帚木蓬生のレビュー一覧

  • 水神(下)

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    地味な話なのに読ませるよなあ(感嘆)しかし失敗した。「天に星、地に花」より前に読むべきだった。それが残念。

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    2015年10月24日
  • 賞の柩

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    ついこの間ノーベル賞が発表になり、日本人が受賞したことは喜ばしいニュースであるが、この作品はそのノーベル賞が背景の医療サスペンス。恩師の死因を探るため主人公は、疑惑の受賞者や関係者を訪ねて、ヨーロッパ各地を巡り歩く。疑惑追及の旅ではあるが、旅情豊かな景色の描写に、爽やかな読後感となっている。

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    2015年10月15日
  • アフリカの蹄

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    私は自分が生まれる前の出来事は書物に出てくる「歴史上の出来事」として一歩引いて見ているが、アパルトヘイトは紛れもなく私が生まれてからもしばらくは存在していて(中学生の時に文化祭の壁新聞でアパルトヘイトについて書いた覚えがある)、そういう意味では私にとってアパルトヘイトは歴史上の出来事ではなく、現実に認識できた出来事と言える。

    にもかかわらず、中学生の頃、「名誉白人と呼ばれる日本人を私はちっとも名誉だとは思いません。」みたいなことを偉そうに壁新聞に書いた私は、アパルトヘイト撤廃のために何かした訳でもなく、その後は正直遠い国の話としてあまり考えたこともなかった。

    今更ではあるが、この本を読んで

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    2015年10月23日
  • 日御子(下)

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    那国時代から、漢の国を志向していた歴史と、通訳の家柄「あずみ」の交流を、邪馬台国時代まで俯瞰した物語。馬車や船の歴史や鉄の歴史について触れながら、卑弥呼のありようを丁寧に語った物語だと思った。通訳達の祖先からのつながりを「あずみ」と「3つの掟」で表現したところがうまいなと思った。

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    2015年09月06日
  • 臓器農場

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    ネタバレ

    厚いけれど一気に読めました。
    解説にもあったが帚木さんの本は言葉がわかりやすく抑制がきいていて読みやすい。

    「無脳症児」は人間か。
    生きられないならせめて他の子供の役に立って欲しいという親や医療関係者の気持ちもわかる気がするが・・・。

    登場人物の言動が何となく古いなと思ったら、20年以上前の作品でした。が、内容は古さを感じさせない。
    ケーブルカーと車掌藤野茂がいい味を出している。

    しかし貞村医師の学生時代の部活エピソードはひどい!

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    2015年08月27日
  • 三たびの海峡

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    帚木さん、「全部同じような話でどれがどれかわからなくなってくる」なんて言ってごめんなさい。
    全然違うお話も書かれるんですね。
    しかし、重い。重すぎる。
    そして、これが史実に近いかと思うと・・・。

    日本に強制的に連れてこられ、強制労働を強いられた朝鮮の人々のお話。
    人間でいることが嫌になる。
    強制労働を強いる日本人のひどさ。
    その手先となり、同胞を苦しめまくる人々のひどさ。
    こういう時、一番残虐なことができるのは実は、敵より味方なのかもしれない。
    鞭打たれる仲間たちと同等になるのであれば、忌み嫌っていたはずの日本人の手先となっても、鞭打つ立場でありたいと思うその気持ちを責めることはできないけれ

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    2015年08月07日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    パチンコ・スロットはゲームであってギャンブルではないというのは無理があるだろう。宝くじがギャンブルと言われるとなんだかなぁ~と思わないこともない。

    ギャンブル中毒患者がこんなにいるとは驚き。

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    2015年08月07日
  • 三たびの海峡

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     戦争が犯した罪の一つ。強者が弱者を対等な人として、認めてこなかった事。
     帚木氏は戦争の罪を書きとどめてきている作家の一人だと思う。
     この作品の凄さは、人さらいの様に連れて来られ、強制労働を強いられた韓国人を軸となっていること。あまり知ることのない、韓国人の習慣などを描き、民族の違いを浮き出さしている。でも本来だったら、もっと朝鮮民族の”恨”の感情が強いのではないのだろうか。
     日本に残した子、そして孫までもが日本と韓国の橋となろうとしている展開。現実より、さらに一般に受け入れ易い様に、すこし柔らかいニュアンスにしているところ、そのもどかしさが、作品そのものを弱めてしまったのでは・・・

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    2015年06月20日
  • 生きる力 森田正馬の15の提言

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    「森田正馬の15の提言」は1つ1つが、心に響く。心に寄り添うものがある。森田正馬は、明治大正期の精神科神経科医。神経質に対する精神療法である森田療法を創始した人物。彼の言葉と人生のエッセンスが、大切にまとめられてる。自らの人生をムリなくあるがままに生きていく「生きる力」をもらうことができる。生き方の価値観を変えてくれる部分はある。ストレス社会だの、メンタルヘルスだの、そんな今だからこそ手に取りたい一冊なんだと思う。

    ・「一瞬一生」…種々の悩みはあるが、生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進む。(P28-29)
    ・腰を上げやらなければならない仕事にとりあえず手を出す。身を忙しく

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    2022年12月01日
  • ヒトラーの防具(下)

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    ドイツでヒトラーに贈呈された剣道防具が発見された。贈与に関わった日本人武官を通して激動のドイツを描く。
    題材は最高。文章力・表現力がどこか拙く残念。

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    2015年05月30日
  • インターセックス

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    『エンブリオ』の続編。『エンブリオ』を読んで以来、読みたいと思っていた本がやっと読めました。
    続編だけど、単体で読んでも違和感なく読めそうです。

    maleかfemaleに無理矢理分類させようとしない、というのは眼からウロコでした。

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    2015年05月17日
  • ギャンブル依存国家・日本~パチンコからはじまる精神疾患~

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    これまでの著者の書籍は病気についての説明が多かったが、今回は具体例をたくさん述べるにとどめている。本の大半を占めるのが、いかに我が国がギャンブル依存症対策に無策であるか、歴史的そして国際的な比較から述べられている。カジノ法が喫緊の情勢だからだろうか。この法案に対して、今、何が必要かを説得力を持って訴える著書であった。

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    2015年04月08日
  • 日御子(上)

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    大昔、まだ神話と歴史が混ざっているような時代に生きた通訳の物語。
    ろくに資料なんか残ってないと思うんだけど、生き生きと臨場感溢れるこの描写はスゴイよ。

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    2015年04月03日
  • インターセックス

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    インターセックスを扱った医療ミステリー。医師の翔子が、インターセックスに対する偏見と闘いながら、亡くなった親友の死の真相に迫る。
    『エンブリオ』の続編となっているけれど、単体でも十分理解できる。

    ミステリー部分については、犯人がほぼ分かっているので、物足りない気もするけれど、専門用語が多いのに分かりやすく、医療ものとしてはかなり楽しめる。
    半陰陽、両性具有という言葉には馴染みがあったけれど、インターセックスは初めて聞いた。広義のインターセックスの新生児が、100人に1.5人の割合で生まれるということにビックリ。

    性同一性障害はだいぶ認知されてきたけれど、それ以上にマイノリティな存在であるイ

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    2015年03月23日
  • 日御子(下)

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    最後まで読んでよかった。
    途中少し飽きてしまった部分があるけれど大河の流れを汲むような壮大な物語。さいごまで読んで初めてこの作者の伝えたいこと、意図する所がわかった。

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    2015年03月01日
  • エンブリオ 下

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    上巻が主に岸川が行う医療内容やそれに対する周囲の反応だったのに比べ、此方は「岸川が如何にしてこの研究分野で独走するのか」という視点で書かれていた。
    異常な処置や実験を行う医者、というイメージが、患者が満足できるように手を貸すだけ、と説明されることにより、
    「あれ、やってることエグいけど岸川が正しいんじゃ」
    とまで錯覚を抱きそうになる。
    今後の生殖医療の展開が心なしか心配になる。

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    2015年02月13日
  • エンブリオ 上

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    大学で研究する内容に近いジャンルだったので手にとった一冊。
    生殖医療において、法的な規律がちゃんとしていない事実を再認識させられた。学会の中での規律が暗黙の了解のルールになっている現在、法的処置も取らねば岸川のような医師が現れる可能性も否定できない。
    ただ、倫理的問題が一切無くなれば、生殖医療、再生医療での技術開発スピードが急速に上がるであろうことも事実。生殖器官、配偶子から受精卵、着床時、妊娠、出産......、どこからが倫理的問題が発生するのかと改めて考えさせられる一冊。
    下巻も気になる。

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    2015年02月05日
  • アフリカの瞳

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    とても賢くなったような気分になる作品でした。
    南アフリカでHIV感染治療に取り組む日本人医師作田信さんのお話です。
    貧困社会の医療、政治、援助など色々な事が詰まっています
    フィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなります

    ラストは感動します!

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    2015年01月07日
  • 三たびの海峡

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    歴史について改めて考えさせられた。

    著者はもしかして在日韓国人であったり、
    韓国に縁のある人なのかな、と読みながら何度も思ったくらい。

    最後ちょっとはしょって読んでしまったけれど、
    読んでみて良かった、勉強になった本です。

    20080223

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    2014年12月21日
  • 日御子(上)

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    紀元一世紀ごろの日本。漢の国から移民して来たらしい「あずみ」一族は、九州各地の小国家で異なる文字(阿住、安曇、安澄)を当てながら使譯(通訳)を務めていた。その内の那国出身の安澄を九代にわたって描いた歴史小説です。
    最初の主人公は那国の使譯として「漢委奴國王」印を得た使節団で働き、その子孫たちも伊都国、弥摩大国(邪馬台国)で活躍します。時に女性が主人公になり、その時は日御子(卑弥呼)に仕える巫女です。

    最近の帚木さんらしく悪人はおろか、品性卑しい人さえも登場しません。全べての登場人物が前向きの善人という設定です。様々な苦難もありますが、その原因は時代背景や自然です。
    そのせいか、やはり少し物足

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    2016年05月29日