伊東潤のレビュー一覧

  • 真実の航跡

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    伊東さんの作品を読んでいると、そこに一緒にいて、共に悩み、苦しみ、迷い、怒り、悲しみなど、様々な感情に襲われる。一作読む事に、自らの感性が研ぎ澄まされ、経験値も上がる。そんな気がする。

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    2020年07月12日
  • 横浜1963<文庫版>

    購入済み

    戦後はまだ終わっていない

    伊東潤氏の現代ものを初めて読んだ。横浜が舞台の警察小説ということで、はじめは
    森詠の「横浜狼犬シリーズ」みたいな作品を想像していたが、全然違っていた。
    伊東氏の文章は読みやすく、また多くの史実を丹念に調査して書かれているものが
    多いので殆どハズレがない。本作はオリンピック直前の横浜で発生する連続女性殺人
    事件を追って、ハーフの日本人警官(ソニー沢田)とアメリカ軍のSP(ショーン坂口)
    が活躍するという筋立てだが、戦後約20年を経過しても日本に駐留を続けるアメリ
    カ軍兵士に、日本人がどのように映っていたのかがよくわかった。そして、その傾向
    はおそらく今も変わっていない。アメリカ人(

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    2020年06月14日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    所謂「北条五代」(早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)の中、二代目の氏綱の頃から、豊臣秀吉との戦いに敗れる五代目の氏直の時代までを背景に6つの挿話で構成されている物語である。
    6つの挿話を通読すると、北条家が勢威を拡大し、関東の覇者となり、そして滅ぼされてしまうまでの経過が視えるのだが、本作はそういう経過を少し変わった視点で描いている。代々の北条家に仕え続けて独特な活動を展開していたという大藤家の人達を主要視点人物に据えて各挿話が綴られているのだ。
    最初の挿話の冒頭は「城をひとつ、お取りすればよろしいか」という台詞で始まる。この『城をひとつ』が最初の挿話の題名であり、同時に本作全般の題名ともなってい

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    2020年05月20日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    河村屋七兵衛(河村瑞賢)の生涯を描いた作品。

    七兵衛の人や仕事に対するスタンスにひたすら感銘をうける。なんといってもその柔軟さがはんぱない。こうありたいものだ。

    漬物屋から漆喰屋、人材派遣、材木問屋という商人として大成をするまでが序章という恐ろしさ。その後明歴の大火をきっかけにとし、江戸のインフラ整備に携わっていく…

    「今、自分が何をすべきかを常に考えていろ」という五郎八の教えが好き。

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    2020年05月14日
  • 決戦!本能寺

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    いやぁー、面白かった!
    お勧めは伊東潤先生、天野純希先生、木下昌輝先生ですね。
    「麒麟が来る」が更に面白くなる1冊です。

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    2020年02月22日
  • 黎明に起つ<文庫版>

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    伊勢新九郎盛時、いわゆる北条早雲を主人公とした物語。

    下剋上の象徴として挙げられているが、名こそ知れども、
    実際にどういう人物だったのかわかっておらず、
    それを少しでも知りたくて、本書を手に取った。

    著者の後北条氏に対する熱量は凄まじく、
    溢れんばかりの慈愛ともいうべき眼差しが随所に滲み出ているが、
    最新の学説をベースにしているということもあってか、
    やはりリアリティがあるように思え、一気呵成に読み通せた。

    福寿応穏、とてもよい言葉だと思う。

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    2020年01月23日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    須田満親というマイナー武将が主人公。

    ただ、これが物語ではとてもうまくハマっていて、
    武田信玄と上杉謙信の激突が第三者の視点でうまく描かれている。

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    2020年01月15日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    初伊東。ブラック企業の経営者、人に教えを説く方々に読んで頂きたい作品。こんな上司の元、働きたいものですね、ホント…(^^;; 「新井白石」名前だけは知ってはいたが、こうして物語として血肉が与えられると歴史上の人物としての白石にも興味が沸き、少し親近感(?)すら感じますね。小説を通して歴史を学ぶ、良いものです。大変良い作品でした!星五つ。

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    2019年12月03日
  • 横浜1963<文庫版>

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    1963年の横浜を舞台にしたミステリー小説。著者本人が当時の横浜を再現することに力を入れたと述べているが、主人公が駆け抜けた地域に住む人間にはたまらない。当時の、匂いや音までも感じられるし、横浜の人々が米国人にどのように接していたかも追体験できる。似たようなバックグランドをもつ二人の混血人の活躍もスリリングで面白い。

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    2019年12月01日
  • 武士の碑

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    西南戦争の村田新八のお話。
    あまり詳しくない人物のため、とても興味深く読めた。
    戦争の記録を相当に読み込んで書いていると思った。明快かつ重厚な近代戦の描写に引き込まれた。
    西郷と村田新八と、西南戦争の意味合いなどなど、心理描写も面白かった。
    これも、西南戦争の西郷についての1つの解釈と思う。
    おすすめ。

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    2019年11月27日
  • 敗者烈伝<文庫版>

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    成功者と同じことをすれば、自分も成功者になれるか。答えは、否、だ。
    失敗した人と同じようなことをしたら、自分も失敗する。
    失敗から学ぶことは多いし、兎角この世は生きにくい。

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    2019年11月24日
  • ライト マイ ファイア

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    「ライト マイ ファイア」(伊東潤)を読んだ。
    これ面白い!もうイッキ読みでした。
    伊東潤、新たなステージに到達!
    1958年生まれの私はあの時代の高揚感も倫理の欠如も無分別さも本当には知らない世代だ。自分のことなので想像はつくが、あと5年早く生まれていたらやばかっただろうな。

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    2019年09月24日
  • 城を噛ませた男

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    「城を噛ませた男」(伊東 潤)を読んだ。
    いいね!
    六つの物語のどれもが見事な書きっぷりな訳で、やっぱり伊東潤氏にハズレなし。
    懐の深さというか引出しの多さというかそういうところがすごい。
    1年くらい前に訪れた関ヶ原古戦場跡は、
    土地の記憶なのか、喚くように強い風が吹いていた。

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    2019年09月24日
  • 修羅の都

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    2022-06-17

    「修羅の都」(伊東 潤)を読んだ。
    約三年ぶりに再読。
    伊東潤氏の"してやったり"という顔が目に浮かぶようだ。
    我々読者はもはや抵抗する術もなくがっちりとハートを鷲掴みにされて、はやる気持ちを抑えつつページを繰るのであった。
    『永井版 政子』も悪くはないのだが、私はこちらに軍配を。

    2019-09-24

    「修羅の都」(伊東 潤)を読んだ。
    透徹した視線で頼朝と政子の生き様を見事に描ききる。
    抑え気味の筆致がクライマックスにおいて一気に極限の高みに駆け上る。
    嗚呼、痺れる!
    これは伊東潤氏の代表作のひとつになるかもしれない。

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    2019年09月24日
  • 横浜1963<文庫版>

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    本作は「米国人の風貌を持つ日本人」(=ソニー沢田)と「日本人の風貌を持つ米国人」(=ショーン坂口)という“境界”に在るような、やや複雑な背景の視点人物達を設定している。そして物語が、「戦後から高度成長の真っただ中へ」、「オリンピックを経て大きく踏み出そうとする前夜」という時代の“境界”という状況下に在る1963年の横浜で展開するのだ。
    “境界”に在るような、やや複雑な背景の視点人物達が、警察官や憲兵という「正義を貫く職分」で「正義を貫きたい」とする強い想いを抱きながら、「色々な事情」の下で苦闘する、“境界”を蠢くというような感もした物語だ。全般として、各々の社会で「やや異質?」な者達が自身と社

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    2019年07月19日
  • 野望の憑依者(よりまし)

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    ネタバレ

    鎌倉時代の終焉から建武の新政、南北朝、室町幕府が勃興するあたりの時代には疎く、この作品の主人公「高師直」も名前ぐらいしか知らなかったが…。伊東潤の筆のおかげもあるんだろうが、思ってたよりずっとオモロい小説だった。
    高師直といえば、名前しか知らない俺でも、日本史の中では名だたる悪役だと知ってるくらいのワル。主人公に持ってくる人物がシブいよなぁ。

    彼には「実力主義で野心と栄達に強欲」という一本まっすぐな信念が貫かれている。そのためには既得権益や情やそんなものは一切無用、皆が仲良く平和に暮らす世界などクソくらえだと豪語する。いやーワルい、潔い。ワルの信念を貫き、主君足利尊氏に天下をとらせるため東奔

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    2019年07月14日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    伊東潤さんの作品は、読み手を「そこ」に連れていってくれる。目に見えるものや聞こえてくるもの、感じられるもの。そして、人物たちの心情までも。
    ページをめくる手が、止まらない。

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    2019年06月16日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    ネタバレ

    甲斐の武田と、北信の勢力による支援要請を入れた越後との争いである川中島合戦を詳しく描く作品である。主要視点人物は、信濃出身で上杉家に仕えるようになる人物をモデルにしている。
    本作は「合戦の場面」が非常に多い。殊に「最大の激戦」と伝えられる“第4回”の戦いの辺りは凄い…
    何か…欲深き者に欲無き者の平穏がかき乱されるというようなことがあって、それに抗うという、作中の越後・信濃陣営が掲げる“正義”というようなモノに共感を覚える面も在る…

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    2019年06月11日
  • 城を攻める 城を守る

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    実際に戦闘の舞台となった城について、図とともに解説。あとがきにもあるとおり、作家さんが内容にこだわって書かれた逸品。図が秀逸すぎる。それぞれの城に行く前に再読したい。

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    2019年05月08日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺といえば明智光秀。時代小説を読んでいて様々な説に出会ってきましたが更に濃い物語集でした。光秀の後ろからどれだけ沢山の糸が引かれていたのか。千利休黒幕説が面白かったです。信長はあれね、もう少し人の心をね・・・と言っても詮無いことですね。

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    2019年04月25日