伊東潤のレビュー一覧

  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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     本のタイトル「鋼鉄の城塞」の名の通り、戦艦大和は、まさに鉄でできたお城。日本の造船技術の総力を結集して造り上げた最強の戦艦でした。
     しかし、昭和20年4月7日14時23分、沖縄海上特攻作戦の途上、坊ノ岬沖で米軍戦闘機の激しい爆撃を受け、海に沈みました。前途ある三千人余の若者たちの夢や希望とともに・・・
     この本は、大和を作る技師たちにスポットをあてて描かれています。CGもAIもない時代に、数cmの誤差も許されない現場の技術者たちの努力・能力に、驚くばかりでした。主人公の占部健はじめ多くは架空の人物が中心ですが、山本五十六など実在の人物も登場しました。そして、占部健を慕う池田武邦(実在の人物

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    2025年10月30日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    ネタバレ

    【鋼鉄の城塞】 伊東 潤 著

     戦艦「大和」の建造ストーリーで、ほぼ一気読みコースでした。『戦艦大和ノ最期』やレイテ海戦などは多数出版されていますが、大和建造の物語はあまりないのではないでしょうか(と、思ったら、巻末の「参考文献」には結構あげられていました)。

     著者は本当によく調べていて、戦艦の建造、特に大和のように極秘レベルでの建造が如何に難しく大変なことかがよくわかりました。「ワシントン条約~ロンドン条約」で戦艦の数が制限されるなか、ひとつの戦艦の装備を如何に充実させて対抗するかの苦闘が書かれています。

     前半は技術者としての苦闘を、後半ではロマンス、ミステリーを織り交ぜての進行(

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    2025年09月08日
  • 鋼鉄の城塞 ヤマトブジシンスイス

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    戦後80年に、「大和」を読む。
    平和とは何か、仕事とは何か、人生とは何か。考えさせられた。
    圧巻の500ページ。難しい単語もあるけれど、伊東さんの作品ならさくさく読める。

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    2025年08月14日
  • 決戦!大坂城

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    ネタバレ

    決戦シリーズは、作家ごとのさまざまな解釈を楽しみながら、複数の視点から戦いを立体的に見ることができる良企画。
    大阪城では、「日ノ本一の兵」のラストに情緒を掻き乱された。また、「黄金児」にせよ「男が立たぬ」にせよ、淀殿の陰に隠れて見過ごしがちな秀頼という人間に焦点を当てているのがとても良い。一方、その強烈な母君である淀殿に新しいイメージを与えてくれるのが「鳳凰記」。
    シリーズの他の編も楽しみになる。

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    2025年08月03日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    父が残した秘伝書を抱え、加藤清正のもとで難攻不落の城造りに挑む藤九郎の一代記。

    「城とは、戦をせぬための道具だ」
    鬼と呼ばれた清正の、「戦は嫌いだ」という本音と、そのために堅固な城を築くのだという意思が、この一言に凝縮されている。

    無理と分かっていながら無理難題を提示する清正と、無理と思いながらも無理とは言わずその期待に全力で応えようとする藤九郎。藤九郎を慕い信頼して支えていこうとする人々。それぞれが熱く尊い。

    随所に惜しみなく描き込まれる築城のノウハウがまたとても興味深く、読み進めながらも知りたい!調べたい!と、探究欲が刺激される。

    今すぐ『城めぐり』に出発したくなる一冊。

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    2025年07月08日
  • 義烈千秋 天狗党西へ

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    あまりにも切ない物語。
    見てきたように語れる著者の作品の中でにあっても、際立つ白眉だ。

    「愚挙」「捨て石」といわれる水戸天狗党の挙兵。
    悲惨すぎる末路へと、物語は冷酷に進んでいく。
    しかしたとえ結果的に愚かな行為だったとしても、そこには生きている人たちがいて、信頼関係を築き、見えない未来に向けて熱い想いを燃やしていたのだ。

    著者はそれぞれの思惑を、またそれぞれにやむにやまれぬ背景を、丁寧に説いていく。したがい読み手は、登場人物たちとの信頼関係に巻き込まれてしまう。

    何度、この本を中途で閉じたことだろう。
    未来を知るとは、これほどつらいものなのか。

    できれば、彼らが幸せな段階で時が止まっ

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    2025年06月08日
  • 国を蹴った男 上

    購入済み

    歴史小説漫画

    この漫画家さんの作品は、18禁も含め好きなので、かくも歴史小説漫画に手を出すとは!ってなノリで、課金しました。
    ユーメー漫画家さんの歴史漫画参入、最近よく見るもので、この先生の描く今川氏真も女顔で良く雰囲気出ている。今回は歴史小説の大家さんの作品のコミカライズだったけど、今度はオリジナル作品も期待したいな~。

    #深い #感動する

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    2025年04月26日
  • 威風堂々(下)-明治佐賀風雲録<文庫版>

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    幕末を佐賀藩を主体にして読んだのは初めてで、新鮮だった。確かに薩長土肥と言われるが、なぜここに佐賀藩が入っていたのか、それを学ぶことができた。
    なかなか表舞台に出てこずとも、大きな志を持ち、世の中を見つめながら自分はどう進むべきか思案し、行動し、力をつけていった八太郎の姿はまさに伏龍であり、見習いたいと感じた。

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    2025年04月10日
  • 茶聖【電子特典付】

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    わからない言葉が頻繁に出てきて説明もなく進むので
    そういう所にこだわる人にはおすすめ出来ない
    とくに茶器や作法関係の一般に使わない言葉は要注意
    辞書ですかと思うこの圧倒的なボリュームに
    最初は戸惑いまた始めはあまり面白くない
    しかし
    信長が死んでからの秀吉との心の合戦になると
    途端にペースが変化
    めくらざるえない感覚になる
    金の茶室の利休の見解や山上宗ニや丿貫との関係など
    本当に面白い作品
    超絶おすすめ本
    菊池雄星も激推ししてる本

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    2025年03月22日
  • 茶聖【電子特典付】

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    信長、秀吉の影として、政治や武士社会において茶の湯を使って様々な利害調整をした男、千利休。当時茶の湯が無事にとってなくてはならない存在であったことが理解できた。茶の湯は、荒ぶる武士の心を鎮めるとともに、茶道具の価値を高めて富を得るために信長によって利用された。利休の立ち振る舞いや、秀吉との駆け引きなど、当時も今も相手の数手先を読むことの難しさや、武士社会の理不尽さをまじまじと感じさせられた。

    個人的に面白いと感じたのは、利休と丿貫(へちかん)、前者は世のためにあらゆることを犠牲にし、後者は茶の湯そのものを極めることを生きがいにした男、対極のような人生だが、どちらの生き方が幸せだったのか、その

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    2025年03月15日
  • 夢燈籠-野望の満州

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    今までいろいろと伊東潤作品を読んできたが、本作は過去一と言ってもいいくらい面白かった。もう読み始めた最初から、あ、これは相当面白いと感じながら読み進めることができた。

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    2025年03月07日
  • 天地震撼

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    信玄と家康の心理に丁寧に寄り添いながら、三方ヶ原の戦いを中心に描かれている。
    信玄の病との葛藤、家康の置かれた状態や立場への逡巡など、共に経験しているようだった。勝頼の心理描写も、上手い!

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    2025年03月02日
  • 夢燈籠-野望の満州

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    読み応えのある一冊だった!著者の作品は何時も期待を裏切らない!明治から大正昭和と生きた留吉の人生、その頃の目まぐるしく変化する時代を生きた人間の波乱万丈に満ちた話は実に面白い!父がよくポンチ絵とか言っていたしナミちゃんたらギッチョンチョンデパイノパイノパイなんて歌っていたのを思い出した。

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    2025年01月21日
  • 巨鯨の海

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    過去の山田風太郎賞受賞作を読んでおり、その中で出会った本。すごい!!!江戸~明治時代の捕鯨を題材にした短編集。巨大な鯨とのかけひき。鯨をえびす様と呼び、鯨の命をいただき人々を養ってくれているという敬いの気持ち。血なまぐさい描写は命をいただいていることを真っ正面から描いている。そして明治時代へ。最後の話は鳥肌がたった。

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    2024年07月10日
  • 北条五代 下

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    ネタバレ

    代々受け継いできた家訓を守ろうとしつつも、時代の流れに翻弄されていく北条家の姿がとても引き込まれた。
    最終的には秀吉に降伏することになったが、最後まで家訓を貫き通した姿は、爽快感さえ感じた。

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    2024年06月22日
  • 天下大乱

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    秀吉の死の前後から、関ヶ原の終結までの物語。秀吉から家康に権力が移行している流れ。それに抗おうとする西軍の諸将。どちらにつくか日和見を決め込む大名も少ない中、虚々実々の駆け引きが行われる。強いものが勝つわけでもないし、頭が良い人、誠実な人、忠義に溢れた人が生き残るわけでもない。駆け引き、騙し合い、天下を取るのも、取った後も、人って本当に面倒ということがよくよくわかる。

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    2024年06月13日
  • 天地雷動

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    私の好きな作家の初期の作品で、大変面白く読めた。ここ最近の作品に薄れてきたと感じられていた物語りの躍動感や緻密な舞台構成など、この頃はこのような中身の濃い作品を送り出していたんだなぁと感じた。

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    2024年06月09日
  • 天下大乱

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    面白かったです!話が進んでいく中、毛利輝元と、徳川家康の二人の視線から描かれた物語。どちらかと言うと毛利輝元側の視点の方が面白かったです。関ヶ原の戦いが始まる前が主に書かれていたけど、お互いに色々な仕掛けや作戦などを考えていて、やはり関ヶ原の戦いは他の戦いと違ってスケールが大きいんだと実感しました。【小5】

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    2024年03月31日
  • 北条五代 上

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    ネタバレ

    北条家の歴代当主が、偉大な父親と自分の才覚との差に苦悩しつつ、いかにすれば領民たちの為となる政治を行えるのかや、自身の秀でた面で難局を乗り切ろうとする場面がとても良かった。

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    2024年03月17日
  • 北条五代 下

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    結末が分かっているだけに、終焉に向かう氏直が痛々しい。それにしても、北条さん、、、氏って名前に付けすぎ!途中家系図に何度も戻った、、、

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    2024年02月20日