよな」と何度も確認する思いでした。その位、私の持っている帚木作品とのイメージが違いました。
    九州のどこかに建つ築25年の古アパート扇荘。そこに住むちょっと変った人たち。そして、父親が建てたこのアパートを管理するバツ2の娘の時子は、これらの住人と接触を保ち、時に怒り、時に親切に接する。そんな扇荘に独身男性が引っ越してきて。。。
    帚木さんの作品と言えば、どこかに重さを感じるのですが、そんなところがまったくと言ってありません。ちょっと古臭い感じのする、でも暖かで気持ちの良いラブストーリーでした。

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    2016年08月07日
  • エンブリオ 上

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    上流階級の患者を受け入れる病院。
    地下には秘密の施設・・・
    病院で起こるなぞの死
    産婦人科事情も垣間見れます。

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    2009年10月04日
  • アフリカの瞳

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    この人のストーリー構成って一種独特のものがある。映画化されると面白いような構成と言えばいいのか・・。

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    2009年10月04日
  • 安楽病棟

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    「目は窪んだところについてるから疑りぶかい器官、耳は外に開かれてるから楽観的でオープンな器官」というような一節がインパクト大でした。作者の方がお医者様てなことで院内の細かなところの描写がリアリティ溢れまくってて興味深いんですが、それを支えるのはこの方の深い洞察と研ぎ澄まされた美意識なんじゃないかなあと。しかもそれがすごくあったかい!「国銅」を読んでなおさらそう思いました

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    2009年10月04日
  • アフリカの蹄

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    NHKでやっていたドラマの方はどうかと思うが、こっちの作品はやはり『さすが』の一言。

    人種差別という日本人にはあまり馴染みの無いような(ここには個人的にもちょっと言いたい事もあるが・・・)テーマながら、それをしっかりと理解させる内容に出来ているのではないでしょうか?
    そして、箒木蓬生お得意の医学関係がうまく使われている。

    人種差別というテーマが無ければただのパニックアクションものにでもなりそうな内容ですが、そこを箒木蓬生の筆力でしっかりと押さえ込んでいます。

    とりあえず、この続編の『アフリカの瞳』にも期待です。

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    2009年10月04日
  • 逃亡(上)

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    戦犯として追われる主人公の逃亡生活が、ちょっとした移動ですらも余さずにほとんどが描かれている。長い。がそれだけの価値はあると思う。

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    2009年10月04日
  • 空山

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     『空夜』の続編。とはいえ、前作が男女の情愛を緩やかに淡々と描いたのに比べ、今作はごみ処理問題をテーマに据えた社会派。社会派小説は好きなので、楽しむという意味ではいいのですが、前作は前作で、帚木蓬生の読みごたえある文章が気に入っていたので、なんとも複雑。

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    2009年10月04日
  • 国銅(上)

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    奈良の大仏を作る話な上にこの表紙、受けるイメージはかなり渋めなのだけれど、おもしろい。意外に読みやすい。「仏像」を全く違う視点から見るきっかけを与えてくれるような逸品です。

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    2009年10月04日
  • 安楽病棟

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    痴呆老人らをめぐる安楽死、尊厳死、終末医療が主題。
    よく書かれている時事社会小説。

    「全くぅ、まともに考えたらやってられないよなぁ、読むの辛いなぁ」と思わせつつ最後まで読ませる。

    色々な痴呆老人現れ、自分は果たしてどの型なんだろ、なんて身につまされる。「私に限って大丈夫」なんて思えるのは30代までの若者。中年でそう思える奴は馬鹿か「おめでたい」か、もう「痴呆」が始まっているか、だ。

    落ち込みかかっている人は絶対に読んではいけない。

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    2009年10月04日
  • 空山

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    「空夜」の続編で登場人物は同じです。しかし、内容が全く変わっており前作で準主役であった俊子が主役級になっています。
    前作は大人の恋愛小説でしたが、本作はゴミ問題・地域振興・政治問題の三点が書かれています。こう書くと非常に硬く難しい内容と敬遠されがちですが、さすが帚木蓬生。当然多少の専門用語も出てきますが難し過ぎず、かといって簡単過ぎず絶妙なバランスで書かれています。

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    2009年10月04日
  • カシスの舞い

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    帚木氏の作品は良い。全作通して貫いているヒューマニズムには本当に天晴れ!である。主人公は自分の地位を捨ててでも正しいことに向かう。その姿勢を読んでいると人間も捨てたもんじゃないんだなぁ〜とうれしい気持ちになってくる。それにしても・・・大学病院ってなんだか怖いなぁ〜。人体実験が必要なことは医学の向上のためにも必要なことなのはわかっているけれど、実際自分がやられたらね・・・。

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    2009年10月04日
  • ギャンブル脳(新潮新書)

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    ギャンブル依存症の当事者か否かで、評価と感想が割れるような気がする。
    当事者でなければ学びは多いのではないかと思う一方、もしも当事者が、長年ギャンブル依存症の患者を診てきた精神科医という立場の著者から、ギャンブル依存症の克服のための知見を得たいという思いで手に取ったとしたら、少し物足りなさを感じるのではないかという印象。
    ただ作中にある通り、ギャンブル依存症の克服は極めて困難で確実な治療法はなく、再発のリスク(スリップ)を考慮すれば完治に至ることもないため、安易に知見を得られると考えること自体がお門違いなのかもしれない。

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    2026年09月27日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

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    研修先に置いてあったので読んでみた

    A Iを毎日使う私にとっては
    結論を急がずに耐えるという考え方が
    かなり苦痛の部類に入るので
    出来るか不明だがこういう考え方があるのだと
    知れたのは良かった


    源氏物語の下りは数年前読んだ時の感動が蘇り
    海外の作家も続編もなかなか良かった
    源氏物語の素晴らしさを改めて味わった作品

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    2026年09月25日
  • ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

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    容易に答えの出ない事態に耐えうる能力、ネガティブ・ケイパビリティ。

    終末期医療で、患者が感じる死への不安は当たり前。正常な不安。
    ポジティブ・ケイパビリティのみを身につけた医師は、何もすることがないと考える。
    一方、ネガティブ・ケイパビリティを身につけた医師は宙ぶらりんな状況を持ちこたえる。患者と対峙する。患者や家族の気持ちを理解しようとする、心配を減らす。

    教育においても、解決すること、答えを早く出すこと、それだけが能力ではない。
    解決しなくても、訳が分からなくても、持ちこたえていく。
    消極的に見えても、実際にはこの人生態度には大きなパワーが秘められている。
    持ちこたえていくうちに、落ち着くところに落ち着き、解決していく。

    私は、息子の感情が豊かすぎるところ、また気にくわないことがあるとパニックになって大声で泣き叫ぶのを目の当たりにし続けて疲れた。
    早くお兄さんになってほしいと思ってしまっている。

    そんなときこそネガティブ・ケイパビリティが役立つのかな、と思った。違うかな?

    エッセイ的な箇所が多々あり、そこを削ってくれたらもっと読みやすいのにな、と思った。

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    2026年09月13日
  • 白い夏の墓標

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    ・仙台の北東大学でウイルス研究を行う佐伯は、パリで開かれた肝炎ウイルス国際会議に出席した際、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールという老紳士の訪問を受ける
    ・そこで、アメリカ留学中に交通事故死したとされていた、かつて仙台で共に研究を行っていた黒田が実はフランスで自殺したことを告げられる
    ・ベルナールから、スペイン国境近い南仏ウストに住むヴィヴという女性を訪れる様告げられ佐伯はそうするが、黒田の墓を世話するヴィヴとの出会いを通じて、黒田の死の真実が明らかになる
    ・仙台時代、ウイルスの結合研究成果を評価されてアメリカ軍の研究施設に招聘された黒田は、フランス/スペイン国境上にあるアンドラの研究所に押し込まれ、ウイルス兵器開発の為の研究を強いられる
    ・実験の為に集落一つ犠牲にする様な研究に耐えられなくなった黒田は、精神異常を装い、担当看護師であったヴィヴとフランスウストへの脱走を試みるが、国境近くで射殺されてしまう
    ・真実を知った佐伯は、黒田が現地で残した娘と会い彼女がフランスで力強く生きていることを知り日本に帰国。その後、ベルナールから手紙を受け取り、当時の研究所の所長であったベルナールがモンセギュールの城塞から黒田の死体を投げ落として自殺に見せかけたという告白を受ける
    ・黒田の意思を継ぎ研究に対する気持ちを新たにする佐伯に、余命短いベルナールから研究資金寄付の申し出があったところで物語は終わる

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    ・細菌学をテーマにしたサスペンス(?)の珍しさと、『白い夏の墓標』という興味を引くタイトル、芥川賞候補/店長一押し!/九大医学部x東大仏文科、という期待値を上げる帯紙で購入
    ・謎の死を遂げたかつてのライバル/同僚の軌跡を辿りながら、彼の背負った悲しい運命と、残されたものの哀しみと希望をしんみり描くという筋書きなので派手さは無い
    ・作品を終始覆っているもの悲しさ、寂しさは独特で、悲しい手記を読んでいる様な気分になる。何となくカズオイシグロの様な寂しさを思い出した
    ・ストーリー自体に斬新さは無いし、都合良く現れる紳士や、あまりにも詳細に書き込まれた黒田の手記など、少し冷めてしまう部分もあった
    ・が、作者の経歴と照らし合わせて、本当に彼が書きたいものを全力で書いたんだな、と思うと胸に迫るものがあった
    ・科学技術を駆使して経済/社会発展を目指すものの一人として、黒田の手記に記された以下の言葉は、心に深く残った
    (この言葉の為にこの1冊があると言っても過言ではない)

    「ウィルスもバクテリアも、それ自体は、ニュートラルな興味の対象でしかない。山と同様、究めつくすことに快感がある存在だろう。まっとうな科学も、逆立ちした科学も、それは同じことだ。/それでは研究者を、逆立ちした化学に向かう者と、まっとうな化学を目指す者に振り替えるものは一体何なのか。実は、何もない。未知のものを究めること自体が快感としてひとり歩きしはじめると、まっとうな科学も、いつのまにか逆立ちしてしまう。/ぼくたちがやっていることは確かに、逆立ちした科学だ。だが、もっと恐ろしいのは、まっとうだと思いこみ、また人からもそう信じられ、その実、逆立ちしている科学ではないのか。」

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    2026年08月24日
  • やめられない ギャンブル地獄からの生還

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    まずは、自分が依存症なのではないかと思い、この本を読み始めた。ギャンブル依存の方々の多くの例が取り上げられているが、自分だけでなく、家族まで巻き込んで崩壊させていく、恐ろしい現実を目の当たりにした。ただ、あまりの状況にひいてしまい、自分はまだやり直せると思わせてくれた。パチンコ、スロットに悩みがある人は、ぜひ読んだ方が良い。

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    2026年08月22日
  • 沙林 偽りの王国(上)(新潮文庫)

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    地下鉄サリンのみを取り上げているというより、真理教そのものに焦点を当てている。

    医者である主人公視点で、その時、メディアではどのような取り上げ方をされていたのか、どのような流れから地下鉄サリン事件が起きたのかなど、一連の流れを全体像で知ることができた。
    また、ただ淡々と一連の流れが書かれているのではなく、メンバーの生い立ちや、薬物が戦争ではどう使われてきたのか、そして、日本では他にどのような使われ方をしたのかまで深堀りされて書かれており、興味深く読み進めることができた。

    物語として読みたい方には不向きだが、その当時何があったのかを知りたい方にはオススメできる小説だ。

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    2026年08月18日