伊東潤のレビュー一覧
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命懸けで千石船造りに挑む船大工の父子! が、海は凄まじい力でその挑戦を打ち砕く!! 男たちの船は海に勝てるのか!? 感動必至──魂を込めた渾身の長編時代小説。
船大工の親子が千石船作りに挑む歴史長編。『巨鯨の海』に続き伊東作品の2冊目。中盤までは巨鯨の海の方が面白かったなぁと残念に思っていたが、最後まで読んでみたら凄くいい本だと感じました。最近、涙腺が弱くなっているせいもあるのかわからないけど、思わずウルッとくるシーンが何度もあり。人情、親子の絆、健気な恋心。海洋ロマンもたっぷり詰まっています。 ストーリー進行のテンポがとてもいいです。楽に読書できるので息抜きに最適。 -
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熊本地震から間も無い7月の梅雨明け頃に、熊本市街から植木まで路線バスで移動、植木から徒歩で田原坂へ向かったことがあります。曇り空のなか、移動中の高低差は無く、田原坂を突破されると熊本城まで遮るものが無いため、加藤清正が北の要衝と定めた地勢を足で実感しました。
その後、大河ドラマ「西郷どん」の放送も決まり、西郷隆盛に関連する本を読み耽りました。しかし小説はそれが面白いほど史実が分からなくなるので、愛読の「翔ぶが如く」を除いて読まないことにしていました。
もうそろそろ良いかと思い、遅ればせながら本書を手にしました。史料が少ないため謎多き人物である「村田新八」を主人公とした西南戦争を舞台と -
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ネタバレ鎌倉殿の13人に登場しそうな人物を予習するために読んだ。この小説の主役は、北条義時(政子の妹・小栗旬)・北条政子(頼朝の妻・小池栄子)・源頼朝(大泉洋)の3人。前半は鎌倉幕府の基礎を固めるためにじゃまになる者を親族だろうと権謀術数で殺し続ける3人のトライアングルがえがかれているのに対し、後半は容赦なく痴呆が始まった頼朝の奇行が容赦なく描写されてる。痴呆の描写が余りにながいのでもっと縮めてほしかった半面、だからこそ最後に頼朝が選んだ行動がぐっと心を打った。頼朝の兄弟殺しは容赦ないです。が頼朝の子どもはみな北条政子が死ぬよりも早く亡くなってしまうというのも、鎌倉幕府は誰のために創設されたのか、非常
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本作の主人公の一人は西南戦争で西郷隆盛の首を発見した軍人・千田文次郎。もう一人の主人公は大久保利通暗殺事件の実行犯・島田一郎。この二人がかつて親友同士だったというのはなかなか面白いですね。主人公たちの関係が西郷・大久保の関係と重ね合わせて物語が進むあたりは、確かに目の付け所がいいなと思いました。個人的にはこの時代に起こった多くの事件をさらっとトレースしすぎている印象が強く、主人公たちの影が相対的に薄くなったきらいがあるのと、例えば見せ場の一つだと思っていた西南戦争のクライマックスなんかも結構あっさり流されていた点なんかがいまひとつ物足りなく感じ、星一つ下げさせていただきました。バランスをどうす
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山岸凉子さんのコミック『日出づる処の天子』にハマった者としては堪らない作品だった。
あちらは厩戸皇子(聖徳太子)が政治的工作活動から汚れ仕事までを裏で行い、大王という飾り物ではなく摂政(=執政者)という実を取るために強かに立ち回るまでを描く話だったが、こちらは蘇我馬子が主役。
当時としては新しい宗教である仏教を日本に取り入れ、仏教で国を束ね一つにしていくことを理想とし、そのために時に手を血で汚しながらも邁進していく。
日本古来の神道を掲げ、仏教を国教とすることに猛反対する物部守屋を始めとする一派との戦い。
その一派が担ぎ上げる穴穂部皇子の排除。
即位した途端に強硬な姿勢で蘇我一族と対抗する