伊東潤のレビュー一覧

  • ライト マイ ファイア

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    歴史小説でない伊東潤氏の小説。
    2015年に川崎で起きた簡易宿泊所火災と1970年に発生したよど号事件をモチーフにした作品で、70年の学生運動の熱狂と、現代での事件サスペンスが交互に展開し、読み応え充分。
    いやあ、歴史小説でなくても、いけるんですね。

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    2020年12月08日
  • 茶聖【電子特典付】

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    正当な歴史物という感じ。

    視点も千利休一点、順を追って丁寧にかかれた印象。

    ただ、私が豊臣秀吉をあまり好きでないので読んでいてどうしても楽しみきれないっていう、もうただの個人的理由ですが、そんな気持ちを漂わせながらよみました

    2020.11.21
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    2020年11月21日
  • 天地雷動

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    作者らしい精緻で細かい史実に沿った描写に最初は読み進めづらかったが長篠の合戦に近づくにつれて加速していった。創作性の強い歴史物が多い中、本作は正面から長篠前後の武田、織田、徳川を描いた正統小説。一人称が10pくらいで転々としていく形式であるが、秀吉の場面が非常に興味深かった。長篠が銃の戦い方を変えたという史実を知っているだけに、どうやってそこに向かっていくのだろうかという思いで手が動いた。

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    2020年11月14日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    自らに課せられた役割を必死にこなす。自分ではまだまだと思いながら、必死に努力する。その姿は、周りの人々が見ている。人々は徐々に心を動かされ、助けてくれるようになる。到底無理そうだったことも、成し遂げられていく。人の力って、凄い!

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    2020年10月25日
  • 茶聖【電子特典付】

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    私が授業で習ったときの千利休て、もっとしたたかで策士だった記憶があるのだけど、凛としてて、一本気なとこがあるんだなーと興味深かった。

    後半に入り、秀吉との関係性が変わってゆく様、秀吉との間の取り方。流石最後のフィクサーと言われるだけあるわね。

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    2020年10月16日
  • 維新と戦った男 大鳥圭介(新潮文庫)

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    明治維新は、大好きな歴史の一場面だが、今までは、薩長側ばかりだった。幕府側にも人物は、仰山いた。慶喜と勝海舟がなんとかしていたらもう少し違う展開だったのでは。しかし、旗本の体たらくをみれば、薩長の付け入るすきは、たくさんあった。

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    2020年09月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    千利休の見方が変わる一冊。
    実際のところは勿論誰にも分からない。イメージ通り、時の権力者に擦り寄り思うがままに操り、裏で権力と財力を恣にした俗人だったかも知れない。
    だがこの作品での利休は、茶の湯で『この世に静謐をもたらそうとした』、そのことに生涯とその生命をかけた人物として描かれている。

    茶の湯が武人たちの『荒ぶる心を鎮める』という考え方が興味深かった。
    信長はそれまで土地であった恩賞を茶の湯の名器であったり、茶の湯を開く資格を与えることであったりに変えた。
    そして秀吉は利休と共に更に飛躍して茶の湯を天皇・公家から庶民まで世の中隅々にまで行き渡らせた。
    そして利休は秀吉の心を戦から茶の湯へと繋ぎ止めるため、様々な趣向を次々と生み出していった。
    信長や秀吉は『己以外のものに野心や欲心を抱かせまいとし』て茶の湯を利用したが、己自身は『欲心』を鎮められなかった。特に秀吉は敢えて止めなかった。

    秀吉と利休の関係にヒビが入った一つのきっかけとして黄金の茶室があると勝手に思っていた。利休が追求する侘びの世界とは真逆にある黄金の茶室は、私からみればあまりに露悪的でしかないのだが、そこに利休は秀吉の真の狙いを知る。
    勿論これもまた作家さんなりの解釈であって実際のところは分からない。でももしそうだとしたらこれまた秀吉の見方も変わって面白い。

    一介の茶人に収まらない、戦を止めるためならどんな交渉も裏工作もやっている利休は、私から見ればやりすぎにしか思えない。だが武人には出来ない、利休にしか出来ない戦いだったのだろう。
    これもまたこれまでの見方を覆すところで、利休の掌でうまいこと転がされていたように思っていた秀吉が、この作品では利休と常に闘っている。
    止まらない己の欲と、止めようとする利休との闘いの連続は緊迫するばかりで、これではいつ破綻が来ても仕方ないと思う。
    だから津田宗及も今井宗久も秀吉から『降りた』。だが利休は降りない。
    山上宗二のように徹底的に楯突いて果てることもしない。
    利休は秀吉と『共に断崖から身を投げる』道を選んだのだ。

    茶の湯を利用した信長も秀吉もその権勢はあっという間に過ぎ去った。そして同じく茶の湯を政治の道具として使った徳川家康を始めとする江戸の時代もとっくに終わり、近代、現代に至った。
    だが千利休を祖とする千家はいまだ繁栄している。何と皮肉なことか。まさに利休が死の直前に感じた予感の通りだ。

    近頃は文化人や芸能人が政治の世界に近づくことは悪とされ、逆に政治と距離を置き権力に物申すことこそ格好いいとされる風潮がある。勿論それが一概に間違いだとは思わない。
    だが千利休のこの半生を読んで、彼が茶人としてだけでよりは何倍も濃い人生を送り、自分のためだけではない大きなもののためにその人生を捧げた傑出した人物だったと思う。
    実際のところはわからないが、ただ一つ言えること、彼はその生命と引き換えに茶の湯を守ったのだ。

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    2020年08月04日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    ネタバレ

    河村瑞賢の物語でイメージが明確でなかった
    東廻り航路の開発とか教科書で習っていても
    意味わかりません(原野の開発と違うからね)
    堀田稲葉の江戸城内暗殺事件も上手く描かれ
    やはり作家さんの物語内の心理描写はうまい
    甘利にも聖人君子に描かれているのは別にし
    て、現在の企業と異なり商人は世の中から生
    かしてもらってる感謝の気持ちが必要なのか
    大概社会貢献的な行動を行っている
    江戸初期のインフラ作りを独りで請け負う運
    命が今見ると奇妙であるが事実は重いものだ

    さて、角倉了以にはどんな物語があるのかな

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    2020年07月25日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    少し前に読んだ同じ時代の、同じ人物を取り巻く話を別の角度からアプローチした物語だ。
    フィクションではあるが別の作者が書いた作品を読むと、面白さの深みが増す感じだ。
    この様な読み方も良いと思った。
    歴史物をいくつか読んでいくと人間物語であり、伝えられている程に単純な話では無いと思ってくる。
    面白い。

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    2020年05月26日
  • ライト マイ ファイア

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    伊東潤さんによるよど号ハイジャック事件をモチーフにした骨太警察小説。1970年代のハイジャック事件をめぐる実行犯の中に公安警察官がスパイとして潜り込んでいたというストーリー。現代パートと1970年代パートが交互に進み、物語が進むにつれて現代で起きた簡易宿泊所放火事件と1970年代のハイジャック事件が結びついていく。1970年代パートは日本だけでなく、さまざまな国々で展開するので、(スパイということがバレるのかバレないのかも含め)最後まで緊張感MAXで読むことができた。

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    2020年05月05日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    河村屋七兵衛(河村瑞賢)の携わった数多くのプロジェクトをまとめた内容だが、それぞれの事業で優秀な助太刀を的確に見つけ出して、彼らと心を通じてお互いに仕事を完遂させる手腕は素晴らしい.冒頭の木材調達での山村三郎九郎、東北の米の輸送での武者惣右衛門、西廻り航路の開発での船大工清九郎、大阪平野の河川改修での甚兵衛、銀山の開発での粂八や宗甫などなど.苦労を跳ね除けて事業を完成させる馬力には感心する.凄い人物だ.

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    2020年04月28日
  • 修羅の都

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    源頼朝、なぜ3代で血筋は絶える事となったのか。平清盛しかり、豊臣秀吉しかり。
    武士の府を夢見ていた漢が、いつのまにか、自らの血縁の世を夢見てしまう。自分の兄弟、一族を討ち果たし、ついには、滅びてしまう。

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    2020年04月20日
  • 巨鯨の海

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    正直言うとこれは「読まされた」本。強制されたから仕方なく読んだ本。分厚いし元ネタも雰囲気も男臭いし、最初は本気で読みたくなかった。なんなら2/3くらいまで読み進めても(今この本取り上げられても別に気にしないな〜)なんて思ってた。でも、気が付いたら夢中になってこの本を読む時間が少し楽しみになってた。想像もつかない捕鯨の様子を細かく描写していて、舟のようにいるような臨場感、鯨が眼前にいると錯覚させる迫力が文字通り文字だけで表現されている。すごい。こんな文章書けるようになりたい。そう思った。
    私が好きな話は(本が手元にないので題名は分かりませんが…)鯨の脂だかなんか高価な部位を盗んだとかどうとかの話と捕鯨が衰退しつつある頃に海上で遭難した話。

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    2020年04月07日
  • 走狗<文庫版>

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    ☆☆☆2020年3月☆☆☆


    走狗。川路利良の生涯を表すのに、悲劇的だがふさわしいタイトルだと思う。幕末から明治にかけての陰謀を川路の視点から見る作品。
    フィクションを交えながらも、あの時代はこんな感じだったのかな、と思う。川路は、西郷・大久保に引き立てられて「出世したい」という野心に駆り立てられ、命がけで戦う。

    P334~335を境目に、川路の性格がガラっと変わるのに驚きを隠せない。フランスで、元シークレット・オフィスの人間と会い、話すことで私心を捨て国家のために「鬼」となることを決意するようだ。
    そのため、大恩人である西郷を倒すことを決意。それを大久保にけしかける。その後の川路は本当に恐ろしい。「正義」の名のもと、手段を択ばないような人間になっていく。

    フィクションだろうが、伊藤博文が大久保暗殺の黒幕というのは驚きだ。確かに、伊藤博文にとって、大久保の死は好都合だったのかもしれない。

    川路は最終的には時代の「走狗」だった。
    「狡兎死して走狗煮らる」という故事を持ち出すまでもない。彼もまた時代の流れに翻弄されて人物の一人だった。

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    2020年03月29日
  • 国を蹴った男

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    国など要らぬ。欲しいのは.......
    欲しいものは、人それぞれ違う。本当に人を突き動かすものは、もっと目に見えないもの、なのかもしれない。

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    2020年03月20日
  • 真実の航跡

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    2020.02.09
    B、C級戦犯法廷について初めて読んだ本だ。五十嵐中将と鮫島弁護士の戦いから日本が今の日本へと繋がったように感じる。「復讐や報復からは何も生まれない。それでは大国にはなれない」そこに今の国際社会におけるそれぞれの国の評価が見て取れる気がする。
    しかし、何故か「鮫島」という名前が気になって仕方ない•••。

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    2020年02月09日
  • 野望の憑依者(よりまし)

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    「野望に取りつかれた者は、いつか野望に滅ぼされる」高師直

    巻末の縄田一男との対談も面白い。司馬遼太郎や吉村英治や童門冬二など、様々な歴史小説家もいるが、時代が違えば求められるもの作家が伝えたいことも変わる。伊東さんの伝えたいことに、これからも耳を傾けていこうと思う。

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    2020年02月02日
  • 真実の航跡

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    責任の所在を曖昧にし、押し付けあい。今の組織の中にもあるのでは。その中で良心ともがく日々です。 そして、戦争というものが如何に過酷なものか、、、。

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    2020年01月10日
  • ライト マイ ファイア

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    実際に起きた2つの事件がモデルで、綿密に取材をした結果なのか、もしかしたら事件の真相はこれだったのかもと思わせるようなリアリティがある。

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    2019年11月22日
  • 城を噛ませた男

    ネタバレ 購入済み

    最初の僧侶の話はあっちこっち寝返りがすごくてその節操の無さに笑ってしまった。処刑された末弟の方がかっこよかったね。内心では弟のこと馬鹿にして自分が賢いみたいに思ってたみたいだけど、そんな賢くもないと思うんだけど。鯨捕りの人の話はあんまり気負わない人の方が強いってことかな?自分のやり方で一矢報いたからな、羽柴軍に。猪俣って人は1回、卑怯者の真田昌幸に騙されてるくせに、なんでまたそいつのこと信じるかね?アホかと思いました。椿の話は彦蔵は怪しいと思ったけど、市左衛門は分からなかった。

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    2019年11月20日