伊東潤のレビュー一覧
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タイトルは「城を噛ませた男」だけど、短編集なので
ここの感想とかそうゆう類のものを書こうかな、と。
見えすぎた物見…
小さい集落である佐野家。そんな佐野家の筆頭家老である宝衍の話。
当時の各勢力に、のらりくらりと応対しているのに対してお家を守るという義の塊なのではないかと。
外様大名として生き残った佐野家だけども、この物見の仕事が出来過ぎる感が遺恨の原因となり
結果的にお家取り潰しという何とも皮肉な話。
宝衍の頑張りも確かによくわかるが、何でも頑張りすぎちゃいかんな…とか。
鯨のくる城…
北条家の傘下である伊豆国雲見の海での戦い話。
鯨漁を主に生活している長、高橋丹波守のとんちにもに似た実 -
Posted by ブクログ
信玄亡き後の甲州武田家の棟梁となった勝頼だが、長篠で信長と家康の連合軍に破れたことにより、勢力が弱まる。しかしそれだけが原因で武田家は滅亡へとむかったわけではない。
長篠後の武田家は増大する信長の勢力に対抗するために、南関東を支配する北条家から桂姫を輿入れさせ、同盟を結ぼうとする。
嫁入り後の桂姫は二心なく一貫して両家の繁栄を祈り行動するが、勝頼の側近・釣閑の策謀により、武田家と北条家の関係は悪化する。金山の枯渇により軍資金の不足が深刻になったと判断した釣閑は北条家領内にある金鉱脈を狙ったのだ。
武田家が無敵を誇れた一因は潤沢な軍資金にあったが、それも金山があってのこと。武将 -
Posted by ブクログ
ネタバレ満州を舞台にした歴史小説家と思いましたが、
明治、大正、昭和、平成を生きた男の大河小説の第一部ということでした。
本巻は主人公が生まれてから、出生の秘密を知り、関東大震災や筑豊炭田を経験し、
張作霖爆殺事件に絡んで大陸で失踪した兄を捜しに新聞記者になって大陸に渡り、
石原莞爾と知り合い、兄をかくまった匪賊とも知り合い、満州での石油発掘に邁進して、
石原の失脚とともに夢破れるところまででした。
満州が絡むので石原莞爾と知り合うのはわかりますが、
草野心平や中原中也や長谷川泰子と知り合ったりするのは驚きで、
子供の三島由紀夫や若き横田英樹が出てくることから、今後も政治だけでなく文学や経済も絡んでく