伊東潤のレビュー一覧

  • ライトマイファイア<文庫版>

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    80年代生まれの私にとって、60〜70年代の学生運動やよど号ハイジャック事件(作中では<さど号>扱い)は史実の出来事という以上の認識を持てなかったが、高度経済成長期という当時の時代背景を元に、無謀な乗っ取り計画がなぜ成功し得たのかという仮説を打ち立てる今作を読み、漸くその一端に触れられた気がする。600頁近い大作だが、過去と現在が交錯するスリリングな展開に惹き込まれ、思わず一気読み。広げた風呂敷を畳み切れなかったのか、最後は物足りない幕引きだけれど、現政権(単公本刊行当時)に対する警鐘をひしひしと感じる。

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    2021年10月13日
  • 敗者烈伝<文庫版>

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    ネタバレ

    思いつきで動き回って自滅した小才子
    この評が我が意を得たりで満足です(´▽`)
    バランスを欠いている人は敗者になるのか?
    個人的には藤原仲麻呂あたりも欲しかった

    戦いに敗れた25人
    (大久保利光は暴漢に暗殺)
    戦には負けたけど政府に雇われた
    榎本武揚や大鳥圭介も場違い

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    2021年09月14日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    物部守屋や崇峻天皇たち排除される側の扱いが酷いので、彼らのことが好きな人が読むには心構えが必要。
    かといって蘇我マンセーしたい人向けか?と問われればそうでもないような…

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    2021年09月05日
  • 覇王の神殿 日本を造った男・蘇我馬子【電子特典付】

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    少し前に訪れた馬子の墓とされる石舞台古墳につられて手に取った。

    1500年近くも昔の事で史料もあまりないだろうから、人間関係などはほぼ作者の創作と思われるが、天皇(大王、おおきみ)の権威が確立されていたこと、当時最新の思想かつ知識であった仏教による立国を実現しようとしていたことは確かだろう。

    舞台が奈良近辺に限定されるため、国史の物語でありつつ地方豪族レベルの話にみえてしまうがやむを得ない。

    プロローグで大化の改新で勢力図は変わっても馬子が築いた国のあり方は変わらないとあったが、それは十分に回収されていないように思う。

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    2021年08月15日
  • 走狗

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    西郷隆盛を暗殺しようとした男、郷土に刃を向けた男として長く裏切りものとして見られていた川路利良。
    写真をみるとなるほど冷徹な感じはしますね。人間としてどうかとは思いますし、友達にはなれないと思いますが、維新には、また明治の新時代を作り上げるには、必要な偉人である事に間違いはないでしょう。
    薩摩の身分の低い準士分で生まれながらも、波乱の生涯であった。必死に生き抜いた事は確か。

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    2021年08月12日
  • 横浜1963<文庫版>

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    タイトルとおり1963年の横浜が舞台の連続殺人事件
    容疑者は米軍ということで圧力もあり捜査も思うようにいかない
    主人公の捜査官はハーフということでその思いも語られる
    流れはまぁ普通かなと感じました

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    2021年08月08日
  • 黒南風の海 「文禄・慶長の役」異聞

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    佐屋嘉兵衛と金宦、やがて立場が逆になってしまうが、それぞれが戦争集結に向けて尽力する。ラスト、特に嘉兵衛の選択はこれで良かったのだろうか、と考えさられてしまった。

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    2021年08月01日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    利休の半生(秀吉以降)を描いた作品。
    実際に政局にどの程度までか関わっていたかわからないが興味深かった。
    茶の湯(茶道)についてはあまり知らないが、作品中で利休が思い描いていたような静謐をもたらすものとして現代ではあまり活用されていない。
    確かにこういうことなどで心を整えることは大事かもしれない。

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    2021年04月23日
  • 敗者烈伝<文庫版>

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    「歴史は勝者が作る」という言葉があるが、本来その「勝者」になる素質があったにも関わらず「敗者」になってしまった人物の原因について書かれており、とても読み応えがあった。

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    2021年04月04日
  • 西郷の首

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    ネタバレ

    西郷の首を発見
    大久保卿を暗殺

    この二人は無二の親友であり、幕末に右往左往
    している間に没落していった加賀藩の物語
    島田一男の名は途中で思い出したが安重根に比
    べてマイナーかもしれない
    本書は明治御一新に乗り遅れた状況が悲しいぐ
    らい克明に描かれている

    「西郷ノ首ナキヲ以テ、登文ニ探索ヲ命ゼラル」
    「探索ヲナシタルニ、果シテ門脇ノ小溝ニ埋メ
    アルヲ発見シ、登文、首ヲ齎シテ、浄光明寺ニ到
    リ山県(有朋)参軍、曾我(祐準)少将ニ呈ス」
    本書の主役の一人千田文次郎が発見した時の様子

    でも昭和50年に鹿児島市の松平墓地で、鉄鍋に
    入っている頭骨を発見と言う処から「西郷どん」
    の首発見とか新聞ネタ

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    2021年03月17日
  • 修羅の都<文庫版>

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    武士の府を守りたい思いと、頼朝への愛・想いで股裂になる政子の苦悩を軸に、鎌倉初期の権力闘争を描く好著。

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    2021年02月19日
  • 茶聖【電子特典付】

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    千利休は単なる芸術家ではなかった。信長、秀吉に仕え、茶の湯を通し、茶室での狭い空間で、秀吉とまさに自らの命をかけて、世の中を静謐に導くべく生き抜いた。
    利休らの茶人達の果たした役割は、本当に大きいものであった。現代での単純な文化的側面に留まらず、殺し合いを続ける武将達への、当時の人間の少ない良心だったのかもしれない。

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    2021年02月08日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    千利休の茶人人生を描く歴史小説。

    先に出版された「天下人の茶」で他者から描かれた千利休と豊臣秀吉の関係と茶事に対する姿勢を千利休本人視点でさらに深掘りしていると思います。
    「天下人の茶」を読んでいたので新しい発見はありませんでしたが、本人に語らせることでより明確に茶事と政との関係性とその将来展望がわかりました。
    漫画の「へうげもの」で知った丿貫の存在も大きく、嫡男紹安も詳しく描かれていて面白かったです。
    巻末の茶道具説明も勉強になりました。

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    2021年01月10日
  • 走狗<文庫版>

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    最下層の武士ながら
    強烈な上昇志向で討幕、維新を生き抜き
    日本初の警視総監まで上り詰めた男、川路利良。

    敬愛する西郷隆盛すら裏切り、国家のために、自ら狗となった男の一生を描いた作品。

    幕末は、幕府側が主人公の小説は何冊か読んだが
    新政府側からの視点は新鮮。
    歴史の教科書に出てくる名前のオンパレードで
    あらためて激動の時代だったのだなぁと。

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    2021年01月09日
  • 決戦!本能寺

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    緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。

    この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。

    以下は気になったポイントです。

    ・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)

    ・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称され

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    2020年12月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    信長、秀吉の生涯と軌を一にしているので、主要な出来事を押さえるだけでもこのページ数になるのだろう。

    裏の実力者感が前面に出ている分、利休の人間的な苦悩などは感じ取れない。

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    2020年12月29日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    秀吉と利休の物語。通説などから大きな逸脱はない。
    秀吉の人物像、利休との関係性、利休の目的、秀吉の原動力、関係の破綻、死の理由、、
    秀吉は自分がどこまでいけるかという欲望に突き動かされる。
    利休は静謐を目的に行動する。キリスト教には反発、茶の湯への影響は描かず。
    表と裏、武を鎮める茶の湯。
    秀吉は茶の湯に興味を失う。能へ。
    互いが互いを必要とした関係が破綻、納得ずくの死。
    それがありきで死の理由がつくられた。
    意趣返しの切腹。

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    2020年12月21日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺に関わる人の話ではあるけど、なんか距離が遠い。もっと、本能寺そのものを色んな視点から描くと面白いと思う。

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    2020年12月14日
  • 西郷の首

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    明治維新は、華やかな一面もあるが、この大きな歴史のうねりに飲み込まれ大変な苦労をした人々がいたという事も忘れてはいけないと思った。

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    2020年12月08日
  • 武田家滅亡

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    強過ぎた大将

    武田勝頼
    歴史的には評価され難い存在である武将。
    が、実際には武田信玄存命中を超える最大版図を築いた非凡な大将であった。
    この武将の魅力はなんと言っても軍事の才能。
    妾腹ということもあり、順当に行けば家督を継ぐことなく、諏訪衆を束ねる戦闘集団の旗頭かつ有力一門として名を轟かせたことと思う。
    家督を継承しないとなれば気安く前線での戦いに身を置くことも出来、戦功著しい猛将となったはずである。
    しかし、歴史の流れは勝頼を武田家陣代としてしまう。

    先代の負の遺産を背負ったまま、家臣の軋轢が多い家を切り盛りしなければならない環境。
    更に周囲を強力な大名に囲まれ、政治力が必要とされる場面での人材不足。

    #切ない

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    2023年06月04日