伊東潤のレビュー一覧

  • 琉球警察【電子特典付】

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    方言を取り込んでみても、沖縄出身の作家に比べるとどうしても頭で書いている感じがしてしまうが、瀬長亀次郎の本土復帰運動や、その背景にある米国軍政下の沖縄の人々の虐げられた状況など丁寧に書き込まれている。

    いろいろと綺麗ごとを並べたところで、本土返還まで差別意識丸出しに圧政を続けたことは間違いなく、その流れは現在にも繋がっている。

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    2021年09月28日
  • 男たちの船出~千石船佐渡海峡突破~

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    命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子! が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!! 男たちの船は海に勝てるのか!? 感動必至──魂を込めた渾身の長編時代小説。

    船大工の親子が千石船作りに挑む歴史長編。『巨鯨の海』に続き伊東作品の2冊目。中盤までは巨鯨の海の方が面白かったなぁと残念に思っていたが、最後まで読んでみたら凄くいい本だと感じました。最近、涙腺が弱くなっているせいもあるのかわからないけど、思わずウルッとくるシーンが何度もあり。人情、親子の絆、健気な恋心。海洋ロマンもたっぷり詰まっています。 ストーリー進行のテンポがとてもいいです。楽に読書できるので息抜きに最適。

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    2021年09月19日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    人物の実在性すら確証の取りづらい時代について、当時の東アジア情勢や氏族間の勢力関係などに基づいて、納得感のあるストーリーで史実がつなぎ合わされていて、面白かった。著者の作品としては初めて読んだが、他にも歴史小説の作品があるようなので、これからぜひ読んでみたい。

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    2021年09月17日
  • 茶聖【電子特典付】

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    伊東潤さんが、これで直木賞を取る!と思っていました。何で?

    日本の戦国時代、お茶葉をひく石臼が火薬製造に使われた、とか、恩賞を土地から茶道具にした、とか、現実的に茶が使われていた認識でした。
    愛、平和の為のお茶だったとは!



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    2021年08月17日
  • 琉球警察【電子特典付】

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    ネタバレ

    伊東潤氏の作品は史実を徹底的に調査されている。実在する瀬長亀次郎氏も登場し、占領下から返還に向けた沖縄における人々の心情や、想いだけではどうにもならない事実との葛藤などを交え、沖縄人としての誇りを伝えてくださっている作品でした。

    コロナ禍で行くことが憚られるが、日本わ代表するリゾート地の一つ沖縄。

    第二次世界大戦で米軍の占領下にあったとは知っているが、生まれた時には既に返還されており、教科書レベルの情報しか持ち合わせていない不勉強を恥じた。

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    2021年08月14日
  • 茶聖【電子特典付】

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    読みごたえあり、かなり時間がかかったが面白かった。

    隠居を選ばず、世の静謐といえ大義のために生きる。一つの生き方とそのための立ち回り方を感じた。

    後半からのりきとのやり取りグッと来る。

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    2021年08月08日
  • 武田家滅亡

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    素晴らしい。武田家滅亡を武田勝頼を中心にして、ここまで仕上げたのは見事としか言いようがない。
    偉大なる父武田信玄をもち、本来継ぐはずてなかった武田家を率いる事になった勝頼の苦悩、裏切り、愛情が心に染み入ります。
    最後に、あそこまで家臣に裏切られてしまった勝頼の悲劇を思わずにはいれません。

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    2021年08月02日
  • 武士の碑

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     熊本地震から間も無い7月の梅雨明け頃に、熊本市街から植木まで路線バスで移動、植木から徒歩で田原坂へ向かったことがあります。曇り空のなか、移動中の高低差は無く、田原坂を突破されると熊本城まで遮るものが無いため、加藤清正が北の要衝と定めた地勢を足で実感しました。
     その後、大河ドラマ「西郷どん」の放送も決まり、西郷隆盛に関連する本を読み耽りました。しかし小説はそれが面白いほど史実が分からなくなるので、愛読の「翔ぶが如く」を除いて読まないことにしていました。
     
     もうそろそろ良いかと思い、遅ればせながら本書を手にしました。史料が少ないため謎多き人物である「村田新八」を主人公とした西南戦争を舞台と

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    2021年07月31日
  • 修羅の都

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    源頼朝が自我を失っていく様は、生々しく悲しい。
    そして北条政子、義時、源頼家、そして比企能員や梶原景時など取り巻く人々の思惑など、鎌倉幕府の過渡期の危うさを、ドラマティックに描いている。

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    2021年07月21日
  • 修羅の都<文庫版>

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    義経討伐から頼家政権交代まで。
    吾妻鏡の隙間を縫った、秀逸な創作だった。
    これで来年の大河困らない(笑)
    なによりも頼朝を中心とした人間関係のあれこれが政治的に描かれてたのが分かり易かった。

    平清盛にしろ、頼朝にしろ、織田信長にしろ、豊臣秀吉にしろ、若い頃にブイブイ言わせてた政治家は早いうちに隠居した方が良いね。歴史から全く学ばない所はそこなんだよな、と思いつつ、興味深く読みました。

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    2021年07月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    城取りを主人公に加藤清正のかっこよさも描かれてて面白いんだけど、なんかクライマックスがない感じ。築城の技術的な話が難しくて理解できなかったからかも。

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    2021年06月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    ネタバレ

    熊本城を築城する話しかと思って読んだら
    清正の城取の藤九郎の半生を描いた小説だった。

    若輩の上司が周りに認められるにはどうすれば良いか、
    上司の無茶振りにどのように答えていくか。
    最初は父親が記した秘伝書から答えを見つけていたが、後半にはそれを踏まえ自分の今までの経験から答えを導き出していった藤九郎に感動した。

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    2021年06月13日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    6~7世紀を描いた時代小説が少ないのは史実を裏付ける史料が少ないためと思料する。著者は今までにないぐらい大胆に大王や王子、蘇我・物部の大臣等を生臭く・人間臭く描き、作品の評価としては真っ二つに割れることは十分承知の上で上梓されたと思うが、私は是の方に与したい。私もこの時代の知識は教科書レベルしか知らないので史実云々は置いておくとして、この時代を生き、国を治めた為政者に親近感を抱かせることは十分貢献できる作品。歴史的評価はおいても、蘇我馬子や推古天皇、厩戸王子の人間臭さはとても興味深く面白く読ませてもらった。

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    2021年06月06日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

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    後北条氏や関東公方が描かれた東国の話は初めてで、興味深く読んだ。東国の城がたくさん出てきたが、いつか訪ねてみたい。

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    2021年05月29日
  • 巨鯨の海

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    昨今有名になった太地の捕鯨。太地の人間側の制度説明も、捕鯨の方法も説明しつつ、大多数が見たことのない捕鯨シーンを描かないといけないのだから、これを小説形式でやったのは凄い。
    太地の生き様が浮かんできて、現地に行ってみたくなった。最後の事故は実話がもとになってるのだな、、、。

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    2021年05月25日
  • 横浜1963<文庫版>

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    面白かった。東京オリンピック前年、戦後日本の加速する復興の波を受ける当時の横浜。まぶしくてそして闇も深い当時の横浜にタイムスリップした気持ちになれた。
    1963年、事件は戦後の日米関係、人種差別、宗教、などの問題が絡みつつエキゾチックな横浜を中心に展開される。アンタッチャブルな部分の多い事件=壁に向かい、白人との混血児である日本の警察官ソニー沢田と日系米軍人ショーン坂口という、それぞれの国でマイノリティ、アウトサイダーである二人が、お互いに共感を抱きながら地道に捜査をすすめていく様はカッコいいの一言。

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    2021年05月23日
  • 江戸を造った男<文庫版>

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    江戸時代の商人ながら治水、灌漑、鉱山採掘などの大型プロジェクトを主導した河村屋七兵衛の物語。その目覚ましい活躍は今の時代からは想像を絶するものだったのだろう。小説としてはやや武勇伝すぎる、また歴史の文献的な感じもあるが、それが七兵衛の姿を現しているのかもしれない。

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    2021年05月22日
  • 修羅の都

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    ネタバレ

    鎌倉殿の13人に登場しそうな人物を予習するために読んだ。この小説の主役は、北条義時(政子の妹・小栗旬)・北条政子(頼朝の妻・小池栄子)・源頼朝(大泉洋)の3人。前半は鎌倉幕府の基礎を固めるためにじゃまになる者を親族だろうと権謀術数で殺し続ける3人のトライアングルがえがかれているのに対し、後半は容赦なく痴呆が始まった頼朝の奇行が容赦なく描写されてる。痴呆の描写が余りにながいのでもっと縮めてほしかった半面、だからこそ最後に頼朝が選んだ行動がぐっと心を打った。頼朝の兄弟殺しは容赦ないです。が頼朝の子どもはみな北条政子が死ぬよりも早く亡くなってしまうというのも、鎌倉幕府は誰のために創設されたのか、非常

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    2021年05月06日
  • 西郷の首

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    本作の主人公の一人は西南戦争で西郷隆盛の首を発見した軍人・千田文次郎。もう一人の主人公は大久保利通暗殺事件の実行犯・島田一郎。この二人がかつて親友同士だったというのはなかなか面白いですね。主人公たちの関係が西郷・大久保の関係と重ね合わせて物語が進むあたりは、確かに目の付け所がいいなと思いました。個人的にはこの時代に起こった多くの事件をさらっとトレースしすぎている印象が強く、主人公たちの影が相対的に薄くなったきらいがあるのと、例えば見せ場の一つだと思っていた西南戦争のクライマックスなんかも結構あっさり流されていた点なんかがいまひとつ物足りなく感じ、星一つ下げさせていただきました。バランスをどうす

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    2021年05月03日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    山岸凉子さんのコミック『日出づる処の天子』にハマった者としては堪らない作品だった。
    あちらは厩戸皇子(聖徳太子)が政治的工作活動から汚れ仕事までを裏で行い、大王という飾り物ではなく摂政(=執政者)という実を取るために強かに立ち回るまでを描く話だったが、こちらは蘇我馬子が主役。

    当時としては新しい宗教である仏教を日本に取り入れ、仏教で国を束ね一つにしていくことを理想とし、そのために時に手を血で汚しながらも邁進していく。

    日本古来の神道を掲げ、仏教を国教とすることに猛反対する物部守屋を始めとする一派との戦い。
    その一派が担ぎ上げる穴穂部皇子の排除。
    即位した途端に強硬な姿勢で蘇我一族と対抗する

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    2021年04月30日