帚木蓬生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は自分が生まれる前の出来事は書物に出てくる「歴史上の出来事」として一歩引いて見ているが、アパルトヘイトは紛れもなく私が生まれてからもしばらくは存在していて(中学生の時に文化祭の壁新聞でアパルトヘイトについて書いた覚えがある)、そういう意味では私にとってアパルトヘイトは歴史上の出来事ではなく、現実に認識できた出来事と言える。
にもかかわらず、中学生の頃、「名誉白人と呼ばれる日本人を私はちっとも名誉だとは思いません。」みたいなことを偉そうに壁新聞に書いた私は、アパルトヘイト撤廃のために何かした訳でもなく、その後は正直遠い国の話としてあまり考えたこともなかった。
今更ではあるが、この本を読んで -
Posted by ブクログ
帚木さん、「全部同じような話でどれがどれかわからなくなってくる」なんて言ってごめんなさい。
全然違うお話も書かれるんですね。
しかし、重い。重すぎる。
そして、これが史実に近いかと思うと・・・。
日本に強制的に連れてこられ、強制労働を強いられた朝鮮の人々のお話。
人間でいることが嫌になる。
強制労働を強いる日本人のひどさ。
その手先となり、同胞を苦しめまくる人々のひどさ。
こういう時、一番残虐なことができるのは実は、敵より味方なのかもしれない。
鞭打たれる仲間たちと同等になるのであれば、忌み嫌っていたはずの日本人の手先となっても、鞭打つ立場でありたいと思うその気持ちを責めることはできないけれ -
Posted by ブクログ
戦争が犯した罪の一つ。強者が弱者を対等な人として、認めてこなかった事。
帚木氏は戦争の罪を書きとどめてきている作家の一人だと思う。
この作品の凄さは、人さらいの様に連れて来られ、強制労働を強いられた韓国人を軸となっていること。あまり知ることのない、韓国人の習慣などを描き、民族の違いを浮き出さしている。でも本来だったら、もっと朝鮮民族の”恨”の感情が強いのではないのだろうか。
日本に残した子、そして孫までもが日本と韓国の橋となろうとしている展開。現実より、さらに一般に受け入れ易い様に、すこし柔らかいニュアンスにしているところ、そのもどかしさが、作品そのものを弱めてしまったのでは・・・ -
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「森田正馬の15の提言」は1つ1つが、心に響く。心に寄り添うものがある。森田正馬は、明治大正期の精神科神経科医。神経質に対する精神療法である森田療法を創始した人物。彼の言葉と人生のエッセンスが、大切にまとめられてる。自らの人生をムリなくあるがままに生きていく「生きる力」をもらうことができる。生き方の価値観を変えてくれる部分はある。ストレス社会だの、メンタルヘルスだの、そんな今だからこそ手に取りたい一冊なんだと思う。
・「一瞬一生」…種々の悩みはあるが、生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進む。(P28-29)
・腰を上げやらなければならない仕事にとりあえず手を出す。身を忙しく -
Posted by ブクログ
インターセックスを扱った医療ミステリー。医師の翔子が、インターセックスに対する偏見と闘いながら、亡くなった親友の死の真相に迫る。
『エンブリオ』の続編となっているけれど、単体でも十分理解できる。
ミステリー部分については、犯人がほぼ分かっているので、物足りない気もするけれど、専門用語が多いのに分かりやすく、医療ものとしてはかなり楽しめる。
半陰陽、両性具有という言葉には馴染みがあったけれど、インターセックスは初めて聞いた。広義のインターセックスの新生児が、100人に1.5人の割合で生まれるということにビックリ。
性同一性障害はだいぶ認知されてきたけれど、それ以上にマイノリティな存在であるイ -
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紀元一世紀ごろの日本。漢の国から移民して来たらしい「あずみ」一族は、九州各地の小国家で異なる文字(阿住、安曇、安澄)を当てながら使譯(通訳)を務めていた。その内の那国出身の安澄を九代にわたって描いた歴史小説です。
最初の主人公は那国の使譯として「漢委奴國王」印を得た使節団で働き、その子孫たちも伊都国、弥摩大国(邪馬台国)で活躍します。時に女性が主人公になり、その時は日御子(卑弥呼)に仕える巫女です。
最近の帚木さんらしく悪人はおろか、品性卑しい人さえも登場しません。全べての登場人物が前向きの善人という設定です。様々な苦難もありますが、その原因は時代背景や自然です。
そのせいか、やはり少し物足