【感想・ネタバレ】ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年11月21日

ヒトの脳には、「分かろう」とする生物としての方向性が備わっている。さまざまなしゃさいじょうきょや自然現象、病気や苦悩に、私たちが色々な意味付けをして「理解」し「分かった」つもりになろうとするのも、そうした脳の傾向が下地になっている。目の前の、わからないもの、不思議なもの、嫌なものが放置されていると、...続きを読む脳は落ち着かず、及び腰になる。そうした困惑状況を回避しようとして、脳は直面している事象に、とりあえず意味付けし、何とか「分かろう」とする。しかし、ここには大きな落とし穴がある。「分かった」つもりの理解が、ごく低い次元にとどまってしまい、より高い次元まで発展しない。まして、理解が誤っていれば、悲劇はさらに深刻になる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月20日

解決不可能なもの、答えを簡単に出せないもの、分からないものをそのままにしてその事態に耐える力をネガティブケイパビリティというとのこと。
これはとても今の時代こそ必要な力のように感じられる。
小説や絵画という芸術において、また戦争という事態においてなどそれが必要だろうと思われる場面について章を改めて考...続きを読む察しているのが興味深かった。
第七章の中で、米国のノーベル賞作家の7割がアルコール依存症だったという話が出てきたが衝撃的だった。統合失調症の性向と創造性との関連も興味深かった。著者が医師であり小説家でもある立場から考察していることで話の信憑性がより深く感じられたように思う。
小説家にはネガティブケイパビリティが必要だというのは間違いないように私も感じました。
第十章にはまた深く考えさせられました。ここに掲載された戦士された学生兵士の方々の言葉が胸に迫り苦しくなりました。
そして今の世界の現状を思うと…途方に暮れる思いもします。
寛容であることの必要性、共感を養うことの大切さを改めて認識します。今読まれるべき一冊と思います。

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Posted by ブクログ 2023年11月03日

宙ぶらりんな状態に耐えうる力、ネガティブケイパビリティ。治療の中でも人生の中でも必要性を根幹をなす力だと思った。それを幹とした共感、親切が、人生や世界をより良くするものだと感じた。
自分のしてきたこと、世間とずれていると感じたことが分かった気がした。答えを急ぐ世界ではあるけど、子どもたちには、寛容で...続きを読む親切で共感できる人たちになってほしいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年11月02日

生きている中で、白でも黒でもない状態に身を置くことって沢山あると思う。このような状態を維持する力って実は撮っても大切だと思う。

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Posted by ブクログ 2023年09月28日

いい本だった。もやもやしてたのがすとんと納得できた感じだ。
ついでに源氏物語のあらすじをはじめて知った。

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

わからないことをわからないまま耐える、というネガティブ・ケイパビリティは、「気づき」「言語化」「見える化」などの、現代の主流の思考法(フレームワーク)を逆に行くものである。
その概念と重要性を説いた数少ない著書として貴重。作家でもあって文章も読みやすい。

本書では述べられていなかったが、「育児」の...続きを読む現場にこそ、このネガティブ・ケイパビリティの考え方が有益なのではないかと感じた。今の親は子供の一挙一動に悩み、正解を求める。でもそんなものはなく、正解を求め続ける限りかんじんな親子の情や絆を育む時間と機会を失ってしまうのではないだろうか。

ただ、源氏物語ときけわだつみのこえ、のくだりは話が逸れすぎて蛇足感が否めない。触れる程度で良かったはず。
それでも貴重な概念を提示していることを評価して★5つ。

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Posted by ブクログ 2023年03月29日

容易に答えの出ない事態に耐えうる能力が、ネガティブ・ケイパビリティ。
それが持てない人達が争いを生み、戦争に突き進んでいく。
これがあるとされるのは、シェイクスピア、紫式部、詩人のキーツ、メルケル首相。
この能力が必要なのは、精神科医、教育者、現代人。
素晴らしい概念だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年02月22日

タイトルである「ネガティブ・ケイパビリティ」とはなにか?それがまさに本書で著者が伝えたい事。「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」‥それは具体的にどんな能力なのか一緒に考えませんか?精神科医で、小説家でもある著者は古今東西の医学書や文学作品、又実体験など様々な例を挙げ問い...続きを読むかける。
読書会の課題図書として読んだのだが、私自身もそれなりに起伏のある人生を通じて無意識のうちにこの能力が鍛えられ、救われてきたのかもと思った。

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Posted by ブクログ 2024年01月28日

物事は白黒つけなきゃいけないと思い込んでいたけど、そうではないらしい。むしろグレーにしておくことがよい結果を生むこともある。「なんとかなるさ」の精神でとりあえず凌いでいればなんとかなる。有耶無耶にするとか適当にするとかでいいと知って、気持ちが少し楽になった。「どうしようもないことは放置でいい」ってと...続きを読むても心強い考え方。
プラセボ効果を有効活用したいので、できる限り前向きに期待して生きていきたい。

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Posted by ブクログ 2024年01月09日

結果が何か出ないとやっぱりモヤモヤするし嫌なもんだけど、考えてみれば世の中は一人で生きているわけではないのだから、どっちつかずみたいな状況はいくらでもある。今の自分は正にそういう状態なので、まぁ、必ずしも1日も早く解決したいわけでもないのだけれど、こういう、共感というのとはちょっと違うようにも思うの...続きを読むだが、何事も突き進んでしまうばかりではなし得ないのが真理なのかなと、考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

ユリイカのヤマシタトモコ特集で、桜庭一樹が『違国日記』を評するために「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念を援用していたので、この本に興味を持った。

「不確かさの中で事態や状況をもちこたえ、不思議さや疑いの中にいる能力」を指すネガティブ・ケイパビリティ。

ここ1年、学問、就職、人間関係全てにお...続きを読むいて、先の見えないトンネルの中にいるような状態が続いてて、鬱蒼としていたけど、確実にネガティブ・ケイパビリティは育ってたんだな。トンネルの先は見えなくても、その事実が自分を照らしてくれるから、これからも走っていける気がする。

前半は、ネガティブ・ケイパビリティの概念を提唱した詩人のキーツと、再発掘した精神科医のビオンの生涯が丁寧に紹介されてる。冗長に思えるけど、これを読み耐えることがネガティブ・ケイパビリティを身につけることに直接繋がってる。構成に1本取られた気分。
最相葉月『理系という生き方 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか』の中で、最相は「人間というものは、物事が発見された順序に沿って説明されたとき、いちばんよく理解できるものだよ」という恩師の言葉を紹介していた。
なぜその人がその研究をやっているのか、なぜそのテーマに生涯を賭けたのかという思考の道筋が伝記や評伝には表れる。こう考えたからこの技術が生まれたんだ、こう考えたからこの発見に導かれたんだという実感が持てて、科学を理解する手がかりになるから、伝記や評伝は大事という話。
確かに、今回もキーツとビオンの伝記を読んでいく中で、2人の人生に寄り添ってるような感覚になって、異物感なく自然と、ネガティブ・ケイパビリティの誕生や発見の経緯を受け入れられた。
対人関係においても、時間が許すのであれば、できるだけ、生い立ちや過去のことを聞いていきたいと思った。冗長だと思えることばかり話したい。手前の段階でキャラ付けしてわかったつもりになりたくない。複雑な人間性を複雑なまま愛したい。

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Posted by ブクログ 2023年10月22日

ネガティブ・ケイパビリティとは、どうしようもない事態に陥ったとしても、すぐに答えや理由を求めずに不確実さや懐疑の中で宙ぶらりんでいられる力。

これは自分に今一番足りない能力。
モヤモヤもイヤだし、なんで?とすぐに調べて、とりあえず簡単な答えを出してしまったり…
でもこれは人に本来備わっていて、脳は...続きを読む「分かろう」とする性質があるからだそう。
だけど早急に出した答えほど、浅いままで終わったりすぐに忘れてしまったり。

しかし、世の中にはすぐに解決できない問題の方が多い。だからこそ、じっくり考え長く熟慮する必要がある。

この本もやっぱり一読では難しくて理解できない箇所もあるのだけれど、これこそネガティブ・ケイパビリティを発揮するチャンス。
すぐには分からなくても、時間をかけて自分の意識に落とし込んでいく努力をしたい。

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Posted by ブクログ 2023年10月22日

「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、「事実や理由をせっかちに求めず、事態や状況を持ちこたえ、不確実さ、懐疑の中にいられる能力」あるいは「論理を離れ、どのようにも決められない、宙ぶらりんの状態を回避せず、耐え抜く能力」
古くは詩人のキーツがシェイクスピアに備わっていると発見した「負の力」である。第二次...続きを読む世界大戦に従軍した精神科医ビオンにより再発見され、著者が臨床現場において腑に落ちる治療を行う上での支えとなっている。 
精神科医に必要とされるのは「共感すること」であり、治療ではなく「トリートメント」(ケアすること)。
また、主治医の処方はすぐに解決することを求めない〈日薬〉と見守っているという〈目薬〉だと指摘する。
「ネガティブ・ケイパビリティ」と対極にある「ポジティブ・ケイパビリティ」には、才能や才覚、問題の解決や処理能力を求めてせっかちに対処したり、見せかけ的な対応に走る嫌いがある。
著者は、これに関して、知識を詰め込んだり、早急かつ単純に解決を求めて問題設定をする現代教育のあり方を引き合いに出して、批判の目を向ける。その上で、学習速度にこだわらず、感受性を大事にし、問題解決が課せられていない芸術や研究の分野に必要な「運・鈍・根」に触れ、「ネガティブ・ケイパビリティ」を育てる意義を説く。
また、昭和18年10月、徴兵猶予の恩恵を廃止し、学徒出陣に至った史実や、「きけわだつみのこえ」の戦死者の言葉を取り上げ、戦時における「ネガティブ・ケイパビリティ」の欠如を嘆き、平和を維持する面からも為政者、国民ともども、この能力の発揮が必要であると述べている。
人間の脳には「分かりたがる」傾向があり、そのために、行き過ぎた知性化、拙速な理解といった弊害をもたらすことがある。逆に脳はポジティブで楽観的に考えるようにもできており、これを利用した医学的効用もあるなど医学者ならではの見解も興味深かった。特に、プラセボ効果が、薬だけでなく、外科的治療にも示されているというデータやプラセボにもノセボ効果という副作用があるという事実には驚かされた。
全体を通して、医療のみならず、文学や歴史に関する著者の博覧強記ぶりに感心したが、第一、ニ章のキーツやビオンに関する伝記的記述、第八章の源氏物語の内容を滔々と解説する部分は正直、ついていけず読み流した。
ちなみに、源氏物語に関しては、第ニ巻「帚木」、第十五巻「蓬生」が著者の名前になっていること、第十一巻「花散里」が著者の作品名に使われていることから、著者の源氏物語へのこだわりが垣間見れた。
最後になるが、自分は、問題解決に性急に対処するポジティブ・ケイパビリティを重視する傾向が強いので、どこまて対応できるかわからないが、この本で書かれている内容を教訓として、生かしていきたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2023年06月07日

ネガティブ・ケイパビリティとはどうにも答えの出ない、対処しようのない事態に耐える力で、『ハッピークラシー』を読んで派生的に考えたくなったテーマ。VUCAな人生100年時代には重要な能力だがレジリエンスのように個人の能力としてだけ考えるよりも、相手の話を聞く中で、あるいは聞いてもらうことで発揮されてい...続きを読むくという関係性の中でのあり方を模索していくのが筋が良いかなと感じている。ネガティブ・ケイパビリティに関する本を続けて読んで考えを深めたい。

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Posted by ブクログ 2023年06月04日

どうやっても答えの出せない問題、事態に耐える力がネガティブ・ケイパビリティ。それを持ち得ないと物事を短絡的に考え戦争にまで突き進んでしまう。戦争がいけないことなどは誰でも解ることだが、事実一向に戦争が無くならないのはネガティブ・ケイパビリティの文脈に沿った教育が足りないためかと思う。リベラルアーツの...続きを読む考えにも通ずるものがあるような気もする。

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Posted by ブクログ 2023年05月05日

どうにもならないことを、ただじっと受け入れることこそが全ての解決策となる。


繰り返された悲しい歴史の中で、ネガティブケイパビリティという共感力を皆が持っていたら、きっと幾多の無惨に散っていった命はもっと少なかったのではないだろうか。そんなマクロの視点だけでなく、もっと身近な自分の心当たりのある不...続きを読む安まで、全てにおいてこのネガティブケイパビリティが応用できるのだ。
何にイライラしているのか、何に焦っているのかも分からないまま車窓から見える景色かのように流れていく毎日に翻弄されている人達に読んで欲しい一冊。


ただ、歴史と戦争にとんと興味のない私は半分程、読みながら船を漕ぐことになった。

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Posted by ブクログ 2023年04月04日

ははきぎほうせい
帚木蓬生

読めないよなぁこの人の名前。

朝日新聞のコラムで見つけてぜひともは読んでみたいと思った。

今の私にとても必要な力。

ネガティブケイパビリティ

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Posted by ブクログ 2023年03月26日

この本もまたとても面白かった。
教育とネガティヴケイパビリティの関連の章は予想通りの内容だったが、ちょっと斜め上からだったのは源氏物語の章。文学、医学、政治、芸術などさまざまな切り口でネガティヴケイパビリティが掘り下げてあり、何というか、1つの物事を理解するいろんな道を見せていただいた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月14日

答えのない事項を考えることの多いわたしにとって、まるで肯定の意を示してもらっているかのような感覚に陥る著作だった。
〈目薬〉は今まで本当に多くの方々からいただいていると気付かされた。気付かさせていただいたことに感謝したい。

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Posted by ブクログ 2023年07月21日

啓蒙書のような本はめったに読まない。この本は人に勧められて読み始めた。書いてあることに違和感はない。聞き慣れないネガティブ・ケイパビリティという言葉も、考え方自体は特異なものではない。要は結論を急がないということ。急ぐ前に相手の意図をよくよく聞き分けるということ。そして共感することを心掛けるというこ...続きを読むと。結論を押し付けないこと、と付け加えてもよい。

作家はこの言葉の起源から、自身の生業である精神科におけるこの概念の重要性を簡潔に記してゆく。するすると言葉は読み下される。

残念なことが二つ。
小説もものにするという作家の日本語が、微妙に頭の中で音像を結ばない。何度か読み返して音のつながりを理解する必要がある文章に時々出食わす。本全体の構成が簡潔で読者の興味を引くことに腐心していることも判るので、文章ももう少し平易な日本語で綴るべきだったのではないか。
もう一つはやたら作家自身の他の著作への言及が多いこと。この作家の熱心な読者であればそれもまた楽しい趣向だが、初めて出会う読者にとっては自慢話を聞かされているように聞こえてしまう。その寄り道は本当に必要だったのだろうか。

但し作家が鳴らす警鐘はとても切実なもの。昨今の不寛容な世相を鑑みれば、そろそろ僕らは立ち止まって一体何がいけなかったのかを考えてみてもいい筈だ。多様性の重要さが声高に叫ばれるご時世に必要なのは、相手を説き伏せることができる秀逸なアイデアでもそれを効果的に伝えるプレゼンテーションでもなく、確かにネガティブ・ケイパビリティなのかも知れない。

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Posted by ブクログ 2024年03月16日

最近話題のネガティブ・ケイパビリティについて、早くからそれに言及していたという本書を読みたいと思っていた。
もっと学術的にネガティブ・ケイパビリティについて論じられていると期待していたがそうではなく、これはいわゆるエッセイだなと。
中にはそれらしい部分もあるのだが、それは僅か。そういう意味では期待外...続きを読むれではあった。しかし、ネガティブ・ケイパビリティに対して、現代の学校で行われているポジティブ・ケイパビリティに偏った教育の危うさや、ネガティブ・ケイパビリティの欠如がもたらす危険についての著者の考察は大変示唆に富むものであった。
現代は不寛容が大きく蔓延り、不寛容の象徴的なリーダーはトランプ元大統領、その発言はヒトラーに通ずる、そしてその先にあるのは戦争だという危惧は、現代社会の危険性を端的に表している。
例えば、対人援助の場面では、おそらくその全てがネガティブ・ケイパビリティの上に成り立つと言ってよい。次の瞬間には何が起こるか分からず、全てに対して臨機応変に対応しなければならず、労力は全て無駄になるかも知れない。終わりもわからなければ、始まりもわからない、正解もない世界。結果ではなくその過程に一番の価値があるような現場だ。
ただ、それは決して居心地の悪いものではなくむしろ、相手と共に一喜一憂することそのものが幸せだったりもする。
そのことにみんなが気がつけば、もっと生きやすい世の中になるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年03月14日

容易に答えの出ない事態に耐えることが、能力として「ネガティブ•ケイパビリティ」と命名されていることを初めて知った。

私自身、サッと答えが出せずズルズルと考え続けたり、なかなかできるようにならず時間をかけたり、1+1=2のような分かりやすい回答や説明に違和感をもったりすることがあるが、それはそれで考...続きを読むえようによっては悪いことではないのかなと思った。

ネガティブ•ケイパビリティを論じながら、結果的に「『寛容』と『共感すること』が最も必要」という点に至っているところに、ネガテティブ•ケイパビリティの大切さを感じる。

「シェイクスピアと紫式部」など、途中理解が追いつかないところがあったので星3つとしたが、改めて再読し、理解を深めたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月27日

ポジティブケイパビリティ=分かった、つもりの状態。低い次元で留まり、発展しない。
ネガティブケイパビリティ=どのようにも決められない宙ぶらりんの状態。その居心地の悪さにた得る能力。

医師は、病気が分からない、と告げるよりも、診断名を告げた方が改善率がいい。
鎮痛剤のプラセボは効く。プラセボは、脳内...続きを読む麻薬のエンドルフィンを分泌させることから効果がある。気のせい、のおかげでエンドルフィンが分泌される。ただし、前もって説明を受けて期待していることが前提。プラセボと知っていたら効かない。

瀉血は、一部のうっ血には効いた。ワシントン大統領は咽頭炎に2.5Lの瀉血を行い致命傷になった。
瀉血の有効性を信じていればプラセボ効果が働く。瀉血をしなかった場合との比較をしなかった。

ノセボ効果=プラセボでも副作用が出る。

現代教育がポジティブケイパビリティを助長している。問題解決のための教育。漢文の素読は反対の方法の教育。
世の中は簡単には解決できない問題の方が多い。学校教育では限界があるのはないか。問題解決能力(ポジティブケイパビリティ)だけでなく、解決しなくても持ちこたえる能力(ネガティブケイパビリティ)が必要。

ネガティブケイパビリティが無いところに共感は育たない。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

まだ理解が不十分なので、3の評価にしたものの、折に触れて読んで行きたいと思った1冊。現時点で一番、心に響いたのは「寛容は大きな力は持ちえません。しかし寛容がないところでは、かならずや物事を極端に走らせてしまいます。」というところ。分かりやすさの名のもとに、正解やスピードを求める風潮が強まり、疑問や違...続きを読むう視点を提示しにくい昨今、帚木さんの至言だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

 ネガティブ・ケイパビリティは、すぐに答えを出したいという欲求に抗い、耐え忍ぶ能力とのこと。耐えていれば、光明が見えて来たり、考えが熟成されより良くなる。この能力は、人生につまずいてしまったと「される」不登校や無職の人にとっては、幸せに生きるために必要だと思った。

一方で、ただ耐えるだけという行為...続きを読むは、周りの人間に都合良く使われてしまうこともあると思った。
全員がネガティブ・ケイパビリティを重視するなら、寛容な世の中になると思う。しかし、現状は、それを重視しない人間の方が多い。ネガティブ・ケイパビリティだけを重視するのは、危険に思う。

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Posted by ブクログ 2024年01月21日

答えが出ない、解決できない問題と付き合うために必要な資質や考え方についての本。多様な事例をもとに、ネガティブケイパビリティとは何か、どんな行動が該当するのかといった内容が列挙されている。事例やストーリーが多く、どのように資質を育んでいくべきなのかなど具体的な行動指南が少ないのが残念。

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Posted by ブクログ 2023年12月24日

 前半では、ネガティブ・ケイパビリティの概念を初めて言った(おそらく世界で初めて言い表し且つ書き物が残っている)詩人のキーツが、なぜその概念に至ったかと、キーツの死後にネガティブ・ケイパビリティを取り上げた精神科医ビオンがどうしてネガティブ・ケイパビリティに辿り着き、重要視するようになったかについて...続きを読む、詳細が描かれています。一般的なビジネス書とは異なり、個人の生い立ちや環境などから、個人がどのように生き、どのような考えを持ち、どうしてそこに至ったかが描かれており、表面的な説明・理解ではなく、概念的な深い理解につながる本だと思いました。教養という点でも良いかと思います。
 ただ、単純にネガティブ・ケイパビリティだけの説明・理解をめざすなら、別のビジネス本の方が簡単で良いかもしれません。
 後半は、ネガティブ・ケイパビリティに関係する内容ではありますが、後半自体が、ネガティブ・ケイパビリティを鍛えるかのようでした。

なんとなく精神科や心理学の先生が書いた本だなぁと感じました。(偏見かも。すみません)

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Posted by ブクログ 2023年11月19日

ネガティブケイパビリティとは
分からないものを分からないままにしておく能力のこと。
ついつい私達はわからない物事をすぐに解決しなきゃと思ってしまうけど、
分からない事を分からないままにしておく事で、
より深い解釈や創造を得ることが出来る。
というのは理解したし、面白いと思うけど、
源氏物語とかシェイ...続きを読むクスピアの戯曲のあらすじが
どうネガティブケイパビリティにつながっていくのかがいまいちピンとこなくて、そこが少し残念だった。

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

テレビで紹介されていたのを見て興味を持ち、読みました。

ところどころ面白くなくて読み飛ばしてしまいましたが、そういうことをしているのがネガティブケイパビリティの欠如の証なのかもしれないと思いました。

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

今まで仕事をしていて、わからなさに直面することが多々あり、直感的に「自分がその状況にどれだけ耐えられるか?」が大事なのだろうとは思っていたが、それがネガティブ・ケイパビリティであることを本書を通じて知った。
ただ、自分が耐えようと意識しても、相手が耐えられるとは限らない。耐えるためには寛容さが求めら...続きを読むれる。ウィニコットのホールディングも耐え続けることに違いないが、誰かがそこに一緒にいることに意味がある。目の前の人を何とかしようとして知識等を総動員することを、ビオンは「記憶なく、欲望なく、理解なく」という言葉で戒めている。

もう少し臨床的な内容を期待していたが、どちらかと言えば作家としての筆者の側面が強すぎたように思われる。筆者は森田療法の本も書いているので、次はそちらを手に取ってみたい。

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