帚木蓬生のレビュー一覧
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「森田正馬の15の提言」は1つ1つが、心に響く。心に寄り添うものがある。森田正馬は、明治大正期の精神科神経科医。神経質に対する精神療法である森田療法を創始した人物。彼の言葉と人生のエッセンスが、大切にまとめられてる。自らの人生をムリなくあるがままに生きていく「生きる力」をもらうことができる。生き方の価値観を変えてくれる部分はある。ストレス社会だの、メンタルヘルスだの、そんな今だからこそ手に取りたい一冊なんだと思う。
・「一瞬一生」…種々の悩みはあるが、生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進む。(P28-29)
・腰を上げやらなければならない仕事にとりあえず手を出す。身を忙しく -
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インターセックスを扱った医療ミステリー。医師の翔子が、インターセックスに対する偏見と闘いながら、亡くなった親友の死の真相に迫る。
『エンブリオ』の続編となっているけれど、単体でも十分理解できる。
ミステリー部分については、犯人がほぼ分かっているので、物足りない気もするけれど、専門用語が多いのに分かりやすく、医療ものとしてはかなり楽しめる。
半陰陽、両性具有という言葉には馴染みがあったけれど、インターセックスは初めて聞いた。広義のインターセックスの新生児が、100人に1.5人の割合で生まれるということにビックリ。
性同一性障害はだいぶ認知されてきたけれど、それ以上にマイノリティな存在であるイ -
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紀元一世紀ごろの日本。漢の国から移民して来たらしい「あずみ」一族は、九州各地の小国家で異なる文字(阿住、安曇、安澄)を当てながら使譯(通訳)を務めていた。その内の那国出身の安澄を九代にわたって描いた歴史小説です。
最初の主人公は那国の使譯として「漢委奴國王」印を得た使節団で働き、その子孫たちも伊都国、弥摩大国(邪馬台国)で活躍します。時に女性が主人公になり、その時は日御子(卑弥呼)に仕える巫女です。
最近の帚木さんらしく悪人はおろか、品性卑しい人さえも登場しません。全べての登場人物が前向きの善人という設定です。様々な苦難もありますが、その原因は時代背景や自然です。
そのせいか、やはり少し物足 -
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繋驢桔(けろけつ)=ロバが繋がれた杭の周りを回って動けなくなる様=心配事をじっと考えて動かないこと。
それよりも、身を忙しくして目の前のやらなければならない仕事にとりあえず手を出す。休んで考える間なないほど日課を組む。小事を疎かにして大事ができるはずがない。
禅僧の修行=座禅、掃除、禅問答
本人の心理は無視=外相を整えれば内相も整う
朝から晩まで勤勉かつ簡素な生活をし続ければ、心が邪悪になるはずがない。
健康人のふりをしていれば健康になる。
素直な心、の反対語は頑固、ではない。言い訳が反対語。言い訳は進歩の芽を食いつぶす。
いいわけ=嘘をつく、責任転嫁、事態を過小化する、正当化、でも~。