伊東潤のレビュー一覧

  • 修羅の都<文庫版>

    Posted by ブクログ

    義経討伐から頼家政権交代まで。
    吾妻鏡の隙間を縫った、秀逸な創作だった。
    これで来年の大河困らない(笑)
    なによりも頼朝を中心とした人間関係のあれこれが政治的に描かれてたのが分かり易かった。

    平清盛にしろ、頼朝にしろ、織田信長にしろ、豊臣秀吉にしろ、若い頃にブイブイ言わせてた政治家は早いうちに隠居した方が良いね。歴史から全く学ばない所はそこなんだよな、と思いつつ、興味深く読みました。

    0
    2021年07月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    城取りを主人公に加藤清正のかっこよさも描かれてて面白いんだけど、なんかクライマックスがない感じ。築城の技術的な話が難しくて理解できなかったからかも。

    0
    2021年06月19日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    熊本城を築城する話しかと思って読んだら
    清正の城取の藤九郎の半生を描いた小説だった。

    若輩の上司が周りに認められるにはどうすれば良いか、
    上司の無茶振りにどのように答えていくか。
    最初は父親が記した秘伝書から答えを見つけていたが、後半にはそれを踏まえ自分の今までの経験から答えを導き出していった藤九郎に感動した。

    0
    2021年06月13日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    6~7世紀を描いた時代小説が少ないのは史実を裏付ける史料が少ないためと思料する。著者は今までにないぐらい大胆に大王や王子、蘇我・物部の大臣等を生臭く・人間臭く描き、作品の評価としては真っ二つに割れることは十分承知の上で上梓されたと思うが、私は是の方に与したい。私もこの時代の知識は教科書レベルしか知らないので史実云々は置いておくとして、この時代を生き、国を治めた為政者に親近感を抱かせることは十分貢献できる作品。歴史的評価はおいても、蘇我馬子や推古天皇、厩戸王子の人間臭さはとても興味深く面白く読ませてもらった。

    0
    2021年06月06日
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    後北条氏や関東公方が描かれた東国の話は初めてで、興味深く読んだ。東国の城がたくさん出てきたが、いつか訪ねてみたい。

    0
    2021年05月29日
  • 巨鯨の海

    Posted by ブクログ

    昨今有名になった太地の捕鯨。太地の人間側の制度説明も、捕鯨の方法も説明しつつ、大多数が見たことのない捕鯨シーンを描かないといけないのだから、これを小説形式でやったのは凄い。
    太地の生き様が浮かんできて、現地に行ってみたくなった。最後の事故は実話がもとになってるのだな、、、。

    0
    2021年05月25日
  • 横浜1963<文庫版>

    Posted by ブクログ

    面白かった。東京オリンピック前年、戦後日本の加速する復興の波を受ける当時の横浜。まぶしくてそして闇も深い当時の横浜にタイムスリップした気持ちになれた。
    1963年、事件は戦後の日米関係、人種差別、宗教、などの問題が絡みつつエキゾチックな横浜を中心に展開される。アンタッチャブルな部分の多い事件=壁に向かい、白人との混血児である日本の警察官ソニー沢田と日系米軍人ショーン坂口という、それぞれの国でマイノリティ、アウトサイダーである二人が、お互いに共感を抱きながら地道に捜査をすすめていく様はカッコいいの一言。

    0
    2021年05月23日
  • 江戸を造った男<文庫版>

    Posted by ブクログ

    江戸時代の商人ながら治水、灌漑、鉱山採掘などの大型プロジェクトを主導した河村屋七兵衛の物語。その目覚ましい活躍は今の時代からは想像を絶するものだったのだろう。小説としてはやや武勇伝すぎる、また歴史の文献的な感じもあるが、それが七兵衛の姿を現しているのかもしれない。

    0
    2021年05月22日
  • 修羅の都

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    鎌倉殿の13人に登場しそうな人物を予習するために読んだ。この小説の主役は、北条義時(政子の妹・小栗旬)・北条政子(頼朝の妻・小池栄子)・源頼朝(大泉洋)の3人。前半は鎌倉幕府の基礎を固めるためにじゃまになる者を親族だろうと権謀術数で殺し続ける3人のトライアングルがえがかれているのに対し、後半は容赦なく痴呆が始まった頼朝の奇行が容赦なく描写されてる。痴呆の描写が余りにながいのでもっと縮めてほしかった半面、だからこそ最後に頼朝が選んだ行動がぐっと心を打った。頼朝の兄弟殺しは容赦ないです。が頼朝の子どもはみな北条政子が死ぬよりも早く亡くなってしまうというのも、鎌倉幕府は誰のために創設されたのか、非常に象徴的でもあります。北条家が成り代わった理由として、義時の明瞭ぶりが際立ちます。
     大河ドラマに登場してるこの役者はこんなに早くリタイアして死ぬのか、あの役者はこのときに死ぬのか、勿体ない起用だなと事前にわかってしまうんだけど、似た名前の登場人物が非常に多いので、大河ドラマ平清盛と同様、人物予習はしておくべきです。貴族社会と武家社会のお互いが覇権を握り切れてないという点では平安末期と非常に似てるので。

    0
    2021年05月06日
  • 西郷の首

    Posted by ブクログ

    本作の主人公の一人は西南戦争で西郷隆盛の首を発見した軍人・千田文次郎。もう一人の主人公は大久保利通暗殺事件の実行犯・島田一郎。この二人がかつて親友同士だったというのはなかなか面白いですね。主人公たちの関係が西郷・大久保の関係と重ね合わせて物語が進むあたりは、確かに目の付け所がいいなと思いました。個人的にはこの時代に起こった多くの事件をさらっとトレースしすぎている印象が強く、主人公たちの影が相対的に薄くなったきらいがあるのと、例えば見せ場の一つだと思っていた西南戦争のクライマックスなんかも結構あっさり流されていた点なんかがいまひとつ物足りなく感じ、星一つ下げさせていただきました。バランスをどうするかの問題なのですが、もう少し全体を刈り込むか、逆に思い切ってこの3倍ぐらいの長さにしても良かったんじゃないかなと思います。

    0
    2021年05月03日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    山岸凉子さんのコミック『日出づる処の天子』にハマった者としては堪らない作品だった。
    あちらは厩戸皇子(聖徳太子)が政治的工作活動から汚れ仕事までを裏で行い、大王という飾り物ではなく摂政(=執政者)という実を取るために強かに立ち回るまでを描く話だったが、こちらは蘇我馬子が主役。

    当時としては新しい宗教である仏教を日本に取り入れ、仏教で国を束ね一つにしていくことを理想とし、そのために時に手を血で汚しながらも邁進していく。

    日本古来の神道を掲げ、仏教を国教とすることに猛反対する物部守屋を始めとする一派との戦い。
    その一派が担ぎ上げる穴穂部皇子の排除。
    即位した途端に強硬な姿勢で蘇我一族と対抗する崇峻天皇の排除。
    そして馬子のやりたかったことを次々実現させていく厩戸皇子との確執。

    偉大な父・稲目の遺言に従い、最初は自信のなかった馬子が国と一族の繁栄のため、時に恋愛関係のある女性と別れても時に人を殺してでも突き進んでいく姿は彼の覚悟と信念を感じさせた。
    特に額田部女王(後の推古天皇)との関係は新たな視点で面白かった。

    権力が集中すれば周囲の人々からの嫉妬と非難を買い、権力が分散すれば決断と実行が進まない。難しいバランスだ。

    『この国と王家、そして仏教を守っていくことが、わが一族の使命だ』

    その使命のためならとどんな汚れ仕事も、人を陥れることもやってきた馬子だが、晩年に振り返るシーンがある。殺生を禁ずる仏教を繁栄させるために殺生を行ってきた馬子や額田部は万寿国(極楽浄土)に行けるのか。

    厩戸皇子と馬子の息子・蝦夷が予想以上に強かで面白かった。ダークな厩戸皇子に出会うのは『日出づる処の天子』以来ではないだろうか。しかしあちらでは毛人(蝦夷)と厩戸皇子との決別は描かれていたものの、そこからどう山背大兄皇子排除に繋がるのかが想像できなかった。
    一方この作品では蘇我一族と厩戸皇子とは共存の余地がないように描かれていたために、さらに後の乙巳の変までの流れまでが自然に想像できた。それも厩戸皇子の呪いが出てくるなんて、ちょっと『日出づる処の天子』に通じるところもあってニヤリとする。

    国と仏教の繁栄への道に背くものを排除してきた馬子が、国と仏教の繁栄という理想を同じくし次々実現していく厩戸皇子にも反抗心を抱く理由が面白い。馬子は大王を補佐し支える立場にありながら、国を造り覇王であることに拘った男でもあった。結局は厩戸皇子と蘇我一族は共に生きることは出来なかったということか。
    逆に馬子の長男・善徳が僧として文字通り仏に身を捧げる姿は地味ながら馬子・蝦夷親子と対照的で印象に残った。

    最近の研究で推古天皇は伝わっている以上に政治力があったという説もあるようだが、この作品での額田部女王もこれはこれで良かった。

    蘇我一族は入鹿の代で歴史から姿を消すが、稲目から四代にかけて守ってきた仏教や仏教と共に入ってきた様々な文化はその後も栄えていくことになる。

    0
    2021年04月30日
  • 北条氏康 関東に王道楽土を築いた男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    関東の騒乱は初耳戦国武将が多くて読むのが大変
    少しずつ学ぶ
    初代伊勢宗瑞1456~1519 
    1487備中所領を処分 駿河に人生を賭ける31歳
    1500小田原城攻略
    1516三浦一族滅亡へ(相模国領有)
    此処までしか知らない(´・ω・`)
    二代北条氏綱1487~1541 33才領土を倍にした
    三代北条氏康1515~1571 27歳 臆病→豪の者
    1566最大版図
    著者が一番描きたかった人物(人格含めベタ褒め)
    業績メモ書き
    ・税制改革で安定財源(Winwin)
    ・諸役賦課を平等にする行勢力(検地・所領役帳)
    ・民の声を吸い上げる目安箱
    ・民主的裁判制度(評定衆と奉行人体制)
    ・城郭都市(総構えで囲む)
    ・民も守る意思(総構で囲む)
    ・分国統治方式(郡代・代官の不正防止)
    ・防衛網構築(支城ネットワーク)
    ・撰銭令(貨幣政策)
    ・陸運の充実と河川舟運の整備
    ・職人の地位向上と支配体制組み入れ
    ・年貢の納法や枡の統一
    ・商業船航行の安全確保(水軍強化)

    著者は北条氏への思い入れが強く、振り向きざまに織田信長に切りかかる(悪口をちょくちょく入れるww)
    しかも少し古いパターンの信長像なのは悪意だろう(爆)
    配下の武将に足元を巣食われたのだから強弁するのもナニですが、三代目の最大版図は一人で成し遂げました
    古いシステムに依存もしましたが、従来無かった形で部下を『配下大名』と成し天下人になったのも評価してほしいなぁ(´・ω・`)

    0
    2021年04月05日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    仏教国家を造ろうと奮闘した蘇我馬子の小説。
    読み進めながら、馬子と一体化した。共に権勢の頂に上り詰め、排除し、老い衰え、この世を去っていく。天寿国の末席に行けただろうか。

    伊東さんの読者を登場人物にグッと感情移入させるというか、一体化させる筆致は本当に素晴らしい。これは『修羅の都』の頼朝や政子の時もそうだった。今回は特に馬子と額田部。共に苦悩し、感情を押し殺し、嫉妬し、時にハッとさせられた。

    しかし、人によって一概には言えないが、遺言とは人を縛るものであり(稲目→馬子)、子どもに親の思いはなかなか伝わらない(馬子→入鹿)ものであるなぁ。

    0
    2021年03月28日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    国を守り、そして仏教を守るため、蘇我馬子と額田部こと推古天皇は、あらゆる手を尽くす。
    蘇我氏が四代にわたり守り抜いた仏教は、大和国の隅々にまで浸透し、日本は仏教国として栄えていく事になる。
    今まで遠い世界であった歴史がこの本により、私たちの手元にきたように感じます。ドラマティックな展開で飽きさせない。是非いろいろな方に読んでいただきたい。

    0
    2021年03月15日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    『城取り』
    城を取り立てる際の選地から縄張りと事前準備、さらに実際の普請(土木工事)と作事(建築工事)全般を指揮する統括者。

    本能寺の変にて、明智光秀が織田信長を倒し安土城に迫る。主人公の木村藤九郎秀範の父木村次郎左衛門忠範が緊急事態と城に馳せ参じるも、親方を失い我先にと逃げ出す輩ばかりで、守ることもできず…

    城造りの極意書を引き継ぐも、逃れた先でその日暮らしであった藤九郎が、加藤家の仕官試験を経て肥後国へ。

    肥沃な大地を守り、農民たちが安んじて農事に励めるようにすれば一揆は起こらないと、治水、街道整備、商いの振興から取り組むべきと言う加藤清正公は、勇猛果敢な武将と言うイメージが強かったが、大いに裏切られる。

    まずは治水からであるが、自分より年上、経験者を使う立場に。あからさまな邪魔する訳ではないが協力しない。でも期日は迫る。どうするか?
    動かない人を変えてもらうなんて方法もあるが、何とか解決策を見つけようと悩み抜く点などは、今の時代も変わらず参考になる。

    真摯に取り組む姿勢を周りは評価し、更に大きな事に取り組む事が出来、そこでも新たな課題にぶつかりそれを解決することで更に成長する。
    結果だけ見ると簡単そうだが、その間の努力の大変さ、諦めずに続ける事の大切さがわかる。

    城とは、戦をせぬための道具である。
    この想いを強く持ち、大局的に見ておられた加藤清正公。
    いい意味で大きく裏切られる物語であり、人として成長する為の方法も指南してくれる素晴らしい作品でした。

    0
    2021年03月13日
  • 修羅の都

    Posted by ブクログ

    来年の大河の予習、2冊目です。
    この本は読む前、特に期待してなかったのですが、予想以上に面白かったです。
    初めて読む作家さんですが、文章が上手かったですね。

    前回読んだ永井路子の本より北条義時の登場場面が多かったですし、頼朝が段々老化でぼけていくんですが、その様子が刻銘でリアルで良かったです。
    北条義時に関しても彼特有のずる賢いところが上手く描けてたと思います。

    2冊読んだので予習としてはもういいかな。
    あとは伊東潤さんの本は千利休の本が評価高いので今度読んでみようと思います。

    0
    2021年02月27日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    武力により天下を目指す戦国時代に、茶の湯の力によって天下を治めようとする千利休。天下には二巨頭は成り立たず、最期は秀吉に疎まれて退けられる。確か、黒田官兵衛もそれを悟って、策士の力を出し惜しみして若くして第一線から外れたと聞く。世の中はそういうものなのだと痛感した。

    0
    2026年01月18日
  • 江戸を造った男

    Posted by ブクログ

    河村瑞賢。まさに江戸時代の日本を造り上げた偉人。東回り航路、西回り航路などの海運の基礎を構築、さらに治水工事や銀山採掘などにも貢献し、初期の江戸時代の経済の根幹を支えたと言っても過言ではない。
    本当にこんなすごい人がいたという事に驚きました。
    商人ではあるが、目先の小利にはこだわらず、万民のために働き、巨万の富を築きあげた。為政者ではなく、商人であるが、巨万の富でさらに新たな事業をてがけ、結果として人々を潤していった。
    この生き方が素晴らしい。

    0
    2021年01月04日
  • 国を蹴った男

    Posted by ブクログ

    戦国時代を舞台に、それぞれの信念を持って生きた人達の物語。自分は、茶人宗二の話が面白かった。天下人にも恐れず筋を通したところは爽快

    0
    2020年12月26日
  • 茶聖【電子特典付】

    Posted by ブクログ

    個人的にはいわゆる歴史小説の作家の中では当代一と思っている人の利休ものとあれば手に取らざるを得まい、という感じで。歴史ものだと最近はあまり人が取り上げないニッチな人物や時代を取り上げる人が多い印象でこの作者も初期は後北条家ものが多かった気がするがここに来てかなり骨太にいわば手垢のついた人物を取り上げられているように思う。利休なんかもそうで特にその死にざまが異様なだけにいろんな解釈の作品がある中で果たしてどんなふうに描いているのかという興味があったのだが...いやもう流石ですという他ないですね、史実はこうだったのでは、とすら思わせられた。革命的な天才である信長が武士の世の次を見越していわば文化で世を統べようと思い立ったその推進役として、また信長の思想をいわば丸パクリした秀吉の別の顔として活躍し自らの理想に殉じた男としての利休を見事に描いている。見事でした。面白かった。

    0
    2020年12月13日