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「次こそ当たる! 一発逆転?」。いい加減な予想は、期待を通り越してやがて確信へと変わっていく。そんな時、ヒトの脳ではいったい何が起きているのか。脳内にあふれるドーパミン、二度ともとには戻らない思考回路、ついには薬物中毒よりも深刻な依存状態に……。ギャンブル依存症の患者とその家族の苦しみに、長年向き合ってきた作家にして精神科医が多くの臨床例と最新の知見から解き明かす、恐怖のスパイラル。
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Posted by ブクログ
■ギャンブル症の脳内化学伝達物質 脳内科学伝達物質には、大きく分けて四種類ある。セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミン、オピオイドである。 セトロニンは衝動の制御。 ノルエピネフリンは覚醒と興奮。 ドーパミンは報酬系の制御と行動の維持。 オピオイドは覚醒剤と同様に覚醒の維持に関与している...続きを読む。 ギャンブルという特異な行為の反復によってギャンブル症者の脳内化学伝達物質は大きく均衡が崩れる。 まず、セロトニンの低下が見られ衝動にブレーキがかかりにくくなる。反対にノルエピネフリンとオピオイドは増加する。覚醒と興奮の度合いが強くなり、脳がゆっくり休んでいられなくなる。このときノルエピネフリンは行為を維持する役目もしているので、一旦引き起こされた行為は止めにくくなり、行け行けドンドンになってしまう。さらに極め付きはドーパミンの過剰。 ドーパミンの役割は大きく3つに分類される。第一に新規探求性、第二に意思決定、第三に脳内報酬系。この作用がドーパミンの過剰によりギャンブル症者の行動を著しく変化させる。 ドーパミンは人が行動を起こす際の第一段階に深く関与している。人間の行動は三つの段階で成り立っている。第一が行動の種類の評価と選択、つまり行動の順位付け。第二は選択と実行。第三はセロトニンによる行動の結果の最終評価。このうち、第一段階の行動の選択でドーパミン過剰が判断を狂わせる。何か刺激のあるもの、脳が興奮しやすいような行動を最上位に選んでしまう。 ドーパミンの第三の役割は報酬系の支配。何か行動を起こすとき、人の脳は何らかの報酬を期待する。報酬系の脳内回路の一つが衝動的神経回路。 ■世の中には「一万時間の法則」というものがある。1週間に21時間、10年続けて学習すると、その学習分野で一流の人にいなれるという法則。1週間で21時間ということは1日に3時間。これは10年でおよそ1万時間になる。 ■ドパミン岡城は二つの報酬系(短期報酬系、遠隔報酬系)の均衡を歪め、遠隔報酬系が近接報酬系によってハイジジャックされてしまい、今すぐの報酬が欲しくて行動するしかなくなってしまう。 ■脳内の化学伝達物質の変化によりギャンブル症者の行動特徴は次の四つに絞られる。 ①遠い将来の損失が見込まれても近い将来の利益を求める。 ②刺激を追求してよりリスクのある選択肢を選ぶ。 ③結果の重大性と実現性を適切に評価できない。 ④予想と結果の誤差に関係なく、より刺激のある行動に固執する。
・ギャンブルは危険。脳の仕組みが変わる ・一度脳の仕組みが変われば、復活は難しい ・アルコール依存症と構造は変わらない ・日本政府はやばい。ギャンブルとの癒着強すぎる。
我が国のギャンブル依存症治療の第一人者であり、著名な作家でもある著者の一般向けの本。2004年の新潮選書から出たg「ギャンブル依存とたたかう」でも勉強させていただいたが、20年経ち、コロナ禍も経て、ギャンブル依存症がパチンコからオンラインに代わってきた現在、またIR法ができさらにリスクが高まる情勢の...続きを読む中で、改めて書かれた書で、その新しい知見も含めて書かれており、わかりやすく勉強になる。早速、患者さん及び家族のためにどんどん進めている次第である。治療の工夫でSOGSで小結、大関、横綱と重症度判断をして伝える方などは感心した。最後に自助グループの意味合いについて懇切丁寧に書かれているのは同様の類書にみない良点と思った。
大阪のIRが2030年秋に開業する予定だが、ギャンブル依存は医師もお手上げな病気らしい。 というのも、一旦ギャンブル症になった人の脳は元に戻らない。西洋では「いったんピクルスになったギャンブル脳は、二度と元のキュウリの脳には戻りません。」と表現するらしい。治療や自助グループ活動により、ギャンブルをし...続きを読むない期間を1年、また1年と積み上げていくのが現状。 日本人のギャンブル症有病率は世界3位だというのに、いいのか?
やや過激とも言える表現や下手すれば陰謀論ともとれる内容もありますが、ギャンブル(ひいては依存症)の怖さがはっきりと分かる一冊となっています。ややお仕事の知識から外れるところもありますが、普通に読み物として面白く感じました。依存症は自分でなんとかしようとせず、すぐに病院へ繋ぐことが大事だと感じます。
徹底したギャンブル批判が綴られているのは、当事者やその家族、治療者や自助グループ、対策組織など関係者の考えとして至極当然とも言えるが、その論調が続いたあとでの、回復に向けた取り組みへの距離感と視線という点ではこの書籍ならではという味があった。
このところオンラインカジノが大きな話題となり、その利用者は国内337万人に推計されると報道されました。 私自身、一番くじや宝くじは時々楽しみますが、オンラインカジノの広告なんて目にしたことはありません。損するとわかっているのに、なぜ手を出してしまうのか? そんなことを考えていた矢先に書店で本書を見つ...続きを読むけ、興味深く読みました。 幸いといっていいでしょうが、私の周りに「ギャンブル脳」はいません。 ですので、本書で赤裸々に語られる患者とその家族の地獄の様相には言葉も出ませんでした。 特に、ギャンブルをやめられない息子に悩む母親から「『ギャンブルをやめて』と遺書を書いて私が首を吊ったらやめてくれますか」と質問され、「いいえ、お母様の香典を盗んでギャンブルに行くだけです」と答えたエピソードには背筋が寒くなりました。 アルコールや薬物など体外の物質から依存症状が起きるのと異なり、ギャンブルの場合は行為そのものによって脳内の化学物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランスが崩れるのが原因とのこと。なので、薬物療法がなく、「意思の力」でやめるなどもってのほか、というのが厄介なんだそうです。 中でも興味深かったのが第二章「ギャンブル症になりやすい人、なった人」でした。 遺伝や生育環境による影響もあるものの、どんな人がギャンブルにハマりやすいのか。 かんしゃく持ち、興奮を求めやすい、褒められたことがない――。 こうして列挙される特徴の数々から、ソシャゲのガチャ結果をsnsにアップする人々が浮かんでしまいました。 ”ゲームへの課金”もすっかりハードルが低くなりましたが、お目当てのアイテムが買えるもの以外はギャンブルに他なりません。 周囲との安定した関係が築けなかったり、自らの力で何かを達成したり作り出したことがなかったり。それらの人生を豊かにする経験が乏しい人々にとって、ギャンブルというのはお金の力で易易と成功体験を得られるもの。だからこそ抜け出すのが難しいのかもしれません。 中盤から筆者の思い入れが強すぎて話の脱線が増え、実際の治療経過などがあまり描写されないのは残念ですが、「ギャンブルはうかつに手を出してはいけない」という認識がますます強くなりました。 ギャンブル症は完治することがなく、生涯付き合っていくしかありません。またそのための特効薬もなく、有効だとされるのは自助グループとのこと。 自助グループで自分をさらけ出し、他者を受け入れ、思いやりや寛容といった精神を育んでいくこと。そうした生活を送りながら、「今日もギャンブルをしなかった」日々を積み重ねていくしかないのでしょうね。 未知の、そして知らなくていい世界を教えてくれる、興味深い一冊でした。
僕がスマホゲームの株を買わない理由がコレ。子供の脳に過度な射幸心を刻む犯罪だと思っているから。病的なギャンブルの仕組みはこの一冊でよく分かる。お金、女、ギャンブル、この3つに問題のある人とは関わらないようにしてるけど、帚木先生はこれをフィールドワークにしていると知りホントに凄い人だなとおもう。
アルコールもギャンブルも、この国では身近ですよね。 一度はまると、なかなか抜け出せない怖さ… 人生が破壊されてもはまる威力があるものがいつでも出来ることを考えると頭が痛くなります。
ギャンブル依存症はお金も浪費するし人間関係も悪化するのはわかります。 ですがドーパミンが原因というのは他の依存症と同じなので他の依存症の本と内容が重複している場所が多くあり、あまり目新しい内容は書いていないです。 まぁ今までギャンブルをやったことはありませんが、絶対にこれからもやりたくないとは思いま...続きを読むした。
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