伊東潤のレビュー一覧

  • 天下大乱

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    関ヶ原に至る流れや登場人物それぞれの立場などがすごく分かりやすく書かれていて、これまでいまいち理解できていなかったものがストンと腑に落ちた。
    それにしてもこの物語では人間という生き物の性とその悲しさ愚かしさが描かれ、多くの教訓が示されているように思う。

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    2023年02月23日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    副題の通り、家康と淀殿が交互に語られる。
    時間の経過と共に、湧き上がる感情や揺れ動く感情。家康と淀殿だけでなく、秀頼や秀忠など、周囲の人々も鮮やかに描かれる。
    静謐、誇り。子孫を思う親の気持ち、死に場所を求める思い、など。何を大事にして生きるのかは、人それぞれ違う。

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    2023年01月15日
  • 城を攻める 城を守る

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    城紹介だけにとどまらず、そこで起こった合戦の状況、いかに攻め、いかに守ったか、何度でも読み直したくなる名著だと思う。旅行に行く際にはもう一度、前もって再読してから城めぐりをしたい。

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    2023年01月14日
  • ライトマイファイア<文庫版>

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    日航機よど号ハイジャック事件で世の中が沸騰していたことは朧げに記憶しているもの、実行犯のその後は知ることもなかった。本書の描写はどこまで事実を反映しているのかわからないが、当時の雰囲気を思い出すうえで違和感はない。過去と現在のふたつの事件を行き来する構成は面白いし、結末もお見事。頁を捲るのが楽しく一気に読んだ。著者の他の作品も追ってみたい。

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    2023年01月05日
  • 一睡の夢 家康と淀殿

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    本書を読む前にどうする家康を読んだ。どうするの方は若かりし頃竹千代から家康の名そして徳川の姓になるまで、本書は年老いての家康の世を静謐ならしめる豊臣家との戦いの今までにあまり語られていない話しだ。淀殿や茶々を入れて4人姉妹の血縁関係も含まれ、昔の浪曲を聴いている様だった。良かった!

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    2023年01月03日
  • 天下大乱

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    伊東潤作品の中でも、圧巻の作品!(他に何作も圧巻はあるけれど)

    歴史にifはないけれど、もしも正信が家康と一緒にいたら、もしも立花宗茂が関ヶ原に参戦していたら、もしも本当に秀頼が関ヶ原に参戦できていたら……と考えると、色々考え手を尽くしても、紙一重の戦いだったのだなぁと感じる。

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    2022年11月13日
  • 天下大乱

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    秀吉没後から天下分け目の戦い関ヶ原までの東方西方との心理戦駆引きが細かく語られて楽しく読ませて頂きました。登場人物もよく知る人物が多く関ヶ原の戦さは軽く描いてあるのも良かった。流石伊東 潤作品だ。

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    2022年11月08日
  • 天下大乱

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    面白い。心理戦がいい。司馬遼太郎の関ヶ原も似たような感じですが。司馬遼太郎の方は長く感じて一回読んだらいい。こちらの方は何回読んでもいい

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    2022年11月07日
  • 巨鯨の海

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     『〝クジラ〟強調月間始めました!』7

     第7回は、伊東潤さんの『巨鯨の海』です。
     伊東潤さんは、時代小説を中心に書かれている方です。本書が初読でしたが、和歌山の太地で、江戸時代から独自の組織的捕鯨を行っていた人々と鯨の圧倒的な物語でした。
     臨場感あふれる捕鯨場面の描写が素晴らしく、迫力と緊張感に溢れ、時・潮・風や鯨の動きを読みながらの漁は、鯨の情の豊かさや悲しい運命まで表現される秀逸さです。
     専門用語や方言も多く登場しますが、丁寧な説明があり気になりません。また、太地の人々は、鯨を「夷(えびす)様」と呼び、古くから鯨に対して畏敬と感謝の念をもっています。更に、鯨と命懸けのやりとりをす

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    2022年11月03日
  • 天下大乱

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    「御予約受付中」(=近日発売)という様相で発見し、発注して入手した。そして早速に紐解いて愉しんだ。好かった!
    本作は「関ヶ原合戦」を背景にした時代モノの小説である。
    「関ヶ原合戦」ということになると、物凄く知られている戦いである他方、色々と小説家の想像の翼が羽ばたく余地も多々在るかもしれない出来事であると思う。旧いモノから近年のモノまで、合戦そのもの、合戦の前後のこと等を色々と取り込み、様々な人物を中心視点人物とする小説等の作品が在ったと思う。が、本作はそれらの何れとも「似ているようでいて、全然似ていない」という面白さが在る。
    本作は2人の主要視点人物が設定されている。そして2人の視点による物

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    2022年10月11日
  • 茶聖(上)

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    ■千宗易が信長と出会うところから、千利休となり、秀吉が九州征伐を終えるところまで。
    ■茶の湯を利用する為政者たち、茶の湯を広めたい茶人たちの暗闘を活写。
    ■織田信長の頭の回転の速さ、豊臣秀吉の抜け目なさ、そしてそれに対応する千利休、それぞれが非常にうまく表現されていると思う。
    ■有名な黄金の茶室のところが秀逸。下巻が楽しみ。

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    2022年09月25日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    数多くの歴史小説を読んできましたが、そのほとんどが戦国時代や幕末、明治維新のものであり、この時代(飛鳥時代)は新鮮だった。そして、最高に面白い一冊だった。歴史小説がお好きな方はぜひ読んでみて欲しいと感じるくらいお薦めできます。全体評価が現在3.57とあまり高くないようですが、私は過去にも全体評価の逆をいくことが多いことも補足しておきます。。

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    2022年09月16日
  • 悪左府の女

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    時代を問わず、日本史の事件や人物を小説化する著者だが、本作品で選んだのは保元の乱。政権争いのキーマンが貴族から武士に移るきっかけになった事件として有名だが、戦闘そのものは短期間で片方の圧勝に終わり、見どころは少ない。しかし、著者の手にかかると、人のエゴが渦巻くサプライズあり、エンターテインメントありの大ドラマに。

    主人公は保元の乱の敗者、藤原頼長に密命を与えられて、皇室に送り込まれた女官、栄子。当時は天皇家、藤原家、源氏、平氏、それぞれが一族の主導権争いで一触即発の状態。そんなキナ臭い社会で、女性ができることなんて、たかが知れている。しかし、栄子は女であること、琵琶奏者であること、独特の風貌

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    2022年09月15日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    『商いとは人のしないことをし、人の望む物を望む形で供すること。』
    まずここから始まる。
    河村屋七兵衛自身は、学問や芸術で大成したわけでもなく、抜きんでた技術を身につけていたわけでもない。ひたすら実直に困難に立ち向かうだけ。

    『大計を論ずる者は小費を惜しまず。速きを欲さずしておのずから速き者なり。』
    物事を推し進める奥義ではないだろうか。

    『いつか死ぬその時に、もっとがんばればよかったと思わないために、今出来ることに全力を尽くさねばならない。』
    『人の成功を喜べる者に、商いの神は微笑む。』
    『人なんてものは皆、取るに足らないもんさ。だがな、取るに足らない男ほど何事にも真摯に取り組む。そして成

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    2022年08月30日
  • 平清盛と平家政権 改革者の夢と挫折

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    歴史小説作家の書く歴史書。緻密に研究がまとめられると共に私見も書かれていて(そこから小説が生まれる)、だからこそあのような作品たちが書けるのだなと納得。

    それにしても、清盛の壮年期は本当にキレッキレ✨頭の回転も早く、豪胆・果断な性格で、行動力に富んだ人だったんだろう。これだけ才能があると本人は良いかもしれないが、多くの周りの人々はどう感じていたんだろうと思ってしまう。

    「平家にあらずんば人にあらず」という言葉は、清盛が言った言葉ではないんだねー。

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    2022年08月28日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    主要視点人物が大鳥圭介となっている。幕末から明治の初め、「箱館の戦い」に至る旧幕府系の人達の物語である。
    「箱館の戦い」に身を投じた様々な人達を取上げた小説等は多く在ると思う。色々なモノに触れて来たと思う。そういうモノの作中に大鳥圭介は色々と登場もしている。だが「大鳥圭介」を主要視点人物とした作品は余り記憶が無い。そういう意味でも少し惹かれたのだった。
    本作では、鳥羽伏見の戦いの後に、新政府側に対して抗戦を唱える人達が各々の行動を始めようとしていたような頃から物語が起こっている。
    幕府の中でも「精兵」と呼び得る、当時のもっとも新しい理論に基づく、フランス人顧問団の指導も受けた<伝習隊>は、鳥羽

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    2022年08月26日
  • 修羅の都

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    他の作家は頼朝が落馬と簡単な死を書いて頼朝を暗殺する経緯がないがこの作品は頼朝の耄碌が原因とする説でそこにページを割いている。そして政子の苦悩、北条ではなく、鎌倉幕府を護る事を念頭において尼御台の勤めをこなしている。ドロドロしたのはないので読みやすく楽しく読めた。

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    2022年08月24日
  • 合戦で読む戦国史 歴史を変えた野戦十二番勝負

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    「賢者は理屈で動き、愚者は感情で動く。」人気歴史作家が分析した戦国の合戦十二番勝負。

    幅広い分野の歴史小説で名を馳せる筆者の一冊。小説を支える豊富な知識に基づいた、戦国時代の合戦を最新の知見から分析している。

    本書は陸上自衛隊の隊内誌「修親」という何ともマニアックな雑誌の連載コラム。かなり専門的な読者を想定している。

    特に長篠の戦いの織田信長と、摺上原の戦いの伊達政宗。相手方を自分の仕掛けたトラップ、窮地に引きつける戦術の見事さ。

    近年、関ヶ原の戦いを始め従前の定説を否定する新説が広がりつつある。そんな最新の解釈も踏まえた合戦の解説。
    筆者の小説とはまた違った視点から楽しめます。

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    2022年08月14日
  • 修羅奔る夜

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    今作もハラハラです。焦りや苛立ち、苦悩など。読みながら、一緒に悩みまくる。安堵や達成感なども。本当に、感情、総動員です。

    ちょうどねぶた祭りと同じ頃に読んでいて、読み終わってすぐにYouTubeでアーカイブや中継を見ました。画面越しに見ても、壮大。これに一年、一生を賭けたくなる衝動は、理解出来る。いつか本物を見に行きたい。

    表紙は、今年大賞を取った竹浪さんの作品、らしい。

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    2022年08月11日
  • ライト マイ ファイア

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    読んだ後はしばらく余韻が続きました。
    満足感はかなり得られると思います。
    かなり練られていてすごい話でした。

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    2022年08月06日