伊東潤のレビュー一覧

  • 決戦!本能寺

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    緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。

    この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。

    以下は気になったポイントです。

    ・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)

    ・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称され

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    2020年12月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    信長、秀吉の生涯と軌を一にしているので、主要な出来事を押さえるだけでもこのページ数になるのだろう。

    裏の実力者感が前面に出ている分、利休の人間的な苦悩などは感じ取れない。

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    2020年12月29日
  • 茶聖【電子特典付】

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    ネタバレ

    秀吉と利休の物語。通説などから大きな逸脱はない。
    秀吉の人物像、利休との関係性、利休の目的、秀吉の原動力、関係の破綻、死の理由、、
    秀吉は自分がどこまでいけるかという欲望に突き動かされる。
    利休は静謐を目的に行動する。キリスト教には反発、茶の湯への影響は描かず。
    表と裏、武を鎮める茶の湯。
    秀吉は茶の湯に興味を失う。能へ。
    互いが互いを必要とした関係が破綻、納得ずくの死。
    それがありきで死の理由がつくられた。
    意趣返しの切腹。

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    2020年12月21日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺に関わる人の話ではあるけど、なんか距離が遠い。もっと、本能寺そのものを色んな視点から描くと面白いと思う。

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    2020年12月14日
  • 西郷の首

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    明治維新は、華やかな一面もあるが、この大きな歴史のうねりに飲み込まれ大変な苦労をした人々がいたという事も忘れてはいけないと思った。

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    2020年12月08日
  • 武田家滅亡

    ネタバレ 購入済み

    強過ぎた大将

    武田勝頼
    歴史的には評価され難い存在である武将。
    が、実際には武田信玄存命中を超える最大版図を築いた非凡な大将であった。
    この武将の魅力はなんと言っても軍事の才能。
    妾腹ということもあり、順当に行けば家督を継ぐことなく、諏訪衆を束ねる戦闘集団の旗頭かつ有力一門として名を轟かせたことと思う。
    家督を継承しないとなれば気安く前線での戦いに身を置くことも出来、戦功著しい猛将となったはずである。
    しかし、歴史の流れは勝頼を武田家陣代としてしまう。

    先代の負の遺産を背負ったまま、家臣の軋轢が多い家を切り盛りしなければならない環境。
    更に周囲を強力な大名に囲まれ、政治力が必要とされる場面での人材不足。

    #切ない

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    2023年06月04日
  • 横浜1963<文庫版>

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    母方の実家が横浜にあったので、子供の頃にマリンタワーへ連れて行ってもらった記憶が蘇る。題名通り、作品の舞台は1963年の日本。敗戦国の名の下に米軍統治下となった横浜で起きた連続女性殺人事件に挑むのは混血の刑事・ソニー沢田と日系三世の米軍SP・ショーン坂口のバディ。ミステリーとしての目新しさは全くないが、ギミック一切なしの直球なハードボイルドが胸をすく。どちらの国にも根を張れない二人の目を通した当時の日米関係や港町の情景描写が秀逸。あとがきにて著者は将来の日米関係に想いを馳せるが、見通しは決して明るくない。

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    2020年11月27日
  • もっこすの城 熊本築城始末【電子特典付】

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    戦国末期の世の中の動きを加藤清正を通して、築城という独特な切り口から描く。

    石垣の積み方や築城方法など興味深いし、朝鮮出兵時の半島各地での攻防など、本書で始めて知った。

    数多の城を築きながら早逝する藤九郎の愁嘆場で物語を閉じるのがよかったのかはわからない。

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    2020年11月24日
  • 巨鯨の海

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    捕鯨漁で生計を立てていた地域の人々の短編小説集。

    死が近くにあり、掟に厳しい中での人びとの生き様を書いている。短編小説だけど、各ストーリーにしっかりと重みがあって、読み応えがあった。練りに練った伏線や読者を驚かせるようなカラクリがある訳では無いけど、読んでいても苦にならない、そんな小説でした。

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    2020年10月03日
  • 武士の碑

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    西南戦争をモチーフとした作品で1870年代のパリを交わらせる試みは非常に興味深かった。

    一方で西南戦争自体の描写は惰性で読んでしまった感が否めない。その理由には、史料が多く残りすぎているために描写や展開に遊びが見られず入りこめなかったこと、そもそもの戦争の大義名分や意義に共感ができなかったりことがあると思う。

    古い武士の誇りと言えば綺麗なものだが、勝てる見込みもないのに大志ある若者の命を犠牲にし続ける西郷以下の幹部たちはリーダーと言えるだろうか。結果として、本戦争が士族の不平反乱を終わらせたという歴史的意義はあるものの、非常に苦い後味だった。

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    2020年10月03日
  • 北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録

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    歴史の結末は分かっていても、義を通した者が敗れ、滅びるのはやはり後味が悪い。作者が言いたかったことは何か、戦国にも現代にも通じる世の中の理不尽さか。

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    2020年09月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    戦国時代、群雄割拠の中、最後のフィクサー

    ただただ世の中の静謐を求め続けた芸術家……
    信長により見出だされ、秀吉とともに没することに。
    表の顔は秀吉、心の顔は宗易、利休

    お互いの領域を越えることなく、着実に静謐に近づく先にあるのは、乱世か太平か?

    茶の湯を通し、天下を手にした利休……ここにあり。
    最後に手にしたものは何だったのか。

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    2020年09月08日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    武田信玄の野望に翻弄された北信濃の国衆を須田満親の目を通して描いた作品。
    他の本との併読で読み終わるのに時間がかかってしまったが、クライマックスの第四次川中島の戦いはおもしろかった。

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    2020年08月30日
  • 茶聖【電子特典付】

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    茶聖、千利休が世の静謐を求めるため、秀吉と時に強調しつつも、徐々に疎んじられついに死を賜るまでを描いている。最初に茶の湯の影響力がどこまで腑に落ちるかで、話の納得感が違ってくるわけで、私の場合はなかなか素直に読めない点があった。しかし、場面場面の展開や新たな解釈は納得できる面もあり、500頁を超えていても、きっちり読み進めることができたのは、安定の伊東節ゆえでしょう。

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    2020年08月22日
  • 黎明に起つ<文庫版>

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    読み終えた時の第一印象は、「戦の多い歴史小説だったなあ」というバカみたいな感想だったりする。応仁の乱から戦国時代へ。北条早雲を主人公とした『黎明に起つ』という歴史小説は、理想のために戦い続けた武将の物語です。

    家と政治の思惑が絡み合う中、将軍、足利義正の弟である義視の元に仕えることになった、12才の新九郎(後の早雲)。しかし何の運命の悪戯か、その立場から実兄と対峙し、結果兄を自らの手で殺してしまう事態に。

    政治と権力、そして様々な思惑が「魔」として跋扈する京を離れた新九郎は、家系が代々治める領土に戻るが、運命は再び新九郎を京へ呼び戻し……

    伊東潤さんの歴史小説はいずれも漢くさいというか、

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    2020年08月18日
  • 茶聖【電子特典付】

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    利が秀吉とがっぷり四つに組み,生涯を駆け抜けた.詫びの真髄があちこちで語られ,お茶の黎明期とも言える物語.

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    2020年08月09日
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>

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    北信濃の国人、須田満親目線から描いた川中島の合戦記。
    こういう渋い人選は、歴史小説ファンには堪らない。
    それぞれの武将にドラマがある。

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    2020年08月05日
  • 黎明に起つ

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    戦国時代の到来とともに現れた武将北条早雲の一代記。
    後の関東の覇者北条氏の礎を築いた、成り上がりの武将ながら、他の武将と比べ暗いイメージがないが、その理由が彼の生き様から感じられる。

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    2020年07月27日
  • 黎明に起つ

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    いわゆる北条早雲、伊勢宗瑞、早雲庵宗瑞。
    源平の昔より連綿と続いた武士の世が終わりを告げ、新しき時代が始まるとき。
    足軽雑兵が入り乱れる戦国時代の先駆けとして、時代を駆け抜けていく早雲。
    三浦道寸との因縁、争いに、最後の武将達の生き様が見られ、感動的でした。

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    2020年05月17日
  • 走狗

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    ネタバレ

    「もう昔の山出しじゃありませんから」
    自分の考えを持たず引き立てられた人
    にとことん尽くす走狗
    彼の悲劇は、自分が走狗を使う側に移っ
    たと錯誤したため、何時までも走狗扱い
    をする大久保に対して判断誤りが出た事

    川路利良は城下士という下層武士らしい
    彼は上士層から蔑まれる立場のようだ
    薩摩では更に下層の身分があり、外城士
    (郷士)は、半農半士として謂れのない
    差別を受け事だろう

    小説は学者の描く世界と異なり、動機を
    持つ人間が知っている行動(笑)をとる
    ま、この先知ってる~、という自己満足

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    2020年04月19日